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分離化学⼯学 第9回 2018年6月15日 (⾦) 0 理⼯学部 応用化学科 データ化学⼯学研究室 専任講師 ⾦⼦ 弘昌

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前回の復習 アンケート結果の難しかったところを中心に • ガス吸収の概要を説明できる • 二重境膜説を説明できる • 推進⼒を説明できる • 物質移動係数・物質移動抵抗を説明できる • 総括物質移動係数の式を導ける 1

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ガス吸収 気体を液体(吸収液)と接触させて、気体の中にある液体に溶ける 成分を、液中に溶かすことで分離 • sodastream 気体の混合物から • 有用な成分を回収 • 有害な成分を除去 物理吸収︓物理的に溶かす、溶解度の差を利用 • アセトンを水で吸収 • アンモニアを水で吸収 • ナフタレンを炭化水素オイルで吸収 化学吸収︓溶かしてから反応させる、反応性の差を利用 • 硫化水素を水酸化ナトリウム水溶液で吸収 • 二酸化炭素をアミン類で吸収 2

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アンケート結果 難しかったところ 文字の意味と式の意味。 使う記号が多過ぎて混乱した 記号が多過ぎて何がなんだか理解するのが⼤変でした。 変数が多い 3

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二重境膜説 設定 4 気液界面 液体(液相) 気体(気相) ガス境膜 液境膜 ガス本体 液本体(バルク) pA , yA pAi , yAi cAi , xAi cA , xA δG δL pA [Pa]︓Aのガス本体の分圧 yA [-]︓Aのガス本体のモル分率 pAi [Pa]︓Aの気液界面での分圧 yAi [-]︓Aの気液界面でのモル分率 δG [m]︓ガス境膜の厚み cA [mol・m-3]︓Aの液本体の濃度 xA [-]︓Aの液本体のモル分率 cAi [mol・m-3]︓Aの気液界面の濃度 xAi [-]︓Aの気液界面のモル分率 δL [m]︓液境膜の厚み

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アンケート結果 難しかったところ 流束の図の界面の⾒⽅ 物質流束の単位がよくわかりません。 分圧と濃度など単位の違うものをイコールでつないでしまっても いいのでしょうか。 • 境膜物質移動係数があるので⼤丈夫です︕ 駆動⼒がいまいち理解できない • 分圧の差 • 濃度の差 ⁃ 水は低いところに流れる、坂があると転がる、 香りが拡散する、と同じ ⁃ 詳しくはこちら︓https://datachemeng.com/drivingforce/ 5

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二重境膜説 定常状態における(物質)流束 6 気液界面 液体(液相) 気体(気相) ガス境膜 液境膜 ガス本体 液本体(バルク) pA , yA pAi , yAi cAi , xAi cA , xA δG δL 定常状態において(物質)流束は⼀定 ( ) ( ) ( ) ( ) A G A A L A A y A A x A A i i i i N k p p k c c k y y k x x = − = − = − = − NA [mol・m-2・s-1]︓Aの(物質)流束 kG , kL , ky , kx ︓境膜物質移動係数

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境膜物質移動係数の単位 7 NA [mol・m-2・s-1]︓Aの(物質)流束 pA [Pa]︓Aのガス本体の分圧 pAi [Pa]︓Aの気液界面での分圧 kG [mol・m-2・s-1・Pa-1]︓境膜物質移動係数 cA [mol・m-3]︓Aの液本体の濃度 cAi [mol・m-3]︓Aの気液界面の濃度 kL [m・s-1]︓境膜物質移動係数 ( ) ( ) ( ) ( ) A G A A L A A y A A x A A i i i i N k p p k c c k y y k x x = − = − = − = −

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境膜物質移動係数の単位 8 ( ) ( ) ( ) ( ) A G A A L A A y A A x A A i i i i N k p p k c c k y y k x x = − = − = − = − NA [mol・m-2・s-1]︓Aの(物質)流束 yA [-]︓Aのガス本体のモル分率 yAi [-]︓Aの気液界面でのモル分率 ky [mol・m-2・s-1]︓境膜物質移動係数 xA [-]︓Aの液本体のモル分率 xAi [-]︓Aの気液界面のモル分率 kx [mol・m-2・s-1]︓境膜物質移動係数

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二重境膜説 気液界面の特徴量 9 ( ) ( ) ( ) ( ) A G A A L A A y A A x A A i i i i N k p p k c c k y y k x x = − = − = − = − 流束 NA を求めたいが、気液界面に関する特徴量 (pAi , cAi , yAi , xAi ) が わからない・・・

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アンケート結果 難しかったところ 文字の意味と式の意味。 たくさん式があって、それぞれの式の関係がよく分からなかった。 式変形が難しかった 10

