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出版に寄せての 20分 2025/06/12 『データベースエンジニア養成講座』著者 坂井 恵 出版記念イベント

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自己紹介 なまえ : 坂井 恵 (SAKAI Kei) アカウントとか : @sakaik ← 概ねコレ しごと : 有限会社アートライ 代表取締役 コミュニティとか: 日本MySQLユーザ会 副代表 OSGeo.JP 運営委員 今日の立ち位置: 「データベースエンジニア養成講座」の著者 DB関連の入門講座も多く開催してきた

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自己紹介 • 著書多数 • (音楽の本は書いていません) • 基本的に共著が好き • 「届けたい本」を考えるのが好き • 自分の力以外で原稿が増えてくのは嬉しい • 意外にも 今回のこの本が、初めての単著 2025年6月16日 発売予定 2025年4月4日発売

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自己紹介 • 長らくミックさんが書かれた本の査読をさ せていただいています。 • 査読のススメ • 「推しの本をいち早く読むことができる」 • 「分からないことを訊ねることができる場 合もある」 • 「読みながら、確認のために手元で調べる ことも多いので、勉強になる」 • それなりの緊張感を以て ほか

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ありがとうございます 池袋のジュンク堂などで開催の 「小笠原種高 選書フェア」 にも選んでいただきました。

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今回のこの本の経緯と概要 井口 奏大 著 『位置情報エンジニア養成講座』 のシリーズのDB版 特定のDBMSに依らない、RDBMS学習のスタートとなれる本 チュートリアル(作業手順書)ではなく、全体を俯瞰した 「知識のもくじ」となれる本 この本のページ数ぶんの知識を得るだけでなく、その先に向 けて自助成長できる習慣を得られる本

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今日のおはなし ~この本で伝えたかったこと... につながるかも • みなさんは恵まれている • 自分で水を飲みに行こう • 高速道路は途中を楽しませてくれない

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みなさんは恵まれている 『恵まれた環境に居る人は、その恵まれた環境に気づかない』 • 既にその技術を活用・実践しているチームに居て • 隣を向けば詳しい先輩 • 少し足を向ければ楽しい勉強会/交流会 → みんながみんな、こういう環境ではない。 そういう人に届けたい本

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自分で水を飲みに行こう 『You can take a horse to the water, but you can’t make him drink.』 (馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない) 『Give a man a fish and you feed him for a day; show him how to catch fish and you feed him for a lifetime』 『授人以魚 不如授人以漁』 (魚はいっとき、捕り方は一生)

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自分で水を飲みに行こう • チュートリアル形式は新技術の習得に有効な面もあるが、チュートリアル の範囲を超えた知識・経験にできる人は、ごくわずか • チュートリアルで扱えるのは多くの場合正常系の1シナリオ • →300ページの本から最大で300ページ分の内容しか学べない • 300ページの本を読んで、更にその外側に踏み出すには「その世界のもく じ」を持っていることが有効 • →全体像を知っていると、ひとつクリアしても後から後から出てきてイヤになって しまう • 本書 では、「データベースを学ぶ」ことの全体像を把握してもらうこ とが目的のひとつ

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自分で水を飲みに行こう • 全体像を把握した上で、今必要としているところ、または自分が興味を 持ったところから掘り下げていけば良い • 「どんどん試そう」 • そのために、安心して試せる環境を! • 一歩一歩も大事だが、多少荒削りでも広い範囲の断片知識を持つことは有 効

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高速道路は途中を楽しませてくれない • 大量の情報、恵まれた環境などのおかげで、「それっぽくプロっぽい」立 ち位置にたどり着くまでの道のりが平坦になった • 山にトンネルを掘り、山と山の間には橋を架けて里に下りずに目的地へと 速やかに届けてくれる • →途中の風景や街の様子は(近くを通ってきたにもかかわらず)ほぼ知らない =知識や経験になっていない • とは言え、それなりの距離を一気に走るので情報量は少なくはない • 高速道路で目的地に行くだけでも、結構な労

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高速道路は途中を楽しませてくれない 『ただ、私が最も強く懸念しているのは、 この「学習の高速道路」を走るなかで、 大量の情報を得ることに追われて、 かえって自分の頭で課題を解決する時間が なくなっていくことです。 実のところ私は、今の若い棋士たちの、 未知の局面に出合ったときの対応力が 少々落ちている気がしています。』 羽生善治 , 『人工知能の核心』 (2017)

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未知の局面に出合ったときの対応力が 落ちている • IT分野での技術習得についても、同様のことが言えそう • 想定外の動作に対する調査の力 • 原因の可能性を洗い出す力 • 可能性をひとつずつ検証していく(つぶしていく)力 →高速道路で一旦目的地を見た後で、早足で通り過ぎ的た道を改めて戻っ て、じっくりと楽しむことも必要なのではないか

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まとめ

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『データベースエンジニア養成講座』 • 「データベースについて学ぶこと」の全 体像を脳内に • 自分で試し、自分で調べることができる 力を