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目次 ⚫ 評価制度の種類 ⚫ コンピテンシーとは? ⚫ コンピテンシーの一覧 ⚫ コンピテンシー評価とは? ⚫ コンピテンシー評価の作り方 ⚫ バリュー評価とは? ⚫ メルカリのバリュー評価をコンピテンシー評価っぽく分解してみた ⚫ バリュー評価作成の際に気を付けること

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評価制度の種類 <評価の対象> 個人の企業活動は、 「能力」が発揮されて、「行動」に結びつき、「業績」となって形に表れる。 能 力 行 動 業 績 企業活動 どこを評価するか?

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評価制度の種類 ⚫ 能力評価 ・職務遂行上保有すべき知識・技能・技術 ・職務遂行上期待されるポテンシャル(理解力・判断力・折衝力・企画力・統率力など) ・勤務態度・仕事への取り組み姿勢・意気込みなどを評価の対象とする ⚫ 業績評価 ・売上高、利益、顧客獲得数、新商品開発件数、クレーム発生率など、 課せられた目標に対して実際に達成した結果を評価の対象とする ⚫ 行動評価 ・会社にとって適切なプロセスをとっているかどうかを評価の対象とする コンピテンシー評価やバリュー評価が、これに該当する

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コンピテンシーとは <定義> 職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性。 社内の人材育成や評価基準、採用面接などに活用されている。 <生まれた背景> 1970年代前半の米国文化情報局の職員採用選考がきっかけ ・職員のパフォーマンスと学歴・知能にはあまり相関性がない ・ハイパフォーマーは特有の行動をしており、 それに結びつく思考パターンや性格などの動機的な部分にも特徴がある

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コンピテンシーとは 職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性。

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コンピテンシーの一覧① ●コンピテンシー・ディクショナリー(スペンサー&スペンサー) →必要なコンピテンシーをすべて洗い出し、体系的に整理したもの。 達成・行動 達成思考、秩序・品質・正確性への関心、 イニシアチブ、情報収集 援助・対人支援 対人理解、顧客支援志向 インパクト・対人影響力 インパクト・影響力、組織感覚、関係構築 管理領域 他者育成、指導、チームワークと協力、 チームリーダーシップ 知的領域 分析的思考、概念的思考、 技術的・専門職的・管理的専門性 個人の効果性 自己管理、自信、柔軟性、 組織コミットメント

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コンピテンシーの一覧② ●コンピテンシーマスター評価項目一覧(あしたのチーム) A)自己成熟性 冷静さ、誠実さ、几帳面さ、慎重さ、ストレス耐性、 徹底性、率直性、自己理解、思いやり、ビジネスマナー B)変化行動・意思決定 行動志向、自立志向、リスクテイク、柔軟思考、素直さ、自己革新(啓発)、 チャレンジ性、反転思考、タイムリーな決断、目標達成への執着 C)対人(顧客)・営業活動 親密性/ユーモア、第一印象度、プレゼンテーション力、傾聴力、 条件交渉力、新規開拓力、顧客維持力、顧客拡大力、人物の評価、人脈 D)組織・チームワーク 上司・先輩との関係、チーム精神の発揮、ムードメーカー性 マンパワーの結集、政治力 E)業務遂行 専門知識・革新技術の習得、文章力、計数処理力、安定運用、処理速度、 コスト意識、トラブル処理、計画性、業務業務改善/品質の向上、業務企画力 F)戦略・思考 視点の広さと深さ、アイデア思考、論理思考、状況分析、解決策の立案、 リスク管理、コンセプトの設定、経営資源の活用、アイデアを活かす力、 思考持久力 G)情報 情報の収集、情報の整理、情報の伝達、情報の活用と共有化、情報の発信 H)リーダー 理念、方針の共有、経営への参画、部下・後輩の指導・育成、権限の委譲、 部下・後輩への配慮、コミュニケーションの充実、指揮・命令・徹底、 経営幹部との関係、部下・後輩に対する公平さ、採用と抜擢、 目標の管理および評価、部下・後輩との対立、システム管理力、業務管理力、 後継者の育成

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コンピテンシー項目の詳細 ●コンピテンシーマスター評価項目一覧(あしたのチーム) B)変化行動・ 意思決定 行動志向 ためになる事であれば体を動かすことをいとわない 自立志向 自らの立てた規範や意義・目的に従って行動する リスクテイク 失敗の可能性があっても、思い切って可能性のあることに 冒険を試みる 柔軟思考 状況の変化に応じて、臨機応変に対処している 素直さ 相手の意見や指摘をまずは受け入れる 自己革新(啓発) 自己の足りない部分や知識・技能を、 自らに積極的に取り入れている チャレンジ性 斬新なテーマや、高い目標に果敢に取り組んでいる 反転思考 意図的に逆の行動をとり、真意や効果を引き出している タイムリーな決断 どんな状況、問題でも時機を逸することなく意思決定している 目標達成への執着 最後の1分1秒まで目標達成をあきらめずに、 打てる手はすべて打つ

