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僕のキャリアとワインと鍋 #大吉祥寺.pm

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すてぃお @suthio_ 本業: ソフトウェアエンジニア 趣味: 飲食店経営

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Agenda ワインと鍋とは? 飲食店をはじめた経緯 飲食店の基本戦略 ワインと鍋の戦略 飲食店経営とソフトウェアエンジニアリング まとめ

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ワインと鍋とは? 飲食店をはじめた経緯 飲食店の基本戦略 ワインと鍋の戦略 飲食店経営とソフトウェアエンジニアリング 実例

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ワインと鍋とは? 2021年12月オープン(3年目) 茅場町・人形町・水天宮前エリア カジュアルワインバー兼料理店 最高の料理・ワインをカジュアルに楽しめる店 お客さんはソフトウェアエンジニアが多い

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ワインと鍋とは? ワインを 300本常備 中には珍しい 日本ワインもあり アルケミエ 辰巳蒸溜所の ジンを多数常備 最高の ソフトドリンク 本気ジュースを 用意

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ワインと鍋とは? ポルチーニの出汁 を使った きのこ鍋 最高の和牛を 最高の火入れ 常連さんが ほとんど注文する カツサンド

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ワインと鍋とは? 飲食店をはじめた経緯 飲食店の基本戦略 ワインと鍋の戦略 まとめ 飲食店経営とソフトウェアエンジニアリング

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飲食店を始めた経緯 僕はソフトウェアエンジニアとしては大成できないだろうということが わかってきた このままソフトウェアエンジニアだけをやってていいいのかという漠然 とした不安 周りなんとなく感じる「エンジニアだからビジネスわからないよね」感 (ビジネスわからないわけないじゃんと僕自身は思っていた) コロナ禍で結構時間ができてきた たくさん行ってた飲食店が潰れてしまって行く店が結構なくなってしま った

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飲食店を始めた経緯 UberEatsで ゴーストレスト ラン始める 2021年7月 Uber Eatsで 東京都Top10% に入る 2021年8月 ゴーストレス トランの閉店 2021年9月 水天宮前に 物件を借りる 2021年10月 オープン準備 (工事など) 2021年11月 ワインと鍋 オープン 2021年12月

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飲食店を始めた経緯 UberEatsで ゴーストレスト ラン始める 2021年7月 Uber Eatsで 東京都Top10% に入る 2021年8月 ゴーストレス トランの閉店 2021年9月 コロナ禍でまだ伸びそうなゴーストレ ストランを開業 1ヶ月で東京都Top10%入りを果たす 勝手がわかるとやる気が無くなる 運営3ヶ月目で閉店 評価も200+で4.7ぐらいでもった いないと言われた

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飲食店を始めた経緯 UberEatsで ゴーストレスト ラン始める 2021年7月 Uber Eatsで 東京都Top10% に入る 2021年8月 ゴーストレス トランの閉店 2021年9月 水天宮前に 物件を借りる 2021年10月 オープン準備 (工事など) 2021年11月 ワインと鍋 オープン 2021年12月

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飲食店を始めた経緯 水天宮前に 物件を借りる 2021年10月 オープン準備 (工事など) 2021年11月 ワインと鍋 オープン 2021年12月 飲食店をオープンしてみようと店 舗を借りる ゴーストレストラン時代、タイミ ーで料理人を呼んでいた中で一番 腕がよかったシェフをスカウト そこまでお金もなかったので自分 たち(僕、兄)で工事をし、オー プン

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ワインと鍋とは? 飲食店をはじめた経緯 飲食店の基本戦略 ワインと鍋の戦略 まとめ 飲食店経営とソフトウェアエンジニアリング

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飲食店の基本戦略 経営管理 ✕ 集客 ✕ オペレーション

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飲食店の基本戦略 経営管理 ✕ 集客 ✕ オペレーション

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飲食店の基本戦略 売上 − 経費 = 利益

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飲食店の基本戦略 売上 − 経費 = 利益 売上 = 客単価 ✕ 来客数 ↓

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飲食店の基本戦略 売上 − 経費 = 利益 経費 = 固定費 + 変動費 ↓ 家賃 正社員人件費 減価償却費 原材料費 アルバイト人件費 水道光熱費

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飲食店の基本戦略 材料費 人件費 家賃 売上 / + + ( ) 70%以下となるのが最低ラインと言われいる

