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⾼齢者でも使えるプロダクトUIの挑戦 神保 嘉秀 Ubie株式会社 Frontend Conference 2019 | Nov 02, 2019 1

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2 神保 嘉秀 じんぼ よしひで フロントエンドエンジニア @jmblog

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3 今⽇お話しすること 医療機関向けのプロダクトにおいて ⾼齢者にも使いやすい UI を実現するために どういった取り組みを⾏ってきたか

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4 • 医療機関向けプロダクト「AI問診Ubie」について • ⾼齢者向け UI 改善の事例紹介 • まとめ

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5 • 医療機関向けプロダクト「AI問診Ubie」について • ⾼齢者向け UI 改善の事例紹介 • まとめ

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6 病院での⻑い待ち時間。 その裏側では

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7 医師は、本業の診療業務「以外」で忙殺されている 外来診療が増えると… それ以上に事務作業が増える +1時間 +1時間 +2時間 Annals of Internal Medicine(2016年9⽉)

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8 要因の⼀つが、病院に⾏くと渡される「紙の問診票」

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9 「紙の問診票」の問題点 • 患者全員に対して杓⼦定規な質問。 医師が診断に必要な事前情報としては 不⼗分。 • 記⼊した内容は、カルテに⼿⼊⼒で 書き写している。⾮効率な事務作業。

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10 AI で医師の業務効率化を⽀援

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11 紙の問診票の代わりにタブレットで症状を⼊⼒

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12 ⼊⼒された症状にあわせて、AIが「⼀⼈ひとりに最適な問診票」を⾃動⽣成

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13 問診結果は、⾃然⾔語処理により医師の専⾨的な⽂章に変換。 患者が診察室に⼊る前に、カルテ記載がほぼ終わっている状態に 【主訴】 お腹が痛い 【現病歴】 6⽉27⽇頃に緩徐発症で、右上腹部から下 腹部に、NRS 7/10程度の腹痛が出現、30 分以上持続し、その後悪化している。圧迫 すると腹痛は悪化する。 また同時期に嘔気・嘔吐が出現している。

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14 問診時間が 1/3 に短縮 約10.3分 約3.5分 電⼦カルテばかり⾒る問診から、患者を診る問診に 出所:「第34回⽇本頭痛学会総会 抄録」(2018年11⽉)

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15 • 医療機関向けプロダクト「AI問診Ubie」について • ⾼齢者向け UI 改善の事例紹介 • まとめ

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16 病院を訪れる、あらゆる年代の患者に対して 従来の紙の問診票と同じぐらい無理のない問診体験を タブレットで提供する プロダクトチームの挑戦

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10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代 90代 0% 50% 100% 「タブレットを使った問診をしてみてどう感じましたか?」 簡単だった まあまあ簡単だった ちょっと難しかった 難しかった | | |

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10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代 90代 0% 50% 100% ⽴ちはだかる⾼齢者の壁 「タブレットを使った問診をしてみてどう感じましたか?」 簡単だった まあまあ簡単だった ちょっと難しかった 難しかった | | |

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19 「なぜ⾼齢者にとって難しいのか」を知るために

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20 さまざまなアプローチで調査し、⾼齢者への理解を深める ⽣の声を聞く データから読み取る ツールで疑似体験 • FullStory でユーザーの 画⾯操作を確認 • アクセスログから回答 に時間がかかってる質 問を⾒つけ出す • オフィス周辺の⾼齢者 に声をかける • 社員の親戚にリモート でインタビュー • ⾃治体の福祉関連施設 でユーザーテスト • 「NoCoffee」という Chrome機能拡張 • 視覚障害を疑似体験で きるゴーグル

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No content

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24 こうした調査によって明らかになった問題と その解決策をいくつか紹介

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25 「WebやOSの標準的なUIが通⽤しない」問題 事例1

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26 ౰ॳ、プルダウンやテキストフィールドを使っていたが…

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27 「使い⽅がぜんぜんわからない」という声が多く、 使い物にならなかった。