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二重境膜説 界面における気液平衡 11 気液界面 液体(液相) 気体(気相) ガス境膜 液境膜 ガス本体 液本体(バルク) pA , yA pAi , yAi cAi , xAi cA , xA A A i i p Hc = A A i i y mx = ヘンリーの法則

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二重境膜説 総括物質移動係数の式 12 ( ) ( ) ( ) ( ) A G A A L A A y A A x A A i i i i N k p p k c c k y y k x x = − = − = − = − ( ) ( ) A G A A L A A y A A x A A 1 1 N K p Hc K p c K y mx K y x H m     = − = − = − = −         ヘンリーの法則+式変形 どうして難しい式変形するの︖︖ 気液界面に関する特徴量 (pAi , cAi , yAi , xAi ) はよくわからないが、 pA , cA , yA , xA やヘンリー定数なら求められるから︕

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アンケート結果 難しかったところ 記号においてどれが既知でどれを求めるためにpA*と仮定した、 という流れをもう⼀度、既知と求めたいものを表とかにして 教えてもらいたいです… • 求めるために、ではなく、濃度ごと・圧⼒ごとに整理しただけです︕ • *(アスタリスク) が、仮想的であることを意味することを 押さえれば⼤丈夫です︕ 13

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二重境膜説 どうして*使うの︕︖ 14 ( ) ( ) ( ) ( ) A G A A L A A y A A x A A i i i i N k p p k c c k y y k x x = − = − = − = − ( ) ( ) A G A A L A A y A A x A A 1 1 N K p Hc K p c K y mx K y x H m     = − = − = − = −         ヘンリーの法則+式変形 実用上は、これでOK︕ ただ、上の式のように圧⼒差とか濃度差とで下の式も表すことで、 同じ “⾒た目” になる︕(⾒た目⼤事)

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二重境膜説 気液平衡 15 気液界面 液体(液相) 気体(気相) ガス境膜 液境膜 ガス本体 液本体(バルク) pA , yA pAi , yAi cAi , xAi cA , xA A A i i p Hc = A A i i y mx = ヘンリーの法則 A A * p Hc = A A * p Hc = A A * y mx = A A * y mx = ヘンリーの法則 ヘンリーの法則 ガス本体にも気液界面が あるとすると・・・ 液本体にも気液界面が あるとすると・・・

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二重境膜説 式変形 16 ( ) ( ) ( ) ( ) A G A A L A A y A A x A A i i i i N k p p k c c k y y k x x = − = − = − = − ( ) ( ) A G A A L A A y A A x A A 1 1 N K p Hc K p c K y mx K y x H m     = − = − = − = −         ヘンリーの法則+式変形 ⾒た目もOK♪ ( ) ( ) ( ) ( ) A G A A L A A y A A x A A * * * * N K p p K c c K y y K x x = − = − = − = − ヘンリーの法則

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二重境膜説 総括物質移動係数の式 17 G G L L G L y y x x y x 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 H K k k K Hk k m K k k K mk k = + = + = + = + ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) A G A A L A A y A A x A A G A A L A A y A A x A A * * * * i i i i N k p p k c c k y y k x x K p p K c c K y y K x x = − = − = − = − = − = − = − = − NA [mol・m-2・s-1]︓Aの(物質)流束 kG , kL , ky , kx ︓境膜物質移動係数 KG , KL , Ky , Kx ︓総括物質移動係数

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アンケート結果 難しかったところ 物質移動係数の逆数をとるところがイマイチわからなかった。 抵抗の割合がわからない。割合の意味を理解していない。 • 逆数にするとうまく分けられるため • 移動係数 → 値が⼤きいほど、より移動する 移動係数の逆数 → 値が⼤きいほど、 より移動しなくなる 18 G G L L G L y y x x y x 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 H K k k K Hk k m K k k K mk k = + = + = + = + “抵抗” と呼ぼう︕

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二重境膜説 物質移動抵抗 物質移動係数の逆数・・・・物質移動抵抗 • ガス側の抵抗 + 液側の抵抗 19 G G L L G L y y x x y x 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 H K k k K Hk k m K k k K mk k = + = + = + = + 全体の抵抗 ガス側の 抵抗 液側の 抵抗

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二重境膜説 抵抗の割合 20 ガス側の抵抗 全体の抵抗 ガス側の抵抗の割合 = 液側の抵抗 全体の抵抗 液側の抵抗の割合 =

