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Transformer, Diffusion Modelを用いた 衛星画像Hack! (AWS GPUインスタンスで地理情報系画像生成AIサービスは有効か?) 2024年11月

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会社紹介 商 号 :株式会社オービタルネット 設 立 :2018年4月 資 金:5,300万円 所 在 地 :名古屋市中区大須四丁目13-16 代 表 :代表取締役 CEO 小林 裕治 正 社 員 :5名 事業内容:FOSS4Gソリューション事業 AIソリューション事業 (役員除く)

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QGISプラグインにおいて、CADで使用するような一連の線と図形の描画、トリ ムやハッチングなどの加工、 カテゴリー分類・色・太さの属性編集、およびDXF 形式の図形を大きさ・位置・角度を指定して描画することを実現しました。 事業内容:FOSS4Gソリューション事業  図化ソフトウェア  固定資産情報管理システム GISの機能追加というよりも特定の業務にフォーカスした支援システムの開発がメイン GISが使いこなせなくても使用できるような作りこみ

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事業内容:AIソリューション事業 清水建設様 鉄骨高力ボルト締め付け自動検査のDX事例 AWS GPUインスタンスを使用した当社初めてのAI Webサービス シンプルなWebインターフェイスで 現場でもスマートフォンで簡単操作 これまでの目視・筆算による検査時 間を1/10以下に!

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それでは本題に・・・ 前半: 衛星画像(空中写真)+画像生成AIを使用した地物のオート・マッピングの概要 後半: 上記推論工程をAWSで構築しWebサービスが成り立つかどうかの試行錯誤の実状 注: ※Transformer や Diffusionモデル を使用したAIの実装については、面倒臭いので画像生成AIとひとくくりで表現します ※時間の関係上、AIについてはアウトプットのみとし、技術的な内容については言及いたしません。別の機会に詳しくご紹介します ※衛星画像の超解像画像は公開できないため、超解像化したものを元の解像度に縮小したものを添付しています。

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画像生成AIによる処理 =短期間で広範囲 衛星画像による撮影 =短期間で広範囲 × = つまり、超短期間で最新のマッピングができるということ! 衛星画像×画像生成AIの特徴

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(衛星画像・空中写真画像) • GeoTIFF • WorldFile付き画像 • xyzタイル画像※ 弊社における画像生成AIと地理空間情報の関係 セグメンテーション・マスク画像 Pixel座標→地理座標 画像 位置情報 地理空間情報 (GeoJSON、シェープファイル等) 画像生成AI GDAL OpenCV ※任意のレベル・タイル範囲で動的に接合

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画像生成AIを使用した各種マッピング(建物) GEOSPACE CDS LEVEL18 Image (C) NTTインフラネット, Maxar Technologies 2020年(令和2年)行政活動情報・航空写真 半田市、CC-BY4.0国際(https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja/)

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GEOSPACE CDS LEVEL18 Image (C) NTTインフラネット, Maxar Technologies 2020年(令和2年)行政活動情報・航空写真 半田市、CC-BY4.0国際(https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja/) 画像生成AIを使用した各種マッピング(道路)

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画像生成AIを使用した各種マッピング(白図)

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Satellite Image ©2021 Maxar Technologies 画像生成AIを使用した各種マッピング(道路中心線)

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Satellite Image ©2021 Maxar Technologies 画像生成AIを使用した各種マッピング(駐車場)

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日本全国のソーラーパネルのAI判読も実施 Satellite Image ©2021 Maxar Technologies

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衛星画像の鮮明化・超解像処理 画像が不鮮明であったり建物のエッジがぼやけている場合が あるので、25cm解像度の空中写真に匹敵する、建物の エッジが鮮明なセグメンテーションに適した画像を生成 インスタンス・セグメンテーション Transformerベースの画像生成AIを用いて、建物のセグ メンテーションを行い、建物と背景画像のみの画像を生成 ポリゴン化 GDALまたはOpenCVを用いて、建物セグメンテーション 画像から、建物ポリゴンデータを生成し、GeoJSONまた はシェープファイル形式で保存する 50㎝解像度の衛星画像(WorldView2)から 建物ポリゴンデータの生成を例に・・・ ① ② ③ 衛星画像の鮮明化・超解像処理 画像が不鮮明であったり建物のエッジがぼやけている場合が あるので、25cm解像度の空中写真に匹敵する、建物の エッジが鮮明なセグメンテーションに適した画像を生成

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衛星画像(非圧縮)の鮮明化・超解像処理について

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Satellite Image ©2021 Maxar Technologies 50cm解像度衛星画像(非圧縮) 超解像化したものを原寸に縮小(50㎝) ※衛星画像の超解像画像は公開できないため、超解像化したものを元の解像度に縮小したものを添付しています。

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Satellite Image ©2021 Maxar Technologies 50cm解像度衛星画像(非圧縮) 超解像化したものを原寸に縮小(50㎝) ※衛星画像の超解像画像は公開できないため、超解像化したものを元の解像度に縮小したものを添付しています。

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Satellite Image ©2021 Maxar Technologies 50cm解像度衛星画像(非圧縮) 超解像化したものを原寸に縮小(50㎝) ※衛星画像の超解像画像は公開できないため、超解像化したものを元の解像度に縮小したものを添付しています。

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不可逆圧縮(JPEG圧縮)にも対応! 厄介なモスキートノイズを除去し画像を再現 Satellite Image ©2021 Maxar Technologies ×1 超解像化したものを原寸に縮小 ※衛星画像の超解像画像は公開できないため、超解像化したものを元の解像度に縮小したものを添付しています。

