Slide 1

Slide 1 text

TRPGからふりかえりを学ぶ ~アジャイル以外のふりかえり文化~ 白栁隆司 2022年4月9日 ふりかえりカンファレンス2022

Slide 2

Slide 2 text

自己紹介 エンジニアカウンセラー 白栁 隆司 Youtubeに動画投稿中! コレざまTVチャンネル or 白栁隆司 で検索! @IT 自分戦略研究所 エンジニアライフにて「コレがワタシの生きる様」連載中(木曜日) ITエンジニアが永く活動する為のサポート活動 主に4つのことを、ITエンジニアに勧めています 1. 傾聴ベースのコミュニケーション 2. メンタルヘルス(セルフケア) 3. セルフマネジメント 4. 日々の生活の中からエンジニアリングを学ぶ

Slide 3

Slide 3 text

システム開発とふりかえり アジャイル開発の中の「ふりかえり」 ● チームを作る、良くしていく ○ 書籍「アジャイルレトロスペクティブズ」 ● 進める(チーム・プロジェクト) ○ 過去の経験の資産化(具体化・共有)

Slide 4

Slide 4 text

システム開発以外のふりかえり ● マネジメント分野:多業種 ○ PDCAサイクル → アジャイルにも繋がる ● 趣味分野 ○ TRPG:一部システム化、文化として定着 ○ カラオケ:採点機能(精密採点) etc…

Slide 5

Slide 5 text

白栁の中のふりかえり ● ベースの考え方:PDCAサイクル ● 原体験:TRPG ● 好きな手法:よこなーる

Slide 6

Slide 6 text

白栁の中のふりかえり ● ベースの考え方:PDCAサイクル ○ なんかしっくりくる ○ 全体の中でのふりかえりの位置付けを忘れない ● 原体験:TRPG ● 好きな手法:よこなーる

Slide 7

Slide 7 text

白栁の中のふりかえり ● ベースの考え方:PDCAサイクル ● 原体験:TRPG ○ 本当の原体験は小学校の学習の中 ○ なんとなくふりかえりを繰り返していた ● 好きな手法:よこなーる

Slide 8

Slide 8 text

白栁の中のふりかえり ● ベースの考え方:PDCAサイクル ● 原体験:TRPG ● 好きな手法:よこなーる ○ 昨年のふりかえりカンファレンスで知る ○ 「ドヤりたい~」「お礼したい~」が好き

Slide 9

Slide 9 text

アジェンダ 目的:TRPGからふりかえり文化の定着を学ぶ 1. TRPGがふりかえりを導入・定着した歴史を学ぶ 2. ふりかえりを定着させた仕掛けを分析する 3. TRPGの中でを習得した流れ ※白栁の体験談

Slide 10

Slide 10 text

TRPGとは TRPG=テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム ● 物語性のあるボードゲームのジャンルの一つ ● D&D(1974)を元祖とし、無数のゲームがある ● クトゥルフ神話TRPGとか有名 ● 映画「E.T.」冒頭で子どもたちが遊んでるよ!

Slide 11

Slide 11 text

JTRPGの特徴 ※白栁独自の研究による 「ふりかえり」のシステム的な導入 ● 一般流通している国産TRPGの8割以上に導入 ※白栁個人の所感 ● 「ふりかえり」をゲームとしての効果へ ○ キャラクターの成長ポイント等

Slide 12

Slide 12 text

ふりかえり導入の事例 トーキョーNOVA The AXLERATION より ● ゲームの流れの中にふりかえりが 組み込まれている ● 「アフタープレイ」という 文化として定着している http://www.fear.co.jp/novax/

Slide 13

Slide 13 text

ふりかえり文化定着の流れ(1/5)※独自研究 ● 「体験」を共有する為の「感想の共有」が自然発生 ○ 思考や他の観点を共有する → 結束の強化 ○ なじりや吊し上げ等の悪い習慣も発生 ● ふりかえりの手法がバラバラであった ○ 90年代:ソード・ワールドTRPGのブーム

Slide 14

Slide 14 text

ふりかえり文化定着の流れ(2/5)※独自研究 ● ゲームの満足度とふりかえりの重要な関連性 ○ ノウハウはローカルコミュニティで蓄積 ■ インターネットBBSが流行り始めたぐらい ○ ノウハウの公開・交流・発信の重要性 ● システム化等の施策へ

Slide 15

Slide 15 text

ふりかえり文化定着の流れ(3/5)※独自研究 98年:F.E.A.R社より画期的なTRPGの発表  「トーキョーN◎VA The Revolution」 ● 様々な先進的システムで現代JRPGの転換点 ● その中に「ふりかえり」のシステム化も