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コンピテンシー評価とは コンピテンシー評価は「コンピテンシー」(職務や役割において優秀な成 果を発揮する行動特性)を評価項目・基準として設定し、人事制度の中に 組み込んで利用するシステム。 理想の状態をコンピテンシーモデルとして定め、それに向かって社員一人 ひとりが目標設定し、上司や同僚など周囲からの評価を受けると同時に自 己も評価し、その結果を期末の査定や行動改善に活用していくもの ◆メリット • 行動特性を基準としているため、業績や成果につながりやすい • 本人の行動そのものを評価するため、納得感が得られやすい • 実際の行動目標として設定しやすいため、能力開発しやすい

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コンピテンシー評価の作り方① 【コンピテンシー】評価モデルと項目を作成するポイント ⚫ ハイパフォーマーと面談し、 ヒアリングする 「どのような成果について」 「どのような行動特性を抽出したいのか」 ⚫ ハイパフォーマーの行動特性の把握 ⚫ 評価基準に活用し、個々人の目標や 日々の行動に落とし込んでいく

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コンピテンシー評価の作り方② 【コンピテンシー】評価モデルと項目を作成するポイント ①理想型モデル 企業側が求める人材像に基づいて、 評価モデルを設計していくタイプ。 モデルとすべきハイパフォーマーの 存在が乏しいときに有効。 ②実在型モデル 実際に存在するハイパフォーマーを モデルにして設計していくタイプ。 理想型モデルよりも現実的で効果的 なモデルを設計可能。 ③ハイブリッド型モデル 「実在型モデル」のみは、ハイパ フォーマーにとっては、すでにでき ていることにすぎず、学びが少ない。 「ハイブリッド型モデル」は、すべ ての社員にとって、意味のあるモデ ルと言える。

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コンピテンシー評価の例 項 目 項目説明 レベル1 レベル2 レベル3 レベル4 レベル5 レベル6 レベル7 レベル8 柔 軟 思 考 状況の変 化に応じ て、臨機 応変に対 処してい る 固定的なや り方・決ま り切ったひ とつの方法 にのみ固執 し、それ以 外の方法は 拒否する。 他者が自分と は違う考えを 持っていたり、 違う方法で行 なったりする ことは認めて いるが、自分 自身のやり 方・考え方は 固定的で同じ ことばかりを 行なっている。 業務遂行や問 題解決にあ たって決まっ た一種類の同 じやり方を行 なっているだ けだが、その やり方に自分 なりの簡単な 工夫や改善を 加えながら行 なっている。 業務遂行や問 題解決にあ たって、一種 類だけではな く複数のやり 方を持ってお り、それを状 況に応じて柔 軟に使い分け ている。(た だしそれらの 方法は独自の ものではなく、 すでに行なわ れている既存 のものであ る) 業務遂行や問 題解決にあ たって、今ま で行なわれて きた既存の複 数の方法に自 分なりの修正 や改善を加え ながら新しい やり方で業務 を遂行してい る。 既存の色々な 方法に加え、 今まで誰もや らなかったよ うな全く新し い独自の業務 遂行方法や問 題解決方法を 持ち、それを 実行している。 状況に応じて 従来行なわれ てきた”部門 全体”の方針 や戦略でも、 根本から考え 直し修正する くらいの柔軟 な発想・行動 を行なってい る。 状況に応じて 従来行なわれ てきた”全社” の方針や戦略 でも、根本か ら考え直し修 正するくらい の柔軟な発想、 行動を行なう。

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バリュー評価とは 「バリュー」=「会社が全社的に共有すべき価値基準や行動基準」 を満たす行動を取っているかどうかを評価する

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コンピテンシー評価の作り方(再掲) 【コンピテンシー】評価モデルと項目を作成するポイント ①理想型モデル 企業側が求める人材像に基づいて、 評価モデルを設計していくタイプ。 モデルとすべきハイパフォーマーの 存在が乏しいときに有効。 ②実在型モデル 実際に存在するハイパフォーマーを モデルにして設計していくタイプ。 理想型モデルよりも現実的で効果的 なモデルを設計可能。 ③ハイブリッド型モデル 「実在型モデル」のみは、ハイパ フォーマーにとっては、すでにでき ていることにすぎず、学びが少ない。 「ハイブリッド型モデル」は、すべ ての社員にとって、意味のあるモデ ルと言える。

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コンピテンシー評価の作り方(再掲) 【コンピテンシー】評価モデルと項目を作成するポイント ①理想型モデル 企業側が求める人材像に基づいて、 評価モデルを設計していくタイプ。 モデルとすべきハイパフォーマーの 存在が乏しいときに有効。 ②実在型モデル 実際に存在するハイパフォーマーを モデルにして設計していくタイプ。 理想型モデルよりも現実的で効果的 なモデルを設計可能。 ③ハイブリッド型モデル 「実在型モデル」のみは、ハイパ フォーマーにとっては、すでにでき ていることにすぎず、学びが少ない。 「ハイブリッド型モデル」は、すべ ての社員にとって、意味のあるモデ ルと言える。 バリュー評価の際は 理想型モデルか ハイブリッド型モデル

