ࣗݾհ
n ゆもと みちたか(YUMOTO Michitaka)
ü (株) クオリティスタート 代表
ü 1979.11.12 東京都⽣まれ
ü 新卒でSIer→事業会社で情シス→独⽴
ü IT企画/プロジェクト⽴ち上げ・SaaSや業務シ
ステムの導⼊⽀援、要件定義などが現⾏業務。
ü Java/Python/Swift/C#あたりを少々。
ü プログラミング教育をやっていた時に、←の本
を書きました。3冊刷。圧倒的感謝。
ü 野球⼤好きスワローズファンです。
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はじめに
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n この資料は、事業会社がITシステムを使って業務改善・事業開発の
プロジェクトを成功させる確率を上げるために書かれたものです。
n コーポレート・エンジニアの⽅々や、諸般の事情で突然ITプロジェ
クトにアサインされた⽅々などに是⾮読んで欲しいと思います。
n 元々はITコンサルタント育成プログラムの⼀環として、新卒並びに
中途採⽤の研修メニューだったものを、ギュッと濃縮しました。
n 思いついた検討すべき改善アイデアが、相談する⼈がいなかったり、
上⼿いやり⽅がわからないので、企画として⽴ち上がらずに消えて
しまうケースが多くて「もったいない」と感じています。
n 皆様の事業を⽀えるITを作るための⼀助になる資料とならんことを。
業務フローを書くポイント
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n A4ヨコ1枚程度に収める粒度で書くこと。全体を⾒たいので。
n 登場⼈物は「顧客」「⾃社」「取引先(発注先)」の3つです。仕事の流れ
と⼈の流れを紐付けて、どんなビジネスをどうやって回しているのかを
知ることが⽬的です。
n 図解系は俯瞰するために書くものなので「粒度」が重要です。
n ⾃社業務を書く時には「ロールの違う他部署・他⼈に受け渡すまで」の
範囲を1つの業務内容としてまとめるとわかりやすいです。
n ⾃社の中で複数のロール(営業と総務等)があり、仕事の受渡が発⽣するの
であれば、⾃社というレーンを複数に分けて書きます。
n ワークフロー(承認経路)は書かないでください。理由は後述します。
n 更に細かいフローが書きたい場合は、⼤分類・中分類という格好で粒度
を揃えて整理してください。まずは、顧客を踏まえた⼤分類からです。
業務フローの限界(1)
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n 業務フローは業務を俯瞰するために書くと前述しました。
n フローチャート系の成果物で「書き切る」ことをする必要はありません。
細かすぎて伝わらなくなるからです。
n 裏を返すと、俯瞰するためには「複数の作業をまとめて、1つの業務と
して表現する」というグルーピングが必要になります。
n グルーピングすることで⾒えなくなった複数の作業を表現できないので、
正確さにはどうしても⽋けます。
n これらの限界を埋めるため、業務フローだけではなく、先程のワークフ
ローの条件整理であるとか、業務を構成する作業の⼀覧を別表で整理を
⾏うなど、現状分析をより正確に⾏う⼯夫をする必要があります。
書ききれない業務/作業が出てきてしまう
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業務フローの限界(2)
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⽇常的な業務しか表現することが出来ない
n 業務フローで表現できるのは⽇常業務です。会社を運営するため、毎⽇
のように⾏う必要がある、ある⼀定のやり⽅に沿って⾏われるものです。
n ⽇常的に⾏わず、⼿を動かせば良いというものでもない業務があります。
それを管理業務と当⽅では呼んでいます。
n わかりやすいのが数字の分析です。得意先からどれぐらい受注があった
のか、どの商品が出ているか、予約状況はどうなっているか等です。
n 現状がどうなっていて、今度どういう⾏動を次に取るべきかの舵取りを
⾏う管理業務は、業務フローで表現することは出来ません。
n 管理業務の場合、⼤抵その管理を⾏うためのドキュメントや帳票が存在
します。経営層・管理層へのヒアリングを⾏う際には忘れずにチェック。
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業務フローの限界(3)
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どの業務でどんな問題があるか表現できない
n 業務フローを眺めても、どんな業務でどんな問題があるかは精査できま
せん。経路が複雑であるとか、ここだけボリュームが⼤きいなどです。
n 業務上で発⽣する問題を可視化するには、作業レベルにブレイクダウン
して整理する他に⽅法がありません。
