Slide 1

Slide 1 text

スクラムガイドに載っていないスクラムのはじめかた - チームでスクラムをはじめるときに知っておきたい勘所を集めてみました! - 及部敬雄 (@TAKAKING22) 2025/9/6 Scrum Fest Mikawa 2025

Slide 2

Slide 2 text

スクラムガイドに載っていないスクラムのはじめかた アジャイル開発の普及、スクラムガイド、コミュニティなど、スクラムをはじめやすい 環境が整ってきている スクラムの実践者が増え、コミュニティを通して経験知が共有されていく一方で、
 これからスクラムに取り組む組織やチームもまだまだ数多く存在している コミュニティでの会話やアジャイルコーチの活動を通して、導入フェーズのチームが
 似たような課題にハマっている状態が長年変わっていないように感じる スクラムのはじめかたにフォーカスし、導入フェーズに知っておきたい勘所を紹介 “スクラムははじめるのは簡単だが習得するのは難しい”

Slide 3

Slide 3 text

今日のお話のターゲット スクラムをこれからはじめる方 スクラムをはじめたけどうまくいかないことに悩んでいる方 スクラムをはじめたチームを支援するアジャイルコーチ

Slide 4

Slide 4 text

Learning Outcome 現在の時勢に合わせたスクラムのはじめかたの知見を得られる スクラムをはじめるチームを支援する際の勘所を得られる スクラム導入フェーズのチームでスライドを読み合わせすることができる

Slide 5

Slide 5 text

TAKAKING22 及部敬雄 制御不能なアジャイルモンスター 株式会社ホロラボ 執行役員 Silver Bullet Club所属 AGILE-MONSTER.COM アジャイルコーチ

Slide 6

Slide 6 text

Regional Scrum Gathering Tokyo Scrum Fest XX Developers Summit Agile Japan .. https://speakerdeck.com/takaking22

Slide 7

Slide 7 text

アジェンダ スクラムガイドの復習 「はじめるのは簡単、習得は困難」の正体を紐解く 2025年現在のスクラムの周辺状況 チームでスクラムをはじめるときに知っておきたい勘所

Slide 8

Slide 8 text

アジェンダ スクラムガイドの復習 「はじめるのは簡単、習得は困難」の正体を紐解く 2025年現在のスクラムの周辺状況 チームでスクラムをはじめるときに知っておきたい勘所

Slide 9

Slide 9 text

まずはスクラムガイドを読もう! https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2020/2020-Scrum-Guide-Japanese.pdf

Slide 10

Slide 10 text

スクラムガイド Jeff SutherlandとKen Schwaberによる公式ガイド たったの17ページ(だからまずは読もう!) 2011年に初版が公開され、コミュニティからのフィードバック を取り入れて数年ごとにアップデートされている 最新版はスクラムガイド2020 ※2025年9月現在

Slide 11

Slide 11 text

スクラムの定義 スクラム(名詞): 複雑で変化の激しい問題に対応するためのフレームワーク
 であり、可能な限り価値の高いプロダクトを生産的かつ
 創造的に届けるためのものである。 スクラムガイド2020

Slide 12

Slide 12 text

スクラムの定義 スクラム(名詞): 複雑で変化の激しい問題に対応するためのフレームワーク
 であり、可能な限り価値の高いプロダクトを生産的かつ
 創造的に届けるためのものである。 スクラムガイド2020

Slide 13

Slide 13 text

フレームワーク ビジネスフレームワーク:共通して利用できる考え方、分析、
 問題解決、戦略立案などの枠組み ex. 3C分析、SWOT分析、OKR、カスタマージャーニーマップ … ソフトウェアにおけるフレームワーク:開発するうえで典型的・
 定型的な処理やデータ構造をまとめた枠組みやテンプレート ex. Ruby on Rails、Spring Boot、Laravel、Next.js、Vue.js …

Slide 14

Slide 14 text

フレームワーク ビジネスフレームワーク:共通して利用できる考え方、分析、
 問題解決、戦略立案などの枠組み ex. 3C分析、SWOT分析、OKR、カスタマージャーニーマップ … ソフトウェアにおけるフレームワーク:開発するうえで典型的・
 定型的な処理やデータ構造をまとめた枠組みやテンプレート ex. Ruby on Rails、Spring Boot、Laravel、Next.js、Vue.js … フレームワークを使えば問題解決されるわけではなく、 自分たちが問題解決するときに役立つかもしれないもの

