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レビュアーとして 成長するには エンジニアのためのスキルアップ勉強会#1 「妥協しないコードレビュー」 橋本遼太(hassy)

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今回話すこと レビュアーとして、早く成長する方法 新人プログラマは自分の成長方法の一例として ベテランの方は若手の育て方の一例として 参考にしてもらえればと思います

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橋本遼太( はっしー)/hassy X(Twitter): @samayou12 1996/12/21 生まれ(26 歳) 出身地 名古屋生まれ→ 川崎育ち→ 岡山市(2022/10~) 趣味 サウナ、読書、音楽、ゲーム、外で飲む事、競馬、 服、サイクリング 前職 Youtube 広告ディレクター → 個人営業

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自分のスタート地点 2022 年4 月にソニックガーデン入社 情報系の学校を出たわけでもなく、未経験でプログラマになった 文系学部出身(一般教養でruby, python, LISP, MATLAB をやった程度) 情報系のバックグラウンドがなく、そもそも何が良いコードかわからない!

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もくじ なぜレビュアーとして成長するべきか 1. レビュアーとして、どう成長するか 2. コードレビューをしよう 3.

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なぜレビュアーとして成長するべきか 1.

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二つの理由 チームに貢献できる プログラマとしての力が伸びる

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チームに貢献できる

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チームに貢献できる 新人のうちはどうしても頼ることが多い でも「頼られてこそ頼れるし、頼ってこそ頼られる」 give されたなら、give を返そう 新人にとってもコードレビューはgive する手段の一つになる →give できていれば、頼る時も申し訳なさが減る

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チームに貢献できる(自分のためにも) 自分の場合 自分が貢献できていない時に頼るのって申し訳ない でも、早く聞けば一発で終わることも多い 自分に貢献意識があれば遠慮なくさっさと聞けた チーム貢献が自分のためになった

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プログラマとしての力が伸びる

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プログラマとしての力が伸びる 悪いコードの例 DRY なプログラムでなく、プロジェクト内に同じコードが何ヶ所もある hiduke = 12 のような、わけのわからない変数がある 世の中にはいいコードと悪いコードがある

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プログラマとしての力が伸びる 「機能を実装する」「メンテナンスしやすく機能を実装する」 この二つの間には大きな隔たりがある 世の中にはいいコードと悪いコードがある

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プログラマとしての力が伸びる レビュアーとして成長する ⇩ 「良いコード/ 悪いコード」が分かるようになっていく ⇩ ひいては良いコードが書けるようになっていく

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レビュアーとして 成長しよう!!!

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2. レビュアーとして、どう成長するか

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Q. どうすればレビュアーとして成長できるの?

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A. 技術書とレビュー

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レビューの大前提 自分の持っている引き出しでしか指摘ができない。 ⇩ 引き出しをいかに多く、すぐに取り出せるようにするかが大事

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技術書を読む

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方法1: 技術書を読む 技術書は引き出しを増やす効果が高い

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方法1: 技術書を読む 技術書は筆者がある分野について、情報を体系的にまとめた物 ⇩ その分野についての引き出しを、広く体系的に習得できる

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方法1: 技術書を読む( 注意点) 本には読むための要求ステータスがある。 ⇩ いかに名著であっても、いきなり理解できるかは別 背伸びしすぎると効率が悪い ※ 一年後に読み返して、内容が腑に落ちたということが普通にある

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技術書を読む( 実例)

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方法1: 技術書を読む( 実例) ネットで「エンジニアは読むべき」 と書かれていたので買った ⇩ 入社直後の自分では読めなかった ⇩ 一年後読み直してみたら、 読めるし面白く感じた

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方法1: 技術書を読む( 実例) 一方で、レビュー指摘されたことが あることも多く書かれていた ⇩ 本を読んでいれば早く気がつけたことも多かったはず ⇩ 最適な読むタイミングがあるはず

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技術書を読む、最適なタイミング 本を理解できない まだ読むべきではない 本を楽しく読める すでに知っていることが多いから「楽しい」 ⇩ 自分の場合は、「理解できるが、読むのが少し苦しい」 くらいの頃に読むのが一番良さそう

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レビューを受ける/ 読む

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方法2: レビューを受ける 題材が自分のコード ⇩ 自分が“ 今” 必要な引き出しを増やしてくれる 自分のコードの悪い点を改善できる

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方法3: レビューを読む 題材がチーム、会社のコード ⇩ チームのコードの価値観がわかる 量が多いので、多くインプットできる 同じ間違いを事前に防げる

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レビューを受ける( 実践編)

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レビューを受けるだけの時から、 レビュアーとしての成長は始まっている

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レビューを受ける( 実践) レビューをもらったら、まず意味を理解しよう

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「修正します」だけではダメ レビューを受けて初めの頃は、修正して終わりにしてしまうことがある ⇩ なぜそうなのか?を理解したり議論することが大事

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「修正します」だけではダメ Q. 内容を理解しろってことでしょ?