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Satellite Image ©2021 Maxar Technologies 50cm解像度衛星画像(不可逆圧縮) 超解像化したものを原寸に縮小(50㎝) ※衛星画像の超解像画像は公開できないため、超解像化したものを元の解像度に縮小したものを添付しています。

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Satellite Image ©2021 Maxar Technologies 50cm解像度衛星画像(不可逆圧縮) 超解像化したものを原寸に縮小(50㎝) ※衛星画像の超解像画像は公開できないため、超解像化したものを元の解像度に縮小したものを添付しています。

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50cm解像度衛星画像(不可逆圧縮) Satellite Image ©2021 Maxar Technologies 超解像化したものを原寸に縮小(50㎝) ※衛星画像の超解像画像は公開できないため、超解像化したものを元の解像度に縮小したものを添付しています。

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50cm解像度衛星画像(不可逆圧縮) Satellite Image ©2021 Maxar Technologies 超解像化したものを原寸に縮小(50㎝) ※衛星画像の超解像画像は公開できないため、超解像化したものを元の解像度に縮小したものを添付しています。

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とりわけ拡散モデルはGPUメモリを爆食いするため、 1枚あたり500px*500px 以内に分割して推論を行い出力後に合成する。 画像の継ぎ目の部分は目立たないよう接合調整している

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Satellite Image ©2021 Maxar Technologies 大きいサイズの画像も1枚に接合して出力 セグメンテーションの入力画像が出来上がる ×1 超解像化したものを原寸に縮小

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広大な衛星画像のセグメンテーションも、継ぎ目なく1枚のマスク画像として出力

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セグメンテーション・マスク画像→ポリゴン化(GDAL)

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セグメンテーション・マスク画像→ポリゴン化(OpenCV)

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ポリゴン化した地物はGeoJSONまたはシェープファイル形式で出力

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このような推論用の実行環境と受託生産を クラウド環境でWebサービス化したい・・・ まずは、第1工程の衛星画像の超解像・鮮明化処理で評価・検 証 入力:衛星画像(50cm解像度) 出力:ベクターマップ (仮称)Auto-Mappingサービス

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画像生成 AIライブラ リ 前処理・後処理プログラム 地理空間系ライブラリ 学習済 ネットワーク モデル Docker イメージ デプロイ クラウド環境(AWS)への移行イメージ 将来的にはSageMakerで推論用アプリを実装することを想定

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AWSを使用した衛星画像超解像サービスのイメージ

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g4dn.12xlarge(NVIDIA T4 GPU×4VM)を使用した実装

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通常のWebサービスと違い、GPUインスタンスが必須となるため、 推論サービスを不特定多数に提供する場合、 処理時間や分散処理など運用面での課題が多い さらに広域な衛星画像はより多くの推論時間が必要になる GPUインスタンスを使用したAuto-Mappingサービスの課題

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スケールアップ及びスケールアウトによる対応と課題  スケールアップ • p4d.24xlarge (A100×8) オンデマンド 32.77 USD/h (5,000円/h) 360万円/月 • P5.48xlarge (H100×8) オンデマンド 98.32USD/h (15,000円/h) 1,080万円/月 • 高速処理が可能で処理時間短縮に伴い、キューの待ち時間も短縮される • そもそも本来LLMや画像生成AIの学習用途に利用されるもの • 非常に多くのサービスの利用者が見込まれるか、高額な利用料が前提となる  スケールアウト • g4dn.12xlarge オンデマンド 3.912 USD/h 43万円/月 × 複数インスタンス • 複数のGPUインスタンスを立ち上げておき、ロードバランサー等でリクエストを振り分ける • 複数アクセスには対応できるが処理時間は短縮できない • いずれにしても利用者(リクエスト)の状況がわからないため必要数の判断が難しい • 動的にスケールアウトも可能。キャパシティ予約(有料)が必要(SageMakerでは未対応→EC2) 一般的なWebサービスと比較して、何れも時間単価が桁違いに高額なため、 それに見合う高額なサービス利用料が成り立つかが判断基準となる

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 スケールアウト (動的) • 10k㎡の処理に3時間程度かかるため、5分~10分のインスタンス起動時間は気にならないのではないか? それなら安価なEFSでよいかも・・・ • 後工程のセグメンテーションとベクタライズ処理は超解像ほど処理時間はかからないのでこの線でいけるかも。 • いずれにしてもユーザーが衛星画像をアップして、処理が終了したらメールなどで通知という流れになる。  初回実行の完了時間(462×424ピクセルの画像) 通常: 約29分 EFS利用: 約9分 fast snapshot restore利用: 約6分 現在、進捗はここまでです。 1. webUIからリクエスト受信後、アラームを生成してスケールアウト処理を開始(1~2分、CloudWatch) 2. AMI(Amazonマシンイメージ)でインスタンスを起動 3. リクエスト処理開始(画像分割、モデルのロード、超解像処理、画像の統合) 初回実行時はファイルを同期しながらモデルをロードする必要があり、処理効率が非常に低下するため、 EFS(Amazon Elastic File System)または fast snapshot restore を使用して処理を高速化する必要がある。

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AWSを使用した衛星画像超解像サービスのイメージ (Auto-Scale)

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まとめ  衛星画像×画像生成AIを使うことで超短期間でマッピングが可能  衛星画像を用いたセグメンテーションは前工程に超解像処理が必要  衛星画像など広範囲の推論は時間がかかり、クラウドサービスではGPUインスタンスが必須  GPUインスタンスは処理能力に比例して高価になる。一般的なWebサービスと比較してサー ビス料も高価になる。マッピングサービスはその価値があるのか需要を見極める必要がある  とりあえず動的なスケールアウトで対応してみることにした

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ご清聴ありがとうございました!