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学生のための短期留学 相田太一 東京都立大学 博士3年 留学交流会@YANS2024

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自己紹介 ● 相田 太一 ○ https://sites.google.com/view/a1da ● 略歴 ○ 学部:長岡技術科学大学(指導教員:山本先生) ■ 自然言語処理:機械翻訳の品質評価 ■ 発表:論文誌1本、国際会議1本、国内会議2本 ○ 大学院:東京都立大学(指導教員:小町先生) ■ 自然言語処理:単語の通時的な意味変化の検出 ■ 発表:論文誌2本(主著1共著1)、国際会議9本(主著4共著5)、 国内会議9本(主著3共著6) ■ 留学:リバプール大学󰏅(2022年9月〜2023年1月) 2

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スケジュール 4 留学準備 ● 顔合わせ 留学準備 ● 留学支援 ● テーマ案 ● 申請 留学中 ● 研究 ● 生活 留学後 ● 共同研究 M2冬 D1春〜夏 D1秋〜冬 D1冬〜

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スケジュール 5 留学準備 ● 顔合わせ 留学準備 ● 留学支援 ● テーマ案 ● 申請 留学中 ● 研究 ● 生活 留学後 ● 共同研究 M2冬 D1春〜夏 D1秋〜冬 D1冬〜

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留学準備(M2冬:留学の9ヶ月前) - 12月:海外留学支援制度のアナウンス 「3〜6ヶ月海外に行くといいですよ😎」 - 🤔(時間をとれる学生のうちに行ってみたい…) - 指導教員に相談「留学先と留学期間を決めたら教えてください」 - コロナ禍(2021年冬)だったため、2022年秋以降に(秋には収束してる…?) - いくつか提示された留学先の中で、リバプール大学󰏅を希望 - 指導教員が留学先の先生にコンタクト(本当にありがたい…🙇) - 1月:留学先の先生との顔合わせ - 自己紹介 - 修論発表の資料を使って研究紹介 - 単語分散表現の結合学習による通時的な単語の意味変化の検出 (PACLIC2021) - 興味を示してもらえたので、修士と同じ研究テーマで進めることに 6

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- 12月:海外留学支援制度のアナウンス 「3〜6ヶ月海外に行くといいですよ😎」 - 🤔(時間をとれる学生のうちに行ってみたい…) - 指導教員に相談「留学先と留学期間を決めたら教えてください」 - コロナ禍(2021年冬)だったため、2022年秋以降に(秋には収束してる…?) - いくつか提示された留学先の中で、リバプール大学󰏅を希望 - 指導教員が留学先の先生にコンタクト(本当にありがたい…🙇) - 1月:留学先の先生との顔合わせ - 自己紹介 - 修論発表の資料を使って研究紹介 - 単語分散表現の結合学習による通時的な単語の意味変化の検出 (PACLIC2021) - 興味を示してもらえたので、修士と同じ研究テーマで進めることに 留学準備(M2冬:留学の9ヶ月前) 7 早めの意思表示が大切! 就職したら長期間の 海外滞在は難しい? 留学先は指導教員に 相談するのが◎ 「コネ」を使う!

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留学準備(M2冬:留学の9ヶ月前) - 12月:海外留学支援制度のアナウンス 「3〜6ヶ月海外に行くといいですよ😎」 - 🤔(時間をとれる学生のうちに行ってみたい…) - 指導教員に相談「留学先と留学期間を決めたら教えてください」 - コロナ禍(2021年冬)だったため、2022年秋以降に(秋には収束してる…?) - いくつか提示された留学先の中で、リバプール大学󰏅を希望 - 指導教員が留学先の先生にコンタクト(本当にありがたい…🙇) - 1月:留学先の先生との顔合わせ - 自己紹介 - 修論発表の資料を使って研究紹介 - 単語分散表現の結合学習による通時的な単語の意味変化の検出 (PACLIC2021) - 興味を示してもらえたので、修士と同じ研究テーマで進めることに 8 留学先でテーマが変わることも (それはそれで勉強/気分転換に 👍)

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スケジュール 9 留学準備 ● 顔合わせ 留学準備 ● 留学支援 ● テーマ案 ● 申請 留学中 ● 研究 ● 生活 留学後 ● 共同研究 M2冬 D1春〜夏 D1秋〜冬 D1冬〜

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- 研究テーマ - 留学支援制度 - 学内の支援制度 - 学振「若手研究者海外挑戦プログラム」 - 留学先 - Visiting Research Student (VRS) として申請 - 研究テーマ案, 英語能力試験, 在籍証明書 - Academic Reference(2通), Letter - その他 - 宿舎, 飛行機 - Visa、保険 留学準備(D1春〜夏:留学3ヶ月前) 10

