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”Simple Data Analysis” で成果を出す Hikaru Kashida Data Analyst / Manager 2018.11.14 Web担当者 Forum

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はじめに

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メモや写真などは必要ありません スライド全公開してます

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言いたいことは次の3点です

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3行サマリ 1 『Simple』な顧客セグメントを作ろう 2 セグメントによってKPI監視と施策を強化しよう 3 分析と分析者を活かそう

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本日のお話は大体コレで全部

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宣伝 こちらの本出版中

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☺☺ ってことで、あとは リラックスしてお聞きください

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自己紹介 Let me introduce myself

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● Mercari, Inc. ● Data Analyst / Manager ○ Service Growth ○ Team Management ● Data界隈のイベントを 複数主催 ● Twitter ⇢ @hik0107 樫田 光 Hikaru Kashida

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2016-20171st half Mercari USの戦略 / 分析 20172nd half - 国内メルカリのGrowth戦略 ○ 顧客セグメント戦略 ○ KPI / モニタリング体制 ○ 分析からの施策提案 ○ 予算策定 Works in Mercari

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2016-20171st half Mercari USの戦略 / 分析 20172nd half - 国内メルカリのGrowth戦略 ○ 顧客セグメント戦略 ○ KPI / モニタリング体制 ○ 分析からの施策提案 ○ 予算策定 今日のお話

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メルカリのセグメントについて Customer Segment in Mercari

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みなさん、セグメント切ってますか

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3.0 C R M

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CRMとセグメントの軌跡 - in case of Mercari 0 No CRM セグメントなし 全ユーザに 同じ施策を打つ 僕がメルカリの グロースを担当し始めた時

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CRMとセグメントの軌跡 - in case of Mercari 0 No CRM セグメントなし 全ユーザに 同じ施策を打つ 1 CRM 1.0 3セグメントに分類 よちよち歩きでも まず始めてみる 施策担当者と一緒に まず最初にやったこと

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CRMとセグメントの軌跡 - in case of Mercari 0 No CRM セグメントなし 全ユーザに 同じ施策を打つ 1 CRM 1.0 3セグメントに分類 よちよち歩きでも まず始めてみる 2 CRM 2.0 一部セグメントを もう一歩分解 施策を打たない群 CRM1.0 を4ヶ月ほど 運用してから漸進的進化

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CRMとセグメントの軌跡 - in case of Mercari 0 No CRM セグメントなし 全ユーザに 同じ施策を打つ 1 CRM 1.0 3セグメントに分類 よちよち歩きでも まず始めてみる 2 CRM 2.0 一部セグメントを もう一歩分解 施策を打たない群 3 CRM 3.0 セグメントを詳細化 自動化 チューニング 現在

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これだけは覚えて帰ってほしいこと The most important message in this presentation

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CRMとセグメントの軌跡 - in case of Mercari 0 No CRM セグメントなし 全ユーザに 同じ施策を打つ 1 CRM 1.0 3セグメントに分類 よちよち歩きでも まず始めてみる このフェーズでは特に “Simple” が何より大事 複雑にしない ● 『過度な正確さ』は捨てる ● まず始めてみる

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よくないケース 1 Too Late to Start 『できるだけ正確にちゃんと切りたい』『みんなが納得するものを』など 志を変に高く持ちすぎて、半年たっても決まらずグダる

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よくないケース 1 Too Late to Start 『できるだけ正確にちゃんと切りたい』『みんなが納得するものを』など 志を変に高く持ちすぎて、半年たっても決まらずグダる 2 Too Hard to Operate セグメントの数が多すぎるなどで運用がまわらない

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よくないケース 1 Too Late to Start 『できるだけ正確にちゃんと切りたい』『みんなが納得するものを』など 志を変に高く持ちすぎて、半年たっても決まらずグダる 2 Too Hard to Operate セグメントの数が多すぎるなどで運用がまわらない 3 Too Difficult to Understand 切り方やコンセプトが複雑でごく一部の人しか理解できない 特に上位レイヤーのひとが理解を諦めるレベルだと致命傷になる

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1 2 3 つらい

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ふたつの大事なこと 1 Simple is better than Accurate. 精緻さにこだわらない 『まず最初はsimpleに』 この勇気が前頁の問題をすべて解決する 2 Start with Simple. Sophisticate Later. 心配せずとも、Simple Startで成功すれば精緻化はあとからできる また、なにごともやってみてわかることがたくさんある

