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© 2024 LayerX Inc. 経営・意思・エンジニアリング CTO, @y_matsuwitter

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目次 Agenda ● 私とLayerXについて ● 本テーマの背景 ● 経営ということについて ● 最後に

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私とLayerXについて

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© 2024 LayerX Inc. 4 全ての経済活動を、デジタル化する。 会社概要 会社名 株式会社LayerX(レイヤーエックス) 代表取締役 代表取締役CEO 福島 良典 代表取締役CTO 松本 勇気 創業 2018年 8月1日 資本金 約132.6億円 拠点 東京本社 〒103-0012 東京都中央区日本橋堀留町1丁目9−8 人形町PREX 中部支社 〒453-6111 愛知県名古屋市中村区平池町4-60-12 グローバルゲート 関西支社 〒530-0003 大阪府大阪市北区堂島1-1-5 関電不動産梅田新道ビル 九州支社 〒810-0801 福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1 アミュプラザ博多 従業員数 250名 (2023年12月末日時点)

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© 2024 LayerX Inc. 5 「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げ、 法人支出管理サービス「バクラク」や企業内業務のデジタル化を支援するサービスを提供しています。 事業紹介 バクラク事業 企業活動のインフラとなる法人支出 管理(BSM)SaaSを開発・提供 Fintech事業 ソフトウェアを駆使したアセットマネジメ ント・証券事業を合弁会社にて展開 AI・LLM事業 文書処理を中心とした、LLMの活用による プロセスのリデザイン

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© 2024 LayerX Inc. 6 請求書処理、経費精算、稟議申請、法人カードなどの支出管理を なめらかに一本化するサービス。 電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応し、 業務効率化と法令対応の両立を実現します。 大手企業や地方企業、自治体など、累計10,000社に導入。 バクラク事業 事業紹介 ハタラクを、バクラクに。

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© 2024 LayerX Inc. 7 三井物産株式会社等との合弁会社として 「三井物産デジタル・アセットマネジメント」を設立。 創意工夫とデジタルの力をもとに、 資産運用の様々な「負」を解決し、預金のまま活かされない、 膨大な「眠れる銭」を経済活動に還流していきます。 個人向け投資サービス「ALTERNA」、 不動産運用業務DXサービスなどを開発・運営。 Fintech事業 事業紹介 目覚めた銭が社会を変える。

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© 2024 LayerX Inc. 8 LayerX創業時から取り組んできた研究開発力を活かし、 企業や行政内に眠っているデータの 活用・業務効率化の支援を目指す組織。 大規模言語モデル(LLM)を用いた 文書処理効率化ソリューションを始めとして、 AIをソフトウェアに自然に組み込み、 圧倒的に良い体験でエンタープライズ規模の課題を解決します。 AI・LLM事業 事業紹介 AI・データ関連の先端技術を研究し、 プロダクト開発する組織。

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Confidential © 2022 LayerX Inc. 9 自己紹介 松本 勇気 (@y_matsuwitter) 株式会社LayerX 代表取締役CTO 株式会社三井物産デジタル・アセットマネジメント取締役 日本CTO協会 理事 Fintech事業及びAI・LLM事業、全社の技術組織の管轄 趣味は筋トレ、料理、LLM

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本テーマの背景 これまでの私の仕事の話

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© 2024 LayerX Inc. 11 キャリアのスタートから今に至る約12年間、ほぼずっとCTOとして経営・組織・技術に向き合ってきました。 これまで一貫してCTOをやってきました 本テーマの背景 職歴 〜2012年 小さなスタートアップ3社、CTO等 2013年 Gunosy CTO 2018年 DMM.com CTO 2021年 LayerX 代表取締役CTO 取り組んできたこと ● CTO業 ○ マネジメント、技術的意思決定、予算策定、 プロダクト推進…etc ● エンジニア ○ インフラ、バックエンドからフロントまで ● データサイエンティスト ○ 広告エンジンや推薦エンジンの設計・開発 ● 新規事業開拓(LLM・VR・Blockchain…etc) ● 人事(採用、評価・報酬等の制度設計) ● 労務、総務、情シス、経営管理 ● 企業買収・出資・立て直し ● 非営利団体立ち上げ・運営...etc

