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打率7割を実現する、 プロダクトディスカバリーの7つの極意 株式会社GENDA CGO 経営戦略室 室長 重村 裕紀 打率7割って難しい..

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About me 2016年 FiNC Technologies入社 • ソフトウェアエンジニア • データ分析 • プロダクトマネージャー 2020年 GENDA入社 • CTOとして開発組織立ち上げ、IT領域PMI 2021年 GENDA CPO就任 • デジタルプロダクトを横断的に管轄 2024年 GENDA CGO(Growth)就任 • グループ横断的な事業成長、経営支援を管轄 職歴 重村 裕紀 / Hiroki Shigemura 株式会社GENDA CGO 経営戦略室 室長 株式会社GENDA Games 取締役 toC 大好き

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GiGOアプリ(≒MAU) サービスA(売上) サービスB(利益) 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 +42% 様々なプロダクトの成長加速に成功 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 +265% 5 10 15 20 25 30 35 +842% 戦略転換 戦略転換 GENDAにおける、プロダクトグロースの実績 構造改革

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正しい戦略に基づき、正しい施策を積み上げていくことが、持続的な優位性につながる 戦略 誤 正 施 策 ( ≒KPI の 向 上 ) 正 ②一時的成功 戦略的な脈絡のない施策。 非連続成長にも繋がりにくい。 ①持続的優位性 顧客基盤も成長し、 収益や利益も成長する理想的 な状態。 誤 ④無駄な活動 暗闇に向けて銃を打つような もの。 ③インサイト不足 顧客理解が不足しており、 コレジャナイ感が出ている。 戦略と施策のマトリックス整理 Part1:戦略編 正しい戦略を定めるためにはどう すべきか? Part2:施策編 正しい施策を立案するためにはど うすべきか?

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Part1. 戦略編(1~4) 打率7割を実現する、プロダクトディスカバリーの7つの極意

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1/7. 正しい戦略とは、模倣しにくい仕組みを通じて、差別化された便益を提供 差別化された便益(顧客視点) なし あり 仕 組 み の 模 倣 困 難 性 ( 競 合 視 点 ) あ り ③コモデティ ①持続的優位性 な し ②一時的優位 価値と活動のマトリックス整理 全国300店舗以上の 流通規模を活かした 「GiGO限定景品」が強み GiGO ONLINE CRANEの事例

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売上:16.5億円 (33万人✕0.5万円/人) 50% 市場規模:100億円 (100万人 * 1万円/人) 33% 浸透率 (≒ユーザーシェア) Share of Wallet (自社ブランドへの平均支出額/カテゴリに対する平均支出額) ①浸透率を高める ② SoW を 高 め る ①浸透率 競合から顧客をどうスイッチさせるか? ユーザー数 MAU 継続率 RR 平均客単価 ARPU 自社 競合 ②SoW 競合から支出をどうスイッチさせるか? 自社 競合 ドライバー 結果指標 2/7. MAU/RR/ARPUは結果指標、「Shareをどう獲得するか?」の発想が大事 ✕ ✕ 自社の分析をしていても、スイッチングの手がかりはつかみにくい。 適切なターゲットのスイッチトリガーを把握することが大事。

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浸透率・SoWの課題を解決することで、結果指標を大きく向上させることができる GiGOアプリ(≒MAU) ①浸透率施策を実施 サービスA(ARPU) ②SoW向上施策を実施 +393% +842% ①浸透率 競合からを顧客をどうスイッチさせるか? 自社 競合 ②SoW 競合から支出をどうスイッチさせるか? 自社 競合 浸透率とSoWのアプローチ アプローチごとのKPIグロース

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3/7. N1インタビューを通じて、自社が選ばれる理由と選ばれない理由を把握 競合 自社 自社と競合サービスを利用している顧客 への調査がおすすめ POX 自社 競合 POD 差別点 Point of Difference 価格が安い 初心者に易しい 景品の豊富さ 運営の信頼性 POP 類似点 Point of Parity 取れやすい 取れやすい POF 劣後点 Point of Failure 無料で遊べる 自社と競合のPoint of X N1インタビューのリクルーティング