Slide 15

Slide 15 text

スクラムの構成要素 スクラムチーム 開発者 プロダクトオーナー スクラムマスター 作成物 プロダクトバックログ スプリントバックログ インクリメント イベント スプリント スプリントプランニング デイリースクラム スプリントレビュー スプリントレトロスペクティブ

Slide 16

Slide 16 text

スクラムマスター プロダクトオーナー 開発者 教える 支援する つくる 価値を 最大化する 教える 支援する

Slide 17

Slide 17 text

スクラムマスター プロダクトオーナー 開発者 教える 支援する つくる 価値を 最大化する 教える 支援する スクラムチーム

Slide 18

Slide 18 text

Day1(水) Day2(木) Day3(金) Day4(月) Day5(火) 9:00 10:00 スプリント プランニング 11:00 12:00 13:00 デイリースクラム 14:00 15:00 スプリント レビュー 16:00 バックログ
 リファインメント 17:00 スプリント
 レトロスペクティブ スプリント

Slide 19

Slide 19 text

スクラムのイベントと作成物の関係 1. プロダクトバックログを用意する 2. スプリントバックログを用意する(スプリントプランニング) 3. スプリントを実施する 4. チームの状況を毎日検査をする(デイリースクラム) 5. 成果=インクリメントを見せる(スプリントレビュー) 6. 開発の様子をふりかえる(スプリントレトロスペクティブ)

Slide 20

Slide 20 text

何度も繰り返す スプリントを何度も繰り返す チームで学習してうまくなっていく

Slide 21

Slide 21 text

スプリントとリリース ʜ タイミングはビジネス判断 いつでもリリースできるように

Slide 22

Slide 22 text

スクラムの価値基準  確約(Commitment)  個人としてスクラムチームのゴール達成を確約する  勇気(Courage)  正しいことをする勇気を持ち、困難な問題に取り組む  集中(Focus)  スプリントの作業やスクラムチームのゴールに集中する  公開(Openness)  仕事と遂行する上での課題を公開することに合意する  尊敬(Respect)  お互いを能力のある独立した個人として尊敬する

Slide 23

Slide 23 text

スクラムの全体性 スクラムフレームワークは不変である。スクラムの一部だけ を導入することも可能だが、それはスクラムとは言えない。 すべてを備えたものがスクラムであり、その他の技法・ 方法論・プラクティスの入れ物として機能するものである。 スクラムガイド2020

Slide 24

Slide 24 text

スクラムのまとめ プロダクトの機能を欲しい順番に並べ変えてその順番につくること
 で成果を最大化する(価値を基準) 短い時間に区切って繰り返す(タイムボックス) 仕事の状況や問題を関係者間で常に共有する(透明性) 定期的に仕事の進捗やプロダクトの方向性や仕事の進め方に
 問題がないかを確認する(検査) もっとうまくやる方法を常に追い求めてやり方を変えていく(適応)

Slide 25

Slide 25 text

スクラムガイド2020のアップデート スクラムチームは1つのチームである 「開発チーム」→「開発者」 スクラムマスターの役割 「サーバントリーダー」→「チーム・組織に奉仕する真のリーダー」 作成物の確約(コミットメント)の明示 プロダクトゴール、スプリントゴール、完成の定義 指示的な部分がより少なくなった デイリースクラムの具体的な質問事例の記載がなくなった スプリントレビューはプレゼンテーションではなくプロダクトゴールの達成に向けた議論の場へ スクラムパターン:スウォーミングの採用

Slide 26

Slide 26 text

アップデートから読み解く陥りやすい罠 プロダクトオーナーと開発チームの分断 スクラムイベントが儀式になってしまいがち 作業分担やロールの分業が前提になってしまっている

Slide 27

Slide 27 text

アップデートから読み解く陥りやすい罠 プロダクトオーナーと開発チームの分断 スクラムイベントが儀式になってしまいがち 作業分担やロールの分業が前提になってしまっている スクラムを活用するうえで特に気をつけたほうがいいところ

