Slide 1

Slide 1 text

学び実践してきたこと Supership 山崎大輔(@yamaz)

Slide 2

Slide 2 text

山崎大輔(@yamaz) Supership 取締役

Slide 3

Slide 3 text

この資料は? 学生→社会人→起業→買収→合併という 人生で、今まで学んで実践してきたことを まとめてみました。

Slide 4

Slide 4 text

注意! この資料は「こうしろ!」ということを 強制するものではありません。 みなさんの考え方の一助になれば。

Slide 5

Slide 5 text

社会人になってからの歩み 1. 大学卒業後TI(当時世界三位の半導体会 社)に入社。工場勤務。 2. ヤフーに転職 3. ヤフーを退職、スケールアウト立ち上げ 4. 買収されたり合併したりで現在Supership

Slide 6

Slide 6 text

学んだこと TOC(Theory of Constraints) 制約条件の理論

Slide 7

Slide 7 text

いきなりですが、質問です。

Slide 8

Slide 8 text

50人のクラスが遠足で山に登ります。 山に登る速度はどう決定されるでしょう?

Slide 9

Slide 9 text

答え 山を登る速度はそのクラスの一番足の遅い 人間の速度によって決定されます。

Slide 10

Slide 10 text

TOCを3行で 1. システムのパフォーマンスはボトルネックの パフォーマンスによって決定される 2. よってボトルネックの改善だけが重要(ボトル ネック以外の改善はほぼムダ!!) 3. ボトルネックを解消するとボトルネックは次に 移るので、ずっと改善が可能

Slide 11

Slide 11 text

学んだこと 待ち行列理論

Slide 12

Slide 12 text

またまた質問です。

Slide 13

Slide 13 text

いつも10人並んでるATMが1台があります. ここで新たにATMを1台足すと行列の数はどうな るでしょう? ATM ATM ATM

Slide 14

Slide 14 text

答え だいたい0人に近づいていく (半分ではない)

Slide 15

Slide 15 text

いつも10人並んでるATMとは → 単位時間に到着する人数とATMが 処理できる人数が釣り合ってるということ いつも10人 ATM

Slide 16

Slide 16 text

ATMが1台増えると? → ATMが処理できる人数の方が多くなる → 行列の数がどんどん減っていく → 最終的に0人になる ATM ATM

Slide 17

Slide 17 text

ATMの処理性能 < 到着数の時 処理が間に合ってないってことな ので、行列がどんどん増えて 最終的にめちゃくちゃ遅くなる

Slide 18

Slide 18 text

ATMの処理性能 > 到着数の時 処理が間に合ってるってことなの で、行列がどんどん減って最終的 には0に近づく

Slide 19

Slide 19 text

リトルの公式(Little’s formula) 平均の待ち行列の数 L = λ * W L: システムの平均待ち行列数 λ: システムの平均到着率 W: システムの平均待ち時間

Slide 20

Slide 20 text

処理性能 < アクセス 1%しか超えてなくても、この状態が ずっと続く限りは待ち行列は永遠に増 える → システムは無限に遅くなる

Slide 21

Slide 21 text

スケールアウトあるある 応答速度が10倍遅くなった! えぇっ?10倍サーバを足す必要があるの?? →必要ありません 処理性能 > アクセス を満たせばいいので、大抵の場合数割の増強で 事足りる

Slide 22

Slide 22 text

逆を言うと? 1台あたり数割の性能劣化が10倍以上の速度 低下をもたらす可能性がある!!

Slide 23

Slide 23 text

学んだこと ハインリッヒの法則

Slide 24

Slide 24 text

ハインリッヒの法則を3行で 1. 1つの重大事故の裏には29の軽微な事故が あり、その裏には300の異常が存在する 2. だから異常を見逃さず対処することが大事 3. 対策に際しては安全工学の考え方が大事

Slide 25

Slide 25 text

学んだこと ピーターの法則

Slide 26

Slide 26 text

自身の市場価値について 自分の市場価値 市場の伸び 市場価値 年齢

Slide 27

Slide 27 text

ピーターの法則 「人は最終的に無能になるまで昇進する」という法則 チームメンバーとして超優秀 ↓ チームリーダーとして優秀 ↓ 技術部長として普通 ↓ CTOとして無能

Slide 28

Slide 28 text

ピーターの法則の対抗策 × 昇進しないようにする ○ 戦い続ける

Slide 29

Slide 29 text

ピーターの法則を3行で 1. 人は無能になるレベルまで昇進するという 法則がある 2. おそらくは普通にやってると避けられない 3. 旧スケールアウトではメンバーを専門化させ、 昇進(not 昇給)させないことで対抗してきた

Slide 30

Slide 30 text

学んだこと the Lake Wobegon Strategy

Slide 31

Slide 31 text

The Lake Wobegon Strategy を3行で 1. 採用では「基準を満たす人を採用」じゃなく 「チームの平均値よりいい人を採用」という 方法がある 2. 上記方策で平均能力の低下を抑えられる 3. 初期値(=自分)のパフォーマンスがとても 大事

Slide 32

Slide 32 text

グラフにするとこんな感じ

Slide 33

Slide 33 text

注意点 1. これを正しく適用すると最終的に自分が一 番できない奴になるw 2. でも「自分がMax」というリスクがなくなるので、 チームは超強くなります。あと自分もいろい ろ学べるので結果パワーアップします。 3. もちろん「下位10%を落とす」的な人事制度と は超相性悪い

Slide 34

Slide 34 text

最後に 私が学んできたことを色々話してみました。 何か考え方の一助になれば