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Web キャッシュ ポイズニング ~Webのキャッシュを使った攻撃と対策~ @shunaroo

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自己紹介 @shunaroo ▪ 経歴 (重複あり) ▪ Webアプリ開発 5~6年 ▪ Web/NW脆弱性診断 3~4年 ▪ コンサルもどき 1~2年 ▪ 趣味 ▪ 犬を愛でる ▪ ゴルフ

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Web キャッシュ ポイズニングとは? ▪ 攻撃者が用意した悪意のあるWebキャッシュに被害者がアクセスすることで発生する攻撃 攻撃者 被害者 悪意のある Webキャッシュ 攻撃者に利用された サーバ キャッシュサーバ

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Web キャッシュとは? ▪ Webコンテンツを一時的に保存(キャッシュ)しておくこと。 ▪ キャッシュ専用のサーバを用意しておくことで、Webコンテンツの応答速度や効率を上げること ができる 利用者A キャッシュされた コンテンツ キャッシュサーバ 利用者B キャッシュサーバからコンテンツを取得できるので、 利用者Bはその分早く受け取れるし、 元のサーバの負荷も減る 同じWebコンテンツにアクセスする場合 キャッシュがない場合は 元のサーバまで取りに行く

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キャッシュキーとアンキャッシュキー ▪ キャッシュサーバが、リクエストを受けた際に、「何をもって同じリクエストか」を判断する目印が必要 ▪ その目印を「キャッシュキー(Cache Key)」と呼ぶ ▪ 少なくとも、どのサイト(Hostヘッダ)のどのコンテンツ(リクエストライン)かを識別する値は、 キャッシュキーの一部となる ▪ キャッシュキーにならないリクエストの部分を「アンキャッシュキー(Uncache Key)」と呼ぶ キャッシュキー例 アンキャッシュキー例

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Webキャッシュポイズニングの主な条件 ①元のサイトから悪意のあるレスポンスを引き出せる ▪ 本来アクセスしたいサイト以外にリダイレクトされる ▪ 不正なスクリプトが動作する など ②攻撃が悪用できる状態でキャッシュできる 元のサイト 悪意のある Webキャッシュ キャッシュサーバ 被害者

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攻撃のステップ ①攻撃に使えるアンキャッシュキーを特定する キャッシュキーに、攻撃用のペイロードを載せられたとしても、 攻撃するためには、被害者も同様に攻撃用のペイロードを載せたリクエストを送る必要がある(影響小) アンキャッシュキーを用いて、攻撃することができれば、 被害者はサイトにアクセスするだけで、攻撃が成立するようになる(影響大) 特定方法としては、Burp SuiteのプラグインParam Minerが有名 ②キャッシュさせる すぐにキャッシュされなかったり、短期間で消えてしまう可能性があるので、注意深く観察する

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学習用サイト Web Security Academy ▪ Lab: Web cache poisoning with an unkeyed header ▪ アンキャッシュキーに含まれる値を用いてJSの読み込み先を変更していることを利用して、 読み込み先を攻撃者が用意してるサーバに変更し、攻撃する

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解法例 ステップ① ▪ Param Minerでアンキャッシュキーを探索

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解法例 ステップ② ▪ 「x-forwarded-host」がアンキャッシュキーとして悪用できそうであるとわかる

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▪ リクエストレスポンスを確認してみる 解法例 ステップ③

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解法例 ステップ④ ▪ リクエストレスポンスを確認してみる JSの読み込み先が「x-forwarded-host」で指定したドメインに変わっている。 悪意のあるレスポンスを引き出せることがわかる

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解法例 ステップ⑤ ▪ 攻撃用サーバの準備 このURLにアクセスすると、 alert(document.cookie)が返却される

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解法例 ステップ⑥ ▪ JSの読み込み先を攻撃用サーバに変え、かつキャッシュされるようにリクエストを数回送信 キャッシュキー 攻撃用サーバのドメイン

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解法例 ステップ⑦ ▪ JSの読み込み先を攻撃用サーバに変え、かつキャッシュされるようにリクエストを送信 キャッシュから取得 読み込み先が攻撃者のサーバに変わっている

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解法例 ステップ⑧ 検証完了 ▪ トップページアクセスすることで、攻撃者が用意したスクリプトが作動

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対策 ▪ キャッシュさせない ←難しい ▪ キャッシュキー/アンキャッシュキーをきっちり把握し、悪意のあるレスポンスを発生させない 魔法のような対策はない。地道な情報収集と検証が大事

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参考 ▪ Web cache poisoning ▪ https://portswigger.net/web-security/web-cache-poisoning