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ユーザーになりきる「コスプレUX」で リサーチ解像度を上げる 明 日 か ら 現 場 に 行 き た く な る

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プロフィール 亀田 重幸 Shigeyuki Kameda ディップ株式会社に新卒入社、約10年新規事業&サービス立ち上げに従事 バイトルの新規サービス企画や人工知能専門ニュースメディア 「AINOW」などを立ち上げた後に、社内DXのプロダクト責任者を担当 自社のSFA/CRM「レコリン」は約2,000人の営業が毎日利用するプロダク トに仕上げ。現在は「バイトル」のプロダクトマネージャーを担当 ディップ株式会社 プロダクトマネージャー 著書:「いちばんやさしいDXの教本」 HCD−Net認定 人間中心設計専門家 X:@kamechi72

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01 コスプレUXとは? 02 ユーザーリサーチの落とし穴 03 コスプレUXの手順 04 実際にコスプレした事例紹介 Contents

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コスプレUXとは? 01

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コスプレイヤーのように なりきること

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「コスプレUX」と名付けた背景 コミケでレイヤーさんにインタビュー やっていることがUXリサーチそのものだったから

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リサーチについては、業務をマネできるくらい 観察すると良い話は結構聞くようになった

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どうやったら マネできるようになるのか?

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コスプレUXをイメージしてもらいながら 解説をしていきます

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例えば、バイト探しのプロダクト開発中 居酒屋で店員さんにインタビューをする場合 コスプレして情報を集める

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まずは観察をする

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ビジネス顧客多め 持ち方危ない 新人さん? 立食だから回転 大事 大将怖そう.... 店員とお客さんが 仲良しなお店 メニュー多いな.. 覚えるの大変そう メニューの更新も 大変なのかな..

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次に体験をする

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バイトさせてもらうのが1番早い

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現場での“観察”と“体験”のセットで なりきる事が大事

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コスプレUXの つのメリット 3

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コスプレをするメリット① 無数の課題が出てきても選べる 仮説が明確に立てられる!

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コスプレをするメリット② 空想のTo-Beジャーニーにならない 具体的なストーリーが描けるようになる

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コスプレをするメリット③ プロダクト作りの仲間が見つかる 応援してくれるファンが増える

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面倒そう? コスプレするのはとっても楽しいです

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ユーザリサーチの 落とし穴 02

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インタビュー手法に関する情報 便利なサービスも普及してきた https://ja.toitta.com/ https://centou.jp/

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生成AIを使えばインタビューの整理も爆速

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やり方を知っている人は さらに効率が上がっている

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経験が浅いとただのインタビューになりがち 次のアクションが見つからない状態に

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設問に仮説がない ユーザーを知らない 手法にこだわる どんな人がターゲットなのか ?知るためのインタビューか ら始める必要があるかも インタビュー後、何に活用し たいのか目的があいまい 仮説がないのでメモになる やり方は多くの情報が出てき ているが、テクニック以前に 大事なことが抜けてしまう ただのインタビューになってしまう原因

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十分な情報を持っていないから 御用聞きになってしまう

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課題が選べない... この解決策でいいの? あれ、そもそも 仮説って何だっけ? 情報が少ないので質の高いインタビューが出来ず 課題も解決策も仮説も解像度が低くなる

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ユーザーをハッキリと思い浮かべられるか?

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そこで、必要になるのが高いユーザー解像度

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https://centou.jp/docs/raising-user-resolution

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これを実現するには 従来のリサーチ手法だけで十分だろうか?

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コスプレUXでなりきれたら 解像度が上げられる

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コスプレUXの手順 03

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観察や体験以外に なりきるためには4つのステップが必要

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4つのステップでコスプレを実施する 観察 「現場を感じる」 調査 「マニアになる」 1 2 3 STEP STEP STEP 体験 「身体で感じる」 • 生成AIで検索 • 本や記事を読み漁る • 知り合いに聞く 4 STEP 評価 「認められる」 • 聞くより目で見る • 5感で感じる • 足で情報収集 • サービスを受ける • やらせてもらう • 裏側の仕組みを知る • 有識者に見てもらう • お墨付きをもらう • 信頼関係を作る

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ゴール やること 生成AIに聞く 本や記事で情報収集 知り合いに相談する 1.調査「マニアになる」 誰かに話せるくらいに知識をインプットする 気になることは全部聞く ホントに便利 本屋の居座り過ぎに注意 本棚は制覇する 人から聞くと早い 身近にいれば尚更

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ゴール やること 現場に行く 5感で感じる どんな人がいるか知る 2.観察「現場を感じる」 目を瞑って思い出せるくらい焼き付ける まずは現場に行くことから 数多く行けるなら尚良し どういう雰囲気で提供 されているのか把握する 表情や仕草、身につけているも のまで観察するのが大事

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ゴール やること サービスを受けて見る 自分でやってみる 裏側の仕組みを聞く 3.体験「身体で感じる」 喜怒哀楽を自分で経験して、誰かに話せるようになる お金を払ってでも買う 自分毎にするのが大事 バイトをしたり、お願いして 手伝わせてもらう どういう仕組なのか 見えない部分を可視化する

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ゴール やること 知識をアウトプット レビューをお願いする 信頼関係を作る 4.評価「認められる」 その道のプロに褒めてもらえたら完璧 姿を見てもらうでもOK 見れる形に残す 有識者の方に依頼 アドバイスをもらう 今後のプロダクト開発が 進めやすくなる

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すぐに見てもらえる 気軽に相談できる 新しい発想が出る 気になった時にオンラインで 相談することもできる プロダクト検証するときに フィードバックが早い 現場目線の新しい視点を 手に入れることができる 信頼関係ができると...

