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freee のAIツール
 組織導入の取り組み 
 


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2 freee のAIツール組織導入の取り組み 
 AIツールの特有の課題 
 ● AIの急速な技術進歩に対応しながら、前例の少ないセキュリティリスクの適切な管理が必要
 ● 企業としての安全性確保と技術革新の両立
 AI特区制度
 
 ● 特区認定されたチーム/メンバーに限定して、AI ツールの使用を許可
 ● サンドボックスでの利用(コンテナ、EC2)
 ● ツールのセキュリティチェックにおいて優先的な対 応
 ● 早いサイクルでの検証と評価
 AI駆動開発チーム 
 
 ● AIツールに関わるリスクや課題に対処する専門チーム
 ● 社内向けのガイドラインや開発者向けのLLM基盤機能 の開発
 ● 迅速な組織導入とインパクトの最大化


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3 freee のAIツール組織導入の取り組み 
 freeeでのAIツール検証フロー 
 
 AI特区での
 AIツールの評価 
 ガイドライン 
 策定と基盤構築 
 専門チームによる 
 全社展開&運用
 安全な環境、限られたメン バーによるスピーディーな検 証サイクル
 特区で得られた知見を形式 知&基盤化。全社展開のた めのセキュリティ対策
 AI駆動開発チームによるス ピーディーな展開と
 継続的な評価


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AIエージェント 
 導入における課題と対策 
 


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5 セキュリティ 
 
 ● 社内コードがAIモデルの学 習データになる懸念
 ● センシティブのデータの外部 流出リスク 
 ● 危険なコマンド がエージェン ト経由で実行されるリスク
 コスト
 
 ● 利用量増加に伴う予測不能 なコスト増大 
 ● 費用対効果 の可視化と評価
 AIリテラシー 
 
 ● プロンプトエンジニアリングな どのスキルの格差 
 ● 不適切な利用 でセキュリティ リスクが増大する可能性
 AIエージェント導入における課題 


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6 AIエージェント導入における課題 
 セキュリティ 
 コスト
 
 AIリテラシー 
 プロキシサーバ 
 多角的な活用促進 
 ガイドライン 


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7 AIエージェント導入における対策 - プロキシサーバ 
 ● 社内LLM基盤を通して、モデルプロバイダと 接続するプロキシサーバを構築
 ● プロキシでは入力のマスキングと出力のガー ドレールを構築
 ○ 実行コマンドを解析し 、危険なパターンを チェック。さらにLLMでリスクレベルを判定
 ○ MCPも同様に制限 
 ● 開発者ごと、ツールごとの token数やリクエ スト数を計測 し、より詳細な利用状況やコスト 内訳を評価
 Raw Output
 Raw Input
 Safe Input
 Safe Output
 Proxy
 PC
 Model
 Provider


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8 AIエージェント導入における対策 - プロキシサーバ 
 ● プロキシサーバはどのAIエージェントでも共 通のものを利用。入出力のフィルタやガード ルールも原則共通
 ● ただし、プロンプトの中身はツールごとに解析 して対策する
 The Assistant is a Professional Software Engineer…
 
 
 GitHub MCP
 …
 Cline
 Roo Code
 goose


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9 AIエージェント導入における対策 - ガイドライン 
 社内で解禁するAIエージェントツールはすべてガイド ラインを策定 
 
 ● ツールごとのガイドラインをすべて指定 
 ○ プロキシサーバの設定
 ○ グローバル/リポジトリごとのルールファイル (.clinerules, CLAUDE.md など)の設定
 ○ その他個別の考慮事項
 ● これらガイドラインはAI特区での検証をもとに作成 


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10 AIエージェント導入における対策 - ガイドライン 
 Devin
 
 2人以上の開発者の Approveを強制(指示者を含むことも可)。 GitHub Actions で強制。
 
 → Devinユーザーになりすまして、悪意のあるcommitを混入させることが出来そうなため
 Claude Code
 
 一定以上の利用実績のある開発者に Claude Max の配布
 
 → コスト最適化や利用促進。プロキシサーバがあるからできた対策


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11 AIエージェント導入における対策 - 多角的な活用促進 
 AIエージェントは熟練度によって効果が大きく異なる ことがわかった。
 社内での利用促進やスキルアップための取り組みや 仕組みづくり。
 
 ● 社内Slack, 社内ブログ による知見共有
 ● 社内勉強会 
 ● チームごとの強制AIデーの実施
 ● 熟練者とのモブプロやライブコーディング 
 
 ボトムアップとトップダウンの両輪 


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AIエージェント 
 導入後の成果と課題 
 


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13 AIエージェントの導入後の成果 
 Cline開放の4月→7月にかけて
 
 コーディングエージェント利用率 
 45% → 86%
 
 総消費トークン数 
 3.5倍
 
 → 利用は順調に拡大! 


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14 AIエージェントの導入後の成果 
 AIエージェント( Cline, goose, Claude Code…)
 
 ● 多くの開発者が生産性アップを実感
 ● CIへの組み込みやModeの活用も
 ● 特に上位利用者はPR数もアップ!
 
 Devin
 
 ● 並列度アップで特にリーダー陣に人気
 ● Ask DevinやDevin Wikiが便利
 
 → 一方で見えてきた課題も ……


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15 使いこなし格差 
 生産性の向上 
 スケールの壁 
 AIエージェントの導入後の課題 
 ● 全社強制AI合宿の実施
 ● チームを跨いだ知見の共有の ための仕組みづくり
 ● 勉強会やモブプロ、ライブコー ディング
 ● AIツールの適用範囲の拡大。 企画/設計/QA
 ● CIへの組み込みやより自律的 に動作するAIツールの拡大
 ● AI向けのコンテキストをさらに充 実。暗黙知の明文化
 ● AIに最適化した開発プロセス
 ● レビューや動作確認をサポート するシステム