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Chap.10 Dynamic Routing Protocols 詳解TCP/IP Vol.1 プロトコル @utsushiiro

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■ Static - Dynamic Routing ■ InternetとAutonomous System ■ IGPとEGP ■ RIP ■ OSPF ■ BGP ■ Subnet Mask ■ CIDR & VSLM Contents 詳細ではなく, とりあえず覚え ておけばいい概要

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■ Static Routing (Chap. 9) テーブルのエントリは コマンド or ICMP Redirect等 - ネットワークが小規模 - 他ネットワークへの接続ポイントが1つ - 経路が二重化されていない これらの条件下では十分機能する これらのいずれかに適合しない場合は Dynamic Routingが用いられる

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■ Dynamic Routing ルータが隣接するルータと 各々が接続しているネットワークの情報を交換し合う この際に使われるプロトコル - RIP (Routing Information Protocol) - OSPF (Open Shortest Path First) - BGP (Border Gateway Protocol)

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InternetとAutonomous System ■ Internetは自律システム(Autonomous System)の集合体 ■ ASとは “「単一」の「明確に定義された」ルーティングポリシーを持つ1つ または複数のネットワーク運営組織が運営する、相互に接続さ れた1つまたは複数のIPプレフィックスのグループ ” (RFC 1930) ex. ) Internet Service Provider, 地域ネットワーク

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InternetとAutonomous System ■ もうちょっと簡単に言うと “統一された運用ポリシーで管理されるネットワークの集合” ■ ASはAS番号と呼ばれる一意な番号を持つ これはAS間でのルーティングで用いられるBGPにて使用される ■ AS番号はIPアドレスとともにブロック単位でRIRが管理 (RIR : Regional Internet Registry) 日本で申請するなら APNIC(RIR)の下にある

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InternetとAutonomous System ■ JPNICのAS番号リスト https://www.nic.ad.jp/ja/ip/as-numbers.txt So-net(2527)やOCN(4713)などのISPや様々な企業が取得

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IX 自律システム(AS) 自律システム内の 組織やISP Network Operation Center Internet Exchange IX Internetの構造

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EGP IGP IX IX Internetの構造

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Interior Gateway Protocol (IGP) AS内部のルーティング Exterior Gateway Protocol (EGP) AS間のルーティング IGPとEGP IX IX

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下位 プロトコル 方式 種別 RIP, RIP2 UDP 距離ベクトル IGP OSPF IP リンク状態 IGP BGP TCP 経路ベクトル EGP IGPとEGP

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各プロトコルについて

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RIP (Routing Information Protocol) ■ 距離ベクトル型 距離(通過するルータの数)と方向によって目的のネットワーク やホストの位置を決定する(ルーティングテーブルを作成する) 距離と向きの情報だけなので, テーブルの作成が簡単 逆にそれしか情報がないので, ネットワークが複雑になると経 路の収束に時間がかかる(また経路にループが生じやすくな る)

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■ RIPメッセージの形式 - コマンド  1: 要求 2: 応答 - アドレスファミリー IPアドレスは2 - メトリック 指定したIPアドレスまでのホップ数 16は無限大 (その宛先に対して経路を持っていない)

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■ RIPの大まかな流れ(初期化→恒常) 1. 新たに接続されたルータが稼働中のインタフェースから接続 している各ネットワークに完全なルーティングテーブル情報 を求めるパケットを送る 2. 要求を受信したルータが応答 3. 返ってきた応答をもとにテーブルを更新 4. 以後, 30秒ごとに自分の持つテーブルの全体もしくは一部を 隣接するルータに送る これらは基本ブロードキャスト

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192.168.1.0 192.168.2.0 192.168.5.0 192.168.6.0 192.168.7.0 ルータA ルータAは 192.168.1.0まで 距離1 192.168.3.0 192.168.4.0

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192.168.1.0 192.168.2.0 192.168.3.0 192.168.4.0 192.168.5.0 192.168.6.0 192.168.7.0 ルータA ルータBは 192.168.1.0まで 距離2 ルータB

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192.168.3.0 192.168.1.0まで 距離2 ルータB ルータC 192.168.3.1 IPアドレス (目的地) 方向 距離 192.168.1.0 192.168.3.1 2 RIPメッセージ RIPメッセージパケットのIPヘッダ

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Version1 (RFC 1058) Version2 (RFC 2453)

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Version1 (RFC 1058) Version2 (RFC 2453) RIP→RIP2では • マルチキャスト使用 • サブネットマスク対応 • 認証機能 …等が追加された