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観察や体験も大事だが 知識を持って、評価されることがさらに大事

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自分で苦痛を感じて、同じ目線に立ってこそ 本当に覚えたと言えるのだと思う

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実際の事例紹介 04

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営業経験がゼロのプロダクトオーナーが 2,000人の営業が毎日使うSFAアプリを作る話

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1日の営業活動の1~2時間のデスク業務を削減

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1.調査 まずは営業のことを何も知らない...

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まずは営業って何をするのか? 本屋さんの営業本棚を制覇 1.調査

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1.調査 エイリアスやSlackに招待してもらい、1日の流れを追ってみた 上長とのやり取り、どんなキーワードで会話しているのか把握した

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1.調査 営業資料やレポートも全部把握 どういう市況なのか、現場で会話できる材料を集めた

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だいたいイメージは掴んだので 次は現場に行ってみた

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2.観察 神田営業所の部長さんに話をして 席を作ってもらい、約3ヶ月、毎日通った

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2.観察 1人の営業にターゲットを絞り 彼の仕事を真似できるくらい観察した

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2.観察 彼を売れっ子にプロデュースする気持ちで 営業同行や横で座って業務をチラ見して観察

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2.観察 他の営業メンバーとの会話も混ぜてもらい 不満や愚痴...メンバーだけの会話も聞くことができた

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今回は3ヶ月訪問したので 毎日、営業の空気感を味わうことができた

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頭の中にベースの知識があるので 現場の課題点と理想が見えてくる

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3.体験 営業のなりきりでやってみたリスト • テレアポ • 営業リスト作成 • 提案書作成 • 商談同行 • ヨミ表管理/運用 • 顧客管理 • etc

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3.体験 テレアポを一緒に手伝ってみた

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ガチャ切り、怒られる、クレーム .... 3.体験

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3.体験 リスト作成を一緒にやってみた

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求人誌にチェックを付けて、Webサイトで検索して調べる そして、ひたすらエクセルへ入力、これは面倒… 3.体験

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面倒な業務は全部やって 自分の身を持って辛さを体験

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ユーザーの辛さを自分が感じるから 作り手目線が消えて、当事者になりきれる

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4.評価 思考や行動が正しいかチェックしてもらいつつ 今後のコミュニケーションに繋げる

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営業の業務フロー テレアポマニュアル ヒアリングテンプレ 4.評価 営業現場でも使えるドキュメントにアウトプット 正しく理解できているか確認をしてもらった どんな仕事の手順なのか 流れを整理 テレアポの流れと コツを整理 商談でヒアリングすべき ポイントをまとめる

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4.評価 営業にやり方をチェックしてもらい お墨付きをもらった

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毎日会いに来てくれる 仕事もここまで 覚えてくれてる 業務の改善まで やってくれる 4.評価 評価が貰える関係値が出来ているはずなので これを活かして次のコミュニケーションに繋げていく

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コスプレUXで解像度を上げて 信頼まで作った 4.評価

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自分の知識をレビューしてもらいつつ 提案もすることで信頼形成もできる

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コスプレが出来る程にレベルが上がると プロダクト開発の仲間が出来る

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コスプレUXをやりつつ、現場で課題特定、仮説立案 プロトタイプも作成して3日おきに検証を続けた リサーチ結果を活かす

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200個くらいの仮説を潰して やっと解決すべき課題に出会えた

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UXはユーザー解像度を上げて プロダクト開発に活かしてこそ意味がある

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まとめ

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1.膨大な課題から選択して、仮説が立てられる 2.ユーザーの望んでいる真のストーリーが描ける 3.現場でプロダクト開発の仲間が出来る コスプレUXのメリット

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観察 「現場を感じる」 調査 「マニアになる」 1 2 3 STEP STEP STEP 体験 「身体で感じる」 • 生成AIで検索 • 本や記事を読み漁る • 知り合いに聞く 4 STEP 評価 「認められる」 • 聞くより目で見る • 5感で感じる • 足で情報収集 • サービスを受ける • やらせてもらう • 裏側の仕組みを知る • 有識者に見てもらう • お墨付きをもらう • 信頼関係を作る コスプレUXの手順

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すぐに見てもらえる 気軽に相談できる 新しい発想が出る 気になった時にオンラインで 相談することもできる プロダクト検証するときに フィードバックが早い 現場目線の新しい視点を 手に入れることができる 信頼関係ができると...

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バイトさせてもらうのが1番早い

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ユーザーになりきるから ユーザーを感動させるプロダクトが作れる

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ありがとうございました! Thank you!