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論文の探し方(高久研究室 編) • 謝辞 この資料は、過去の先人たちが作られた資料を元に研究 分野を考慮して、いくつか例示を追加したもの。 大槻麻衣. 論文に関する基礎知識2016. http://www.slideshare.net/tallzelkova/2015-61217994 吉田光男. 論文の探し方・読み方. v1. 2016. (非公開) 元の例なども読んでおいて、参考にするとよい。 • 心構え 教員は基本的にこの分野で十年以上、研究を重ねていま すから、基本的な文献の探し方は「暗黙知」となってい て、聞かれないと気づかないことも…。 お気軽にお尋ねを。

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最初の前提:何のために論文 を読むのか? • 答えは研究の段階、用途によって異なる • アイデアの着想を得る  似た分野または異なる分野の論文を読んで、自分の研究のアイデアを出すことに使う  同じ分野の研究者が書いた論文のなかで、新しい方法を提案していながらも、さらなる改良点 が放置されている場合がある • 研究の新規性を調べる  同じ分野で既に実施済みの知見は研究する価値が無い(または低い)  同じ分野でどこまでのことがなされているか確認しよう • 研究方法を調べる  同じ分野の論文で使われている手法はどのようなものがあるか、手法の詳細がどう実装されて いるか、どう分析するか、どう評価するかなど、研究の実施において検討する • 論文執筆に用いる  論文を書く際には、自分がやったところと、他の研究者がやったことを対比して書かないと、 読者は何が新しいのか伝わらない  さらに、過去の知見を活かして、自分の研究が成り立っていることを示すため  巨人の肩に乗る  リスペクト(respect)  研究領域の素描

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論文の読み方 (1) • とは言いつつも、論文を読むのに理路整然とした目 的・用途は必要ない • 最初は、単なる練習で十分 100本ノック! • 職業研究者は、毎日論文を読み続けて知見を共有しな がら、新しいアイデアを考えている • まずは週に1本でもよいので、論文を読もう ただし、ここで重要なのは論文を読み続けることで、論文を 読む習慣をつけて本当に必要な論文を読むときのアレルギー を減らすこと  または、身構えをつけておくこと  分量をこなすことで、同じ分野の論文を読むコツがつかめてくる • または、用語(単語)に慣れる

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論文の読み方 (2) • 論文の読み方にもいろいろある 翻訳 精読 素読 抄読 • 重要なのは、精読しないこと 分からない単語は無視する、おおまかな意味をつかむ程度で 十分 日本語には直さない 10ページ程度の論文を真剣に読み出すと数時間かかってしま う  慣れないと一日仕事 たとえば、ひとつの論文は30分から60分程度で読むようにし てみよう

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論文の読み方 (3) • 素読の方法 まず、論文全体の印象を確認するために以下だけ をざっとながめる タイトル、抄録、はじめに(Introduction)、その他図表類 第一印象と異なったり、または、求めている情報 が無さそうなら潔く捨てる 内容把握の必要がありそうなら、Introduction全体 と図表類の部分を中心に確認する パラグラフ毎に主張を確認する 内容を読みながら、参照されている文献で気にな るものがあれば、メモしておく(☆◎〇△など)

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論文の探し方 • 論文をいつ探すか?  研究の最初(アイデア・着想)  研究している最中(方法論の確認)  論文の執筆中(文献の参照) • 論文レビューの方法論  いつ何を読んだか、何をこれから読むべきか、わかるように文献メモを作ってお くとよい  Excelやスプレッドシートなどで表にしておくとよい  メモするのは、a) 論文の探索情報とb) 論文の書誌事項+α  論文の探索情報としては以下の項目:  いつ検索したか、どこで検索したか、検索キーワード、何件まで見たか  これらの情報をメモしておくと、何で探索して何を探索していないかがわかる。あとで 追加検索する際の参考になるはず  論文の情報としては以下の項目:  重要度、番号、著者名、タイトル、掲載雑誌(会議名)、発表年、読んだ日、読んだ時 の内容メモ  必要なら、研究対象の情報や使用している方法論などをメモしておくと助けになる  最後に論文を書く時には、上記のメモを参考にすれば、関連研究が書けるはず

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論文の種類 • 論文には複数の種類がある  学術雑誌論文  会議予稿論文  研究会論文, ワークショップ論文  レビュー論文  解説論文, 紀要論文 • それぞれで第3者査読の厳しさが異なり、発表されている内容のレベルが異なる  基本的には発表論文は以下の順で洗練される  (無査読)研究会論文  →(査読付)会議予稿論文  →(査読付)学術雑誌論文  同じ著者(グループ)による似た論文群があったら、それらの発表年と発表先を見ると、おお むね上記の順に変遷しているはず  逆に言えば、研究会論文を見かけたら、著者らが同じテーマでよりまとまった内容の論文を後年に出し ていないかもチェックすると良い • また、そもそも探すべきモノは「論文」なのか?  書籍(入門書・専門書)、ハンドブック等も当該分野の基本的な知識をおさらいするのに有用  レビュー論文は、該当領域の全体像を幅広くおさらいして調査してくれているので、もしもレ ビュー論文が発表されていたら、全体像を知る意味で見ておくとよい

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論文の種類の例:学術雑誌 • JASIS&T • ACM TOIS • IP&M • Journal of Documentation • 情報処理学会誌 • 情報知識学会誌 • 日本図書館情報学会誌

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論文の種類の例:会議予稿 • 情報系の領域では国際会議が主要な研究発表の 場 • ACM SIGIR • CHIIR • WSDM • CIKM • JCDL • ACM SIGCHI

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論文の種類の例:研究会、 ワークショップ • 国内で開催される研究会の報告論文は査読が無く、 気軽に発表して議論できるため重宝されている • 情報処理学会研究報告 IPSJ-IFAT, IPSJ-CH, • 情報処理学会全国大会、FIT • 情報知識学会年次大会 • 日本図書館情報学会研究大会 • 電子情報通信学会研究報告 • 人工知能学会研究会報告

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論文の種類:レビュー論文 • レビュー論文(またはサーベイ論文)は通常、 学術雑誌で発表される • また、レビュー論文だけを掲載する雑誌も存 在: ARIST Computing survey

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論文の種類:解説論文 • 一般雑誌に近い性格を持つ記事 • 情報処理 • 情報の科学と技術 • Communications of ACM • などなど

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論文の探し方 (1) • 論文の探索方略 何を探しているかを明確にする 自分の研究の背景として参照すべき研究 自分の研究の方法論の参考として参照すべき研究 どこで探すか 範囲と対象を意識する 何を手掛かりにするか キーワード検索、著者検索、引用検索など

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論文の探し方 (2) • 論文検索データベースの種類と範囲、対象 • Google Scholar 範囲:一番広い 対象:論文と思われるもの • ACM Digital Library • CiNii Research