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前回の問題① 21 25℃, 1 気圧で空気中のNH3 を水で吸収させるとき、気相(ガス)の 総括物質移動係数 Ky が0.18 mol・m-2・s-1であった。また NH3 の液相の物質移動係数 kx は 1.5 mol・m-2・s-1であった。 ky はいくつか︖また、NH3 が水に溶けるときの気相の抵抗の割合は いくつか。 次に、この操作条件で O2 と NH3 の kx と ky の値が変わらないと 仮定すれば、O2 が溶解するときの気相の抵抗の割合はいくらか。 ただし、NH3 -水系で m = 0.90, O2 -水系で m = 4.4×104 とする。 オーム社『新体系化学⼯学 分離⼯学』p.98【例題4.8】にもとづいて作成

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解説① 22 y y x 1 1 m K k k = + より、 y y x 1 1 1 0.90 4.95 0.18 1.5 m k K k = − = − = ⋯ よって、 y 1 0.202 4.95 k = = ⋯ 気相の抵抗の割合は、 y y y y 1 0.18 0.891 0.89 1 0.202 k K k K = = = = ⋯

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解説① 23 O2 -水系では、 4 4 y y x 1 1 1 4.4 10 2.93 10 0.202 1.5 m K k k × = + = + = × ⋯ 5 y 4 1 3.41 10 2.93 10 K − = = × × ⋯ よって、 気相の抵抗の割合は、 5 y y 4 4 y y 1 3.41 10 1.68 10 1.7 10 1 0.202 k K k K − − − × = = = × = × ⋯

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前回の問題② 24 液体の溶解度が⼩さいとき、ガス側の抵抗と液側の抵抗とで どちらの抵抗が支配的になるか(どちらの抵抗が全体の抵抗に 効いているか)、答えよ。その理由も答えよ。

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解説② 25 y y x x y x 1 1 1 1 1 m K k k K mk k = + = + 全体の抵抗 ガス側の 抵抗 液側の 抵抗 液体の溶解度が⼩さいということは、ヘンリーの法則 より m が大きいことを意味する。 よって、液側の抵抗が大きく、支配的になる A A i i y mx =

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前回の問題③ 26 物質流束 NA を大きくするにはどうすればよいか、 液側とガス側とでそれぞれ答えよ。

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解説③ 液体の溶解度を⼤きくするため、温度を上げる、もしくは下げる 液本体 (バルク) の濃度を⼩さくするため、液の流速を⼤きくする ガス本体の分圧を⼤きくするため、ガスの流速を⼤きくする 27

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今回の達成目標 吸収塔の物質収⽀式を⽴てられる 吸収塔の操作線を理解する 吸収塔の高さを設計する 28

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吸収塔の設計 目的とするガス吸収を達成するために、 • 塔の高さをいくつにすればよいか︖ • 塔の断面積はいくつにすればよいか︖ 29 ガス 充填物 液 ガス 充填塔 液

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吸収塔の設計 設定 30 全体 NA GT , yT LT , xT GB , yB LB , xB x y x+dx y+dy 0 [m] z [m] z+dz [m] Z [m] 微⼩区間 x y x+dx y+dy dz [m] 断面積 A [m2] 比表面積 a [m2・m-3] (単位体積 あたりの 気液が接触 する面積) y xi x yi NA 界面近く 界面 NA

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吸収塔の設計 設定 31 GT [mol・m-1]︓塔頂のガス流量 yT [-]︓塔頂ガスの成分Aのモル分率 LT [mol・m-1]︓塔頂の吸収液の流量 xT [-]︓塔頂吸収液の成分Aのモル分率 GB [mol・m-1]︓塔底のガス流量 yB [-]︓塔底ガスの成分Aのモル分率 LB [mol・m-1]︓塔底の吸収液の流量 xB [-]︓塔底吸収液の成分Aのモル分率 y [-]︓成分Aのガスのモル分率 x [-]︓成分Aの液のモル分率 NA [mol・m-2 ・s-1]︓成分Aの物質流束 *比表面積 ・・・単位体積あたりの、 気液が接触する面積 T : Top B : Bottom

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吸収塔の設計 界面付近 32 ガス境膜 液境膜 ガス本体 液本体(バルク) pA , yA pAi , yAi cAi , xAi cA , xA δG δL y xi x yi NA

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吸収塔の設計 比表面積 単位体積あたりの気液が接触する表面積、つまり界面の面積 体積×比表面積 = 気液が接触する表面積 → 界面の面積がわかる︕ 33 比表面積 = 体積 気液が接触する表面積

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吸収塔全体の物質収⽀ 吸収塔全体の全物質(ガス・吸収液) 吸収塔全体の成分A について物質収⽀式を⽴ててみよう 34

