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2024/12/05 ふるさと納税が「お得」から 「地域創生」に向かうためのプロダクト戦略

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2 平野 一生 株式会社トラストバンク チョイス事業本部 プロダクト統括部 プラットフォーム推進部 部長 担当:ふるさとチョイス アプリ / 検索・推薦 大阪府門真市出身 株式会社NTTデータと株式会社ZOZOでシステム開発とプロジェクトマネジメントを経験。趣味 のサーフィンを通じて地域での暮らしに触れ、地域課題解決におけるテクノロジーの可能性を 実感し、株式会社トラストバンクに入社。現在は、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」の検索 ・推薦領域とアプリ領域のプロダクトマネジメントを担う。検索・推薦領域では、ユーザーの回遊 体験改善や機械学習を用いたユーザーナーチャリングに取り組み、アプリ領域ではユーザー のアプリ移行や全面リニューアルなどを推進している。

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⽬指すは⾃⽴した持続可能な地域をつくること。 ビジョンを実現するための⼿段として既存事業の拡⼤とともに、新規事業の⽴ち上げにも⼒を⼊れています。 3

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4 ふるさと納税事業 ふるさと納税総合ポータル ふるさとチョイス 現在は 76万点

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5 ふるさと納税事業 多角化するふるさと納税 ふるさとチョイスが連携する1700+自治体、76万点の返礼品を ホワイトレーベル & モール/アプリに展開しユーザ獲得チャネルを多角化 ホワイトレーベル展開(OEM) モール/スーパーアプリ展開 ふるさと納税OEMプラットフォーム 


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ふるさと納税事業 ふるさとチョイスの 3つのサービス 課題解決への資⾦調達 GCF (ガバメントクラウドファンディング) ふるさとチョイス 災害⽀援 災害時の資⾦調達 ふるさとチョイス 地場産業の発展

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7 ふるさとチョイス オープン ふるさと納税市場 令和5年度には全国のふるさと納税の受入額が約 1兆1,175億円に

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8 ふるさと納税市場 多くのユーザーが返礼品にメリットを感じて、ふるさと納税を行う

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9 3,000円(3割) 返礼品 2,000円(2割) 事務費 5,000円(5割) 自治体に残る ポータル手数料 事務費 広告費 送料 …etc ex. 10,000円の寄付 ふるさと納税市場 ユーザーの寄付額のうち、自治体には 50%が残る

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10 3,000円(3割) 返礼品 2,000円(2割) 事務費 5,000円(5割) 自治体に残る 3,000円(3割) 返礼品 6,000円(6割) 自治体に残る 2,000円(2割) 返礼品 1,000円(1割) 事務費 7,000円(7割) 自治体に残る ユーザーを獲得する リピートにより マーケティング費用が減る ストーリーへの 共感により返礼品割合が減る 1,000円(1割) 事務費 課題設定 自治体はファンを作ることで手残りが増える

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11 課題設定 ストーリーに共感した寄付の例

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12 ユーザーニーズに寄り添うなら、 EC化を志向すべき ○ これを推し進めると、ユーザーと地域は返礼品での繋がりとなり、地域そのものへのロイヤ ルティが形成されづらい 地域に寄り添うなら、地域に関するコンテンツをもっと推すべき ○ これを推し進めると、ユーザーのふるさと納税の期待と異なるプロダクトとなる 返礼品を探しやすく 地域のファンを作る ユーザー 自治体 課題設定 プロダクトは、返礼品探しの利便性と地域のファン化を両立させる必要がある

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13 ● これまでどちらかというと、自治体目線に立ち「地域のファンを作る」ことを優先してきたプロダ クト戦略の中で、どのようにユーザーの返礼品探しの期待と両立しているのか ● 抽象化すると、ユーザーニーズとそれに反する思想をどのように1プロダクトで表現しているの か ● そのHOWとしての、 ○ ユーザーナーチャリングの概念導入 ○ 情報アーキテクチャのリプレイス ○ 機械学習によるパーソナライズ ● について発表します 本日お話する内容 ふるさと納税が「お得」から「地域創生」に向かうためのプロダクト戦略

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14 返礼品を求める多くのユーザーのユーザビリティを阻害せず、 お得⇒地域貢献に態度変容させる プロダクトが為したいこと

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15 ⚠現在進行中で改修中のため、 情報が現在と一致しない部分があります これまでのプロダクト戦略

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16 これまでのプロダクト戦略 1セッションの中で、ふるさと納税が寄付行為であることを認識してもらう体験設計

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17 返礼品を探す 認知:地域から返礼品を探す 意図:地域情報を探す 認知:使い道から返礼品を探す 意図:どんな使い道があるかを探す これまでのプロダクト戦略 情報構造の最上位から返礼品は寄付する軸のひとつ

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18 これまでのプロダクト戦略 ファーストビューに返礼品を出さない