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OSPF (Open Shortest Path First) ■ リンク状態型 各ルータがネットワーク全体の接続状態を把握し, ルーティングテーブルを作成する ■ RIPのようにただ自分のもつ接続情報を常時流すのではなく, 役割ごとに5種類のパケットを利用する ■ ネットワークトポロジーの情報からダイクストラ法を用いて経 路を求める → 規模が大きくなると計算コスト大

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192.168.1.0 192.168.2.0 192.168.3.0 192.168.4.0 192.168.5.0 192.168.6.0 192.168.7.0 ネットワークトポロジーの データベース 各ルータが同じ情報を持つ (ように情報をやり取りする)

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192.168.7.0 10 20 100 30 10 20 ■ 各リンクに重みをつけられる ■ この重みが小さくなるように経路を計算する ルータBから192.168.7.0ならB→EでなくB→C→D→Eといったように ルータB ルータC ルータD ルータE もうちょっと詳しくはここ

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BGP (Border Gateway Protocol) ■ 経路ベクトル型 距離と向き, そして通過するノード(BGPではAS)のリストをも とに経路を決定 ※ASはAS番号で識別される ■ Node AからNode Xに行く際に通過するノードがわかるの で距離ベクトルではなく, 単なるリスト(一次元)なのでリンク状 態でもない

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IX IX AS1 AS2 AS3 AS4 AS5 AS1からAS5の138.91.1.0/24へのAS経路リスト 138.91.1.0/24 AS3 AS5 AS2 AS4 AS5

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AS1からAS5の138.91.1.0/24へのAS経路リスト 138.91.1.0/24 AS3 AS5 AS2 AS4 AS5 ■ 基本的にAS数の少ない経路が選択されるが, 接続相手の契約内容などによって細かな経路選択が可能

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Subnetの話

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■ 1990年代半ばまで, IPアドレスの割当はクラス単位 クラスが決まればネットワーク部とホスト部がわかる ■ これ(クラスによる判別)だけではもらったIPアドレスにすべて のホストがつながり, 管理しにくい → サブネットワーク化の登場 (RFC950 これにはサブネットマスクではなく, アドレスマスク という言葉が使われている) Subnet Mask

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■ 次なる問題点 ■ もらったIPからネットワークを作る際に,サブネットマスクの長 さを統一する必要があった (問題1) → 部署ごとにホスト数が異なるのでそれに合わせて   サブネットを作りたい…等の要求 ■ ちょうどいいくらいのホスト数のクラスBの要求が多く, 絶対数が不足 (問題2) Subnet Mask

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■ 問題1に対する対処 1つのIPネットワークをサブネット化する際に 複数の長さのサブネットマスクを利用する仕組み ■ これはネットワーク内で使用されるルーティングプロトコルを サブネットマスクに対応した RIP2やOSPFに変更することで 実現された(RIPのversion1はサブネットを完全にはサポート していない) Variable Length Subnet Mask

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Variable Length Subnet Mask 192.168.1.0/30 192.168.1.0/27 192.168.1.32/27

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■ 問題2に対する対処 クラスの概念を取っ払った新たなIPアドレスブロックの割り当 て法を定義 (RFC1519, RFC4632) ■ プレフィクスに基いてIPアドレスを解釈する(ネットワーク部と ホスト部の)規格 220.X.0.0/23 ←末尾のこれがプレフィクス ■ クラスCを複数束ねて配布するようにした Classless Inter-Domain Routing

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■ IANA → RIR (→ NIR) → ISP の順でCIDRプレフィクスが長くなる ■ 地理的に近いところに似たようなIP(上位bitが等しい) が割り振られる(を割り振る) → 集約しやすい ■ 組織間ルーティングプロトコルのBGPが CIDRに対応することで実現 Classless Inter-Domain Routing

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Classless Inter-Domain Routing 220.X.1.0/24 220.X.2.0/24 220.X.0.0/24 220.X.1.0/24 220.X.2.0/24 → 220.X.0.0/21 220.X.3.0/24 ・・・ 220.X.7.0/24 8→1へ集約

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ホスト部   ざっくり言うと ■ VLSMはホスト部のbitを利用(消費)して 複数の異なるサブネットを作成 ■ CIDRはネットワーク部のbitを利用(消費)して 複数のネットワークを1つのネットワークにする CIDRとVLSM     ネットワーク部 VLSM CIDR

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Reference Presentation template by Slides Carnival Credits W. Richard Stevens. 1993. TCP/IP Illustrated (Vol. 1): The Protocols. Addison-Wesley Longman Publishing Co., Inc., Boston, MA, USA.