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CRM1.0はSimpleにはじめよう 0 No CRM 1 CRM 1.0 2 CRM 2.0 3 CRM 3.0 To be Simple

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CRM1.0はSimpleにはじめよう 0 No CRM 1 CRM 1.0 2 CRM 2.0 3 CRM 3.0 Segment = 3 case of mercari

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Simple Segmentを始めるための4Step How to Step forward at first

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0 Simpleにすると固く心に誓う 複雑だと、先に上げた『 3種類の地獄』に陥ることは直感的にわかっていた 僕がまずやった4つのこと phase0

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おまじない 『複雑化』の欲求に囚われたときには

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● セグメントを作ろう!と頑張っていると、 どうしても周囲からいろいろと言う人も出てくる ● 大体において、そういう人の意見が『もっと複雑に』したいというもの → もっと細く、もっと正確に = 複雑さを生む ● そんなときに思い出してほしい呪文 『複雑化の誘惑』

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No content

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“Intelligent fool, you tend to complicate things. In order to proceed in the opposite direction from that, it requires a lot of courage and a little bit of talent.” 知的な馬鹿は物事を複雑にする傾向がある。 それとは反対の方向に進むためには、 少しの才能と多くの勇気が必要になる。 - Albert Einstein

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“Simple can be harder than complex. You have to work hard to get your thinking clean to make it simple.” シンプルであることは複雑であることよりもむずか しいときがある。 物事をシンプルにするためには懸命に努力して思 考を明瞭にしなければならないからだ。 - Steve Jobs

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“A wise man considers a complicated thing simply.” 賢者は複雑なことをシンプルに考える。 - Socrates (ソクラテス)

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賢者 or 知的なバカ?

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1 これまでの知見から仮説を考える 既にある程度わかっていること × 簡単な分析 をベースに考え出してみる 僕がまずやった4つのこと phase1-3

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1 これまでの知見から仮説を考える 既にある程度わかっていること × 簡単な分析 をベースに考え出してみる 2 考え方を目に見える形に落とす いろんなひとと話すために、自分の整理のために、可視化は重要 僕がまずやった4つのこと phase1-3

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1 これまでの知見から仮説を考える 既にある程度わかっていること × 簡単な分析 をベースに考え出してみる 2 考え方を目に見える形に落とす いろんなひとと話すために、自分の整理のために、可視化は重要 3 ある程度の複雑さレベルで分析しつつ、まとめる 実は、最初に作った segmentの素案は 10 だった 僕がまずやった4つのこと phase1-3

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1 これまでの知見から仮説を考える 既にある程度わかっていること × 簡単な分析 をベースに考え出してみる 2 考え方を目に見える形に落とす いろんなひとと話すために、自分の整理のために、可視化は重要 3 ある程度の複雑さレベルで分析しつつ、まとめる 実は、最初に作った segmentの素案は 10 だった 僕がまずやった4つのこと phase1-3

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これまでの知見から仮説を考える 1 メルカリで買ったことがある人と無い人 がいる 総合的なアクションの数よりも、直近アクティブ性が大事 DL数が〇〇で、MAUが△△。それに対して月間のActive Buyerが □□ 月間の購買数は人によって かなり広がりがある 非アクティブな人にはPushが届かない

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これまでの知見から仮説を考える - 有効と思われた仮説 1 メルカリでこれまで買っ たことがあるか 直近で購買が あるか 直近でアクセスが あるか 新規登録 Or 既存 ● 自分の過去の分析の知見から考える ● 施策担当者とブレストしながらアイディアを出していく

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これまでの知見から仮説を考える - 有効と思われた仮説 1 メルカリでこれまで買っ たことがあるか 直近で購買が あるか 直近でアクセスが あるか 新規登録 Or 既存 ● この時点では、『直近』とはどれくらいかとか、『購買』がいくつくらいかとか 難しいことは余り考えないほうがよい

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直近購買あり “元” 顧客 購買ないまま 離脱 まだ購買の 経験なし これまでの知見から仮説を考える 1 色々あるけど 一旦2軸で整理 ● 購買経験の有無 ● 直近購買あるか ある程度の分析と、 あとは決めの問題 過去に購買経験あるか Yes No 直 近 購 買 あ る か Yes No A B A B

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ココが大事 必ず『この軸でも考えたほうがいいんじゃない?』と言う意見が出てきます Simpleさを死守してください 3次元以上になると人間の認知がなかなか追いつきません。 最初の切り口は2軸に留められると吉。 !

