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© 2024 Loglass Inc. FAST導入ドキュメンタリー 2024.10.09 南部 豪 〜導入の苦悩とログラスの強さ〜

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© 2024 Loglass Inc. Profile 南部 豪 株式会社ログラス エンジニア 新卒未経験から、検索機能を強みとしたWEBアプリの開発を行う会社でフルス タックエンジニアとしてキャリアをスタート。 その後、SaaSビジネスに興味を持ち株式会社カケハシに転職。エンジニアチー ムのリードとしてスクラムの導入なども行う。 1社目の縁で2023年9月にログラスに入社。チームのリードとして機能開発を する傍ら、E2Eや非同期処理など、横断的に使用できる基盤を作る。 直近では、生産性向上のために開発組織はどうあるべきかなどにも興味を持っ てチームにFASTというスケーリングフレームワークを導入した。 Go Nambu

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© 2024 Loglass Inc. 00 前提情報

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© 2024 Loglass Inc. FASTの流れ(簡易版) ● ValueCycleと呼ばれるイテレーションを回す ○ 2日周期くらい ● ValueCycleの切れ目にFAST MTG ○ 前サイクルの同期 ○ BigPicture(ゴール)の確認 ○ 次サイクルのアイテム出しとアサイン https://www.fast-agile.com/method

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© 2024 Loglass Inc. ログラスのFAST導入の流れ 1. スケーリング議論の後、組織にFASTを導入することが決定 2. 各チームに先行導入 ○ 各チームで懸念事項が見えた 3. チームを統合し、組織全体FASTに移行 ○ 各チームで見えた懸念が引き継がれているので対策を考えた上で統合できた

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© 2024 Loglass Inc. Contents 1. チームに導入を決めるまで 2. チームへの導入 3. 導入後の変化 4. 開発組織への導入 5. 現在地点と改善に向けて

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© 2024 Loglass Inc. 01 チームに導入を決めるまで

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© 2024 Loglass Inc. 01|チームに導入を決めるまで 導入前のスクラムチーム ● 人数 ○ 11人 ■ 直近入社の人が多い ● 担当開発エピック ○ 3つ ■ コンテキストが大きく異なる ■ 状況的に同時にやらないとならない ● 担当機能領域 ○ インプット・アウトプット領域以外全て ● 運用タスク ○ 問い合わせ対応 ○ アラート対応 ■ 機能領域が広いので1日数件はある ○ SSOの設定 ■ MTG時間含めて1人が1日は潰れる

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© 2024 Loglass Inc. 01|チームに導入を決めるまで チームの1週間(イメージ) ● 午前はMTG ● 週に6-8時間は固定MTG ● 1on1も各自ある ● オンボーディング・運用もある

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© 2024 Loglass Inc. プランニングやリファインメント を2チームにしたり 優先度を無理につけようとしたり うまくいっていない感

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© 2024 Loglass Inc. FAST

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© 2024 Loglass Inc. これだ!!!

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© 2024 Loglass Inc. 01|FAST導入前の状況と課題感 チームへのFAST持ち込み ● 課題の共有とどうしたいか

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© 2024 Loglass Inc. 01|FAST導入前の状況と課題感 チームへのFAST持ち込み

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© 2024 Loglass Inc. 01|FAST導入前の状況と課題感 チームへのFAST持ち込み 課題解決できんのかい?

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© 2024 Loglass Inc. HOWが先に来てた・・・

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© 2024 Loglass Inc. 01|チームに導入を決めるまで チームへのFAST再持ち込み ● 提案と課題がどう解決されるか ● @レトロスペクティブ FASTやります

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© 2024 Loglass Inc.

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© 2024 Loglass Inc. 02 チームへの導入後

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© 2024 Loglass Inc. 02|チームへの導入後 スケジュールの整理 ● スクラムイベントの時間の一部をFAST MTGにマッピング ○ SprintReview -> 第1部 ○ Planning -> 第2部・第3部 ● レトロスペクティブの代わりに振り返りの会 ○ FASTにはないが、全体でPDCAを回したい ○ OST形式で行う 固定のMTGは2時間程度に 各チームで必要なMTGを行う

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© 2024 Loglass Inc. 02|チームへの導入後 FAST MTGをやってみた 1. 第1部:何をしてどうなったか? - 文章と口頭だけだと追いつけない - 全体感に対して現在地がどこかわからない 2. 第2部:何を目指しているのか? - ゴールがわからない - チームOKRとも異なりそう 3. 第3部:今何をすべきなのか? - 前サイクルで行っていたアイテムが引き継がれる - 特にアイテムに対して議論が行われない

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© 2024 Loglass Inc. 02|チームへの導入後 FAST MTGをやってみた 1. 第1部:何をしてどうなったか? - 文章と口頭だけだと追いつけない - 全体感に対して現在地がどこかわからない 2. 第2部:何を目指しているのか? - ゴールがわからない - チームOKRとも異なりそう 3. 第3部:今何をすべきなのか? - 前サイクルで行っていたアイテムが引き継がれる - 特にアイテムに対して議論が行われない チーム分けてるのと変わらん

