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© 2023 LayerX Inc. 1 バクラクのデータドリブンな事業運営・爆速開発を支える データ分析基盤のこれまで・現在・これから 株式会社LayerX 高際 隼 2023.7.11 データマネジメントの勘所-マルチプロダクトSaaSを支えるデータ戦略の重要性-

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© 2023 LayerX Inc. 2 自己紹介

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© 2023 LayerX Inc. 3 高際 隼 / Shun Takagiwa 2018年〜現在 株式会社LayerX バクラク事業部 機械学習・データ部長 ● 創業当初から参画 ● バクラク事業では、AI-OCR機能の初期バージョンを開発し、運用 ● 機械学習チームの立ち上げ (2022年) ● データ分析チームの立ち上げ (2023年) 2013〜2018年 株式会社サイバーエージェント ● 新卒入社 ● 複数のスマートフォンゲームを新規開発・運用 ● 組織運営や新卒採用にも携わった @shun_tak 本日の資料もこちらで 共有します。

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© 2023 LayerX Inc. 4 会社概要・サービス概要

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© 2023 LayerX Inc. 5 * 資本準備金含む ** 全事業含む LayerXの概要 会社名     代表取締役  創業      資本金* 拠点 関連会社 取得認証 | 株式会社LayerX(レイヤーエックス) | 代表取締役CEO 福島 良典    代表取締役CTO 松本 勇気 | 2018年 | 112.6億円 | バクラク事業、Fintech事業、Privacy Tech事業 | 東京本社・中部支社・関西支社・九州支社 | 三井物産デジタル・アセットマネジメント   三井物産、LayerX、三井住友信託銀行、SMBC日興証券、JA三井リースによる合弁会社 | 情報セキュリティマネジメントシステム、      JIIMA認証 提供プロダクト IS 747702 / ISO 27001 次世代プライバシー保護/秘匿化技術 国土交通省の「不動産情報の更なる 利活用に向けた調査・検証業務」における プライバシー保護技術検証も受託 バクラク事業 企業活動のインフラとなる 法人支出管理(BSM)SaaSを 開発・提供 Fintech事業 三井物産/三井住友信託銀行等との 合弁会社にて証券事業を展開 デジタル証券で資産運用できるサービス 「ALTERNA」を提供 Privacy Tech事業

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© 2023 LayerX Inc. 6 * 経費精算のSlack連携は申請内容の通知のみ 稟議・支払申請・経費精算・ワークフロー ・AIが領収書を5秒でデータ化 ・承認はスマホのアプリから ・領収書の重複申請などミス防止機能 仕訳・支払処理効率化 ・AIが請求書を5秒でデータ化 ・仕訳データを自動学習、 手入力ゼロへ ・スキャン代行も実施 ・利用料無料 ・即時追加発行 ・最大1億円決済可能 法人カードの発行・管理 ・無料で始められる ・手入力ゼロで証憑管理 ・改正電子帳簿保存法に対応 帳票保存・ストレージ 「バクラク」シリーズラインナップ

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© 2023 LayerX Inc. 7 * 2023年6月時点 「バクラク」の成長 ✔ 高い継続率と顧客満足度を保持しながら、シリーズ累計の導入社数5,000社を突破 ✔ 「バクラク請求書」がITreview Grid Award 2023 Winterの    請求書受領サービス 中小企業部門で最高位のLeader、同 総合部門でHigh Perfomerを受賞

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© 2023 LayerX Inc. 8 シリーズ累計導入社数 5,000社以上 卸売・小売 士業事務所 非営利法人 製造 建設・運輸 卸売・小売 不動産・物品賃貸 施設・店舗運営 士業事務所 情報通信 金融・保険 非営利法人 ※一部企業様を抜粋して掲載しています(2023年5月時点)。 上場企業(プライム・スタンダード/グロース)や上場準備企業の導入実績も多数

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© 2023 LayerX Inc. 9 背景・組織文化