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「修正します」だけではダメ A. そうだけど、それが新人には難しい......

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「修正します」だけではダメ レビュアーにとっては当たり前過ぎて、伝える必要がな いと思っている情報がある(可能性がある) そもそも、何がわからないのか伝えないとレビュアーは 何を教えるべきかわからない なぜ難しいのか

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「修正します」だけではダメ つまり、レビューのコメントはいつも完全な物ではなく、 時には自分で情報を取りに行く必要がある ⇩ 分からなかったら、コミュニケーションをとろう。 わかった気になって終わるのは止めよう

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「修正します」だけではダメ そして、「なぜ?」まで理解して落とし込めれば応用が効く ⇩ 逆に言えば、「なぜ?」まで落とし込めないと、 単なる一対一対応の間違い探しから抜け出せない

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「修正します」だけではダメ もし可能であれば最初の頃は 対面、zoom などリアルタイムでレビューを受けると良い ⇩ テキストで質問するより、時間がかからない エディタの使い方や、ショートカットなどプログラムだけで はわからない改善点を教えてもらえる

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3. コードレビューをしよう

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小さく始めよう いきなり全部やろうとするとパンクする、かも知れない

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小さく始めよう 例えば、自転車の練習をするときどうしたか? ⇩ まずは補助輪使ったり、足をつけて地面を蹴るところから始めるはず

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小さく始めよう(失敗例)

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小さく始めよう(失敗例) 新人僕「とりあえずコードを読んで気がついたことを指摘しよう!」 ⇩ 全部読もうとするが、少しづつ集中力が落ちる ⇩ 最終的にはコードが目を滑っていく......

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小さく始めよう(失敗例) 15 分後

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小さく始めよう(失敗例) こうならないためには?

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まず、1 行でわかる事から始める '( シングルクォート) 、 "( ダブルクォート) を使い分けているか ファイルの最終行は改行で終わっているか puts やconsole.log のようなデバッグ用コードが残っていないか Article.writers.each のような時にorder をつけて順番を担保でき ているか こういう点は、その1 行のみで独立しているので、単なる間違い探しとして発見できる

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引き出しからすぐ取り出せるように 何度も指摘していると、コードレビュー時に自然と気がつくように ⇩ オートモードになるので、他の部分に意識が割ける ⇩ 引き出しの量だけでなく、スピードも上がっていく

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1 行から複数行へ 1 行でわかることを意識することに慣れる ⇩ 自然と複数行のコードもレビューできるようになっているはず

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設計、メンテナンス性はどうなる 本で読んで知識を入れるのも良い ⇩ でも結局、DRY にしておくことの良さとか、 読みにくいコードのクソさを実感しないと必要だと思えない ※ 多くの人間は、必要だと思うまで本当の意味で認識できない

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設計、メンテナンス性はどうなる 自分でアプリを1から作ってメンテナンスをする ⇩ クソコード/ クソ設計に困ってキレるので、 次回から気をつけるようになる

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わからないなりに、貢献する方法

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「ここがわかりにくい」 良いコードとは理解しやすいコード ⇩ 新人でも理解できるコードであれば、理解しやすいコード ⇩ 「ここがわかりにくい」というコメントも役にたつ

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終わりに

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終わりに 結局、「本読んでコード書いてレビューもらってレビューして」 これをやった分だけ伸びていく 今日の話はその効率を上げるための話にすぎない

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終わりに ただ、間違いないのはプログラマという職業は プログラミングという面では、努力が成果に結びつきやすい だから成長している実感が持てて楽しい 逆に言うと、成長している実感があれば楽しめると言うこと

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終わりに 今日の話が、皆さんが停滞を打ち破り、楽しく成長するための ひとかけらのヒントになれば嬉しく思います