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© 2024 LayerX Inc. 12 数人のスタートアップから数千人の大企業、現在取り組んでいる急成長期のベンチャーまで様々な組織を管轄 する中で、エンジニアかつ経営者であることについて考えてきました。 その中で私の感じたこと 本テーマの背景 ソフトウェア的思考は経営に活きる ● 組織設計やソフトウェア設計と事業設計は相似的 である。 ● アジャイル的な改善プロセスはソフトウェアの有無 に関わらず有効。 ● システム監視と経営管理は似ている。 ● 事業は不確実性の塊だが、SRE的な思考と似た ものとして捉えられる。 …etc ここ3年ほど、経営の考え方をnote のマガジン「ソフトウェアと経営」で言 語化を続けてきました。

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© 2024 LayerX Inc. 13 CTO、すなわち技術者であることに立脚した経営者というあり方を通じて、ソフトウェア開発の延長に経営が あるということを知ってもらいたい。 今日伝えたいこと 本テーマの背景 ● Tech LeadやEMと少し向きの違う、経 営者というあり方 ● CTOが経営にいることで得られる、組織 の「楽しさ」 ● こうした視点の発見から皆さんの今後の キャリアにCTOという選択肢を作りたい エンジニア Tech Lead Engineering Manager この差分は?? CTO, 経営者

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経営ということについて エンジニアとして見た経営の姿

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© 2024 LayerX Inc. 15 サマリ: CTOの経営は3つの変数、4つの制約のエンジニアリング 経営ということについて 事業 組織 技術 お客様 提供価値 社員・仲間 幸福・自己実現 投資家 収益性・成長性 社会 長期・持続的、善 3つの変数 4つの制約 ソフトウェア・エンジニアリングの思考で全体設計 継続的な事業成長を生み出す

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© 2024 LayerX Inc. 16 良い意味の「楽しい」とは、一人ひとりのやりたいこと、会社の目指す先、ポジションが上手くフィットした状 態。楽しい状態が最高のパフォーマンスを生み出し、目指す世界により素早くたどりつける。 大切な私の前提:皆の「楽しい」が大切 経営ということについて 仕事の難易度 ミッション・ビジョン ・目的への共感 自身のキャリア貢献 チームへの貢献 ゴールの明瞭さ 健康・人生 楽しい 最高のプロダクト 持続性ある事業 強いチーム

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© 2024 LayerX Inc. 17 事業・組織・技術の3つのアーキテクチャを同時に成立させ、お客様・投資家・社員・社会の4つのステークホル ダーを満足させる必要がある。この中で、一人ひとりの「楽しい」を成立させる。 「楽しい」を実現するために技術経営者の考えている事 経営ということについて 事業 組織 技術 お客様 提供価値 社員・仲間 幸福・自己実現 投資家 収益性・成長性 社会 長期・持続的、善 CTO以外も 関わる領域

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© 2024 LayerX Inc. 18 経営においてはお客様、社員・仲間、投資家、社会の4つの関係者の要求を持続的に満たすことが必要。 4つのステークホルダーの目線 経営ということについて お客様 顧客提供価値、すなわち事業やプロダクトを通じて自身の課題を持続的に解決し てくれる状態を求める。 社員・仲間 仲間一人ひとりの自己成長やキャリア目標の達成、自己実現の場であることを求 め、また家族を含む関係者全員の幸せな生活を求める。 投資家 投資時の事業計画を達成できるという信用・コミットメントと、それを通じて他と 比較してより高い投資対効果・リターンが持続的に生まれることを求める。 社会 倫理規範や環境の持続性に配慮しながら、社会的に受け入れられる事業体である ことを求める。

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© 2024 LayerX Inc. 19 関係者の目線を踏まえながら、目指す世界を作り上げるには事業・技術・組織それぞれの設計が必要。3つの 設計は相似的であり、ズレ=負債となる。技術を事業の添え物にしない。 3つの相似的アーキテクチャ 経営ということについて 事業の設計 解くべき課題とその解決策を、経済 的に持続する形で実現する。スター トアップにおいては持続的成長も求 められる。 事業構造を、どのようなモジュール に分解できるか考え、それぞれのモ ジュールの負うKPIを整理しモデル として表現するイメージ。