Slide 28

Slide 28 text

スクラムガイドの復習まとめ 17ページなのでまずは読む アップデートを重ねるごとにより抽象的になっているので、
 自分たちで考えて実装する必要性が高くなっている そのままやればうまくいくものではなく、
 どうやって自分たちのチームに適応させていくのか

Slide 29

Slide 29 text

アジェンダ スクラムガイドの復習 「はじめるのは簡単、習得は困難」の正体を紐解く 2025年現在のスクラムの周辺状況 チームでスクラムをはじめるときに知っておきたい勘所

Slide 30

Slide 30 text

“スクラムははじめるのは簡単だが習得するのは難しい”

Slide 31

Slide 31 text

どっちやねん!

Slide 32

Slide 32 text

「はじめるのは簡単」の正体 自分たちではじめることができる スクラムガイドが公開されている 書籍や事例を入手しやすい ロールを割り当てて、イベントをスケジュール設定すれば、
 とりあえず形式上スクラムをはじめた気になれる アジャイル開発の普及が進み、まわりの理解も得やすくなった トップダウンでスクラムを導入するケースも増えている

Slide 33

Slide 33 text

「習得するのは難しい」の正体 実行できると活用できるは別物である スクラム自体が完全ではないのでチームで補完する必要がある ex. スクラムではビジネス面や技術詳細には触れられていない スクラムをはじめたからといって、
 すぐに本質的な成果につながるとは限らない

Slide 34

Slide 34 text

はじめるのが簡単だからこそはまりやすい

Slide 35

Slide 35 text

はじめるのが簡単だからこそはまりやすい 形式上やった気になれるのでそこで一息ついてしまう でもスクラムははじめてからが一番大変 コラボレーションの機会が増えることで、人間関係の問題が起こりやすい フィードバックの機会が増えることで、それまで見えなかった問題が顕在化する

Slide 36

Slide 36 text

はじめるのが簡単だからこそはまりやすい 形式上やった気になれるのでそこで一息ついてしまう でもスクラムははじめてからが一番大変 コラボレーションの機会が増えることで、人間関係の問題が起こりやすい フィードバックの機会が増えることで、それまで見えなかった問題が顕在化する 問題が見つかったことをよいことだと捉える 問題と向き合い解決し続けることで少しずつうまくなっていく そういうチームをつくっていくことがスクラム

Slide 37

Slide 37 text

「スクラム(方法論)をはじめる」ではなく、 「スクラム(チームづくりの鍛錬)をはじめる」 Photo by Fitsum Admasu on Unsplash

Slide 38

Slide 38 text

アジェンダ スクラムガイドの復習 「はじめるのは簡単、習得は困難」の正体を紐解く 2025年現在のスクラムの周辺状況 チームでスクラムをはじめるときに知っておきたい勘所

Slide 39

Slide 39 text

Photo by Igor Omilaev on Unsplash

Slide 40

Slide 40 text

生成AI時代のソフトウェア開発 2023年は生成AI元年とも呼ばれている 第4次産業革命の真っ只中で、今起きている生成AIによる変化は まだその過程に過ぎない ソフトウェア開発のプロセスの中でも特に開発やテストを中心に 大きな変化が起きている

Slide 41

Slide 41 text

「開発プロセス」や「チーム」も変化の対象 Photo by Gift Habeshaw on Unsplash

Slide 42

Slide 42 text

スクラムにおける開発サイクル “スプリントは1ヶ月以内の決まった長さ”(スクラムガイド2020) コミュニケーションをするタイミングをつくる ex. スプリントプランニング、スプリントレビュー、デイリースクラム… それ以外の時間で開発をする ίϛϡχέʔγϣϯ ։ൃ .PO 5VF 8FE 5IV 'SJ

Slide 43

Slide 43 text

開発サイクルが短くなる!? 生成AIにより開発の生産性が高くなることでこれまでと同じ成果を出すまでの時間が短縮される なにをつくるのかの検討やつくったものの評価(レビュー)にボトルネックが移る スプリント期間を短くして対応する、あるいはスプリント期間を変えずにスプリント期間中に
 取り扱う仕事量を増やす いずれにしてもさまざまなマネジメントのコストが増える スプリント自体が不要になり、カンバンなどでフロー制御したくなるかもしれない .PO 5VF 8FE 5IV 'SJ ίϛϡχέʔγϣϯ ։ൃ