n また、業務運営上の問題は、個⼈の能⼒の優劣が問題ではなく、業務を
⾏う仕組みの上に発⽣する構造的な問題です。誰がやってもこのやり⽅
では同じ事を繰り返すよね、という所を⾒つけることが重要です。
n 課題の可視化については王道は有りません。ひたすらリストアップして、
同じものはまとめて、どこを直せば変わるのかを仮説検証するのみ。
n 業務フローで表現できる業務には限界があるので、注意しましょう。
作業⼀覧と現⾏ITシステム調査( 2 )
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n 業務を⼤分類にして、作業内容を時系列にまとめて精査します。
n ワークフローについては、承認プロセスの有無があることだけ記載します。
詳細は前述したワークフロー条件分岐をまとめた表で確認します。
n 「現⾏ITシステム」の範疇に、Excelも含まれます。何かしらプログラム
が実装され、そこにデータを⼊⼒して業務を⾏っているソフトウェアのこ
とを「現⾏ITシステム」と呼んでいます。
n 現⾏ITシステムの操作を順を追って現場の⽅に操作して頂き、利⽤⽤途を
ヒアリングしましょう。マニュアルやスクリーンショットだけでは、限界
があります。
n 操作感(Webアプリとデスクトップアプリでは操作性が違う)も合わせて、
確認しておきましょう。⼿順が1つ増えるだけで、ユーザーはものすごく
抵抗を感じます。
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利⽤帳票、ドキュメントの精査
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n ⾒積書、契約書、発注書、請求書、在庫表・・そういった業務運営上必要
なドキュメントのことを「帳票」と⾔っています。
n 帳票には顧客や取引先に提出するための帳票と、⾃分達が業務を管理する
ために使う帳票があります。
n 帳票で⾒る観点は、出⼒項⽬と出⼒内容に加⼯・集計があるかどうかです。
個々にある項⽬は最低限出せるように(登録・編集できる)しなくてはなり
ません。
n 加⼯があるというのは、⼊⼒内容をそのまま出⼒したものではないデータ
がある場合です。最も多いのは集計されたデータが帳票にでているケース。
n 要件定義をやるとなった時に問題になりますが、帳票は出⼒される内容、
レイアウト、形式によって、実装難易度や⼯数がかなり違います。
n 何気ない会議資料、実は以外とすごく⼿間がかかって作られていることも。
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業務運営上の問題=「業務ストレス」
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n 現状が⾒えてくると、次は何をどうしたいかの検討へ移ります。
n 多かれ少なかれ、下記のような問題を抱えています。
ü 「やり⽅が⾮効率」
ü 「特定の個⼈、もしくは部署の業務負荷が⾼い」
ü 「欲しい情報が取れない」
ü 「兼務や割り込みが多くて落ち着いて仕事ができない」
ü 「⽣産性が上がらない」
ü 「属⼈性の⾼さがボトルネックになっている」
ü 「何をどういじればよいのかわからんシステムやExcelがある」
これらは「業務ストレス」と⾔うべきもの
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業務ストレスとは何か
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n 組織での働き⽅に起因して発⽣する「不満・不便・不安・⾮効率」などの
不健康な負担が発⽣している状態を、業務ストレスと呼んでいます。
n 業務ストレスの発⽣原因は、業務インフラにあります。
n 基盤となっている業務運営のやり⽅があって、そのやり⽅を踏襲する以上
は、誰がやっても同じストレスが発⽣するはずです。
n IT企画の⽬的は、業務ストレスを解消する業務インフラの改善です。この
ストレスがあることを認識するのが、現状分析の⼤きな⽬的です。
n 「御社の課題はなんですか」という問いに正確に答えるのは本当に難しい
ので、「どうなればハッピーなのか」「何から解放されたいのか」という
視点で考えると良いです。
業務ストレスを可能な限りなくしていこう
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業務ストレス4⼤分類
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名称 内容
ߴ͍ෛՙ ある業務において、特定の個⼈・部署の作業量がとても多い。
յΕͨڮ 業務の受け渡しがうまく出来ずに、様々な⼿間が発⽣している。
ଐਓԽ どうやって作業を⾏っているのか、他⼈が⾒ても判断ができない。
࣫ࠇͷҋ 欲しい情報が取れない or 精度が低いので、経営判断を正しく⾏えない。
最も解放されたいストレスは、何ですか?