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- 研究テーマ - 留学支援制度 - 学内の支援制度 - 学振「若手研究者海外挑戦プログラム」 - 留学先 - Visiting Research Student (VRS) として申請 - 研究テーマ案, 英語能力試験, 在籍証明書 - Academic Reference(2通), Letter - その他 - 宿舎, 飛行機 - Visa、保険 留学準備(D1春〜夏:留学3ヶ月前) 11 ● 留学支援制度 ● 留学先 VRS 両方の申請で使うので、 ある程度固めておくと良い 他にも色々あると思うので 調べておくと◎ (もっと調べておけばよかった…)

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- 研究テーマ - 留学支援制度 - 学内の支援制度 - 学振「若手研究者海外挑戦プログラム」 - 留学先 - Visiting Research Student (VRS) として申請 - 研究テーマ案, 英語能力試験, 在籍証明書 - Academic Reference(2通), Letter - その他 - 宿舎, 飛行機 - Visa、保険 留学準備(D1春〜夏:留学3ヶ月前) 12 大体の大学では ● Visiting Researcher ● Visiting Research Student があるので、それに申請する (博士過程でないと申請できない ところもあるので注意🚧) 国際会議の査読などをして 世界的な貢献のある人がいいらしい (指導教員、共著の先生)

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- 研究テーマ - 留学支援制度 - 学内の支援制度 - 学振「若手研究者海外挑戦プログラム」 - 留学先 - Visiting Research Student (VRS) として申請 - 研究テーマ案, 英語能力試験, 在籍証明書 - Academic Reference(2通), Letter - その他 - 宿舎, 飛行機 - Visa、保険 留学準備(D1春〜夏:留学3ヶ月前) 13 ● 学生寮(大学) ○ VRS がフルタイム学生と同じ扱いだと申請 可能 ✅ 保証人が不要(大学提携なので) ❌ 学生寮(民間)と比べて少し高い ● 学生寮(民間) ✅ 学生寮(大学)より安い ❌ 保証人が必要 ❌ 日本からだと手続きは進まない😔 →現地で手続きをする必要がある ● ホテル, Airbnb 留学する国・期間によっては Visa が必要 →留学先からの Offer letter, 資金証明など ● Visa が必要:留学先の国での健康保険 ● Visa が不要:日本での海外保険でOK

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スケジュール 14 留学準備 ● 顔合わせ 留学準備 ● 留学支援 ● テーマ案 ● 申請 留学中 ● 研究 ● 生活 留学後 ● 共同研究 M2冬 D1春〜夏 D1秋〜冬 D1冬〜

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- 🤩「いよいよ新しい環境での生活開始!」 - 目標1:少しずつ留学先での生活を整える - 目標2:研究を始められるように準備する - 目標3:できれば早くから研究を始める 留学中(D1秋〜冬) 15

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- 🤩「いよいよ新しい環境での生活開始!」 - 目標1:少しずつ留学先での生活を整える - 目標2:研究を始められるように準備する - ❌目標3:できれば早くから研究を始める - 相田の場合: - ロンドン→リバプール移動に失敗 - 運転手が足りず、3連続キャンセル… - ホームで2時間以上待機😫 - 最初の1、2週間は研究どころではない! - 生活に慣れる期間(食品をどこで買うか?生活スタイルは?) - 大学システムに慣れる(学内 wifi、学生証、寮のルール) 留学中(D1秋〜冬) 16

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リバプールとロンドンの違い - リバプール⇔ロンドンは 350km - 東京⇔名古屋間と同じくらい - リバプールの環境は東京に近い? - 日本人はほとんど見かけない… 17 項目 リバプール ロンドン 水 軟水 硬水 物価(米ドル換算) - ビックマック指数 (東京 $4.08) $3.84 $4.93 - 一部屋の賃料 (東京 $1265.93) $898.23 $2359.87 日本人の数 7,085人 日本以外も含む 32,400人 https://goo.gl/maps/B8DCd UMj8P44MP7NA https://versus.com/en/liverpool-vs-london

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留学中(D1秋〜冬)滞在先:リバプール大学 - 1881年設立(常に改修工事) - 赤レンガ大学群(英国の主要都市にある9大 学)の1つ 18 情報系の建物:Ashton Building

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留学中(D1秋〜冬)滞在先:Ashton Building - 授業のための講堂、先生の居室、学生居室 ❌ 研究室ごとに学生が集まる ✅ 様々な研究室の学生が1つの部屋に集まる 19 学生居室:これが1つの部屋に15席程度 Visiting の学生は席をもらえないことが多いらしいので、運が良かった✌