Slide 44

Slide 44 text

スクラムにおけるチーム 小規模で自己組織化されたクロスファンクショナルチーム チームメンバーがお互いに補完するさまざまな知識やスキルを持っている さまざまな変化に対応し、チームで多様な問題を解決できるようにする

Slide 45

Slide 45 text

人間+生成AIのチームへ 生成AIは多様なドメイン知識、プログラミングスキル、設計スキルをもっている 知識の総量は人間よりもはるかに大きい(今後ますます大きくなっていく) もちろん人間にしかできない領域も存在する 人間のみのチーム 人間+生成AIのチーム 生成AI

Slide 46

Slide 46 text

より小さなチーム、より多くのチームへ 人間+生成AIのチームであれば、少ない人数でも経験やスキルを補完できるようになる 10人以下(スクラムガイド2020)がよいとされていたチームサイズがより小さくなる 小さなチームが増えるので、これまでよりも多くのチームでコラボレーションをしながら
 開発を進めるシーンが増えるかもしれない 6人 X 2チーム (1ʙ3人+生成AI) X 5チーム AI AI AI AI AI

Slide 47

Slide 47 text

生成AI時代のアジャイル開発 https://speakerdeck.com/takaking22/agile- development-in-the-ai-era-in-xpjug ScrumMatsuriにて近日登壇予定

Slide 48

Slide 48 text

Scrum Guide Expansion Pack https://scrumexpansion.org/ja/scrum-guide-expansion-pack/2025.6/

Slide 49

Slide 49 text

Scrum Guide Expansion Pack 2025年6月11日に公開(日本語訳も公開されている) スクラムガイド共同著者ジェフ・サザーランド氏が著者の一人 公式ガイドではなく非公式のパタンライブラリ スクラムガイドを補完する目的で、特に生成AIによって
 もたらされる変化への適応を考慮されて書かれている 役割の再定義と拡張、コミットメントの再定義、理論の強化 GitHub上で公開され、誰でもフィードバックすることができ、
 四半期ごとに更新される予定

Slide 50

Slide 50 text

https://www.servantworks.co.jp/resources/created/scrum_overview/

Slide 51

Slide 51 text

2025年現在のスクラムの周辺状況まとめ 生成AIによってもたらされる変化に合わせて、
 開発プロセスやチームも変化に適応していかなければならない 開発よりも人や開発プロセスにボトルネックが移動してくること は明白である スクラムも更新されていくが、それ以上のスピードで
 自分たちのスクラムが更新されていく必要がある

Slide 52

Slide 52 text

アジェンダ スクラムガイドの復習 「はじめるのは簡単、習得は困難」の正体を紐解く 2025年現在のスクラムの周辺状況 チームでスクラムをはじめるときに知っておきたい勘所

Slide 53

Slide 53 text

チームでスクラムをはじめるときに知っておきたい勘所 スプリントゴールを「運用」する 集まって仕事をする スプリントレビューは妥協しない スプリントレトロスペクティブの目的を定義する アジャイルコーチを活用する コミュニティとチームをつなぐ

Slide 54

Slide 54 text

チームでスクラムをはじめるときに知っておきたい勘所 スプリントゴールを「運用」する 集まって仕事をする スプリントレビューは妥協しない スプリントレトロスペクティブの目的を定義する アジャイルコーチを活用する コミュニティとチームをつなぐ

Slide 55

Slide 55 text

スプリントゴールを「運用」する スプリントゴールを設定しているが、タスクの集合のようなゴールが設定されてしまいがち コンテキスト その状況において そこで その結果 機能するゴールになっていないので、バックログ消化が目的になり、
 チームでコラボレーションするモチベーションが生まれず、
 スクラム全体が機能不全に陥ってしまう TOBEを意識してスプリントゴールを設定する 設定するだけで終わらせず、デイリースクラムでも
 「スプリントゴールに対して順調かどうか」をベースに
 定点観測をする チームに共通ゴールが生まれ、よいプロダクト・よいチームを意識した会話が生まれやすくなる

