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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. Confidential 「作るものが決まらない」と
 「作るものを決めてくれない」という
 よくある対立関係を解きほぐす
 twitter:@nao_tsukamoto
 プロ筋conf trackC 10:25~
 
 株式会社Speee 塚本 尚 
 2021/11/27


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 2 サマリ
 • 「作るものが決まらない」というシーンで使える はじめの一歩となる武器 を紹介
 • こんな方には特に「はっ!!」としていただけるはず 
 • 自身でいざ作るものを決めるぞ!となったときに、決まらない経験がある方 
 • 自身で決められずに、事業責任者やbizdevから作るもの決まった?と言われている、聞かれている 方


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 3         
 自己紹介・チーム紹介
 株式会社Speee プロダクトマネージャー 塚本 尚 
 • 主に不動産領域での新規事業のプロダクト開発のプロダクトマネジメントを担当 
 • 新卒でSpeeeに入社し5年目 
 • 1年目〜3年目で、事業管理やマーケティング改善、アライアンス営業を経験 
 • その後、新規事業のディレクターとして1年主に要件定義や仕様定義等、プロダクトマネージャー として2つ目の新規事業をリリース&短期の開発ロードマップ策定等を経験 
 • 現在は、不動産領域にてBtoBtoCサービスの新規事業のリリースを経て、絶賛サービスグロース を担当中
 
 チーム構成
 • 事業責任者(=bizdev) 
 • プロダクトマネージャー(=私) 
 • フルスタックエンジニア数名 
 • デザイナー
 主なコミュニケーションラインは、 
 事業責任者⇔プロダクトマネージャー⇔エンジニア・デザイナー 


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 4 私の状況は迷い子だった 
 • やりたいと思っていること・アイデアはあった 
 • どれも重要そうに見えていた 
 • どれも必要そうに見えていた 
 • 営業に相談すると、どれもあると嬉しい、と言われている 
 • 事業責任者からは、「リリースを早めてほしい」というオーダーをもらっている 
 
 フェーズ的には、「ロードマップ -> 要求・要望整理 -> 要件定義 -> 開発 -> リリース」での「要求・要望整理 -> 要件定義」だった
 
 
 
 当時の私の状況
 ロードマップ
 策定 開発 要件定義 要求・要望整理 リリース

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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 5 アジェンダとキーワード
 アジェンダ
 • プロダクトマネージャーの「作るものが決まらない」と、事業責任者からの「作るものを決めてくれない」の 関係性を見つめ直す • プロダクトマネージャーが作るものを決めるための、「シナリオ」という武器について紹介する キーワード • 「思いは、対立ではなく共存」 • 「事業として目指すべき水準を明確にしプロダクトに方向付けをする」 • 「現存するフローや動きを明らかにするシナリオをつくろう」 • 「理想のシナリオをつくり代替するジョブと価値を明確にしよう」

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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 作るものが決まらないときの状況


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 7 関係者の不安は「”わからない”が見えない」構造にある
 作るものが決まらないときは、とても不安だった。(事業責任者はもっと不安) 
 それは作るものを決める私の、「検討中・悩み中の様子が見えにくくわからない」ためだと気づいた。 
 プロダクトマネージャー 事業責任者 ・新規事業では、プロダクトマネージャーは、特に事業責任者と 二人三脚で事業を創造していく必要がある ・やりとりは必然的に増え、高いレベルの要求がやオーダーが 生まれる ・お互いが様々な役割を担うため、素早い意思決定が求められ る


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 8 事業責任者決めてくれよ!と思うことも
 事業責任者からの「承認」みたいな構造があったように感じ、どこかで自分には決められないと思い、 
 「そんなに言うなら決めてくれよ!」みたいなこともあった。 
 プロダクトマネージャー 事業責任者 作るものが決まらない。決めてくれよ!!!


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 9 事業責任者目線で考えてみた


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 10 事業責任者目線では・・・
 一方で、事業責任者は プロダクトマネージャーに決めてほしい と思っている。
 事業責任者は事業観点でのフィードバックや意見を言うのも当然である。 
 事業成果に紐づくプロダクト戦略や開発・実行計画を求める。 
 プロダクトマネージャー 事業責任者 ・作るものを決めてほしいのに決めてくれない
 ・成果がでるプロダクト開発できるているか?


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 11 当たり前といえばそうですが、事業責任者とプロダクトマネージャーは同じ方向を向いている。 同じミッション・ビジョン実現に向けて動いているはず。お互い求め合ったり意見を言い合ったり、期待したりと背 中を預けあっているだけ。 
 
 つまり、事業のミッション・ビジョン視点でみると、対立なんてありえなくて共存している。 
 なので、パワーのベクトルをミッション・ビジョン実現に向けてあげる必要がある 
 
 本来は対立ではなく、共存
 プロダクトマネージャー 事業責任者 ミッション・
 ビジョンの実現 パワーのベクトルの矛 先を変える プロダクトマネージャー 事業責任者

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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 共存して力を発揮するために、
 自身のわからないに向き合う必要がある


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 13 つくるものが決まらない・決められないのはこういった状況が多いのでは ? • そもそも誰に何をいつごろ届けるかの方針・アイデアが決まらない、浮かばない • 方針はあってやりたいことのアイデアはあるが本当にこれでよいのかと決定できない • やりたいことは決まったが細かい要件や仕様の要不要を判断できない その中でも特に、 「やりたいことのアイデアはあるが本当にこれでよいのかと決定できない」 というのが多いのではないか。 
 状況は様々ある


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 14 このような状況のときに 「事業の全体像や戦略が捉えられていない」 と良く聞く。 すごく抽象的なので、このままだと何も進みはしない。 事業の全体像や戦略を事業責任者から聞いたところで解決はしない。 
 事業の全体像が捉えらていない?