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留学中(D1秋〜冬)研究室での活動 - 毎週火曜:指導教員との進捗報告 - 毎週木曜:論文読み会・会議の参加報告など 20 https://livnlp.github.io/reading.html

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留学中(D1秋〜冬)スケジュール - 英国国内 - 9月19日 女王の国葬(祝日で臨時休業、前後1週間は番組 が王室関係) - 10月30日 サマータイム終了(時差が8時間から9時間に) - 研究 - 9月:テーマ決め、サーベイ、環境構築 - 10月〜11月末:実験1 - 11月〜:学部の方の卒論プロジェクトに参加(実験3?) - 12月〜12月中旬:実験2 - 12月末〜1月中旬:実験1の論文執筆・投稿 21

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- 英国国内 - 9月19日 女王の国葬(祝日で臨時休業、前後1週間は番組 が王室関係) - 10月30日 サマータイム終了(時差が8時間から9時間に) - 研究 - 9月:テーマ決め、サーベイ、環境構築 - 10月〜11月末:実験1 - 11月〜:学部の方の卒論プロジェクトに参加(実験3?) - 12月〜12月中旬:実験2 - 12月末〜1月中旬:実験1の論文執筆・投稿 → 5ヶ月でもギリギリの日程だった 留学中(D1秋〜冬)スケジュール 22 日本との MTG は 朝が1時間早くなる …😫

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留学中(D1秋〜冬)休日 23 Alan Turing 記念公園 (マンチェスター、 電車で1時間程度) 月1程度の飲み会 (同じ学生居室の方と) リバプール大聖堂 (英国で一番古い)

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スケジュール 25 留学準備 ● 顔合わせ 留学準備 ● 留学支援 ● テーマ案 ● 申請 留学中 ● 研究 ● 生活 留学後 ● 共同研究 M2冬 D1春〜夏 D1秋〜冬 D1冬〜

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留学後(D1冬〜) - 🥳「無事に日本に着いた!」 - 元の所属での研究に専念する →心機一転、頑張りましょう💪 - 一度離れているので、自分のテーマでも客観的にみられるように - 留学先で得た知見も生きるかも? - 帰国後も共同研究をする(相田はこちら) →元の所属での研究+留学先の研究 - タスク管理が超重要 - 片方が上手くいかなくても、もう片方が上手くいけば精神的に安定 - 元の所属の研究は長い期間をかけてじっくり取り組む内容、 留学先での研究は短い期間で素早く取り組む内容なのもよかった 26

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なぜ留学するのか? - 「オンラインでいいのでは?🤔」 - 特に情報系は言われがち(留学支援制度の書類・面接 など) 28

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なぜ留学するのか? - 「オンラインでいいのでは?🤔」 - 特に情報系は言われがち(留学支援制度の書類・面接 など) - 相田の回答 - 現状の環境をリセットする - 日本との違いを体験する - 海外の研究者との人脈を作る 29

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なぜ留学するのか?:現状の環境をリセットする - 長い期間、同じ組織に居るとキャッシュがた まる🎁🤯🎁 - 良くも悪くも、環境に慣れすぎてしまう - 一度環境を離れ、留学先での研究だけに専念する ことで… - 既存の環境をリセット♻ - 新たな知見の蓄積🌱 - 帰国後、留学前にやっていた研究を客観的にみられる ように👍 - 国内の長期インターンでも良い - ただ、「自分の環境も」変えられるのは留学 30

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なぜ留学するのか?:日本との違いを体験する - サービス - 多少のミスは許されて?いる - 電車が突然運休になる - 暖房が効かない - 学生手続きがされていない - 働き方 - 毎週のようにストライキ (鉄道・医療・郵便・大学) - 多くの学生が企業との共同研究 - 英国だけでなく欧州も視野に入れて就活する人も →海外で働くことも選択肢に 31 駅でのストライキ:この日は一日 電車が動かない…

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なぜ留学するのか?:海外の研究者との人脈を作る - 海外の研究者を知る、世界のレベルを知る - 海外の研究者の熱を感じられるのは現地のみ - 日本であまり取り組まれて いないテーマでも、海外では 盛んに行われていることも? - 留学が新たなチャンスへ - 新たな海外滞在の機会も🌱 32

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- 留学の各段階について - 準備:意思表示は早めに!(半年以上前) - 留学中:まずは生活・大学に慣れる(1〜2週間) - 留学後:新鮮な視点で研究に取り組む👍 - 「なぜ留学するのか?」に答えられるように - 相田の回答としては 1. 現状の環境をリセットする 2. 日本との違いを体験する 3. 海外の研究者との人脈を作る - 海外留学で(武者)修行しましょう!💪 - 相談はいつでも歓迎します🙌 おわりに 33