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19 あくまで寄付なので、 ショッピングを連想する「カート」は使わずに「寄付するリスト」と表現 これまでのプロダクト戦略 ショッピングを連想する「カート」は使わない

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メリット ● すべてのユーザーが、ふるさと納税が寄付行為であることを認識づけれられる ● ふるさと納税の意義から逆算すると正しい体験である デメリット ● ふるさと納税の返礼品がもらえるというというイメージからのギャップがでるため、小難しい ユーザー体験となる ● 寄付意識の醸成と、返礼品探しの利便性のバランスが難しい 20 これまでのプロダクト戦略

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21 お得 特産品 体験 応援 ふるさとチョイスの体験回数 地域への意識 ふるさと納税が「お得」から 「地域創生」に向かうためのプロダクト戦略 ふるさとチョイスを複数セッションで利用してもらい、 徐々に地域貢献意識を高めてもらう体験の設計

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22 ● これからの説明にある、パーソナライズによるユーザーナーチャリング、コト体験型寄付への 推進などを考慮するとネイティブアプリの利用を促進する方が良いと考えています ○ パーソナライズの基礎となる様々なログデータの取得 ○ PUSH通知やバッジによる日常的なサービスの利用など ● 上記から、ふるさとチョイスはアプリへの移行を進めており、前年比で2倍程度のユーザーが WEBからアプリ利用に移住してくれています これ以降はふるさとチョイス全体ではなく、 ふるさとチョイスアプリの体験設計の話をします 前段:アプリシフト

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23 お得 特産品 体験 応援 ふるさとチョイスの体験回数 地域への意識 「お得」:簡単便利な返礼品選び

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24 1. 情報構造の刷新 2. LLMを用いた対話型の返礼品探し 「お得」:簡単便利な返礼品選び お得 特産品 体験 応援

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25 ● ユーザーは返礼品を探しに来るという前提で、TOPページから即座に返礼品探しをスタートで きるようにしたい ● さらに、税のメリットを受けるために来訪する人も多いため、特定のものを探しに来る訳ではな い 「お得」:簡単便利な返礼品選び 情報構造の刷新:モチベーション お得 特産品 体験 応援

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26 チョイス 返礼品を探す 地域を探す 使い道を探す ランキング 特集 イベント カテゴリ からさがす フリーワード 検索 返礼品 ランキング 自治体 ランキング 返礼品 特集 自治体 特集 改善前 チョイス 地域から探す 使い道を探 す イベント 能動検索 地域情報 返礼品 自治体 ランキング 自治体 特集 削除 受動検索 カテゴリ 検索 フリーワード 検索 ランキング 特集 …etc 「お得」:簡単便利な返礼品選び 情報構造の刷新 改善後 お得 特産品 体験 応援

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27 チョイス 地域から探す 使い道を探 す イベント 能動検索 地域情報 返礼品 自治体 ランキング 自治体 特集 削除 受動検索 カテゴリ 検索 フリーワード 検索 ランキング 特集 …etc 開いて即返礼品探しを始められ るように第一階層に持ってくる ・どんな返礼品があるか分からない ・どんな返礼品がほしいか分からない ような受動的な検索ニーズに応えられる TOPページに変更 ある程度検索ニーズが明確な人に対し て、イメージ通りの挙動になるよう変更 例:地域を探す ⇒ 地域から返礼品を探す ユーザーの期待とギャップがあ るものを削除 「お得」:簡単便利な返礼品選び 情報構造の刷新 お得 特産品 体験 応援

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28 「お得」:簡単便利な返礼品選び 情報構造の刷新:【ピックアップ】受動的検索 ↓ 改善前 ↓ 改善後 お得 特産品 体験 応援

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29 情報構造の刷新 ● リリース前後で返礼品詳細ページへの到達率が+10%改善 ● 検索一覧結果への到達率が+9%改善 ● CVRが+10%改善 「お得」:簡単便利な返礼品選び ユーザーニーズに直視して改善を行った結果、大幅な指標の改善が図れた お得 特産品 体験 応援

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30 お得 特産品 体験 応援 ふるさとチョイスの体験回数 地域への意識 特産品・体験などの地域ならではの返礼品 :パーソナライズを用いた提案

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31 1. CVRとセレンディピティを向上させる機械学習モデル 2. モデルに良い判断をしてもらうためのフック作り 特産品・体験などの地域ならではの返礼品 :パーソナライズを用いた提案 お得 特産品 体験 応援

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32 1. ユーザーの返礼品の閲覧, 寄付傾向などからオススメのカテゴリを推薦するCTR, CVR最適 化のモデル 2. 過去に寄付したカテゴリを除いた状態で、オススメのカテゴリを推薦するCTR, CVR最適化の モデル • カテゴリにおけるセレンディピティの向上を目指したモデル 特産品・体験などの地域ならではの返礼品 :パーソナライズを用いた提案 CVRとセレンディピティを向上させる 2つの機械学習モデルを運用中 お得 特産品 体験 応援

