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ICH S8 免疫毒性研究 1 2020/11/21 Ver. 1.0

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ガイドラインの概要 免疫毒性の検出法と結果による意思決定について • 意図しない免疫抑制・活性化を免疫毒性と呼ぶ • 薬剤による敏感症、自己免疫は含まない

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免疫抑制・活性化 副作用の原因となる • 抑制により、感染症耐性、ガン耐性の低下が起こる • 活性化により過敏症や自己免疫性疾患が起こる • 医薬品によっては、医薬品に対する免疫を生じる

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免疫毒性のメカニズム 2種類が存在する • 免疫系への干渉が医薬品の治療効果を生む場合 • 医薬品が免疫細胞の自死、壊死を起こす場合 抗ガン剤が上の例、抗炎症剤の一部が下の例

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ガイドラインの対象 アレルギー、自己免疫を含む非臨床免疫毒性研究 • 新規医薬品を対象とする • 生物学的製剤についてはS6に示す

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免疫毒性の可能性を評価するための因子 以下が見つかった場合に検討する • 毒性研究で免疫毒性が見つかった場合 • 薬理学的に免疫毒性が示唆される場合 • 使用対象となる集団での必要性 • 免疫性を変える薬剤と類似する物質の場合 • 薬物動態から免疫毒性が疑われる場合 • 臨床で免疫毒性が疑われる場合

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標準の毒性研究(STS) STSで以下が起こると、免疫毒性の可能性がある • 血球成分の変化が観察される場合 • 抗体システムに関与する器官に変化が起こる場合 • 血漿グロブリンの量が変化する場合 • 感染症にかかる可能性が高くなる場合 • ガンの発生が起こりやすくなる場合 *STS: Standard Toxicity Studies

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STSでのリスク評価で考慮すべき点 以下を検討し、リスクを評価する • 統計・生物学的に有意な変化 • 変化の重大性 • 用量と暴露の関係 • 臨床使用量以上での安全性 • 治療の期間 *STS: Standard Toxicity Studies • 種とエンドポイントの数 • 二次的に起こる変化 • 薬理機構・対象となる細胞 • 他の毒性との用量比較 • 毒性からの回復過程

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証拠によるレビュー(Weight of Evidence) 検証の結果から、懸念の有無を検討する • 1つでも懸念があれば追加研究を行う • 2-3の疑わしい要因があれば追加研究を行う