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4/7. 投資すべき便益を定める 2024年6月 重要度 便益 自社 競合A 競合B 1 景品が取りやすい POD POF 2 xxx POD 3 xxx 4 xxx 5 安く景品が取れる POD POF 6 xxx 7 xxx POF 8 xxx POF 9 xxx 10 xxx オンラインクレーンゲームにおけるBrand Equity Analysis ①投資すべき便益を選択する 上位3つの便益のいずれかをPOD にできると望ましい。 ②POFはなるべく潰す 離脱点となりうるため、特に上位 便益におけるPOFは潰した方が良 い。 ③ 便益とブランドをリンクする 機能として強化するだけでなく、 広告やUI、クリエイティブなどを 通じて、便益からのブランド想起 を強化する。(右図) 投資すべき便益の選び方 ①上位便益を狙う ②POFの払拭

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Part2. 施策編(5~7) 打率7割を実現する、プロダクトディスカバリーの7つの極意

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5/7. KPIドリブンで施策を組み立てはならない 施策立案の2つのアプローチ 顧客インサイト 施策 KPI LTV向上 KPIからの逆算 (演繹的アプローチ) 顧客インサイトに基づく価値仮説 (帰納的アプローチ) あるべき考え方: 顧客インサイト起点で施策を立案し、KPIは結果としてついてくる KPIからの逆算(演繹的): • (想定通りであれば)収益計算をしやすいし、工数もかからない ↑ ただし、Excel弾いてうまくいくほど、顧客は甘くない 例)「◯◯の機能を使っている人は、継続率が高い」 顧客インサイトからの仮説(帰納的): • 誰かに喜ばれる施策になりやすい • めんどくさい、工数かかる • 伝えるのも、インパクトについても説明が難しい 例)「それは、一部の少数派の意見でしょ」 顧客インサイト起点が基本 まずはユーザーインタ ビューしよう。

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6/7. コンセプト調査を通じて、リリースする前に受容性をチェック Concept T1B Concept A 28.1% Concept B 21.2% Concept C 14.8% Concept D 12.7% 最新プライズ情報 9.5% Concept F 6.9% Concept F 6.8% アンケート設計 コンセプトパフォーマンス分析 テキストのみでも良いが、以下の要素を 盛り込んだコンセプトボードで調査する のも良い。(PPTなどで作成) ・機能名 ・機能特性 ・価格 ・画像イメージ ・訴求テキスト T1B:Top 1 Boxの割合の事 今回の調査では、「絶対に利用する」と回 答した人の割合を比較している。 利用実績のあるベンチマークなどと比較す ることで、利用率の推定精度が劇的に高ま る。 設計次第では、ほとんど誤差がなく予想で きることもある。 セグメント別分析(T1B) Segment 割合 A B C プライズ 60% 25% 10% … メダル 30% 5% 35% … 音ゲー 15% 7% 15% … xxx 10% … … … 全体 100% 20% 13% … セグメント別に集計してみると、全体 に対してパフォーマンスの高いコンセ プトよりも、パフォーマンスの高いコ ンセプトが見つかることもある。 どのコンセプトが、誰に(Who)受け ているのか?がわかる。 Top 1 Box

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7/7. 様々な事例をインプットし、引き出しを増やす イシューの質 解 の 質 ①1~6はイシューの質を高めるアプローチ 狙うべきポジション、顧客インサイトに基づいた課題定義を記述。 ② 解の質を高めるアプローチも同様に重要。 むしろイシューだけ考えても、突破できないケースも多々あり。 解の質を高めるためには、豊富な引き出しを持つ必要がある。 • 様々なサービスを触る(スクショ残しておくと良い) • 海外サービス事例を調査する。 • いろいろな人の話を聞きに行く。 • 様々な書籍を読む。 • 四季報や決算資料をたくさん読む。 • 有料記事を読む(アプリマーケティング研究所おすすめ) ② ① イシューの質と解の質

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最後に)そうはいってもインタビューや調査をしない人はいる ①忙しすぎてできない人 → プランニングや戦略に時間をかけずに、何に時間を割くのか?他の時間を減らしましょう。 ②自分の感覚を過信している人(めんどくさくてやらないひと) → 照準を合わせずに適当に銃を打っているのと同じです。 ③ リサーチが有効だと思っていない人 → 正しいリサーチは、意思決定の精度を劇的に高めることが出来ます。 プロダクトマネージャーは企画と戦略に責任を持ちましょう!!

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Appendix)浸透率とSoWを高めると、結果的にMAUとLTVが伸びる 小さいブランドほど、顧客離脱率は高くなる。 80 20 30 20 20 20 40% 20% B A A B C D E F G 浸透率≒ユーザー数 SoW ≒ ARPU 相関係数:0.58 ダブルジョパディの法則