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図書館を使って情報デザインを学ぶ 高等学校情報科における実践の提案 麗澤大学 国際学部 NAKAZONO Nagayoshi 中園 長新 2024-09-08 (Sun.) Code4Lib JAPANカンファレンス2024 本研究は、JSPS科研費JP21K02864の助成を受けたものです

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3 発表者の立場表明 「情報教育」の研究者です 「情報」や「メディア」に関するものはすべて、情報教育と関わりが あると考えています 図書館(特に学校図書館)については「情報教育で活用するもの」 という視点で考えることが多いです 活用のためには、図書館の意義や特性を理解し、それが教育の中で どのように位置付くのかを意識することが必要だと考えています 「情報教育の立場から図書館を見る」という立ち位置です 図書館は主軸ではなく、情報教育を支える重要な柱のひとつと考えます 2024-09-08 (Sun.) Code4Lib JAPANカンファレンス2024 図書館を使って情報デザインを学ぶ:高等学校情報科における実践の提案

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4 Summary 高等学校情報科における学校図書館の活用 情報活用能力を育成する中核としての情報科 情報科の教材・教具はICTだけでなく学校図書館等も活用可能 「情報デザイン」の授業実践案 書籍の装丁を元にデザインの役割についてディスカッション 書架の配架規則やNDCから情報の構造化を理解 学校図書館の環境面での工夫から情報伝達を考える 2024-09-08 (Sun.) Code4Lib JAPANカンファレンス2024 図書館を使って情報デザインを学ぶ:高等学校情報科における実践の提案

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5 学校における情報教育 情報教育 = 情報活用能力を育成する教育 情報活用の実践力 情報の科学的な理解 情報社会に参画する態度 情報教育 = コンピュータ(ICT) ではない! 情報教育: 情報そのものを学ぶ learning about ICT ICT活用: 情報を活用して学ぶ learning with ICT 2024-09-08 (Sun.) Code4Lib JAPANカンファレンス2024 図書館を使って情報デザインを学ぶ:高等学校情報科における実践の提案

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6 情報活用能力の三観点 情報活用の実践力 課題や目的に応じた情報手段の適切な活用 必要な情報の主体的な収集・判断・表現・処理・創造 受け手の状況などを踏まえた発信・伝達 情報の科学的な理解 情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解 情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善 するための基礎的な理論や方法の理解 情報社会に参画する態度 社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響の理解 情報のモラルの必要性や情報に対する責任 望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度 2024-09-08 (Sun.) Code4Lib JAPANカンファレンス2024 図書館を使って情報デザインを学ぶ:高等学校情報科における実践の提案 • 説明文:文部科学省(2010)『教育の情報化に関する手引』を元に整理 • 図の出典:中園長新(2022)「情報科の学習指導要領からみた情報活 用能力の構成」『情報処理学会研究報告 コンピュータと教育(CE)』Vol. 2022-CE-165, No. 6, pp. 1-8. 情報活用の実践力 情 報 社 会 に 参 画 す る 態 度 積 み 上 げ 並列 情 報 の 科 学 的 な 理 解

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7 高等学校 情報科 1999(H11)年の学習指導要領で新設 2003(H14)年度入学生から履修開始 学習指導要領の改訂ごとに科目編成を変更しつつ 現在に至るまで継続 情報科: 情報教育の中核を担う教科 2024-09-08 (Sun.) Code4Lib JAPANカンファレンス2024 図書館を使って情報デザインを学ぶ:高等学校情報科における実践の提案 情報科の教育は パソコンスキル学習だけではない! (学びのツールとしては重要)

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学習指導要領と共通教科情報科 2024-09-08 (Sun.) Code4Lib JAPANカンファレンス2024 図書館を使って情報デザインを学ぶ:高等学校情報科における実践の提案 8 情報C 情報B 情報A 中学技術など 情報の科学 社会と情報 情報Ⅱ 情報Ⅰ 1999(平成11)年改訂 2単位選択必履修 2009(平成21)年改訂 2単位選択必履修 2018(平成30)年改訂 2単位必履修+選択 2単位必履修 2単位選択 原則として すべての高校生が 同じ内容の 情報教育を学習 2025.01 大学入学共通テストに 「情報」が追加