n 中⼩企業で多いのは属⼈化の解消です。ただ、問題が根深いのも属⼈化です。
n メンテナンスできないITがあったり、能⼒が⾼いゆえに他の⼈を育ててフォロー
に回るまで時間がかかるなどで、やりたくても踏ん切りがつかない事が多い。
n 属⼈化と⾼負荷は、だいたい⽐例します。属⼈化が⾼い=負荷が⾼いです。
n 「壊れた橋」によくあるのが、⼆重⼊⼒やExcelによる帳票作成などです。
コンセプトワークで未来に旗を⽴てる
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n 現状分析を⾏い、⾃社を取り巻く業務インフラがどうなっていか
を整理します。
n 業務インフラの整理が終わると、「解放されたい業務ストレス」
が⾔葉にできるようになります。
n 解放されるためには、どうなっていたらいいのかをイメージして
「このITで⽬指すのはこういう未来だ」という旗を⽴てましょう。
それがコンセプトワークのゴールです。
n コンセプトワークは「これを無くしたら意味がない」という企画
の⽴脚点を作るものでもあります。
n このフェーズが⼀番みなさんが⼤変で、重要なフェーズです!
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構想⽴案
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構想⽴案はWHATを決めるフェーズ
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どんな業務上の課題があって、どういう解決をしたいのか
どういうITシステムがあれば、それが達成できるのか
どうやってそのITシステムを⼿に⼊れ、運⽤するのか
n 構想⽴案は「どういうITがあればいいのか」を⾒定めるフェーズになります。
n 簡単に⾔えば「業務のやり⽅をこう変えて良くしたい」→「こういうやり⽅を構築
する必要がある」→「それを担保するためのITに必要なのはこれ」です。
n システムに求める要求を整理して、RFPと元になる情報をまとめ上げるのがゴール。
ユーザーストーリーマッピング
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受注 出荷 納品
業務の流れ
作業内容
必要機能
ü 在庫確認
ü ⽋品連絡
ü 注残確認
ü 取置残管理
ü 送料計算
ü 出荷依頼
ü 出荷データの
取込
ü 在庫引当
ü 売上登録
ü 伝票起票
ü 返品対応
ü 不良品対応
ü 売上集計表の
作成
ü 注残管理
ü 取置管理
ü 委託倉庫から
の送料計算
ü 委託倉庫へ出
荷依頼を⾏う
ü 出荷後、出荷
データを取り
込めて、出荷
処理と同時に
売上登録する
ü ⾚伝⼊⼒時は
⾃動的にマイ
ナス計算
ü 年指定により
12ヶ⽉単位の
商品別売上集
計ができる
ユーザーが取る⾏動に、最適な機能を導き出す
n 横軸に業務の流れを描き、作業内容を⽰す付箋と、機能を⽰す付箋を⽤意します。
n この作業内容をこういう機能を使って、簡略化・集約できると価値が出るのでは、
というアイデアを出すためのものです。ポストイットの数だけ強くなれるよ。
要求事項を抽出し、優先順位をつける
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n 業務改善アイデアは業務単位でグルーピングすると整理が楽です。
n アイデアに優先順位をつけて、何をどの順番で実現するのかを考えます。
そのために、どういった機能を持ったITがあれば良いのかを整理します。
n 必要な機能の抽出を⾏うフェーズに⼊る前に、IT企画の経験があるヒト
にサポートしてもらうのがベストです。
n サポートに⼊る意味は、「ITでできること」の引き出しの数が違うのと、
コスト(難易度や⼯数)の算出がより正確にできるからです。
n 全ての機能を実装するのは困難ですし、優先順位をつけないとシステム
で達成したい成果もブレます。
n システム要求を出して優先順位を設定したら、RFPの⼟台となる企画書
をまとめる作業に⼊りましょう。まず、まとめましょう。
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ITで業務改善するためのポイント(1)
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業務を簡略化する=ルール化できる場所を探す
n ⼈間がやっている内容をプログラムにやらせるのが、IT活⽤ならではの
業務改善のポイントです。
