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ラクスに入社8ヶ月、
       開発チームが課題ドリブンで
 少しずつスクラムっぽくなってきた


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■自己紹介
 
 河野圭一郎@kawanotron
 
          株式会社ラクス
          開発本部第二開発部 楽楽販売開発課 課長代理
          開発チームのアシスタントマネージャー
          プロジェクトマネジメント、エンジニアリングマネジメント
          Scrum Alliance®認定スクラムマスター
 
 
 
 
 販売管理を主としたノーコードのDB管理システム
 


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プロローグ
 
 毎年130%成長を掲げそれを実現してきたラクス
 会社が成長する中で組織も拡大し管理者に対して対象メンバーが増え
 ・管理者がメンバーの状況を把握できない
 ・メンバーが管理者に相談しないと物事が進まない
 ・チームを分割しようにも管理者が育たずスケールできない
 といった課題が顕在化
 
 楽楽販売は10数年続く安定したプロダクト
 開発プロセスもウォーターフォールベースで固まっており特段新しい試みは不要
 スケールできる組織作りは急務だが、かといってスクラップ&ビルドするにはリスクが高い
 
 そんな中、アジャイルを経験してきた河野が楽楽販売開発チームにジョインしたのが8ヶ月前
 既存プロセスを少しずつカイゼンしながら自分たちに合うスケール可能な開発プロセスを模索
 参考としたのがいわゆるスクラムであった


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■アジェンダ
 
 1. 入社時の状況
 1. マネージャー忙しそう
 2. よくもわるくも真面目なメンバー
 2. この8ヶ月でやったこと
 1. スプリントでタスク管理をメンバーに委ねる
 2. バーンダウンチャートで進捗を見える化しチームで共有する
 3. デイリーミーティングで相談できる場を作る
 4. バックログを分割することでいろいろな課題が見えてきた
 3. これから
 1. 気付いたら結構スクラムっぽくなってきた
 2. スケールできるチーム作り


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入社時の状況


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入社時の状況
 ●マネージャー忙しそう
 
  ウォーターフォール的に上意下達で管理者からメンバーに指示出し
  少人数の頃は上手くいっていた、組織拡大でメンバーが増えてきた
    ▼
  ・管理者がメンバーの状況を把握できない
  ・メンバーが管理者に相談しないと物事が進まない
  ・チームを分割しようにも管理者が育たずスケールできない


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入社時の状況
 ●よくもわるくも真面目なメンバー
 
  決められたこと/具体的に指示されたことはうまくいく
  自由にやろう/自分で考えてみようとなるとうまくいかない
  ➡自律していない
  人生で遭遇する様々な問題にその都度自分で上手に対処していける人を作る。
  自律の人を作る。自律とは、自分で自分の行動を選べること。
  『カウンセリング心理学入門』より  
  
  どう振舞っていいか知らない(選択肢を持っていない)
  余計なことをして迷惑になるかもしれない(選択肢を狭めている)
 
 


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入社時の状況
 
 自己組織化よりも自己管理
 以前のスクラムガイドでは、開発チームは自己組織化しており、「誰が」「どのように」作業 するかを選択できるとしていた。2020年版ではスクラムチームの自己管理に重点を置き、 「誰 が」「どのように」「何の」作業をするかを選択できるようにした。
 『スクラムガイド』より
 
 スクラムガイドに「選択」という言葉が12カ所、自ら選択できることが必要
 メンバーの選択肢が広がり自己管理できるようになれば管理コストも下がる
 ※ちなみに、2020年版では選択できる幅が増えている
 
 


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この8ヶ月でやったこと


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この8ヶ月でやったこと
 ●スプリントでタスク管理をメンバーに委ねた
 
  課題:ガントチャートを使った日割りで細かく管理するの大変
 
   ➡スプリントを導入し、一週間分はメンバー自身で管理してもらう
    状況に応じて自由に順番を入れ替えたりできてやりやすくなった
    『作業順を自分たちで考えてもいい』という選択肢を獲得!
    細かい作業順はメンバーが考えるので管理コストが下がる!