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28 ⾝の回りにある UI からヒントを得て改善

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29 数字の⼊⼒を、ボタン式に統⼀

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30 参考にしたのは、銀⾏のATM 参考: みずほ銀⾏

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31 ⽂字の⼊⼒は、あいうえお配列の独⾃キーボードで

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参考にしたのは、カラオケのリモコン 32 参考: DAM CHANNEL

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33 痛みなどの程度を選択するUI

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34 参考にしたのは、温⽔洗浄便座のコントローラー

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35 「ボタンがうまく押されない」問題 事例2

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36 ボタンはありふれた UI なので、⾼齢者も迷わないが…

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37 スマホやタブレットに慣れていない⼈は、 うまくタップできないことが多い。

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38 ぐっと押し込むので⻑押しになってしまう  → contextmenuイベントが発⽕され、clickイベントが無効になる 押したまま指を動かしてしまう(指が震える症状をもつ⽅も多い)  → touchmoveイベントが発⽕され、clickイベントが無効になる

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39 実装でがんばる

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40 contextmenu イベントを無効化

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41 押したまま指を動かしても、50pxまでなら click として扱う処理をすべてのボタンに実装

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42 「スクロールされない」問題 事例3

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43 選択肢が多い質問では、スクロールバーを表⽰していたが…

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44 スクロールせずに、画⾯に⾒えている選択肢だけで 回答するユーザーが⽬⽴った

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45 スクロールバーの存在が気づかれていないのでは? 仮説1

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46 スクロールUIを⾒直し、操作しやすいように

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47 が、思ったほど効果がなかった

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48 そもそもスマホやパソコンに馴染みがないユーザーは 「スクロール」という概念を認知していないのでは? 仮説2

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49 複数のページに分割し、スクロール⾃体をなくすことで解決

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50 「画⾯内の変化に気づかれない」問題 事例4

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51 当初、このようなレイアウトにしていたが…

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52 検索結果が表⽰されていることに気づかず、 ⼿が⽌まってしまうユーザーが多く⾒られた

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53 視⼒障害を疑似体験できるゴーグルを使ってみたところ、

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54 タブレットに顔を近づけないとよく⾒えない。 近づけると、右側が視野に⼊らない

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55 おまけに、⾃分の⼿で隠れてしまう

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56 検索結果が視野に⼊りやすいよう、左右を⼊れ替え → Before After

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57 加えて、ちょっとしたアニメーションで気づきやすいように

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58 ユニバーサルデザインの適⽤ 事例5

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59 年齢や障害の有無、能⼒差を問わず、 病院を訪れる、より多くの⼈が利⽤できるように

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60 「⽂字の形がわかりやすく」「読みまちがえにくく」「⽂章が読みやすい」フォント UDフォントの採⽤ (現在、採⽤に向けて調整中)

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61 加齢による⾒え⽅の変化や視覚障害に考慮した配⾊や、WCAGの達成基準 AA Large以上を 満たすコントラストに変更 配⾊やコントラストの⾒直し

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62 ⾳によるフィードバック JISのガイドラインを参考に、ボタンを押したときにクリック⾳が出るように

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63 • 医療機関向けプロダクト「AI問診Ubie」について • ⾼齢者向け UI 改善の事例紹介 • まとめ

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64 ⾼齢者向けのUI は、ひと筋縄にはいかない。 加齢による⾝体的変化や、 デジタルデバイスへの経験不⾜など 考慮する点がたくさんある。

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65 今⽇は UI の話が中⼼だったが、 そもそもタブレットを受け取ってもらえないというケースもあり、 UI だけでは解決できない課題も多い。

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66 さまざまな⼈に利⽤してもらえるプロダクトにするには、 ユーザーへの理解を深めながら、 仮説検証を繰り返すしかない。

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67 幅広い⼈々の医療体験をアップデートできるよう これからもがんばっていきたいと思います。

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69 ご清聴ありがとうございました!