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貴方が負けた先に待っているもの 1 Too Late to Start 『できるだけ正確にちゃんと切りたい』『みんなが納得するものを』など 志を変に高く持ちすぎて、半年たっても決まらずグダる 2 Too Hard to Operate セグメントの数が多すぎるなどで運用がまわらない 3 Too Difficult to Understand 切り方やコンセプトが複雑でごく一部の人しか理解できない 特に上位レイヤーのひとが理解を諦めるレベルだと致命傷になる

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こうなる ….つらい

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● 直感的にわかりやすいか ● 結局のところこれがなにより大事 ● 周囲にぱっと入ってない人が2人以上いたら危険信号 ● セグメントごとの人数が極端に非均衡でないか ● 極端にボリュームの少ないセグメントなどは作るだけムダ ● 例) 4セグメントで、人数比率が 『70 : 20 : 7 : 3』 など 軸の条件をチェックするための項目

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● データによる分離が容易か ● セグメント分割のためのデータが簡単に手に入るものか ● 例) “満足度の高さ”みたいな、アンケートしないといけないような 項目を使うのはつらそう ● その軸で分けたユーザ群が、別の生態系となるか ● 別のセグメントには施策が全く異なる、というイメージがあるか? ● 年齢や性別などの静的情報もよいが、行動情報の方がおすすめ 軸の条件をチェックするための項目

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1 これまでの知見から仮説を考える 既にある程度わかっていること × 簡単な分析 をベースに考え出してみる 2 考え方を目に見える形に落とす いろんなひとと話すために、自分の整理のために、可視化は重要 3 ある程度の複雑さレベルで分析しつつ、まとめる 実は、最初に作った segmentの素案は 10 だった 僕がまずやった4つのこと phase1-3

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考え方を目に見える形に落とす- 当時実際に作っていた資料 2 この仮説の切り口をベースに、 情報を付加して絵に落としていく。 ● セグメント内セグメント ● 各群のボリューム感、売上寄与など

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Pre- Buying Active Buyer Dead wood Dormant 1 3 4 過去に購買経験あるか Yes No 直 近 ア ク テ ィ ブ か Yes No 購買経験なし 直近購買あり 購買ないまま離脱 “元” 顧客 考え方を目に見える形に落とす- 当時実際に作っていた資料 新規 DL 2 購買数も月に1個から >10個など幅がある 2

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考え方を目に見える形に落とす- 当時実際に作っていた資料 2 ● 施策のイメージをつけるために、セグメント間の意味合いも付加

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考え方を目に見える形に落とす 2 樫田 マーケター マーケター ● すっと理解できるか ● 施策のイメージ ● 注力どころ

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1 これまでの知見から仮説を考える 既にある程度わかっていること × 簡単な分析 をベースに考え出してみる 2 考え方を目に見える形に落とす いろんなひとと話すために、自分の整理のために、可視化は重要 3 ある程度の複雑さレベルで分析しつつ、まとめる 実は、最初に作った segmentの素案は 10 だった 僕がまずやった4つのこと phase1-3

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ある程度の複雑さレベルで分析しつつ、まとめる 3 ☺朗報☺ 過去全体向けに打った施策も後から分解して振り返れる (もしできない場合は、セグメントの切り方が苦しい可能性が高い )

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ある程度の複雑さレベルで分析しつつ、まとめる 3 全体向けに打った施策:反応率 30% 過去にNo Segmentationで打った施策も 『あの時、いま考えたSegmentで分けていたら..』と考えて見てみる

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ある程度の複雑さレベルで分析しつつ、まとめる 3 Segment 1 80% Segment 2 50% Segment 3 20% Segment 4 0.5% 全体向けに打った施策:反応率 30% 仮説のセグメントで分解してみてみると ...

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セグメントがSimple ➞ ここでの手法自体は 簡単なクロス集計でいい ある程度の複雑さレベルで分析しつつ、まとめる 3

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㊙ ㊙ ある程度の複雑さレベルで分析しつつ、まとめる 3 ※ 当時実際に作った、セグメントごとの特徴の分析シート → とりあえず8セグメントに切って、いろんな KPIを見てみた(実際には過去の施策の反応率なども分析)

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ある程度の複雑さレベルで分析しつつ、まとめる 3 ここから、施策担当者と話しながら、Simpleに削いでいく ☑ 打つべき手が変わらない群はまとめる → 逆に明らかに変わってくる場合は、絶対に独立させる ☑ 人数が小さすぎるセグメントはまとめてしまう ☑ データ的に分割が容易かを考慮する ☑ 過去の反応率やKPIなどを見て傾向が同じような場合はまとめる ☑ 分割に寄って直感的にわかりづらくなる場合はまとめる