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この8ヶ月でやったこと
 ●バーンダウンチャートで進捗を見える化しチームで共有した
 
  課題:ガントチャートだとタスクの変更/追加が大変
 
   ➡バックログを導入、エクセル文化なので Google スプレッドシート
    スプリント導入と相まって変更が容易に、管理コストが下がる!
 
  課題:管理者しか進捗がわからない
 
   ➡バックログを使ってバーンダウンチャートを作成
    各メンバーに状況を確認しなくても誰が見ても進捗がわかる
    進捗が見えるとチャートを下げたい意欲が芽生える
    『どうしたらうまくいくか自分たちで考える』という選択肢を獲得!
    1人1人に聞いて回る必要がなくなり管理コストが下がる!


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この8ヶ月でやったこと
 ●デイリーミーティングで相談できる場を作った
 
  課題:1人で悩んで時間がかかることが多い
 
   ➡定期的に集まって話せる場を作ることで相談する機会を作る
    最初はただ集まって「気になってることある?」くらいの簡単な場
    『ちょっとしたことでも相談していい』という選択肢を獲得!
 
  課題:メンバー間に知識の差がある
 
   ➡15分に拘らず、有意義な内容であればみんなで時間をかけて話をする
    暗黙知を暗黙知のまま共有することが第一歩(SECIモデルの共同化)
    当事者以外の視点が入ることで気付き合うこともできる
    『当事者以外も話に加わっていい』という選択肢を獲得!


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この8ヶ月でやったこと
 ●バックログを分割することでいろいろな課題が見えてきた
 
  課題:タスクがスプリント内で終わらない、バックログ大き過ぎ
 
   ➡「どうしたら終わらせられる?」「分割すればいいのでは?」
    『タスクを分割する』という選択肢を獲得!
 
  課題:いざ分割しようとすると、どうやって分割していいかわからない
 
   ➡どうやったら分割できるかみんなで話し合う/モナリザで説明する
    うまく分割できたら助け合いがしやすくなった
    『みんなで助け合う』という選択肢を獲得!
    …でも、うまく分割できないことも…今後の課題


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この8ヶ月でやったこと
 ●やったことまとめ
 
  『小さくできるところから始める』
   最初は3人から、手応えを得てから5人に拡大、徐々にスクラムっぽく
 
  『今までのやり方も新しいやり方も両方大事にする』
   何事もバランスが大事、急激な変化は場を混乱させる
 
  『選択肢を増やす』
   できないのは選択肢がないから、選択肢を増やせば自律できる
 
  『協働により共同化を促す』
   協力して働く機会を増やすことで暗黙知が共有され個人依存でなくなる


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これから


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これから
 ●気付いたら結構スクラムっぽくなってきた
 
  スプリントのリズムが定着してきた
  スプリントプランニングの時間も取れるようになってきた
  レトロスペクティブの時間もしっかり取れるようになってきた
  リファインメントもやるようになってきた
 
  自己管理に重点を置いているスクラムのプラクティスが
  管理者の負担を軽減するのに有効だとわかった
  みんなでスクラムを学びよりスクラムっぽくしていきたい
 
  とはいえ、スクラムをすることは手段であって目的ではない
 ➡

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これから
 ●スケールできるチーム作り
 
  学習する組織へ
 
   「課題ドリブン」から「意欲ドリブン」へ
    学ぶことそのものに意欲を持ち自ら選択肢を増やす(モチベーション3.0/Y理論) 
 
   「私」から「私たち」へ
    独立した個の集まりではなく協力し合う集団になる(マズロー欲求五段階の社会的欲求/有機的組織) 
 
   「共同化」から「表出化」へ 
    経験から学んだ暗黙知を形式知へと昇華させ共有する(SECIモデル) 


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