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飲食店の基本戦略 材料費 90万 (30%) 人件費 90万 (30%) 家賃 30万 (10%) 売上 300万 / + + ( ) 70%以下となるのが最低ラインと言われている 残 り の 30% が 利 益 に な る わ け で は な く 、 機 材 を 入 れ た り 、 消 耗 品 を 買 っ た り 、 水 道 光 熱 費 を 入 れ る と利益は10%も残らない 合計 210万 (70%)

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飲食店の基本戦略 材料費 135万 (45%) 人件費 45万 (15%) 家賃 30万 (10%) + + ( ) 材料費 90万 (30%) 人件費 90万 (30%) 家賃 30万 (10%) + + ( ) 材料費 60万 (20%) 人件費 120万 (40%) 家賃 30万 (10%) + + ( ) 合計 210万 (70%) 売上 300万 居酒屋 焼肉 フレンチ

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飲食店の基本戦略 経営管理 ✕ 集客 ✕ オペレーション

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回転率 価格帯 悪 良 低 高 フレンチ イタリアン ビストロ 焼き鳥 ラーメン ファストフード カフェ

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飲食店の基本戦略 オンライン グルメサイト(食べログ、Retty、ぐるなび) SNS(Twitter、Instagram、TikTok) Web広告 オフライン チラシ 看板 地域、価格帯、ジャンルなどによってどれが有効なのか変わってくる

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飲食店の基本戦略 経営管理 ✕ 集客 ✕ オペレーション

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飲食店の基本戦略 いわゆる、QSC( 「Quality、Service、Cleanliness)と言われるもの おいしい料理を作る サービスレベルを上げる お店をきれいに保つ

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ワインと鍋とは? 飲食店をはじめた経緯 飲食店の基本戦略 ワインと鍋の戦略 まとめ 飲食店経営とソフトウェアエンジニアリング

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飲食店の基本戦略 ワインと鍋の売上

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飲食店の基本戦略 ワインと鍋の 経営管理 ✕ 集客 ✕ オペレーション

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ワインと鍋の戦略 ワインと鍋の 経営管理 ✕ 集客 ✕ オペレーション

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ワインと鍋の戦略 グルメサイトは頑張らない 課金してもあんまり効果なかった Twitter、Instagramで知ってもらい、来てもらう noteを頑張り始めた

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回転率 価格帯 フレンチ イタリアン ビストロ 焼き鳥 ラーメン ファストフード カフェ 悪 良 低 高

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ワインと鍋の戦略 ワインと鍋の 経営管理 ✕ 集客 ✕ オペレーション

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ワインと鍋の戦略 基本はスタッフに任せる すてぃおはオペレーションのプロフェッショナルではない 改善してほしい課題のみ伝え、解決手段はスタッフに一任 「今の季節のコースは食べ疲れるので解決してほしい」 「レアワインの在庫を積みすぎているので解決してほしい」

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ワインと鍋の戦略 ワインと鍋が大事にしていること

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ワインと鍋の戦略 長く続けることが できることを重視 仕入れ力の強化に 常に積極投資 広く浅くより 深く狭く

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ワインと鍋の戦略 長く続けることができることを重視 年間を通した結果、赤字が出なければ続けられる 週2休み、ランチ営業はやらない 労働時間をできるだけ少なくすることにより、長期的に働ける環境作り 他のお店に行って勉強することができるようになる 利益の従業員還元 利益のほとんどを賞与として払い出し 頑張った分、自分たちが報われるような環境作り 補助金の活用 設備投資した際の出費をできるだけ少なくする ※購入時に補助金採択待ちが発生する すてぃお報酬ゼロ 報酬ゼロかつ食事をした時もお金を払うことで利益の享受を受けないようにする 儲けるために始めたお店ではないので特に問題なし

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ワインと鍋の戦略 長く続けることが できることを重視 仕入れ力の強化に 常に積極投資 広く浅くより 深く狭く

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ワインと鍋の戦略 仕入れ力の強化に常に積極投資 仕入れは時間がかかるが確実な優位性 ドリンク 他では手に入らないようなコスパワイン お金を出しても手に入らない日本ワイン 入手困難なジンやアブサン 申込後通過率3%の本気ジュース ナチュールワインと同じ作り方をしているぶどうジュース 食事 珍しいきのこ類を多数 焼肉屋ができるぐらいの和牛 寿司屋ができるぐらいの魚介類 ※マグロ以外 焼鳥屋ができるぐらいの鶏肉

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ワインと鍋の戦略 長く続けることが できることを重視 仕入れ力の強化に 常に積極投資 広く浅くより 深く狭く