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ある程度の複雑さレベルで分析しつつ、まとめる 3 ここから、施策担当者と話しながら、Simpleに削いでいく ☑ 打つべき手が変わらない群はまとめる → 逆に明らかに変わってくる場合は、絶対に独立させる ☑ 人数が小さすぎるセグメントはまとめてしまう (★要分析) ☑ データ的に分割が容易かを考慮する (★要データ知識) ☑ 過去の反応率やKPIなどを見て傾向が同じような場合はまとめる (★要分析) ☑ 分割に寄って直感的にわかりづらくなる場合はまとめる

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樫田 マーケター マーケター あれやこれや話す ある程度の複雑さレベルで分析しつつ、まとめる 3

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Keep Comeback New A B 過去に購買経験あるか Yes No 直 近 購 買 あ る か Yes No 最終的なセグメントはこうなった 3 C CRM 1.0 最終的には Segment = only 3 めちゃsimple

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Too Simple? Don’t worry, they’re beside you.

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1 Simple is better than Accurate. 精緻さにこだわらない 『まず最初はsimpleに』 この勇気がすべてを解決する 2 Start with Simple. Sophisticate Later. 心配せずとも、Simple Startで成功すれば精緻化はあとからできる また、なにごともやってみてわかることがたくさんある

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Segmentが何に活きるか How to leverage “simple segment”

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A KPIを分けて考える セグメントごとにメインで追う指標を分けることができる 数字自体も層ごとに分けてみることで、より施策の効果などが鮮明に見える B 施策を分けて考える セグメントごとに有効な施策は異なるはずなので、出し分ける C 目標数値の精緻化 セグメントごとの重要 KPIなどを深く知ることで、目標数値や予算などが精緻に計画できる

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Keep 継続既存顧客 Comeback 復帰既存顧客 New 新規顧客 KPIを分けて考える セグメントごとにみるものを変える A 全体:KPI = 売上 セグメントごとに、メインで追う KPIを最適化する それぞれのセグメントに最も期待するものをちゃんと KPIとして置く

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Keep 継続既存顧客 Comeback 復帰既存顧客 New 新規顧客 KPIを分けて考える セグメントごとにみるものを変える A 全体:KPI = 売上 売上 獲得数 CPA vs. LTV キャンペーン ROI 復帰Buyer数

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Keep 継続既存顧客 Comeback 復帰既存顧客 New 新規顧客 KPIを分けて考える セグメントごとにみるものを変える A 全体:KPI = 売上 売上 獲得数 キャンペーン ROI 復帰Buyer数 当然モニタリングもセグメントごとに分けて行う 数字の好調・不調の理由が桁違いに理解しやすくなる CPA vs. LTV

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Brandnewへの 施策ブースト 別セグメントに は影響なし KPIを分けて考える 実際に見ていたダッシュボード A 特定セグメントへの施策の反応が、セグメント別に見るとビビッドに現れる 目標値もセグメント別に管理すると非常に捗る

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施策を分けて考える セグメントごとに打つ施策を変える B 全体 全体向けに共通の施策を打っている状況 = 非効率

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Keep 継続既存顧客 Comeback 復帰既存顧客 New 新規顧客 施策を分けて考える セグメントごとに打つ施策を変える B 全体 ● クーポン ● キャンペーン ● App内中心 ● コミュニケーション ● Pre-buy コンテンツ ● Adなど外部施策 ● 初購入特典 ● 大きめのPoint施策 やること、できること、書けられるコストなどが結構違う

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さらに言えば KPIが明確に分かれている / 施策が分かれている = 担当者を明確に分割して考えることも可能になるということ !

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目標数値の精緻化(グラフは完全に適当です / Chart is just illustrative) C keep 10月 11月 継続率 x% Keep : 成熟しているサービスなら継続率はPredictable ( + 継続施策どれくらいやるか)

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目標数値の精緻化(グラフは完全に適当です / Chart is just illustrative) C keep CB BN 10月 11月 継続率 x% Brandnew : 新規獲得系なので広告費などが影響 Keep : 成熟しているサービスなら継続率はPredictable Comeback : 復帰系施策やRe-Engagement系などが影響 ( + 継続施策どれくらいやるか)

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目標数値の精緻化(グラフは完全に適当です / Chart is just illustrative) C keep CB BN Total 10月 11月 継続率 x% keep 12月 継続率 y%