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© 2024 Loglass Inc. 会議減っただけじゃん

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© 2024 Loglass Inc. 02|チームへの導入後 どんなチーム・組織にしたいのか?(VPoEと相談) ● 複数の職能を持ち、学習できる適応的な状態 ○ 機能領域をまたいだ開発に強くなりたい ○ 複数領域の職能のケイパビリティを獲得したい ● 事業戦略の変更・組織の成長に柔軟な状態 ○ スタートアップの急激な変化に対応したい 個々人の領域視野を広げる 事業戦略を目指す意識づけ

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© 2024 Loglass Inc. 02|チームへの導入後 どうしたら理想状態に近づけるか?(アジャイルコーチと相談) ● 各エピックの全体感が掴めない ○ ディスカバリーツリーを使う ○ 可視化・進捗がパッと見でわかる ● ゴールがわからない ○ PdMとチームOKRとは別で目指す先を定める ● アイテムに対する議論が生まれない ○ 前サイクルをただ引き継ぐのを禁止 ○ アイテム数を制限する

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© 2024 Loglass Inc. 03 導入後の変化

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© 2024 Loglass Inc. 03|導入後の変化 ポジティブな変化 ● 開発時間が増加し、PR作成数も向上 ○ 開発のスピードも向上した ● 自分が行うべきタスクが明確になり、アウトプットが出せるようになった ○ 自分が触れないアイテムを深く理解する必要がなくなった ● 担当のタスクに対し、責任感が強まったり、領域が広がった ○ 今まであまり触れてこなかったチーム外とのやりとりも行うようになった

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© 2024 Loglass Inc. 03|導入後の変化 組織の状況 ● 全チームでのFAST試験導入が完了 ● それぞれのチームでメリットも懸念も上がってきている おや!?開発組織の様子が・・・

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© 2024 Loglass Inc. 04 開発組織への導入

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© 2024 Loglass Inc. 04|開発組織への導入 FAST推進チームの迅速すぎる動き ● メンバー追加募集 ● FAST手引書を作成 ● CSとの連携方法合意 ● チーム時代の運用アイテム方針 ● FAST MTGスケジュール ● コードオーナーをどうするか ● ...etc 8/7 => 8/20の間で移行準備完了

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© 2024 Loglass Inc. 05 現在地点と改善に向けて

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© 2024 Loglass Inc. 05|現在地点と改善に向けて 改善のサイクルが回せている ● フロー効率を適度に向上したい ○ 1サイクルで行うアイテム数の制限 ○ 1人アイテムの禁止 ● 技術的負債解消・投資にコミットしたい ○ 開発合宿の実施(数サイクルを強制的に費やす) ● 全体のゴールを詳細に把握したい ○ PdMと語らう会を実施

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© 2024 Loglass Inc. 05|現在地点と改善に向けて 個人的に良いと思っていること ● リソース配置に対する議論 ○ 人数を追加すれば早く終わるアイテムに対して今追加しなくていいのか? ○ 想定より遅れていそうなアイテムに対して人を追加しなくていいのか? ● 開発スピードと引き換えに品質を落とさないような議論 ○ シフトレフト・シフトライトの推進 ● 今まで触れてこなかった領域に飛び込むメンバーがいる ○ 複数領域のケイパビリティを獲得しつつある

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© 2024 Loglass Inc. 05|現在地点と改善に向けて 個人的に懸念していること ● 「優先度」が気にされすぎている ○ アイテム数を制限するなら、アイテムの優先度をつける必要がある ○ 各自が優先度を判断してアジャストできるといいが、難しいのでPdMに毎度聞かれている ● 各チームの同期が充足していないかもしれない ○ 背景や状況が全くわかっていないアイテムがありそう ● 全体感の側面が2面あり、判断が難しいことが効いてきている ○ プロダクトビジョンから落とした際の現状 ○ 足元のお客様のニーズに答え、売上をあげることを考えた現状

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© 2024 Loglass Inc. 05|現在地点と改善に向けて 目指す先とそれに向けて ● メンバーそれぞれが全体を把握し、今行うべきアイテムを出せる状態 ○ 継続的な全体アイテムの理解の浸透 ○ 現在の状況(顧客の温度感など)への理解を深める ■ PdMに都度共有してもらう仕組み作り ● 出されたアイテムに対して、自分はどこに行くべきか都度考えられる状態 ○ 各アイテムに対するキャッチアップ体制の向上 ■ アイテムを細かく切り出し、突発的に入る人も速やかにワークできるように ○ 第1部の共有時間を増やすor第1部だけ頻度をあげる FASTに踏み切れるログラスならできるはず!

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© 2024 Loglass Inc.