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9 必履修科目「情報Ⅰ」 (1)情報社会の問題解決 (2)コミュニケーションと情報デザイン (ア)メディアの特性とコミュニケーション手段 (イ) 情報デザイン (ウ) 効果的なコミュニケーション (3)コンピュータとプログラミング (4)情報通信ネットワークとデータの活用 2024-09-08 (Sun.) Code4Lib JAPANカンファレンス2024 図書館を使って情報デザインを学ぶ:高等学校情報科における実践の提案

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10 「情報デザイン」の具体的学習内容 (1)情報デザインの役割 デザインにおける「目的」と「計画」、情報デザインと問題解決 (2)情報の抽象化、可視化、構造化 発想法、情報の結びつきの表現、究極の5個の帽子掛け(LATCH) (3)情報伝達の方法 ピクトグラム、インフォグラフィックス、ユーザインタフェース 2024-09-08 (Sun.) Code4Lib JAPANカンファレンス2024 図書館を使って情報デザインを学ぶ:高等学校情報科における実践の提案

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11 情報科の教材・教具を考える 情報科の教材・教具としてコンピュータ等のICT機器を活用 → もちろん正しい それ以外の“伝統的な教育資源”にも情報教育に 活用できるものがあるのでは? 例)黒板とチョーク アンプラグドを活用した教材 学校図書館 2024-09-08 (Sun.) Code4Lib JAPANカンファレンス2024 図書館を使って情報デザインを学ぶ:高等学校情報科における実践の提案

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12 実践案1:情報デザインの役割 学習「デザインとは何か」 グループごとに学校図書館の書架を分担し、 表紙等の装丁に興味を持った蔵書を選定 「デザインで選定する」という新しい読書体験 何を意図してデザインされているのかについてディスカッション デザインに対して多様な考え方ができることに気づかせる 2024-09-08 (Sun.) Code4Lib JAPANカンファレンス2024 図書館を使って情報デザインを学ぶ:高等学校情報科における実践の提案

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13 実践案2:情報の抽象化、可視化、構造化 学習「構造化による情報の整理」 学校図書館の蔵書の配架規則を考えさせる (自室の本棚と異なる構造化の必要性) 日本十進分類法(NDC)の紹介 多数の情報を構造化して整理することの重要性に気づかせる NDCを学ぶことにより、今後の図書館利用が効率化 2024-09-08 (Sun.) Code4Lib JAPANカンファレンス2024 図書館を使って情報デザインを学ぶ:高等学校情報科における実践の提案

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14 実践案3:情報伝達の方法 学習「学校図書館の環境の工夫」 学校図書館内を自由に散策させ、環境面での工夫を探させる (楽しい空間にする工夫、使いやすい工夫等) 司書教諭や学校司書にも授業に参加していただき、「生徒が意図を 予想→司書教諭や学校司書が正解を披露」というクイズ形式も 学校図書館の努力を生徒に気づかせるとともに、学校図書館の 意図が生徒に伝わっているか否かを確認することで、 よりよい環境整備も期待 2024-09-08 (Sun.) Code4Lib JAPANカンファレンス2024 図書館を使って情報デザインを学ぶ:高等学校情報科における実践の提案

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15 Summary(再掲) 高等学校情報科における学校図書館の活用 情報活用能力を育成する中核としての情報科 情報科の教材・教具はICTだけでなく学校図書館等も活用可能 「情報デザイン」の授業実践案 書籍の装丁を元にデザインの役割についてディスカッション 書架の配架規則やNDCから情報の構造化を理解 学校図書館の環境面での工夫から情報伝達を考える 2024-09-08 (Sun.) Code4Lib JAPANカンファレンス2024 図書館を使って情報デザインを学ぶ:高等学校情報科における実践の提案 授業実践できる学校募集中です! (情報科以外の教科や小中学校等でも実践可能)