n 顧客への報告書作成業務などで、⼊⼒した内容をコピペで報告書に転記
するのではなく、初めから報告書をテンプレート化して、ボタンを押す
と出⼒できるようにする等です。
n 同じく管理業務等で使う数字の作成なども、ITが得意な分野です。
n 業務内容を簡素化するには「ヒトが⼊⼒しないとダメな作業」と「⼊⼒
された後は、ルール化すればプログラムにより代⾏できる作業」の2つ
に分けるとわかりやすいです。
n ITは空気を読まないので「この場合は、こうする」と決めて、ルールを
設定しないと効果が出ません。業務の「標準化」が必要です。
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ITで業務改善するためのポイント(2)
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どこでも、どの端末でも、操作ができるように
n もう1つあるのは、モバイル端末の活⽤を考えること。
n メールやファイル閲覧等は可能だが、スマホで⼊⼒作業ができないので
パソコンを持ち歩くケースはまだまだ多い。
n やることは変わらないが、「スマホで可能になるだけで良い」という
業務は結構あります。その代わりセキュリティの担保が必須です。
n 特に清掃や施⼯など、現場に⾏って作業をしなければならず、作業それ
⾃体が売上にダイレクトに跳ね返る業種では、モバイル活⽤が有効。
n 「その場でお客様が⽬の前にいる状況で何をしたいのか」という観点で
整理すると、良いアイデアが湧いてくるはずです。
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ITで業務改善するためのポイント(3)
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Less Is More(より少ない労⼒で、より多くを)
n ITの良い所は、ルール化された作業であれば⼈間よりも確実に、素早く、
正確に⾏うことができる点です。特に集計作業には強い。
n やることは変わらないけど、作業内容が減って楽になる状態
n やることは減っているのに、できることが増えている
n こういった状態を⽬指すには、ヒトが頑張って作業を増やすのではなく
ITを使って任せる所は任せるように業務を設計します。
n より少ない労⼒で、より多くのことを⽰す⾔葉が、「Less Is More」
n More and Moreでも、More is Lessでも、Less is Less でも、ダメです。
n 運⽤⼿順が複雑になってしまうなら、その案はやばいと思うべき。
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追体験をしてみよう
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n 「業務(ドメイン)知識」と呼ばれるものがあり、お客さんがどうやって
業務を回しているか、そこでどんなやり取りがされているかを複合的に
表現する⾔葉です。
n 現場で起こっている課題を抽出して抽象化するには、発⽣する諸問題を
理解して構造化する訓練が必要になります。
n 「業務がわかるSEがいない」みたいな話の9割は、その抽象化ができて
いないから発⽣すると思います。はじめからわかる⼈はいないのにね。
n 業務知識のキャッチアップは、追体験するしかないと考えています。
n 追いかけてユーザーの⽴場に⽴って同じことを体験することをイメージ
し、ロールプレイングをします。
n 映像を作る時に「絵コンテ」と呼ばれる映像の設計書に該当するドキュ
メントがあります。今でいうと、ストーリーボードってやつ。あれを、
作ってみると頭に⼊りますよ。
システム導⼊=注⽂住宅を建てる
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n 注⽂住宅の難しい点は、作る前にイメージを固める必要がある点。
契約時にどんな家が⽴つかは平⾯図やパース等で判断します。
n システム導⼊も同じ事です。どんなITが⼿に⼊るかは、図⾯に該当
する仕様書、パースに該当する試作品で判断するしかありません。
n 家ができてから「こんな家に住みたいとは⾔っていない。」は無理
です。本番運⽤が始まったら、元には戻れません。
n 注⽂住宅の場合で特に気をつけるのは、⽇々の⽣活をイメージして
ライフスタイルに最適な動線を描けているか、にあるそうです。
n システム導⼊においても、⽇々の作業を、このシステムの操作性、
実装された機能、出⼒できるデータや帳票を活⽤して、⽇常業務を
