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©2024 Kyash Inc. ©2024 Kyash Inc. 目安箱の設置とワークさせるポイント 2025/03/27 (木) 2025春のジンジニアMeetup! Kyash Inc. @konifar

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©2024 Kyash Inc. 2 前置き 自分が主導している話ではありません ● "組織開発部" というチームで、各部署から選出されたメンバーが主導しています ● 自分から見てある程度機能しているように見えるので、何がよいのかを客観的に話します

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©2024 Kyash Inc. 3 前置き ワークしていないところもあります ● 「めちゃくちゃ上手くいっていて全く問題ない最高!」 みたいな状態ではありません ● せっかくなのでワークしていないところも少し話します

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©2024 Kyash Inc. ©2024 Kyash Inc. 目安箱とは 4 4

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©2024 Kyash Inc. 5 目安箱とは ● 「目安箱」 (めやすばこ) ● 1721年 (享保6年) に、江戸幕府8代将軍 徳川吉宗 (とくがわ よしむね) が設けた意見箱 ● 享保の改革 (きょうほうのかいかく) の一政策として、庶民の意 見、不満を拾い上げ、政策に反映するために設けられた ● 貧しい人や身寄りのない人が無料で治療を受けられる小石川養 生所や、 知識ごとの消防組織である町火消などが生まれた

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©2024 Kyash Inc. ©2024 Kyash Inc. Kyashでの導入のきっかけ 6 6

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©2024 Kyash Inc. 7 "組織開発部" の立ち上げがきっかけ

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©2024 Kyash Inc. ©2024 Kyash Inc. 目安箱、 形骸化しがち問題 8 8

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©2024 Kyash Inc. 9 形骸化するポイントが多い 何を書けば よいかわかる どこに投げれば よいかわかる 投げたあと反応 がある 投げたあと放置 されずに進む 改善したあと感謝 される わかる わかる ある 進む される 何も投稿がなくなり形骸化 投稿のハードルを超えられず形骸化 投げる気がなくなり形骸化 投げても無駄と思われて形骸化 「またやろう」、「私もやろう」 という数が 増えずに形骸化 「もっとやろう」 のよいループが ここで初めて生まれる わからない わからない ない 進まない されない 「どの粒度で何を投げたらいいのかわからない」 「馬鹿な意見だと思われたら嫌だな」 「どこでどうすればいいんだっけ?」 「めんどくさいからもういいや」 「そもそも投稿ってあるの?」 「あれって投げても意味あるんだっけ?」 「反応はあったけど結局動いてないよな」 「投げても何も変わらないからなあ」

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©2024 Kyash Inc. ©2024 Kyash Inc. 形骸化させないポイント 10 10

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©2024 Kyash Inc. 11 形骸化させないポイント - 前提 やりきり続ける覚悟を持って運営することのみ💪 ● 前提として、 投稿のハードルを下げ、 認知活動をし続け、 投稿されたら反応し、 物事を動かして いくことでしか解決しない ● 色々な HOW はあるが、結局それを凡事徹底してやり続けるかどうかのみ。 銀の弾丸はない

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©2024 Kyash Inc. 12 やりきる覚悟ができなかった時 過去に検討はしたが、 やらない判断をしたこともあった

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©2024 Kyash Inc. 13 形骸化させないポイント - HOW 自分が感じる大事な HOW は2つ 1. 組織化し、責任者を決めること 2. 経営レベルの意思決定者が運営に入ること

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©2024 Kyash Inc. ©2024 Kyash Inc. 1. 組織化し、責任者を決めること 14 14

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©2024 Kyash Inc. 15 1. 組織化し、責任者を決めること ワークさせるためにやるべきことは多い。 ● 定期的に確認して振り返りを行う会議体を作る ● Slackや全社集会でメンバーに何度も呼びかける ● 投稿後に気づけたり盛り上がったりする仕組みを作る ● どう進めるか、あるいは進めないかを決めて反応する ちゃんとやるなら組織化して業務として取り組むべき

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©2024 Kyash Inc. 16 投稿の負担を減らす

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©2024 Kyash Inc. 17 実現したら周知してよいループを作る

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©2024 Kyash Inc. 18 人事を巻き込んで規定を変える

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©2024 Kyash Inc. 19 実現したら感謝を伝えるムーブメントを作る

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©2024 Kyash Inc. 20 仮に投稿の要望が叶わない結果だとしても、 放置しない

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©2024 Kyash Inc. 21 結果として回答が放置されてしまっていた例

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©2024 Kyash Inc. 22 1. 組織化し、責任者を決めること こういった取り組みは組織化してやるほうがうまくいく。 むしろ組織化しないと継続できない。

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©2024 Kyash Inc. ©2024 Kyash Inc. 2. 経営レベルの意思決定者が運営に入ること 23 23

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©2024 Kyash Inc. 24 江戸時代の目安箱は徳川吉宗のトップダウン ● 目安箱は施錠されたまま江戸城へ運ばれ、 徳川吉宗自身が ただひとつの鍵で箱を開け、 訴状を取り出していた ● どの意見を採用するかは徳川吉宗が判断していた

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©2024 Kyash Inc. 25 2. 経営レベルの意思決定者が運営に入ること ● 経営レベルの意思決定者が入っていないと、物事が進めにくくなる ● 進めにくいと放置される ● 結果として 「言っても無駄」、 「このレベルの話を投稿してもいいんだっけ?」 という状態になる 動しにくい物事は放置される

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©2024 Kyash Inc. 26 技術的負債の解消祭りをやっていく提案 経営メンバー 実はこの投稿は複数人での雑談がきっかけ。 「それ目安箱に投げましょうよ」 というワードが出ていたらワークしている状態と言える。

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©2024 Kyash Inc. 27 会社の方針に関わる内容にも明確に答えて放置しない

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©2024 Kyash Inc. ©2024 Kyash Inc. (最後に) そもそも目安箱があるべきなのか 28 28

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©2024 Kyash Inc. 29 江戸時代の目安箱がいつなくなったか ● 1869年、明治維新後には訴状で公議所に提出する決まりとして、1873年に完全に廃止 ● もともと役人の不正を監視する目的もあったが、 適切な報告場所が設置された ● 一般市民の声が伝わるレポートラインが近代化に伴ってアップデートされたということ

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©2024 Kyash Inc. 30 そもそも目安箱があるべきなのか ● 幕府 ⇔ 庶民 のように声を届けにくい関係性では必要なこともある ● 一方で、 会社組織の中では本来は適切なラインでレポートできる状態が望ましいとも言える ● 組織規模や状態をよく見て、 「いま目安箱という仕組みで拾うべきなのか」 はよく考えた方がよい ○ Kyashの場合、 組織状態を鑑みて "組織開発室" が作られた ○ 今は ”組織開発室” が拾って組織全体をよくしていくべきいう判断のもとで、 「誰に相談して いいかわからないこと」 や 「マネージャーでも動かしにくいけど大事な話」 などを拾う方針な ので、 目安箱という仕組みが必要ではあると考えている

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©2024 Kyash Inc. ©2024 Kyash Inc. ありがとうございました!