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吸収塔全体の物質収⽀ 吸収塔全体の全物質 吸収塔全体の成分A 35 B T T B G L G L + = + B B T T T T B B G y L x G y L x + = + 成分Aの濃度が希薄であり、空気などの⼀緒のガスが吸収液に 溶ける量を無視できるとすると、 GB = GT = G (⼀定)、 LB = LT = L (⼀定) として、 ( ) ( ) B T B T G y y L x x − = − (参考) Aの濃度が希薄でないときは、x, y の代わりに X, Y を用いる , 1 1 x y X Y x y = = − −

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吸収塔の 0 から任意の z までの物質収⽀ 吸収塔の z = 0 から z = z までの物質収⽀式を⽴ててみよう ただし、 GB = GT = G (⼀定)、 LB = LT = L (⼀定) とする ただし、ガスの成分Aのモル分率を y、液のAのモル分率を x とする 36

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吸収塔の操作線 37 ( ) ( ) T T T T G y y L x x L L y x y x G G − = − = + − 任意の位置 z におけるガス組成 y と液組成 x の関係を表す式 ・・・操作線 操作線が、(xT , yT ) と (xB , yB ) を通ることを示してみよう

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吸収塔の操作線 38 T T L L y x y x G G = + − に、x = xT を代入すると、 T T T T L L y x y x y G G = + − =

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吸収塔の操作線 39 T T L L y x y x G G = + − に、x = xB を代入すると、 B T T L L y x y x G G = + − ( ) ( ) B T B T G y y L x x − = − 吸収塔全体のAの物質収⽀より、 よって、 B T T B L L y x y x y G G = + − =

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気液平衡線と操作線 40 yB xT x yT y 気液平衡線 y = mx 塔頂 B 塔底 塔底 xB 塔頂 T 操作線 傾き: L / G P ピンチ ポイント 操作線の 傾き最⼩ xB * =yB /m

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最⼩液ガス比 操作線の傾きは L/G であり、液とガスの比 (液ガス比) 液ガス比 L/G を⼩さくすると、操作線の傾きが⼩さくなり、 ピンチポイント P( xB *, yB )=( yB /m, yB ) で交わる このときの液ガス比が最⼩液ガス比であり、以下の式で表される このときの液量が最⼩液流量 41 min T * B T B y y L G x x −   =   −   最⼩液ガス比︓

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問題① 42 モル分率 0.02 のアセトンを含む空気から純水を用いてアセトンを 吸収させ、その 95% を回収したい。必要な最⼩液ガス比を求めよ。 ただし、吸収装置は25℃, 1気圧で運転し、ヘンリー定数 m = 2.1 とする。 オーム社『新体系化学⼯学 分離⼯学』p.100【例題4.9】にもとづいて作成

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微⼩区間の物質収⽀ 微⼩区間 ( z 〜 z + dz ) における • 気相 • 液相 における物質Aの物質収⽀式を⽴ててみよう ただし、 GB = GT = G (⼀定)、 LB = LT = L (⼀定) とする 43

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吸収塔の設計 比表面積 単位体積あたりの気液が接触する表面積、つまり界面の面積 体積×比表面積 = 気液が接触する表面積 → 界面の面積がわかる︕ 44 比表面積 = 体積 気液が接触する表面積

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微⼩区間 (z〜z+dz) における物質収⽀ 気相 45 ( ) A d d G y y Gy N aA z + = + Adz・・・微⼩区間の体積 上から出る量 液に吸収される量 z [m] z+dz [m] x y x+dx y+dy dz [m] 断面積 A [m2] NA 下から入る量 界面の比表面積 a [m2・m-3] aAdz・・・微⼩区間の界面の面積 NA aAdz・・・液に吸収される量

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微⼩区間 (z〜z+dz) における物質収⽀ 液相 46 Adz・・・微⼩区間の体積 上から入る量 液が吸収する量 z [m] z+dz [m] x y x+dx y+dy dz [m] 断面積 A [m2] NA 下から出る量 界面の比表面積 a [m2・m-3] aAdz・・・微⼩区間の界面の面積 NA aAdz・・・液が吸収する量 ( ) A d d Lx N aA z L x x + = +

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今回の達成目標 吸収塔の物質収⽀式を⽴てられる 吸収塔の操作線を理解する 吸収塔の高さを設計する 47

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二重境膜説 濃度・分圧の関係 48 pA , yA pAi , yAi cAi , xAi cA , xA c, x cA *, xA * pA *, yA * p, y 液相駆動⼒ (液相基準) 総括駆動⼒ (気相基準) 総括駆動⼒ 気相駆動⼒ 液本体 界面 (ガス本体) ガス 本体 界面 (液 本体) 気液平衡線 y = mx

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ヒント① yT は︖ 純水なので、xT は︖ xB * は︖ 答え: 2 49