運営することができるか、を検証します。
n 同じ業種・業態でも、業務インフラが違えば課題が違います。
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試作品とはどういうものか
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画⾯イメージを作り、画⾯と画⾯をつなげよう
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試作品はHTMLプロトタイプがベスト
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n SaaSでもパッケージでもなんでも、ソフトウェアは操作してみないと
どういうものだか評価できません。
n プロトタイプは紙ベースではダメです。画⾯イメージを並べられても、
ユーザーはまず「⾃分ごと」として捉えてくれません。
n 要件定義にかける想い(丁寧にしっかりやって成功させよう)に対して
温度差があります。ITサイドが「10」に対してユーザーは「1」です。
n HTMLの試作品には、画⾯イメージ・遷移はもちろんのこと、データ
もなるべくそれっぽいものをダミーで埋めておきます。⽇々の作業を
イメージしてもらうためです。
n KintoneやPleasanterのようなPaaSを使うのもアリかもしれませんが、
PaaSの制約を超える要件が出てくると・・・悩みどころ。
n HTMLプロトタイプをいい感じに作れるツール、常に募集中。
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試作品で作るのは⼊⼒画⾯数個でよい
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n HTMLプロトタイプで作るのは「⼊⼒画⾯」です。マスタメンテでは
なく、⾒積や出荷といった、業務プロセスをになう業務が対象です。
n 修正依頼が最も多いのは、⼊⼒画⾯の操作性、表⽰項⽬、補助機能の
追加等です。最も多く操作し、最も時間がかかるのが、⼊⼒画⾯への
操作だからです。
n 補助機能とは、サジェスト・キーイベント・⼦画⾯連携・ajaxなどに
よる画⾯の要素の更新・・・そういったものを指します。
n 「こいつは重たいな」という画⾯の特徴としては、項⽬が多い、1つの
画⾯に⾊んな情報が盛り込まれている、レイアウトが複雑などです。
n 要件定義フェーズでやることじゃないかって話かもしれないですが、
このステップをユーザー側でやるのと、業者が主導になってやるのは
⼤きな違いがあります。得られる経験値が、絶対に違います。
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要件定義
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要件定義はHOWを決めるフェーズ
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どんな業務上の課題があって、どういう解決をしたいのか
どういうITシステムがあれば、それが達成できるのか
n 要件定義は「どうやってITシステムを⼿に⼊れるか」を決めるフェーズになります。
n システムをどんな画⾯で操作して、操作によってどんなアクションが実⾏されて、
どういうデータが作成・出⼒できたら良いのかを決めるのが、要件定義の⽬的です。
n また、システムの稼働環境・保守運⽤体制などもここで決めます。
どうやってそのITシステムを⼿に⼊れ、運⽤するのか
要件定義が終わっても道半ば
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要望→要求→要件が前半戦、開発以降が後半戦
要望 要求 要件
UI データ 機能
開発 テスト 稼働
システム稼働までの流れ
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n 要望→要求→要件に落とし込むまで、⾮常に多くの中間成果物が必要です。
n それでも、まだ道半ばです。最も時間がかかる「開発」が待っています。
n スポーツに例えるとラグビーのようなものです。
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要件定義はUI、データ、機能の3つ
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どんなデータを、どんな画⾯で、どう操作する?