Slide 56

Slide 56 text

スプリントゴールを「運用」する スプリントゴールのように抽象度が高いものを複数人で会話を通して合意することは難しい 最初はうまくいかなくてもチームで学習しうまくなっていくことに合意する 繰り返していくことでスクラムチームのコミュニケーション練度が上がる 得られる効果はスクラム全体に波及するものなのでサボらない スプリントゴールは設定して終わりにせず、デイリースクラムを
 スプリントゴールを達成するための検査と適応の場にし、
 チームがゴールを意識する機会を増やす 勘所 参考リンク スプリントプランニング Deep Dive あなたのSprint Goalは、機能してますか?

Slide 57

Slide 57 text

チームでスクラムをはじめるときに知っておきたい勘所 スプリントゴールを「運用」する 集まって仕事をする スプリントレビューは妥協しない スプリントレトロスペクティブの目的を定義する アジャイルコーチを活用する コミュニティとチームをつなぐ

Slide 58

Slide 58 text

集まって仕事をする スクラムではロールが定義されていて、各ロールが責任を果たしていくことでスクラムが機能する コンテキスト その状況において そこで その結果 分業や分担作業を前提に仕事を組み立ててしまう 属人化しやすくなって「それは◯◯の仕事」となりがち 結果としてスクラムの中で新たな分断が生まれる 集まったときにMTGをするのではなく共同作業をする時間をつくる 分業や分担作業を前提にせず、仕事の質やチームの状況を見ながら、
 分担作業・ペアプロ・モブプロを選択できるチームをつくる お互いの仕事や責任の理解が進み、コミニケーションがしやすくなる 属人化の予防と解消が進み、選択肢を広くとれるようになれる

Slide 59

Slide 59 text

複数人が集まってMTGできるのであれば、同じ時間・同じ場所でモブワークすることもできる 分担作業の結果を報告するよりも、共同作業をしたほうが効率も効果も高い場面は意外と多い 一緒に集まって仕事がうまくできない人たちがなぜ分担作業ならうまくいっていると思えるのか 生成AIによって生産性が高まっていく中で、分担作業に固執すると属人化が加速する 生成AIをドライバーと見立て人間2人がドライバーとなって、生成AIペアプロを進める 勘所 参考リンク モブプログラミングで「一緒に働く」を戦略的に仕事に取り入れよう リーダー&マネージャーのためのモブプログラミング エッセンシャル モブプログラミング 〜実践者が考えるモブの価値,原則,プラクティス〜 モブプログラミング・ベストプラクティス ソフトウェアの品質と生産性をチームで高める 集まって仕事をする

Slide 60

Slide 60 text

チームでスクラムをはじめるときに知っておきたい勘所 スプリントゴールを「運用」する 集まって仕事をする スプリントレビューは妥協しない スプリントレトロスペクティブの目的を定義する アジャイルコーチを活用する コミュニティとチームをつなぐ

Slide 61

Slide 61 text

スプリントレトレビューは妥協しない スクラムには5つのイベントがあり、それらを実行していく コンテキスト その状況において そこで その結果 スクラムをはじめたばかりのチームは新しく覚えることであふれてしまいがちである たくさんの問題が見つかったときに場当たり的に対応をしてしまう うまくいかないときに自分たちにはスクラムが合わないという飛躍した結論を出してしまうことも すべてのイベントが大切ではあるが、特にスプリントレビューを大切にする 「アジャイルコーチに聞く!1つだけ選ぶとしたらどのイベントに参加するか」アンケート第一位(及部調べ) スプリントレビューはできる限り妥協しない スクラムチーム全員参加、準備をしてのぞむ、完成していないものは提示しない、フィードバックを集める場 確実にインクリメントされていくので、かたちだけスクラムになりにくくなる チームの実力が正確に把握でき、本質的な問題を見つけやすくなる