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バリューの例 ⚫ メルカリ -Go Bold:大胆にやろう。 -All for One:全ては成功のために。 -Be Professional:プロフェッショナルであれ。 ⚫ ユーザベース -自由主義で行こう -創造性がなければ意味がない -ユーザーの理想から始める -スピードで驚かす -迷ったら挑戦する道を選ぶ -渦中の友を助ける -異能は才能 ⚫ アトラエ -期待を超えろ -常に挑戦者たれ -全ての行動に誇りを -城をつくる意識を持て -神輿を盛り上げろ -自らが舵を取れ

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バリューとコンピテンシーの接続 バリューを要素分解し、 コンピテンシーと接続させる

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メルカリのバリューをコンピテンシー評価っぽく分解してみた (あくまで一例) Go Bold チャレンジ性 リスクテイク アイデア思考 視点の広さと深さ 解決策の立案 All for One チーム精神の発揮 理念・方針の共有 思いやり 傾聴力 率直性 Be Professional 行動志向 自立志向 柔軟思考 自己革新(啓発) 目標達成への執着

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メルカリのバリューをコンピテンシー評価っぽく分解してみた (あくまで一例) バリュー コンピテンシー 説明 レベル1 レベル2 レベル3 レベル4 レベル5 レベル6 レベル7 レベル8 Go Bold チャレンジ性 斬新なテーマや、高い目標に果敢に取 り組んでいる リスクテイク 失敗の可能性があっても、思い切って 可能性のあることに冒険を試みる アイデア思考 新たな発想で事実や情報の活用を考え る 視点の広さと深さ 先見性、革新性を持って課題をとらえ る 解決策の立案 (小さな改善提案ではなく)担当業務 における構造的・潜在的な問題、将来 的な課題に対するプランニング All for One チーム精神の発揮 結果的に仕事を遂行するために、自ら 苦労を買って出る 理念・方針の共有 経営理念・方針、新しいやり方をわか りやすく部下・後輩に理解させ、実行 させる 思いやり 相手の立場や気持ちを理解し、対処す る 傾聴力 相手の立場に立って話を聴く 率直性 自分自身や自分の考えを包み隠さず表 明する Be Professional 行動志向 ためになる事であれば体を動かすこと をいとわない 自立志向 自らの立てた規範や意義・目的に従っ て行動する 柔軟思考 状況の変化の応じて、臨機応変に対処 している 自己革新(啓発) 自己の足りない部分や知識・技能を、 自らに積極的に取り入れている 目標達成への執着 最後の1分1秒まで目標達成をあきら めずに、打てる手はすべて打つ

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メルカリのバリューをコンピテンシー評価っぽく分解してみた (あくまで一例) バリュー コンピテンシー 説明 レベル1 レベル2 レベル3 レベル4 レベル5 レベル6 レベル7 レベル8 Go Bold チャレンジ性 斬新なテーマや、高い目標に果敢に取 り組んでいる リスクテイク 失敗の可能性があっても、思い切って 可能性のあることに冒険を試みる アイデア思考 新たな発想で事実や情報の活用を考え る 視点の広さと深さ 先見性、革新性を持って課題をとらえ る 解決策の立案 (小さな改善提案ではなく)担当業務 における構造的・潜在的な問題、将来 的な課題に対するプランニング All for One チーム精神の発揮 結果的に仕事を遂行するために、自ら 苦労を買って出る 理念・方針の共有 経営理念・方針、新しいやり方をわか りやすく部下・後輩に理解させ、実行 させる 思いやり 相手の立場や気持ちを理解し、対処す る 傾聴力 相手の立場に立って話を聴く 率直性 自分自身や自分の考えを包み隠さず表 明する Be Professional 行動志向 ためになる事であれば体を動かすこと をいとわない 自立志向 自らの立てた規範や意義・目的に従っ て行動する 柔軟思考 状況の変化の応じて、臨機応変に対処 している 自己革新(啓発) 自己の足りない部分や知識・技能を、 自らに積極的に取り入れている 目標達成への執着 最後の1分1秒まで目標達成をあきら めずに、打てる手はすべて打つ ここをひとつずつ埋めていく

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バリュー評価作成の際に気を付けること ⚫ バリューができた背景やそのバリューに決まった経緯やバ リューに込められた意味などを理解していないと正しい行 動基準を作るのは難しい(ミスリードになる可能性があ る) ⚫ バリュー策定する中で、落ちた言葉や要素についてしっか り整理しておくと行動基準を立てる際に選択と集中ができ る ⚫ バリューから行動基準に落とす際に社内でバリューを体現 しているモデルを見つけると行動基準がイメージしやすい ⚫ 理想ばかりだと評価制度がしらけるので注意が必要 (レベルが全然上がらないとか)