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© 2023 LayerX Inc. 10 圧倒的に使いやすいプロダクトで わくわくする働き方を。 2年で5サービス 開発の速さ リリースサービス数 開発スピードへの高い満足・期待(お客様の声を一部抜粋) ● 打ち合わせの場で「以前いただいた意見を受けて、新しい機能を開発しました」と新しい開発情報を共有していただけることも、大変助かっています。 (株式会社with様) ● 導入決定前であったにもかかわらず、弊社からの要望を「すぐに開発へ伝えます」と対応してくださり、実際にすぐ対応いただいたことには驚きました。 スピード感があり、ユーザーと一緒に成長できる点を特に評価しています。(株式会社クルーバー様) ● システムの検討の際には他社サービスとも比較しましたが、サービスサイトを見たときに機能アップデートのお知らせが多かったバクラクのほうが、 開発スピードが速いと判断しました。(一般社団法人コード・フォー・ジャパン様)

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© 2023 LayerX Inc. 11 LayerXの社員数 2年で5倍に 40人 200人

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© 2023 LayerX Inc. 12 LayerXの行動指針

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© 2023 LayerX Inc. 13 データ分析基盤のこれまで

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© 2023 LayerX Inc. 14 2021年1月、バクラク請求書サービス公開 ● Amazon Aurora (RDB) に対してAmazon QuickSight (BIツール) でアクセス ● 当時の課題 (今は解決されてるかも) ○ メールアドレスに対してしか通知できない ○ Google Spreadsheetと連携できない ○ 直感的なUIよりも、ゴリゴリにSQL書きたい人が多かった

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© 2023 LayerX Inc. 15 2021年4月、Redashの導入 ● Amazon Aurora (RDB) に対してRedash (BIツール) でアクセス ● 解決された課題 ○ Slack通知できるようになった ○ Google Spreadsheetとも連携可能 ○ ゴリゴリにSQL書ける

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© 2023 LayerX Inc. 16 2021年8月、Salesforce導入。Redashから接続 ● Salesforce (CRMツール) を導入した ● Redashでデータアクセス ● 当時の課題 ○ 以前から導入済みのHubSpot (MAツール) とデータ連携したい要望

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© 2023 LayerX Inc. 17 2021年??月、HubSpotとSalesforceを横断した分析 ● HubSpotのデータをSalesforceに流し込んで連携 ● 当時の課題 ○ 既存データの名寄せは温かみのある手作業 (泣きながらデータクレンジング) ○ Salesforceに集約せず、普通に結合(JOIN)したい

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© 2023 LayerX Inc. 18 2021年12月、データ基盤構想 ただし、誰がやるの状態… こんな感じでいい感じにしたい!

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© 2023 LayerX Inc. 19 ここまででサービス公開からざっくり1年

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© 2023 LayerX Inc. 20 2022年6月、BigQuery & dbtの導入 ● プロダクトのデータベース、Salesforce (CRM)、HubSpot (MA) を横断して分析可能 ● これまで本番1系統で分析していたが、開発環境、ステージング環境が導入された

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© 2023 LayerX Inc. 21 データ分析基盤の現在

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© 2023 LayerX Inc. 22 もうちょい背景を補足 2021年1月サービス公開の直後からBIツールを導入し、データを活用してきたが… 2023年現在、この2年間でプロダクト数も人員数も5倍に。 データの認知負荷・属人性が増大している。 ● XXという分析をしたいが、データがどこにあるか、あるのかすら分からない ● 似た名前・異なる意味のテーブルやカラムがたくさんあり、区別がつかない ● データ構造が変わりクエリ方法が変わっても、古いクエリをコピペし、意図と異なる分析 ● 数字の異なる「売上」 ● etc 問題はあるが、意思決定を歪ませるほど深刻ではなく、協力し合って何とかなっている 2年後、3年後は?500人、1000人の組織になってもアジリティを維持できるか? むしろもっと速くしたい!