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目標数値の精緻化(グラフは完全に適当です / Chart is just illustrative) C keep CB BN Total 10月 11月 継続率 x% keep CB BN 12月 継続率 y% 12月は広告で新規獲得に注力する計画の場合

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目標数値の精緻化 C メリット① 施策計画を加味した目標計画 (YoYよりも可変性が高い) メリット② N月の施策のN+1月への 積み上がり影響を加味 メリット③ セグメントごとの計画が立つ

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Simple Segmentの運用と分析 How to leverage “simple segment”

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前提:特にKPIに響く、インセンティブ系の施策を重視

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運用サイクルに分析をきちんと組み込む Scrap & Build 良い施策は定期化 ダメな施策はRefine Test セグメントごとに 施策を考え小さく実行 (事前分析なども) Analysis - 打った施策を分析 Segmentの 運用サイクル 1 2 3

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Segmentの運用において大事なこと Segmentの 運用サイクル テッパン施策を見極めて恒例化する 必要なら予算化を行う ダメダメ施策を理解して知見とする 二度と同じ愚を繰り返さない A C 施策の反応率を知見化する 施策あたりのコスト感を掴む B

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ちゃんと分析を組み込まないとこうなる テッパン施策かどうかわからない ずっといろんな施策を試す羽目に ダメダメ施策が繰り返される 手数を打ってるのに上がらないKPI 施策の反応率の加減がわからない 突然訪れる予算オーバー “勘で運用”の悪魔 俺の感覚は あたるんだ!

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分析チームとして気をつけていたこと 施策担当 (当時はマーケチーム) 分析チーム 1 施策チームと分析チームは密接に 週1-2回は施策のプランについて定期的に話す MTG 施策チームで分析強い人を巻き込む 2 施策の設計・実施に深く関わる A/Bテストできる設計を提案して実行していく 試算などは分析チーム主導で行う (ので絶対に相談くる) 3 数字の見える化、ダッシュボード KPIを可能な限り見える化して、施策チームに浸透させる

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運用サイクルに分析をきちんと組み込む 具体的なプロセスフロー やりながらこんな感じに固まっていった

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運用サイクルに分析をきちんと組み込む 施策 チーム 分析 チーム 施策素案 予算計画 定例MTG (週1-2) 一緒に検討 施策のKPIや予算感の確認、期待効果、筋が良いかなどのブレスト

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運用サイクルに分析をきちんと組み込む 施策 チーム 分析 チーム 施策素案 予算計画 定例MTG (週1-2) 一緒に検討 ・期待した効果が出そうかの詳細な試算 ・反応率などの予測からの消化予算などを分析 ・場合によっては、対象層の絞り込みなど 対象抽出 分析・試算

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対象抽出 運用サイクルに分析をきちんと組み込む 施策 チーム 分析 チーム 施策素案 予算計画 定例MTG (週1-2) 一緒に検討 分析・試算 施策実施 モニタリング (ダッシュボードなど) ・Dailyくらいで見れる仕組み ・Slackなどで都度議論 ・顔合わせた時に会話

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対象抽出 運用サイクルに分析をきちんと組み込む 施策 チーム 分析 チーム 施策素案 予算計画 定例MTG (週1-2) 一緒に検討 分析・試算 施策実施 モニタリング (ダッシュボードなど) 効果分析 ・サクッとSheet1枚程度 ・全施策の結果をWikiに掲載

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対象抽出 運用サイクルに分析をきちんと組み込む 施策 チーム 分析 チーム 施策素案 予算計画 定例MTG (週1-2) 一緒に検討 分析・試算 施策実施 モニタリング (ダッシュボードなど) 結果 振り返り 効果分析 重要なのはコンセンサスづくり

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対象抽出 運用サイクルに分析をきちんと組み込む 施策 チーム 分析 チーム 施策素案 予算計画 定例MTG (週1-2) 一緒に検討 分析・試算 施策実施 モニタリング (ダッシュボードなど) 結果 振り返り 効果分析 テッパン 施策 知見 (失敗含む)

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チームワークが大事 分析担当者はやや外れた存在になりがち? でも本当は戦略の中心にいるべき。

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みんなで数字を達成するのは楽しい

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Q終了直前で 目標ギリギリ達成グラフ (データの内容は秘密) セグメント戦略を導入した4半期の “Last 1.5 hour” ※ 当時のSlackより 僕 財務担当者 マーケ責任者 担当執行役員