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33 1回目 閲覧 履歴 寄付 2回目 3回目 肉 牛肉 豚肉 いくら 牛肉 いくら 花火大会 牛肉 CVなし 推薦 米 牛肉 魚貝 いくら 旅、グルメ CVRのみを最適化しにいくなら 1,2回目の 情報から「いくら」「牛肉」の順で推薦したく なるが、牛肉はすでに寄付経験があるの で旅を推薦しにいく CVR モデル 発見性 モデル 特産品・体験などの地域ならではの返礼品 :パーソナライズを用いた提案 ふるさとチョイスを複数回利用すると、 特産品・体験などのより地域を感じられる提案をする イメージ お得 特産品 体験 応援

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34 ● ふるさと納税は毎日開くサービスではなく、12月に駆け込みで。というユーザーも多いので、 無駄なコミュケーションによりCVRを落としたくない ○ 簡単便利な返礼品選びから反してしまう ● 情報収集⇒提案の順ではなく、提案⇒情報収集の順にしたい 特産品・体験などの地域ならではの返礼品 :パーソナライズを用いた提案 モデルに良い判断をしてもらうためのフック作り:モチベーション お得 特産品 体験 応援

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35 ファーストビューに見える位置にさりげな くあるよアピール。チラッと見えるように なっている。コンテンツとして強いランキ ング横に配置 特産品・体験などの地域ならではの返礼品 :パーソナライズを用いた提案 誘導したい返礼品をチラ見せし、これを見ると次回推薦されやすくなる お得 特産品 体験 応援

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36 ● 特産品や、コト体験型返礼品にすごく寄付されているかというと、道半ば ● 一般的に強いカテゴリを2つ並べた場合と比較し、CTRは30%上がっている ○ サービス全体としての改善効果ではなく、パーソナライズされた箇所での改善効果 特産品・体験などの地域ならではの返礼品 :パーソナライズを用いた提案 モデルの精度や誘導の成果は上々。ただし、なかなかコンバージョンには至らない お得 特産品 体験 応援

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37 お得 特産品 体験 応援 ふるさとチョイスの体験回数 地域への意識 応援したい地域が生まれる

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38 1. 地域情報を集約したメディア 応援したい地域が生まれる お得 特産品 体験 応援

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39 ● 「ユーザーと返礼品」の繋がりだけでなく、「ユーザーと地域」で繋ぎたい ● そのユーザーが関係人口、定住人口となるのが理想 ● ふるさとチョイスは、その基礎となるコンテンツを多数持っているが、 ○ 階層が深く見つけにくい ○ 色々な場所に点在しているので、意識的に探しにくい 応援したい地域が生まれる 地域情報を集約したメディアの新設:モチベーション お得 特産品 体験 応援

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40 応援したい地域が生まれる 地域情報を集約したメディアの新設 お得 特産品 体験 応援 チョイス 返礼品を探す 地域を探す 使い道を探す ランキング 特集 イベント カテゴリ からさがす フリーワード 検索 返礼品 ランキング 自治体 ランキング 返礼品 特集 自治体 特集 改善前 チョイス 地域から探す 使い道を探 す イベント 能動検索 地域情報 返礼品 自治体 ランキング 自治体 特集 削除 地域を探す 受動検索 カテゴリ 検索 フリーワード 検索 ランキング 特集 …etc 改善後

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41 自治体をお気に入りすれば 自分好みのリストを作れることで、お気に入 りを促す ページを分けたことにより コンバージョンポイントを前に持ってこれた サイトの奥底に埋もれていた情報を フックアップすることができた 応援したい地域が生まれる 地域情報を集約したメディアの新設 お得 特産品 体験 応援

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42 ● このページに来た人と、そうでない人での平均自治体お気に入り数が38%向上 ● ただし、このページに来る人は限られている 応援したい地域が生まれる 地域情報を集約したメディアの新設 お得 特産品 体験 応援

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43 お得 特産品 体験 応援 ふるさとチョイスの体験回数 地域への意識 返礼品の探しやすさと、地域とのつながりを両立させるために ● ナーチャリングシナリオを作成し ● まずはユーザーの期待通りのユーザビリティを作る ● パーソナライズによって、徐々に誘導をかけていく 返礼品の探しやすさに特化した 検索体験の提供 パーソナライズを行い 徐々に地域ならでは返礼品にシ フトするように誘導 地域情報のメディアを展開し 地域をもっと知る ふるさと納税が「お得」から 「地域創生」に向かうためのプロダクト戦略

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44 さいごに

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45 プロダクトマネージャー /エンジニア職種 積極採用中! エンジニア プロダクトマネージャー

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