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© 2023 LayerX Inc. 23 何も手を打たなかった場合の3年後 (想像) ● 施策を改善したいが、データも分析方法も分からないので前回パラメータを雰囲気で変更 ● 専門家に聞きたいが、誰かわからない。たらい回しにされ、諦める ● 一部の分析できる人に丸投げし、結果は検証されず鵜呑みにされる ● 一部の分析できる人は本来の業務に集中できず疲弊していく ● メンテナンスされてないダッシュボードを経営陣が見て、誤った投資判断をしてしまう ● 経営と現場で相互に不信が生まれる 事実に基づく意思決定が不可能 勘と経験に基づいた意思決定が行われる → 行動指針 Fact Base の形骸化

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© 2023 LayerX Inc. 24 2023年4月、データチームが設立 活動の目的 ● 事業活動を深く理解した上で ● 安心安全に利用でき、認知負荷が低く、目的達成に十分な品質のデータを提供し ● データ活用を通じて組織のアジリティを高め ● より多くの人にバクラクの価値を届けきること よし!これで問題解決! なわけない。コッカラッス!!!

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© 2023 LayerX Inc. 25 2023年6月、ちょっとずつ基盤もアップデート

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© 2023 LayerX Inc. 26 技術スタック ● Data Warehouse: BigQuery ● Extract, Load: Embulk ● Transform: dbt ● Data Pipeline: dbt, GitHub Actions, AWS Step Functions ● Data Streaming: Amazon EventBridge, Cloud Pub/Sub ● Data Catalog: OpenMetadata (これから構築・運用予定) ● Business Intelligence: Redash (廃止予定), Looker Studio ● IaC: Terraform

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© 2023 LayerX Inc. 27 データ分析基盤のこれから

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© 2023 LayerX Inc. 28 課題 分析者向けの課題 ● dbtもBigQueryもまだまだ使いこなせてない ● データマートが充実せず認知負荷が高い ● 同名だが結果がずれるKPIの存在 ● 情報やノウハウが属人化 データ基盤の課題 ● データ収集の頻度が最短で1時間に1回 ● 障害対応時に本番データベースに直接アクセスして調査 ● ステージング環境で動かない分析がある ● アクセス権限管理

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© 2023 LayerX Inc. 29 今後の展望 こういうことやっていきたい! ● データの認知負荷を継続的に下げ続けること(人手に頼りすぎず自動化すること) ● 属人化した情報やノウハウを組織の知識として共有すること ● ビジネス目的に必要十分なデータ品質を保つこと(過剰品質にしないこと) ● 安心安全にデータを利用できるようにすること ● LLMなど新技術を取り入れ、一人も取り残さずデータの民主化を推進すること ● これらを実現するために必要な基盤を整えること あるのは形だけ。 基盤の進化、オペレーショナル・エクセレンス、ガバナンスを追求していく!

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© 2023 LayerX Inc. 30 バクラクのデータ分析基盤のこれまで・現在・これからのまとめ ● サービス公開直後はプロダクトのデータベースにBIツールを直結し、 最初からデータ分析可能な環境を整えた ● データソースが3つ (プロダクトのDB, CRM, MA, etc) を超えたタイミングでデータを統合する基盤を構築した ● 2年間でプロダクト数も人員数も5倍。データの認知負荷・属人性が増大 → 先を見据えてデータチームを組織化した ● 今後は認知負荷・属人性を下げ、安心安全で十分な品質のデータを提供したい → データの民主化を実現し、組織のアジリティを向上し、顧客価値提供を加速

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© 2023 LayerX Inc. 31 採用情報 データに関するあらゆる職種がオープンしています。あなたの力を貸してください! ● データエンジニア ● アナリティクスエンジニア ● データアナリスト ● データサイエンティスト ● 機械学習エンジニア ● MLOpsエンジニア ● etc カジュアル面談からお気軽にどうぞ 採用情報 カジュアル面談