Slide 1

Slide 1 text

機械学習を活用した2層IPMSMの 磁石量最小化設計過程における 形状推移の要因考察 大阪府立大学大学院 工学研究科 清水悠生 2020/11/15 令和2年電気関係学会関西連合大会

Slide 2

Slide 2 text

2 自動車駆動用IPMSMが抱える問題 ✓ 自動車用IPMSMは幅広い速度域における特性を有限要素法に より求める必要があり,設計期間の長期化が問題に 有限要素法(FEM)を用いた解析 幅広い速度域における特性 構造を細かな要素に分割し それぞれの領域内で特性計算を 実施するため 特性解析に長時間を要する 幅広い速度ートルク領域における 特性を求めるためには 様々な電流条件で繰り返し 特性解析を行う必要がある トルク 速度 電流違いの 速度ートルク特性

Slide 3

Slide 3 text

3 代理モデルの構築 ✓ 有限要素解析の代替として機械学習による代理モデルを 用いると短期間で計算が完了する モータ 機械学習による代理モデル 機械学習の活用 モータ 速度 トルク 運転特性 有限要素解析 有限要素解析 数時間~数日かかる 数秒程度で完了 速度 トルク 運転特性

Slide 4

Slide 4 text

4 世代 磁石量 (p.u.) 減磁 未考慮 先行研究:代理モデルによる磁石量最小化設計 ✓ 2層構造IPMSMの磁石量最小化設計では 代理モデルを用いることで設計時間を50分の1にまで短縮 要求トルクを満足しながら 磁石量の最小化する設計 最小化設計にかかった時間 0 1000 2000 3000 4000 5000 FEM解析 SVR (代理モデル) 計算時間 (hour) 3944時間 72.0時間 50分の1 以下に短縮 評価値計算数:19085個体

Slide 5

Slide 5 text

5 研究目的と発表内容 ◼ 研究目的 ✓ 機械学習を用いて構造と運転特性の関係を学習 ✓ 有限要素法(FEM)を用いずに形状最適化設計を行い 短期間で最適形状に到達するアルゴリズムを構築 ◼ 本発表の内容 ✓ 磁石量最小化設計の形状推移の様子から 最適形状への収束要因を考察 ✓ より良い最適解を生成するための指針を得る 速度 トルク IPMSM構造 運転特性 機械学習より 関係を学習 磁石量 最小化

Slide 6

Slide 6 text

6 対象とする2層IPMSM ✓ 本研究の基本構造は筆者らが文献(1)で提案した 永久磁石を2層に配置した自動車駆動用IPMSMとする 表 モータ諸元 Item (Unit) Value Number of pole/slot 8/48 Winding method distributed Stator diameter (mm) 264 Rotor diameter (mm) 160.4 Air gap length (mm) 0.75 Shaft diameter (mm) 51 Stack length (mm) 50 Winding resistance* (Ω) 0.129 Maximum phase current (A) 134 Maximum terminal voltage (V) 507 * 温度条件は180°Cに設定 図 2層IPMSMの断面図 Rotor core Stator core Permanent magnet (1)清水ほか,電学論D, Vol. 137, No. 5, pp. 437-444 (2017)

Slide 7

Slide 7 text

7 図1 設計変数の設定 d 9 d 8 (r 1 ,θ 1 ) d 2 ※軸中心を 原点とした 極座標 学習用データの形状生成と解析条件 ✓ 2層IPMSMのロータ形状を基本として設計変数を設定 ✓ 図にない寸法は定数or自動的に決定 ✓ 形状を上下限値内で乱数生成して特性解析

Slide 8

Slide 8 text

8 構造生成の様子(gif) 形状生成の様子

Slide 9

Slide 9 text

9 磁石量最小化過程の様子 最大トルク 要求値: 197Nm 最大トルク (Nm) 永久磁石体積 (p.u.) 最大トルク 永久磁石体積 図2 最適化過程での最良個体の磁石量と最大トルクの推移 ✓ 磁石量最小化設計ではトルクに関する要求値を設定 ✓ 要求トルクの維持と磁石量の削減を両立

Slide 10

Slide 10 text

10 トルクの微分値による形状推移要因の考察 設計変数による トルクの微分値が正 設計変数による トルクの微分値が負 設計変数を増加すると トルクが増加する 設計変数を減少すると トルクが増加する トルク 設計変数 トルク 設計変数 ✓ 構築した代理モデルにより 構造とトルクの関係が数式化できている ✓ トルクの設計変数による微分値を計算することで 形状変化の要因を議論

Slide 11

Slide 11 text

11 設計変数によるトルクの微分値 (Nm/mm) or (Nm/°) 設計変数(mm) or (°) 世代 世代 世代 d 1 (mm) θ 1 (°) d 2 (mm) d 3 (mm) r 1 (mm) d 9 d 8 (r 1 ,θ 1 ) d 2 1層目磁石寸法のトルク微分値 ※破線は設計変数 の上下限値 ※変数間依存性に より上下限値は 変化する ✓ 磁石厚みに関する変数は トルクに関係なく減少傾向 ✓ その他の変数は概して トルク増加方向に推移 図3 最適化過程中の各設計変数によるトルク微分値(MTPA 制御時)と設計変数の推移