Slide 62

Slide 62 text

なぜ完成していないものは提示しないほうがよいのか 適切なフィードバックが得られない 外面だけ見てできているかのように誤解することでプロダクトの状況が正しく伝わらない 問題が爆発したときに信頼できないスクラムチームになってしまう 中途半端なものがたくさん積み上がっていくくらいなら、完成したものを確実に積み上げる よいフィードバックを集めるためにスプリントレビューのやり方を工夫する 一方的に画面を見せるだけでなくプロダクトを実際に触ってもらう方法もある スプリントレビューにターゲットユーザーに参加してもらい、リアルなフィードバックをもらう 勘所 参考リンク スプリントレビューを効果的にするために スプリントレビュー Deep Dive スプリントレトレビューは妥協しない

Slide 63

Slide 63 text

チームでスクラムをはじめるときに知っておきたい勘所 スプリントゴールを「運用」する 集まって仕事をする スプリントレビューは妥協しない スプリントレトロスペクティブの目的を定義する アジャイルコーチを活用する コミュニティとチームをつなぐ

Slide 64

Slide 64 text

スプリントレトロスペクティブの目的を定義する “スプリントレトロスペクティブの目的は、品質と効果を高める方法を計画することである" ふりかえりに関する知見が得られるので、数多くのフレームワークを試すことができる コンテキスト その状況において そこで その結果 スプリントレトロスペクティブの目的が軽視され、フレームワークを試すことや、飽きの防止、
 コミュニケーション促進など、一見ポジティブで取り組みやすい方法を優先してしまう 検査と適応が機能しないため、チームの学習スピードが鈍化する スプリントレトロスペクティブの目的をチームで定義する 定義した目的にあった方法を選ぶようにする 毎スプリントごとにチームや開発プロセスの学習が進むようになる チームでタフクエスチョンに向き合う機会が相対的に増え、真の心理的安全性が生まれやすくなる

Slide 65

Slide 65 text

「ふりかえり」と「スプリントレトロスペクティブ」を区別する チームの関係性や定義した目的によって重なる場合もあるが、必ずしも一致するものではない なんでもかんでもスプリントレトロスペクティブで解決しようとせず、
 スプリントレトロスペクティブとは時間を設けて実行したり、別のプロセスでの解決も検討する フレームワークは便利だが万能ではないので盲信しない よいチームはフリートークでもふりかえりが機能する 勘所 参考リンク スプリントレトロスペクティブDEEP DIVE ふりかえりへのダイブ ぼくらはふりかえりをやらなくなったわけじゃない、ふりかえりが習慣になったんだ アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック 始め方・ふりかえりの型・手法・マインドセット アジャイルレトロスペクティブズ(第2版): チームの学習と改善を促進させる「ふりかえり」の実践ガイド スプリントレトロスペクティブの目的を定義する

Slide 66

Slide 66 text

チームでスクラムをはじめるときに知っておきたい勘所 スプリントゴールを「運用」する 集まって仕事をする スプリントレビューは妥協しない スプリントレトロスペクティブの目的を定義する アジャイルコーチを活用する コミュニティとチームをつなぐ

Slide 67

Slide 67 text

アジャイルコーチを活用する スクラムガイドや関連書籍やブログを参考に自分たちでスクラムをはじめることができる コンテキスト その状況において そこで その結果 チーム全員が経験が少ない状態でスクラムをはじめると、
 起きている問題を適切に切り分けて適切な対応を進めていくことが難しい チームで気づくことができない問題は認知することができない アジャイル開発の経験知が豊富なアジャイルコーチの支援を受ける 第三者視点でプロダクトやチークや開発プロセスに対してフィードバックをもらう アジャイルコーチによい情報やよい機会を提供してもらう 自分たちだけでは得られない気づきを得ることができ、チームや個人の成長が加速する ※ただしよいアジャイルコーチに出会えたのであれば!