Slide 16

Slide 16 text

ふりかえり文化定着の流れ(4/5)※独自研究 ● 定着のための施策 ○ 公開:リプレイでゲーム前~ゲーム後まで公開 ○ 交流:定期的な公式プレイ回(GFコン)開催 ○ 発信:ゲーマーズ・フィールド誌を発行し    定期的にサポート記事を掲載する

Slide 17

Slide 17 text

ふりかえり文化定着の流れ(5/5)※独自研究 ● 10年以上を掛けて定着 ○ 国産TRPGの多くが「ふりかえり」をシステム化 ■ 「ふりかえり」でプレイヤーが有利になる ● プレイの質の向上、コミュニティの活性化 ○ オープンなSNSと「ネタバレ」問題

Slide 18

Slide 18 text

システム化の仕掛け ↑GM向け成長点 ←PL向け成長点 トーキョーNOVA The AXLERATION 公式サイトより引用

Slide 19

Slide 19 text

システム化の仕掛け ● 1回のゲームの最後に精算する(リザルト) ○ ふりかえり = キャラクター成長点 ● GMをファシリテーターにする ● ふりかえりポイントを項目化 ○ ゲームの中で大事にしたいことの伝達

Slide 20

Slide 20 text

欲望に働きかける ● ふりかえり=キャラクター成長点 ○ キャラクターの成長にふりかえりが影響する ○ キャラクターの成長=嬉しい ● PCの成長点がGMへも還元される仕組み ○ GMがふりかえりを促進する役割に

Slide 21

Slide 21 text

「ポジティブ」にふりかえる ● 観点として良いされているのは「ポジティブ」 ○ 協力した、かっこよかった、素晴らしかった ■ MVP形式は廃れている印象(みんなで) ● お互いに称賛し合うことで良い場の雰囲気に ● 「また遊ぼう」に通じる

Slide 22

Slide 22 text

発信の継続 ● ゲーマーズ・フィールド誌等で取り上げる ○ GF24th Season Vol.1~Vol.2 ※Kindle版有 ■ エンゼルギア天使大戦TRPG 2nd ● Vol.1 活躍を振り返る手法 ● Vol.2 上達のための振り返り

Slide 23

Slide 23 text

白栁のふりかえりの変化(以前) ● ふりかえりを「やらされていた」状態 ○ 学校や職場でのふりかえり経験 ● ネガティブにふりかえる ○ ネガティブポイントを潰せば成長できる感 ● 特に存在しない将来設計のでっち上げ

Slide 24

Slide 24 text

白栁のふりかえりの変化(最中) ● 1日1ゲーム:週1~2回 ● GM/PL比:1:9ぐらい? ○ PL:楽しむ、他の人の動きを感じる ○ GM:一緒に楽しむ、サポートに感謝する ● 事前の準備の成果も確認できる

Slide 25

Slide 25 text

白栁のふりかえりの変化(以後) ● 目標と実績での比較 ● できた点、できなかった点の確認、改善 ● 良い点を伸ばすチャレンジ ● リスペクトと称賛 ● ロールモデルの発見(部分でも可)

Slide 26

Slide 26 text

反省会、説教会 = ふりかえり? ● ネガティブポイントは目につきやすい ● 「ネガティブを改善→成長」と錯覚しやすい ● ポイントを詰めることで快感を得やすい(周囲) ○ 負の体験を次代へ続ける悪い連鎖へ ● 「できない=悪」→ 責任の押し付け

Slide 27

Slide 27 text

本当にするべきだったふりかえりの発見 ● 反省会、説教=楽しくない ○ 泣く → 浄化された「つもり」 ● 褒められる=嬉しい ● 他人の良いところを探す=楽しい ● ロールモデル:ああなりたい、真似したい

Slide 28

Slide 28 text

ポジティブにふりかえる ● マインドセット:「良いもの」を「より良くする」 ● 長所を伸ばして短所を補う ○ 魅力を知る、魅力を伸ばしていく ○ 長所と短所は紙一重 ex.声が大きい=うるさい ● できない後悔よりできた達成感を得ていく

Slide 29

Slide 29 text

ポジティブにふりかえる、の先 ● ネガティブなふりかえりが不要ではない ○ 事故に繋がるインシデントは改善の必要がある ○ ポジティブにこだわるのは本末転倒 ● 「違い」は重要な個性(違和感も大事に) ○ 指摘、質問は決してネガティブではない

Slide 30

Slide 30 text

ご清聴ありがとうございました エンジニアカウンセラー 白栁隆司 @ShirayanagiRyuj ふりかえりカンファレンス2023で会いましょう!