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ワインと鍋の戦略 広く浅くより深く狭く 色々な人に来てもらうというよりは“ワインと鍋“のことを知ってもらっている人に来ても らえるのが理想 noteやTwitterで発信し続けてをちゃんと知ってもらう努力をし続ける 小さなコミュニティ内で何回も使ってもらえるのが理想 何回も来ることで体験価値が上がるように設計 1回目と2回目以降では出すメニューをお客様ごとに決めている DMなどで「◯◯食べたいのでお願いします」みたいなコミュニケーションでの依頼を受け ることが多々

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ワインと鍋とは? 飲食店をはじめた経緯 飲食店の基本戦略 ワインと鍋の戦略 飲食店経営とソフトウェアエンジニアリング まとめ

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飲食店経営とソフトウェアエンジニアリング 飲食店経営と ソフトウェアエンジニアリングは 本質的には一緒

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飲食店経営とソフトウェアエンジニアリング 来る人やユースケースを 明確にする 素早く試して 素早く改善 定量と定性を うまく使う チーム内で状況共有、 情報の透明化

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飲食店経営とソフトウェアエンジニアリング 来る人やユースケースを明確にする “ワインと鍋”の場合はお店のことをすでに知っている人 Twitter(現X) 、Instagramの投稿を見てきた人 来たことある人の紹介 各社の社内Slackで誰かが投稿 オープン当初、経営者を想定ターゲットにして集客してみたが全然だめだった お金のある経営者層はお金を出してもっと高い店に行ってる 誰にでもアプローチ可能な店 = 誰にも刺さらないお店

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飲食店経営とソフトウェアエンジニアリング 来る人やユースケースを 明確にする 素早く試して 素早く改善 定量と定性を うまく使う チーム内で状況共有、 情報の透明化

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飲食店経営とソフトウェアエンジニアリング 素早く試して素早く改善 うまくいかないこと、うまくいくことたくさんあるけど基本は試してみる 3割うまく行けば良い前提で進め、うまくいかなければすぐやめる うまくいかなかったこと 個人スポンサー制度 ブラインドテイスティング まずは最小コストで試してみて、駄目なら施策ごと削除

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飲食店経営とソフトウェアエンジニアリング 来る人やユースケースを 明確にする 素早く試して 素早く改善 定量と定性を うまく使う チーム内で状況共有、 情報の透明化

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飲食店経営とソフトウェアエンジニアリング 定量と定性をうまく使う 売上、客単価、原価率、リピート率など定量数字が使えるものは定量数字を使って改善 定期的にモニタリング 2024年2月時点で11月までの売上、原価率、単価などの予測数値を出している 新メニューなどについてはヒアリングや試食をしてもらい確認 シェフは自分自身の料理は体験できるけどコースを一通り体験することはできないので 別でチェックする

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飲食店経営とソフトウェアエンジニアリング 来る人やユースケースを 明確にする 素早く試して 素早く改善 定量と定性を うまく使う チーム内で状況共有、 情報の透明化

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飲食店経営とソフトウェアエンジニアリング チーム内で状況共有及び情報の透明化 “ワインと鍋“における全ての数値、情報には内部の全員がアクセス可能 銀行口座 freee会計 レジ情報 仕入れ情報 重要指標については取りに行かなくても定期的にSlack通知 月に1回、情報共有のためのミーティングを実施 徹底的な情報共有と透明化により、個人が自分で考えて勝手に動けるようにする なにか行う際も基本は許可を取らずに勝手に判断 結果については共有

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ワインと鍋とは? 飲食店をはじめた経緯 飲食店の基本戦略 ワインと鍋の戦略 飲食店経営とソフトウェアエンジニアリング まとめ

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まとめ 飲食店を経営してみた結果 本質は僕自身がソフトウェアエンジニアリング、プロダクト開発でやってきたことと一緒 意外とソフトウェアエンジニアの経験が飲食店経営に生きてくる チームと仕組みが大事 飲食店経営は儲からない

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みんなお店にきてね

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ワインと鍋に来てもらえるとすごく嬉しいです! (特に7月、8月、9月は席空きがち) 「ワインと鍋行こう」と誘う 「ワインと鍋行きたい」とツイートする とかでも… Slack Connectでワインと鍋Slackと繋がることができるので 繋がりたい会社やコミュニティ募集してます 社内にワインと鍋チャンネルを作りましょう!

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改善の サイクルループ 同じこと