Slide 68

Slide 68 text

いろんなアジャイルコーチがたくさんいるよ! 野生のアジャイルコーチから会社組織内のアジャイルコーチ 経験豊富な素晴らしいアジャイルコーチから「明日からあなたはアジャイルコーチ」なアジャイルコーチ 自分たちにとって必要かつ相性がよいアジャイルコーチを探す アジャイルコミュニティでの評判を聞く 発信している内容を確認する 支援対象のチームと会話する機会を設けて相性を確かめる コスト面やお願いしやすさだけで依頼をすると、かえってマイナス効果になることもある 自分たちだけではアジャイルコーチの良し悪しを判断しづらいので、
 どう効果測定をするかを考え、可能であれば第三者の意見をもらう 勘所 参考リンク 【資料公開】アジャイルコーチ活用術 アジャイルコーチはなにをもたらすのか?なにを考えて、なにをしているのか? アジャイルコーチを活用する

Slide 69

Slide 69 text

チームでスクラムをはじめるときに知っておきたい勘所 スプリントゴールを「運用」する 集まって仕事をする スプリントレビューは妥協しない スプリントレトロスペクティブの目的を定義する アジャイルコーチを活用する コミュニティとチームをつなぐ

Slide 70

Slide 70 text

コミュニティとチームをつなぐ スクラムのプロセスの中でフィードバックループをまわしてうまくなっていく コンテキスト その状況において そこで その結果 フィードバックを受ける対象がステークホルダーに限定されてしまう スクラムをはじめたばかりのチームだと客観的に判断する情報がないので局所最適になりがち 発生した事実や受けたフィードバックをそのまま受け取って抱え込んでしまう 社内外のコミュニティに参加する できれば参加するだけでなく交流したり自分のコンテキストをぶつけてフィードバックをもらう 経験者や第三者からの客観的なフィードバックや情報を受け取ることができる 自分が知っていることの世界が広がり、自分やチームの取りうる選択肢を広くとることができる 同じ熱量で取り組む社外の仲間と出会うことで勇気づけられる

Slide 71

Slide 71 text

あ 勘所 参考リンク Regional Scrum Gathering Tokyo(毎年1月に開催される日本最大のスクラムイベント) スクラムフェス◯◯(毎年各地で開催されているので毎月のように開催されている) 分散アジャイルチームについて考える会 製造業アジャイル勉強会 Scrum Masters Night! その他にもたくさんのコミュニティがあるので聞いてみてください! コミュニティとチームをつなぐ

Slide 72

Slide 72 text

スプリントレトロスペ クティブの目的を定義 する 集まって仕事をする スプリントレビューは 妥協しない アジャイルコーチを 活用する コミュニティと チームをつなぐ スプリントゴールを 運用する

Slide 73

Slide 73 text

スプリントレトロスペ クティブの目的を定義 する 集まって仕事をする スプリントレビューは 妥協しない アジャイルコーチを 活用する コミュニティと チームをつなぐ スプリントゴールを 運用する

Slide 74

Slide 74 text

スプリントレトロスペ クティブの目的を定義 する 集まって仕事をする スプリントレビューは 妥協しない アジャイルコーチを 活用する コミュニティと チームをつなぐ スプリントゴールを 運用する いろんな経験や知識がつながっていく つながっていくことで学びが深まる

Slide 75

Slide 75 text

世の中の変化のスピードが上がっている Photo by CHUTTERSNAP on Unsplash

Slide 76

Slide 76 text

「開発プロセス」や「チーム」も変化の対象 Photo by Gift Habeshaw on Unsplash

Slide 77

Slide 77 text

“スクラムがもたらす最終的な結果、 いわば設計目標は、飛躍的に生産性を上げる チームの実現にある”

Slide 78

Slide 78 text

スクラムによってうみだされるもの プロダクト(ビジネス) チーム

Slide 79

Slide 79 text

生成AI時代に突入し、ここからさらに変化が早くなり、 開発プロセスや人にボトルネックが移っていきます。 そんな時代だからこそ、スクラムを通して変化に適応でき るよいチームを増やしていくことの社会的意義が増してい きます。 そして、その取り組みの中で今のあたりまえを疑い、常に よいやり方を模索し、コミュニティを通して知見を共有し ていくことで、スクラムのアップデートやNext Scrumの 発明に貢献していきましょう。

Slide 80

Slide 80 text

@TAKAKING22 及部 敬雄 https://agile-monster.com/ 一緒に取り組んでいきましょう! 現役のアジャイル開発実践者による アジャイルコーチ お仕事のご相談も雑談もぜひお気軽にお声がけ下さい!