Slide 1

Slide 1 text

DApps開発における Solidityのはまりどころ blockchain.tokyo #6 LT 2018-03-16 ゆで卵 1

Slide 2

Slide 2 text

⾃⼰紹介 名前: ゆで卵 Twitter: @takayukib Github: yudetamago 所属: フリーランス • 主にインフラ(AWS, GCP)・サーバサイド(Rails)の⼈ • ブロックチェーン界隈に来たのはわりと最近 • CryptoCrystalの中の⼈ (余談:先⽇まで渋⾕の緑の会社にいました) 2

Slide 3

Slide 3 text

DAppsとは?(おさらい) • Decentralized Applications(⾮中央集権型アプリケーション) • ちゃんとした定義としてはこちら。 • https://github.com/DavidJohnstonCEO/DecentralizedApplications • Ethereumで⾔えば… • コードは全てコントラクトとして公開されている(=管理者が秘密に しているわけではない)。 • アプリケーションのデータもコントラクトを通してブロックチェーン 上に記録されている(=管理者しかアクセス出来ないサーバなどに保 存されているわけではない)。 3

Slide 4

Slide 4 text

Truffle スマートコントラクトの開発・テスト・デプロイ・フロントエン ドとの統合⽀援フレームワーク • コントラクトの単体テスト • プライベートネットの構築 • プライベートネットへのコントラクトのデプロイ https://github.com/trufflesuite/truffle 4

Slide 5

Slide 5 text

⾊々前置きしたのですが、 このスライドではほとんど Solidityの話しかしません。 5

Slide 6

Slide 6 text

Solidity周りのはまりどころ •⼩数を含む計算 •他コントラクト呼び出し時のmsg.sender •変数の初期値 •structのreturn 6

Slide 7

Slide 7 text

⼩数を含む計算 • Solidityにはまだ⼩数を表す型がないので、ちょっと⼯夫する 必要あり。 • GithubのIssueにはかなり前から挙げられていて、現在実装中 の模様。 • https://github.com/ethereum/solidity/issues/409 • https://github.com/ethereum/solidity/pull/3389 7

Slide 8

Slide 8 text

⼩数を含む計算 https://ethereum.stackexchange.com/questions/18870/is-there-a-good-way-to-calculate-a-ratio-in- solidity-since-there-is-no-float-do 例えばパーセントの計算をしたい場合は、以下のような計算をする。 8 percent(101, 450, 3) => 224 // 22.4%

Slide 9

Slide 9 text

他コントラクト呼び出し時のmsg.sender • コントラクト呼び出し元のアドレスはmsg.senderで取れる。 • ただし、あるコントラクト内から別のコントラクトのメソッ ドを呼び出した場合は、コントラクト⾃体のアドレスになる。 ContractA ContractB Account msg.sender msg.sender Address: 0xa88a49a814a04.... Address: 0xf222e7a6a6255.... Address: 0xa88a49a814a04c.... ContractB内で元のコントラクトを実⾏した⼈を知るには? 9

Slide 10

Slide 10 text

他コントラクト呼び出し時のmsg.sender • トランザクションに署名した⼈のアドレスが⼊るであろうと想 定されている tx.origin という変数が⽤意されている。 • tx.originはセキュリティ上の問題があるので、絶対に使っては いけない。 • 参考: https://consensys.github.io/smart-contract-best- practices/recommendations/#avoid-using-txorigin →メソッドを呼び出す時に引数にmsg.senderを渡す 10

Slide 11

Slide 11 text

他コントラクト呼び出し時のmsg.sender 11

Slide 12

Slide 12 text

変数の初期値 Solidityにはnullのような概念がないので、定義した変数は0、空 ⽂字、falseといった値で初期化されている。 https://ethereum.stackexchange.com/questions/40559/what-are-the-initial-zero-values-for- different-data-types-in-solidity 12

Slide 13

Slide 13 text

変数の初期値 keyが存在するかなどのチェックは0(空⽂字、false等)かどう かで⾏う。 (この辺りはGo⾔語のintやstringの感覚に近いかもしれない) 13

Slide 14

Slide 14 text

structのreturn • Solidityではまだstructを(外部に)returnすることが出来ないの で、要素を並べて返す必要あり。 14 https://ethereum.stackexchange.com/questions/36229/invalid-solidity-type-tuple

Slide 15

Slide 15 text

今後やるかもしれないこと • ローカルだけではなくて、社内共⽤のプライベートネット • DAppsと、コントラクトだけだと扱うのが難しい情報を配信す るバックエンドサーバーとのE2Eテスト環境 • e.g. 画像配信サーバ、キャッシュサーバ 15

Slide 16

Slide 16 text

参考⽂献 • Ethereum Smart Contract Best Practices • https://consensys.github.io/smart-contract-best-practices/ • How does Ethereum work, anyway? • https://medium.com/@preethikasireddy/how-does-ethereum-work- anyway-22d1df506369 16