ü システムへの要求事項
ü 機能⼀覧
ü 帳票⼀覧 etc..
要件定義の流れ
処理A
?
処理C
処理D
処理B
顧客 ユーザ
注⽂ 予約
売上 請求
UI(画⾯) 機能 データ
n 検討する⼿順は 「どんなデータを、どの画⾯で、どう操作する」です。
n UIデザインをする前に、システムがどんなデータを扱おうとしているのか、そこを
最初に整理します。「データモデリング」と⾔われる作業です。
n データモデリングができるようになると、要件定義が楽しくなります。
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ITができるのは「データ操作」だけ
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データの構造・流れ・作り⽅を変え、業務を変える
n ほぼ全ての業務は、「データのやり取り」を⾏います。
n ⾒積データ、受注データ、契約データ、売上データ、出荷データ、請求
データ、⼊⾦データ、顧客データ、商品データ・・・キリがない(笑)
n そういうデータを作成・参照・更新・取消などをしながら、データを必要
とする⽅々がコミュニケーションを取って、業務を回しています。
n ITができるのは「データの操作」だけですが、「業務でやり取りされる
データの流れや構造を変えて、⼈の動きを変える」ことができます。
n 誰がどんな仕事をしようと、データの構造は変わらない。誰がやっても、
同じ性質のデータが出来ます。操作するデータを変えれば、仕事のやり⽅
も連動して変わります。
データモデリング (2)
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エンティティとフィールドにデータを整理しよう
n データの持ち主が「エンティティ」で、付属
情報が「フィールド(属性)」です。
n 例えば、「年齢」はフィールドです。35とい
う数字だけでは、その持ち主がわかりません。
n フィールドの持ち主を探していくと、共通の
持ち主が⾒つかります。それがエンティティ
です。
n この例では、予約・プランがエンティティと
なります。
n 申込者は悩ましいところです。後述します。
ü 予約番号
ü 申込者⽒名
ü ⼈数(⼤⼈・⼦供)
ü 住所
ü 年齢
ü 電話番号
ü 宿泊⽇程
ü 利⽤プラン
ü 決済⽅法
ü チェックイン予定時刻
ü 交通⼿段
ü ⾦額
ホテル予約に必要な情報
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データモデリング (3)
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エンティティの関連性(依存関係)を整理しよう
予約
プラン
申込者
n エンティティは、それ⾃体が単独で登録・更新等ができる必要があります。
n 例えば、「プラン」は予約と⼀緒にデータが⽣成されるようではダメです。新しい
プランを作るのに、新しい予約が必要になってしまいます。
n このように、「それ⾃体が独⽴して作られるべきデータ」はエンティティです。
n 申込者は予約なしでは成⽴しないので、予約エンティティの属性で良いでしょう。
プラン プランは独⽴したエンティティですが、
予約時には必ず必要になる情報です。
こういった場合、「プランを特定できる
情報」を(例えばプランID等)予約エン
ティティに、保存できるようにします。
そうすれば、予約にあるプランIDから、
プランの詳細を参照でき、プラン⾃体は
独⽴してデータの操作が可能になります。
ER図を⾒れば業務がわかります
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ER図は業務で作られるデータの全てがあります
n ER図(Entity Relation Diagram)は、業務を正確に写す鏡です。
n エンティティ間の依存関係を⾒れば、どの業務にどんな情報が必要になる
のかがわかります。
n 簡単に⾔えば、外部キーがあれば、外部キーの参照先のデータがなければ