Slide 12

Slide 12 text

12 設計変数によるトルクの微分値 (Nm/mm) or (Nm/°) 設計変数(mm) or (°) 世代 世代 世代 d 1 (mm) θ 1 (°) d 2 (mm) d 3 (mm) r 1 (mm) d 9 d 8 (r 1 ,θ 1 ) d 2 1層目磁石寸法のトルク微分値 ※破線は設計変数 の上下限値 ※変数間依存性に より上下限値は 変化する ✓ 磁石厚みに関する変数は トルクに関係なく減少傾向 ✓ その他の変数は概して トルク増加方向に推移 図3 最適化過程中の各設計変数によるトルク微分値(MTPA 制御時)と設計変数の推移 他の変数の上下限値の 基準となっており 明確な傾向はみられない

Slide 13

Slide 13 text

13 設計変数によるトルクの微分値 (Nm/mm) or (Nm/°) 設計変数(mm) or (°) 世代 世代 世代 d 1 (mm) θ 1 (°) d 2 (mm) d 3 (mm) r 1 (mm) d 9 d 8 (r 1 ,θ 1 ) d 2 1層目磁石寸法のトルク微分値 ※破線は設計変数 の上下限値 ※変数間依存性に より上下限値は 変化する ✓ 磁石厚みに関する変数は トルクに関係なく減少傾向 ✓ その他の変数は概して トルク増加方向に推移 r 1, d 2 : 磁石厚みの決定 トルク微分値の符号と 変数の傾向が同じ ⇒トルクの増加に寄与 図3 最適化過程中の各設計変数によるトルク微分値(MTPA 制御時)と設計変数の推移

Slide 14

Slide 14 text

14 設計変数によるトルクの微分値 (Nm/mm) or (Nm/°) 設計変数(mm) or (°) 世代 世代 世代 d 1 (mm) θ 1 (°) d 2 (mm) d 3 (mm) r 1 (mm) d 9 d 8 (r 1 ,θ 1 ) d 2 1層目磁石寸法のトルク微分値 ※破線は設計変数 の上下限値 ※変数間依存性に より上下限値は 変化する ✓ 磁石厚みに関する変数は トルクに関係なく減少傾向 ✓ その他の変数は概して トルク増加方向に推移 d 3 : 磁石厚みの決定 トルク微分値:正 に対し変数は減少傾向 ⇒トルクを犠牲にして 磁石厚みを減少 図3 最適化過程中の各設計変数によるトルク微分値(MTPA 制御時)と設計変数の推移

Slide 15

Slide 15 text

15 ✓ 磁石厚みに関する変数は トルクに関係なく減少傾向 ✓ その他の変数は概して トルク増加方向に推移 設計変数によるトルクの微分値 (Nm/mm) 設計変数(mm) 世代 d 4 (mm) d 7 (mm) d 8 (mm) 世代 世代 d 9 (mm) d 5 (mm) d 6 (mm) 2層目磁石寸法のトルク微分値 d 9 d 8 (r 1 ,θ 1 ) d 2 図3 最適化過程中の各設計変数によるトルク微分値(MTPA 制御時)と設計変数の推移

Slide 16

Slide 16 text

16 ✓ 磁石厚みに関する変数は トルクに関係なく減少傾向 ✓ その他の変数は概して トルク増加方向に推移 設計変数によるトルクの微分値 (Nm/mm) 設計変数(mm) 世代 d 4 (mm) d 7 (mm) d 8 (mm) 世代 世代 d 9 (mm) d 5 (mm) d 6 (mm) 2層目磁石寸法のトルク微分値 d 9 d 8 (r 1 ,θ 1 ) d 2 図3 最適化過程中の各設計変数によるトルク微分値(MTPA 制御時)と設計変数の推移 d 5 : 磁石厚みの決定 トルク微分値:正 変数:下限を推移 ⇒トルクを犠牲にして 磁石厚みを減少 d 4 : 磁石位置の決定 トルク微分値:負 変数:下限を推移 ⇒トルクの増加に寄与 d 6 : 磁石幅の決定 トルク微分値:正 変数:上限寄りを推移 ⇒磁石幅が増加するが トルクの増加に寄与

Slide 17

Slide 17 text

17 ✓ 磁石厚みに関する変数は トルクに関係なく減少傾向 ✓ その他の変数は概して トルク増加方向に推移 設計変数によるトルクの微分値 (Nm/mm) 設計変数(mm) 世代 d 4 (mm) d 7 (mm) d 8 (mm) 世代 世代 d 9 (mm) d 5 (mm) d 6 (mm) 2層目磁石寸法のトルク微分値 d 9 d 8 (r 1 ,θ 1 ) d 2 図3 最適化過程中の各設計変数によるトルク微分値(MTPA 制御時)と設計変数の推移 トルクへの 寄与は少ない トルク微分値:正 変数:上限を推移 ⇒トルクの増加に寄与 明確な傾向は みられない

Slide 18

Slide 18 text

18 研究のまとめと今後の設計指針 ◼ 研究のまとめ ✓ 要求トルクを制約として与えた 磁石量最小化設計の形状推移要因を トルクの微分値を計算することで考察 ✓ 磁石量の削減は磁石厚みの低減が主であり その他の磁石幅などの変数はトルクの維持に寄与 ◼ 今後の設計指針 ✓ 磁石厚みは耐減磁性能に大きな影響 ✓ 高精度な減磁性能予測モデルを構築し より厳密に磁石厚みの下限を決定することで 現実に即した形状を生成する