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拡大するマルチプロダクトSaaSの顧客理解に デザイン組織はどう取り組んでいるか 開発推進部 プロダクトデザイン課 マネージャー 小林 肇 開発推進部 プロダクトデザイン課    今村 沙穂理

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登壇者紹介 開発推進部プロダクトデザイン課 マネージャー 小林 肇 2003年にラクスにエンジニアとして入社。 いくつかのプロダクトの開発、マネージャーを経て、 2012年からデザインチームのマネージャーをしてい ます。プロダクトデザイン課はラクスの全プロダクトの UI/UXを横断的に担当しています。横断組織として 個々のプロダクトのUI/UXの向上と、チーム力強化 の取り組みに励んでいます。 開発推進部プロダクトデザイン課 今村 沙穂理 2023年ラクス入社。 大学卒業後5年間カスタマーサポートや営業事務を経 験した後、デザイナーに転身。前職では自社メディア の機能開発を企画〜デザイン〜フロントエンド開発ま で幅広く担当。ラクス入社後は楽楽精算のプロダクト デザイナーとして、顧客への提供価値向上に日々取り 組んでいます。 2


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1. プロダクトデザイン課とは ・組織の特徴 ・デザイナーの役割 ・組織のこれまで 2. 顧客理解に力を入れている理由 3. 顧客理解のためのアプローチ 4. 理解の深まった事例 5. 今後の展望とチャレンジ アジェンダ 3


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プロダクトデザイン課とは 4


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プロダクトデザイン課とは 組織の特徴 ・デザイナー10名でプロダクト8つを担当する横断組織 ・普段は担当プロダクトごとに、PdMやエンジニア・企画・CSとコミュニケーションをとっている ・横断組織の強みを活かすため、ドメインが近いプロダクト同士で情報交換している 5


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プロダクトデザイン課とは チームのMission プロダクト開発の中心となり、 顧客課題を解決する優れたUXを生み出す 6


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プロダクトデザイン課とは デザイナーの担当業務 ・UI/UX設計 ・Figmaの整備 ・UIルールの整備 ・UXライティング ・ときにはユーザビリティテスト → 顧客課題を解決するUI/UXを設計するためには、「顧客理解」と「ドメイン知識」が重要 7


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プロダクトデザイン課とは 組織のこれまで 8
 チーム設立当初 現在 拡大期

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プロダクトデザイン課とは 組織のこれまで (1 → 3名) ・最初のデザイナーを採用 ・UIルールは無いに等しい ・見よう見まねで改善提案を行う 9
 チーム設立当初

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プロダクトデザイン課とは 組織のこれまで (3 → 7名) ・デザイナーが7名程度に拡大 ・仕様の理解に重点を置く ・UIのルールを少しずつ整備 ・細々としたUIの依頼の対応に追われる ・下請け的な仕事が多い 10
 拡大期

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プロダクトデザイン課とは 組織のこれまで (7 → 10名) ・Missionの設定 ・顧客要望の理解に取り組む ・徐々に上流に関わるようになる ・要件定義フェーズから徐々にデザイナーが参画 11
 現在

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プロダクトデザイン課とは 12
 設立当初から深い顧客理解が課題だった。 ・顧客とはどんな人なのか ・どんな業務をしていて何に困っているのか ・顧客とドメインの理解に全員で本気で取り組む

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顧客理解とドメイン理解 13


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顧客理解とドメイン理解 「顧客理解」と「ドメイン理解」に力を入れている理由 プロダクトデザイン課のMission 「プロダクト開発の中心となり、顧客課題を解決する優れたUXを生み出す」 顧客課題を解決する優れたUXを生み出すためには、 「顧客」と「ドメイン」を深く理解することが重要。 14


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顧客理解とドメイン理解 顧客理解の重要性を感じた失敗例 顧客の使い方を理解しないままUI刷新しようとして、リリース直前で中止 楽楽精算の新機能でボタンが増えて画面に収まりきらない可能性があり、 ボタンの配置を横並びから縦並びに変えて、リリース直前だった。 一部顧客に変更内容を伝えたところ大クレームになり、急遽機能をクローズ。 楽楽精算の社内マニュアルを個社で用意していて差し替えなければならないのが クレームになった理由。 要因: 顧客の利用状況の理解が足りなかった 15
 事例

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顧客理解とドメイン理解 顧客理解の重要性を感じた成功例 請求書のフォーマットを共通化し、カスタマイズできる仕様にしたことで受注が増えた 初期の楽楽明細は、個社の請求書を正確に再現して発行していた。 請求書を正確に再現するには設定コストがかかり、新規契約が増えても利用開始まで設定待ちに なっていた。何件もの顧客ヒアリングによって、請求書の共通点を見つけ出し、汎用的なフォーマッ トを用意し、ユーザー自身でカスタマイズできる機能をつけたことで受注数を増やすことができた。 要因: 顧客ヒアリングによって機能改善の糸口がみつかった 16
 事例

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顧客理解とドメイン理解 ・前提となる基礎知識の獲得 ・簿記、法律(インボイス制度、電子帳簿保存法、etc) ・見込み顧客の課題理解 ・商談同席や商談動画の視聴、失注理由の把握 ・導入中、導入後の顧客の課題理解 ・CSのオンボーディング動画の視聴、顧客とCSとのメール内容の把握、解約理由の把握 ・業務内容の深い理解 ・経理業務の見学やインタビュー 17


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顧客理解とドメイン理解 効果を感じた取り組み 18
 1 経理業務の 見学 2 法律の理解 3 商談動画の視聴・ インタビュー

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顧客理解とドメイン理解 効果を感じた取り組み 1. 経理業務の見学 ・座学 ・インタビュー ・業務の見学 19


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顧客理解とドメイン理解 20


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顧客理解とドメイン理解 21


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顧客理解とドメイン理解 効果を感じた取り組み 2. 法律の理解 ・インボイス制度 ・電子帳簿保存法 ・簿記 22


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顧客理解とドメイン理解 効果を感じた取り組み 3. 商談動画の視聴、インタビュー ・顧客の具体像のイメージを持つ ・顧客の関心事を知る ・顧客の視点で、具体的な製品の長所/短所の指摘を知る 23


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顧客理解とドメイン理解 今後やっていきたいこと 顧客理解の取り組み強化 理解度UP:一次情報から顧客のイメージをつかむ 理解度の平準化:初期学習プログラムの強化 24


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顧客理解とドメイン理解 顧客やドメインの理解を自分ごととして 実感できることがとても重要 25


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顧客理解とドメイン理解 顧客理解とドメイン理解が深まることのメリット ・関係者と顧客価値の目線を合わせられる ・議論が無駄に発散しない ・MustとNice to haveの切り分けがしやすくなる 26


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顧客理解とドメイン理解が深まることのメリット ・プロダクトの競争力強化 他社プロダクトとの差別化要因にもなる 最後に 27


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最後に これからも、デザイナーが自分ごととして、 顧客理解を深める取り組みを継続し、 課題解決の品質を高めていきたいと思います。 28


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ご清聴ありがとうございました。 29