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© 2024 LayerX Inc. 20 関係者の目線を踏まえながら、目指す世界を作り上げるには事業・技術・組織それぞれの設計が必要。3つの 設計は相似的であり、ズレ=負債となる。技術を事業の添え物にしない。 3つの相似的アーキテクチャ 経営ということについて 事業の設計 解くべき課題とその解決策を、経済 的に持続する形で実現する。スター トアップにおいては持続的成長も求 められる。 事業構造を、どのようなモジュール に分解できるか考え、それぞれのモ ジュールの負うKPIを整理しモデル として表現するイメージ。 ソフトウェア設計 組織設計 事業設計を満たせるプロダクトやそのOps を支える仕組みをソフトウェアで作り出す。 事業とソフトウェアを持続的に開発・成長さ せ、一人ひとりが楽しく仕事するための組織 構造とルールを作る。 一体設計する

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© 2024 LayerX Inc. 21 ベースに事業があり、4つのステークホルダーの制約のもとで事業のあり方に従い組織とソフトウェアを設計 する。重要なポイントとしては事業構造、不確実性の探索、スケーラビリティの3つ。 アーキテクチャを決める構造 経営ということについて 価値を作る 業務プロセスとモジュール 事業はどのような業務プロセスで 成立しているか。価値がお客様に届 くまでの全工程をどのように実現 しているか。 それぞれの工程をどのチームやソ フトウェアモジュールが管轄してい るか。それぞれの責務とは。

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© 2024 LayerX Inc. 22 ベースに事業があり、4つのステークホルダーの制約のもとで事業のあり方に従い組織とソフトウェアを設計 する。重要なポイントとしては事業構造、不確実性の探索、スケーラビリティの3つ。 アーキテクチャを決める構造 経営ということについて 価値を作る 業務プロセスとモジュール 不確実性 スケーラビリティ 上記を達成する 組織・ソフトウェアのあり方の探求 事業はどのような業務プロセスで 成立しているか。価値がお客様に届 くまでの全工程をどのように実現 しているか。 それぞれの工程をどのチームやソ フトウェアモジュールが管轄してい るか。それぞれの責務とは。 何を知り、何を知らないか。業務プロセ スの勘所や、事業上より深掘りすべき価 値の源泉は何か。正しい設計の確信度。 何にリソースを最も投下して成長させる 事業なのか。その生産性を決めるものは なにか。拡大の勘所。

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© 2024 LayerX Inc. 23 3つのアーキテクチャは相似的、同様の見方でソフトウェア的に設計が出来ると感じている。技術だけが特別 ではない。事業・技術・組織をソフトウェア的に設計 = 経営のソフトウェア・エンジニアリング。 事業全体をソフトウェア的に設計・運用できる 経営ということについて Markting Inside Sales Field Sales Customer Success 事業を構成する モジュール例

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© 2024 LayerX Inc. 24 3つのアーキテクチャは相似的、同様の見方でソフトウェア的に設計が出来ると感じている。技術だけが特別 ではない。事業・技術・組織をソフトウェア的に設計 = 経営のソフトウェア・エンジニアリング。 事業全体をソフトウェア的に設計・運用できる 経営ということについて 権限・責務設計 健全性指標 インターフェイス 設計 自動化・xOps どのモジュールや組織がどの業務 に責務を持ち、何をアウトプットと するか。権限移譲の設計。 各モジュールが十分ワークしてい る状態はどのように観測できる か、可観測性。 各モジュール間はどのようなやり 取りか。プロトコルは設計されて いるか。 人とソフトウェア・AIの区分は適 切でありスケールするものか。 Markting Inside Sales Field Sales Customer Success 事業を構成する モジュール例

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© 2024 LayerX Inc. 25 横軸・支援 横軸・支援 複数事業、1事業も複数プロダクトなコンパウンドスタートアップであり、これを支える横軸の支援組織を重視 して組織・プロダクトを実装。 LayerXの構造 経営ということについて 例:バクラクにおける組織(左)、ソフトウェア構造(右) プロダクトチーム群 Enabling Biz組織 Platform Engineering DevOps Product 機械学習 QA Design プロダクトチーム群 プロダクトチーム群 Product Product ID・共通管理系 OCR 基盤 layerone マイクロサービス群

