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THE POISON

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オニヒトデとは  学名 Acanthaster planci  棘皮動物門・ヒトデ綱・アカヒ トデ目・オニヒトデ科の生物  日本では相模湾以南・沖縄。紅 海・南アフリカ・インド太平洋 各地に生息  夜行性。昼間は影に隠れている。  ほとんどは直径20-60cmに成長 するが最大80cmに成長する。  多数の腕(9-23本)を持ち、全身 が棘に覆われている。  石灰藻や魚などの死骸が分解さ れた有機物(デトライタス)を 食べるが、ある程度成長すると これらに加えサンゴを食べるよ うになる。

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オニヒトデの棘  体表面に有毒の棘を大 量に有しており、これ が皮膚に刺さると激し い痛みを感じ、最悪の 場合死に至る。  棘抽出物からマウス致 死活性、溶血活性、浮 腫形成活性、出血活性、 壊死形成活性、抗血液 凝固活性などが検出。  グローブやウエット スーツを着ていたとし ても、硬い棘はそれら を突き破る事もある。

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抗血液凝固 PLANCININE  オニヒトデ棘皮毒から分子量7,500のペプチドで あるplancinineという血液凝固抑制成分が単離。  plancinineはヒト血漿の活性部分トロンボプラス チン時間、プロトロンビン時間を延長。  阻害活性を検討した結果、 plancinineは内因性お よび外因性テナーゼ複合体によるX因子の活性化 とプロトロンビナーゼによるプロトロンビンの活 性化を特異的に阻害することがわかった。  25μgのplancinineのフィブリン形成時間の延長効 果は0.08 unitのヘパリンに相当する。  分子内のジスルフィド結合を切断すると血液凝固 抑制作用が消失する。  in vivoの実験で、マウスへのplancinineの静脈内 投与で出血時間の有意な延長が認められた。

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致死因子 PLANCITOXIN  致死因子は性状の類似した2成分(PlancitoxinⅠおよび PlancitoxinⅡ )からなる。  主成分PlancitoxinⅠの収量は刺棘100gから 3mg,PlancitoxinⅡは約0.04mg  3kDaの塩基性糖タンパク質。10kDaのαーサブユニットと 27kDaのβーサブユニットがS-S結合で架橋。  マウスに対するLD 50 (静脈投与)は140μg/kg,致死時間は 96時間程度。  DNaseと高い配列相同性(約40%)。活性中心近傍アミノ酸 配列Ser(またはAls)-Thr-Glu-Asp-His-Ser-Lys-Trpはほぼ同じ。  DnaseⅡの至適pHは酸性側であるがPlancitoxinⅠの至適pH は7.2。  肝臓細胞表面の特異的レセプターと結合して細胞内に侵入。 DNA分解により細胞死を起こす。  DNaseが毒として作用することを見出した最初の報告であ る。

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文献からのデータ

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オニヒトデ刺傷時の対処法  棘は折れやすく残っていることがあるので、ピン セットなどで抜く。  海水で患部を徹底的にすすぐ。  酢を含ませたガーゼで15分間程度湿布する。  研磨布ではない布で皮膚を軽くたたき、乾燥させ る。  炎症と膨張が残っているなら、3-4日間市販のス テロイドクリーム を使用する。  徴候が持続しているか、または全身症状が 見ら れる場合は至急、医療機関を受診する。  ヒトデ刺傷の既往がある場合、アナフィラキシー ショックにより全身症状のリスクはより大きなも のになる。