データは作れません。作業の前後関係がそこでわかります。
n また、ER図には、業務の管理⼿法が描かれています。状態を表現したり、
フラグによってデータを識別したり、集計のキーとなる情報があったり、
⾒慣れないエンティティがあったり、等。
n RDBの世界では、テーブル( or ビュー)を増やして対応するか、カラムを
増やして対応するか、その2つしか取れる⼿段がありません。
機能仕様書を書くべき局⾯
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⼊⼒値が「そのまま格納されない」ケースは必須
n ⾮常に⼤きくわけると、「画⾯からの⼊⼒値がそのままデータとして格納
される場合」と「⼊⼒値を加⼯したり、別のデータを操作する場合」の
2つに分けられます。
n 前者のケースは、機能仕様書は不要です。ユーザーマニュアルがあれば、
それで良いです。
n 後者のケースの代表例が、在庫の引き落としです。注⽂受けたら、在庫を
減らす必要があります。在庫を減らすという作業はユーザーが⾃分で画⾯
操作して⾏うものではないので、そのロジックを実装する必要があります。
n ソースコードはドキュメントではありません。引き継ぎをスムースに⾏う
ためにも、ロジックが⼊っている箇所はその内容を記述しましょう。
ビジネスに貢献する「IT企画」を
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n 事業は時代の流れでなくなることがありますが、業務は会社がある限り、
なくなることはありません。
n 業務インフラをひとつ上のステージに導くのは、業務内容を理解し、それ
をITに落とし込む⽅法論を持っている必要があります。そういったロール
を担う⼈材が、とんでもなく不⾜しています。
n 多くの会社にとって、ITは間接部⾨です。ソフトウェアを作り公開して、
それで売上を上げているわけではないからです。
n IT企画の⾻⼦は、業務で流通するデータの構造を掴み、リノベすることで
「こういう働き⽅ができたら」を実現することです。
n その答えは、その会社の業務の現場で⾒つけるしかありません。開発会社
には⾒つけることは出来ない。それだけは無くさないでください。
n 相談にはいつでも乗ります(腕まくり
コーポレート・エンジニアに光を
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n 業務インフラをひとつ上のステージに導くのは、業務内容を理解し、それ
をITに落とし込む⽅法論を持っている必要があります。そういったロール
を担う⼈材が、とんでもなく不⾜しています。
n 「情報システム部⾨のエンジニア兼企画職」とも呼ぶべきロール、コーポ
レート・エンジニアが⽻ばたけるようになってほしい。
n コーポレート・エンジニアがもし専⾨職となるとのであれば、「会社の働
き⽅をデザインしてITで仕組みを作るプロ」になるのではないかと。
n 皆さんの仕事の幅が広がることが、事業会社の働き⽅を変え、⼈の動きや
業績を変え、令和の時代に⽻ばたける会社へと!なるはずです。
n 相談にはいつでも乗ります(腕まくり)
事業はなくなることがあるが、業務はなくならない
IT企画のワークショップを企画中です
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座学では⾝につかないので、体験型がベスト!
n ガイダンス
n IT企画概論(座学)
n 本資料のポイントを中⼼に学んで頂きます。
n 業務分析ワークショップ
n 業務フロー・作業⼀覧の書き起こし
n 業務ストレスの整理、改⾰後の業務フロー等
n システム要求整理ワークショップ
n 機能⼀覧、データモデリング、UI設計まで。
n クロージング
ü ⼈数は5〜6名。
ü 2チームに分かれて⾏います。
ü 半⽇程度で終わります。
ü 2回ほどクローズドで試したい
ので、(実験台)参加者募集。
ü もちろん無料。
ü ⼟⽇のどちらか(多分⼟曜)。
ü 11⽉下旬予定。