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© 2024 LayerX Inc. 26 短期で稼ぐではなく、長期的で難しい未来の問いに向けて挑戦するからこそ、これまでの型の上に新しい当た り前となっていくような技術や仕組みを取り入れる。それが成長にもつながり楽しい仕事になる。 長期的であるほど、技術的にも楽しい 経営ということについて 短期的成果への重力 ● 売上・利益偏重 ○ 何も考えず数字を求 めるのは悩みが減る ● 甘いマネジメント ○ 厳しい事言わないほ うが、評価甘いほう がラク ● 粗悪に作る ○ 品質を捨てて納期と スコープを守る

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© 2024 LayerX Inc. 27 短期で稼ぐではなく、長期的で難しい未来の問いに向けて挑戦するからこそ、これまでの型の上に新しい当た り前となっていくような技術や仕組みを取り入れる。それが成長にもつながり楽しい仕事になる。 長期的であるほど、技術的にも楽しい 経営ということについて 短期的成果への重力 ● 売上・利益偏重 ○ 何も考えず数字を求 めるのは悩みが減る ● 甘いマネジメント ○ 厳しい事言わないほ うが、評価甘いほう がラク ● 粗悪に作る ○ 品質を捨てて納期と スコープを守る 抗う原動力は ミッション・ビジョン 達成するために、新しい当たり前に向き合い続ける LayerXの例 事業:コンパウンドスタートアップ 組織: Team Topology、徹底した全員リファラル 技術: Enabling、LLM…etc

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© 2024 LayerX Inc. 28 経営者の意思があって、初めて長期的取り組みや、外れた意思決定、辛い取り組みができる。優等生的・常識 的意思決定は事業成長に繋がらず結局皆不幸になる。長期の難しい意思決定が楽しいを生み出せる。 根幹は意思、意思を持ってソフトウェア・エンジニアリングし続ける 経営ということについて 経営は辛いことも多い 支えるのは「意思」 ● 全ては自分が決める、全ては自己責任 ● 関係者全員の満足行く意思決定にならないこ ともしばしば ● 時に無茶とも思える意思決定も求められる 葛藤し続け長期的・持続的な成長を作る 結果、長く続く楽しいが生み出せる、と信じる

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最後に

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© 2024 LayerX Inc. 30 ● ソフトウェアは企業の中で、事業・組織と密接に関連しながら設計され るモジュールの一つである。 言語とそれが生み出す構造の力は我々ハッカーが一番わかっているかもしれない。LLMが更に可能性を見せ てくれた。エンジニアリングから一歩足を踏み出して事業や経営をハックしよう。 ソフトウェア以外もソフトウェア・エンジニアリングしよう 最後に ● より良いソフトウェアは、その外側と関わりあう中で生まれていく。 ● 自分の領域から一歩踏み出して、自分の事業とは?事業をより良くす るために何が?といったはみ出た視点に挑戦してみよう。 ● Tech Lead / Engineering Managerの延長を超えて、経営をす るCTOというキャリアも楽しいですよ。

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© 2024 LayerX Inc. 31 複数事業・複数プロダクトの中で急成長しているチームです。日々沢山の困難と新しい当たり前への挑戦があ ります。一緒に開発しませんか。 LayerXで一緒に開発しませんか 最後に こんなトピックにご興味ある方、カジュアルにお話しましょう。 ● プロダクトマネジメント、爆速開発 ● Monorepo, Microservices, Enabling Team ● CTO経験者だらけのチームってどういうこと? ● 小さな組織、多数のプロダクトチーム ● 機械学習、LLM、生成AI

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© 2024 LayerX Inc. 32 We are hiring! LayerXのプロダクトメンバーと美味しいお酒やご飯を囲み ながら、プロダクトやチーム、技術の話をゆる〜く行うイベン トを定期的に行っています。 直近の予定は以下のとおりです。 日程 テーマ 2/13(火) 19時ごろ〜 🥤ご当地フルーツジュース Night 2/26(月) 19時ごろ〜 🍺クラフトビール Night LayerX Casual Night ※原則招待制となっております。このあとの懇親会でお声がけください! LayerX Casual Night LayerX Open Door 事業部・テーマ別にカジュアル面談を公開しています。 アカウント登録は一切不要です! ・メンバーと話してみたい ・質問したいことがある ・選考に進むか悩んでいる などなど、お気軽にお申し込みください。

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ご清聴ありがとうございました