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 15 本当にこれでよいか?と不安なときは、事 業責任者と何かがずれている 
 対立に見える中にある、プロダクトマネージャーが抱える2つの”わからない”
 わからない1
 わからない2
 事業が目指すべき水準や状態 が分かっていない
 本当にこれでよいか?と不安なときは、ど れもやるべきに見える 
 顧客の既存の業務フローや悩み事の真因 がわかっていない

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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 事業が目指すべき水準や
 状態が分かっていないに向き合う


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 17 目指すべき水準や状態の目線合わせをする
 気持ちとしては、なにがあっても、なにかがなくても、 決めるのが私たちである
 • 私は、水準については、事業責任者(もしくは bizdev)と水準の話をし続けた (※ここでの水準とは、何をいつどのくらいまでにしたい、というもの ) • いくつかの水準があると思いますが、 私は事業の上段から理解しすり合わせ ていった • 事業のビジョンに向けて、 1年後、直近3ヶ月と落としていった • 実際にPLと事業のキーとなる結果指標( KPIやkey result)の定量数値を時間軸とセットで把握した 
 
 


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 18 水準を目線合わせする上で、工夫したのは、 定性的な状態に言語化する・言語化できるようにする こと
 • 数値が独り歩きしないように、また他のメンバー(特に私の場合は開発チームのメンバー)に説明可能な 状態にまでにした
 • それにより、「〇〇ができないとこの時間軸でこの状態にはならないのでは」という仮説がでてきた(それ も比較的強い根拠をもって) 
 工夫したこと
 


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 19 • 私のような立場の方は決定ややりたいことについては十分に説明できることが必要 • とても重要なので言語化とそれに至る ストーリやロジックを考えること を怠ってはいけない 
 余談・・・


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 顧客の既存の業務フローや
 悩みごとの真因が分かっていない
 に向き合う


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 21 解くべきものがわかっていない状況って・・・
 • 現存の業務フローや顧客の挙動・動きがどうなっているか を知っていない場合が多い 
 • そしてそのフローにありそうな負を特定していく作業を行えていないのではないか 
 
 • そこで私はなるべく顧客の声に耳を傾け解くべきことを見つけることをした 


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 22 現存の業務フローや顧客の挙動・動きを明らかにする
 顧客が現在利用しているプロダクトにおける業務フロー及び我々のプロダクトの 
 想定利用シナリオを作成していった
 〇〇 ●● XX △△ ▼▼ 〇〇
 (new!)YY ▼▼
 XX ●現在のプロダクトでの利用の流れ ●我々のプロダクトの想定利用の流れ

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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 23 • 営業メンバーが商談する際には、事前にヒアリング内容を共有して聞いてもらうようにしていた 
 • そのヒアリング結果と元々の仮説を元に、現在企業様が利用しているサービスの業務フロー図、及び 我々がつくろうとしているプロダクトの企業様の利用シナリオを作成した 
 利用シナリオを作成するために


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 24 • 利用シナリオは数パターン作成する 
 • シナリオでは、誰がいつ頃どのくらいの人数で行っているか 、特に気になる業務の前後については細かく 見る
 • いくつか作る中で、もっとも自分たちの顧客になりうるN=1の顧客に合っているものをメインのシナリオとす る
 利用シナリオ作成のコツ
 シナリオによって本来のチームでの対立構造にあるパワーを共存させる

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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 良いシナリオを
 作成するためにやること


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 26 1)自分で顧客の声を聞く
 • 自ら商談に行くこと
 • 同席できなくても商談の録音は基本的にすべて聞いていた • そして、商談の中で出てきた顧客の声から事実と所感について整理し、所感についてはメンバーと共有し た • 営業メンバーや事業責任者との議論や会話のきっかけを作り実態の解像度を高めるよう意識した 


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 27 • 一度作成した業務フローや利用シナリオは、再度顧客や営業メンバーにぶつけた 
 • そして微調整や修正を繰り返し、核となる顧客の利用シナリオができた 
 • 一度ではできないし、詰めていくといやそれは違うということがわかったり、条件分岐がでてきたり、 前提条件が明確になったりした 
 • フィードバックをもらい方は気をつけて、フィードバックをほしい点を絞った 
 • 困り度や重要度を顧客の声と仮説から見極めた 
 2)フィードバックをもらう
 繰り返し言います、一度ではできません、フィードバックをもらうことが大切です

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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. まとめと結び


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 29 まとめ
 • シナリオをつくろう。シナリオによって、現状の課題や負を捉え、理想を定義できる。そこには、関係者間、 もちろん事業責任者との対立構造なんてものはない 
 • つくるものが決まらないときに起きるやりとりは本来は対立するものではなく、一緒の方向をむくべきもの 
 結び
 • 今回は、対立がうまれるよくあるシーンと私が実際にやった「利用シナリオ作成」に至った実例を話しまし た
 • シナリオ自体を作るのが目的ではなく、作ることで対立構造にあったものが1つの形になっていき、プロダ クト開発のパワーを引き出せると思うのです 
 まとめ


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Copyright© Speee, Inc. All rights reserved. 30         
 ・私が所属している部署の、ブランドステートメン トです
 
 ・日本を代表するDXのカンパニーを目指し、ブラ ンドステートメントを作成しました 
 
 ・昨今、様々な形で「デジタル化による DX推進」 がなされていますが、デジタル化による恩恵を受 けられているのは一部領域においてのみです ・我々は、今はまだその恩恵を受けづらい領域 に対する価値提供によって、エンドユーザーから 事業者まで誰もがデジタル化の恩恵を受けられ る、「DXの民主化」が実現された世の中を目指 していく、という思いを込めて「 DX Democracy」 を策定しました。 
 
 ちょっと宣伝


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