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Simple Segmentからの進化 Evolution of Segment

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CRM1.0の運用にも慣れてきた

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CRMとセグメントの軌跡 - メルカリの場合 0 No CRM 1 CRM 1.0 3 CRM 3.0 2 CRM 2.0 Segment = 5

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Keep (直近購買あり) Comeback (直近購買なし) A B New 購買経験あり 購買経験なし C 1.0 → 2.0 の update CRM 1.0

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Keep (直近購買あり) Comeback (直近購買なし) A B New 購買経験あり 購買経験なし C Comeback (直近購買なし) Star Weak Brandnew Delay CRM 2.0 CRM 1.0 購買の強さで 2つに分離 登録時期で 2つに分離 そのまま 1.0 → 2.0 の update

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あくまで漸進的な変化

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小さいことを積み重ねるのが、 とんでもないところへ行くただひとつの 道だと思っています。 - 鈴木一朗(イチロー)

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“If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.” 早く行きたければ、ひとりで行け。 遠くまで行きたいのなら、みんなで進め。 - アフリカのことわざ

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チームで進みたいなら焦ってはダメ

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1.0 → 2.0 の update ● 施策の頻度を落とす セグメントなども作る ● 新しい施策も試してみる ● 別の分割の切り口も 考えてみる機運 よりメリハリをつけた施策の出し分けなどにシフトしていく

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CRM3.0と、4.0に向けて

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現在進行形なので詳しくは話せませんが... CRM3.0 (現在) 特に注力するセグメントをさらに 細く割って、条件のトリガーベースで 施策を自動化 その際の分割の軸は 分析 × ある程度ヒューリスティック CRM4.0 (Next) 機械学習の導入 Simpleセグメント ➞ 多数の行動特徴を 機械学習モデルで複合判定する Complexセグメントへ (一部実験中)

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機械学習は銀の弾丸か? + 納得感 ヒューリスティックな仮説ベースでやっていると、いろんな意見が出る 分析から数字で示しても、自分の感覚にこだわる人は絶対に反論をしたがる そういうオールドファッションな人ほど、なぜか『 AIでやってます』で納得する(と思う。) + 個別化 & 正解に近い 単純な2軸~3軸の分解だと、多数の例外が発生する 5セグメントに区切ったところで、同じセグメントのなかにも実はいろんなユーザが存在する 機械学習は、実質的には大量(有効な特徴量の数)の軸でセグメントしているに等しい 一人ひとりを個別のセグメントに分類している状態に近い

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機械学習は銀の弾丸か? - 人的リソースはかかる 座組として、MLエンジニア × プランナー × データアナリスト(ML/数字/ビジネスをブリッジできる ) が必要 オーナーシップの所在をどこに置くかが結構難しい感覚 さらに実用化の場合は SysMLなど

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おさらい

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● Simpleにすると固く心に誓う ➞ もうできるはず。今日の話と偉人の言葉を思い出してください。。。 ● これまでの知見から仮説を考える ➞ みなさんの社内にもうあるはず。 ● 考え方を目に見える形に落とす ➞ 図表化が上手そうな人を見つけましょう。 ● ある程度の複雑さレベルで分析しつつ、まとめる ➞ いまこそ分析者を活かしましょう。いなければなんとか育てましょう。 分析者なんて雇っていられない?それで本当に大丈夫ですか? もしSimple Segmentを始めようと思ったら

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● Simpleにすると固く心に誓う ➞ もうできるはず。今日の話と偉人の言葉を思い出してください。。。 ● これまでの知見から仮説を考える ➞ みなさんの社内にもうあるはず。 ● 考え方を目に見える形に落とす ➞ 図表化が上手そうな人を見つけましょう。 ● ある程度の複雑さレベルで分析しつつ、まとめる ➞ いまこそ分析者を活かしましょう。いなければなんとか育てましょう。 分析者なんて雇っていられない?それで本当に大丈夫ですか? もしSimple Segmentを始めようと思ったら

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● Simpleにすると固く心に誓う ➞ もうできるはず。今日の話と偉人の言葉を思い出してください。。。 ● これまでの知見から仮説を考える ➞ みなさんの社内にもうあるはず。 ● 考え方を目に見える形に落とす ➞ 図表化が上手そうな人を見つけましょう。 ● ある程度の複雑さレベルで分析しつつ、まとめる ➞ いまこそ分析者を活かしましょう。 分析者なんて雇っていられない?今は21世紀、それで本当に大丈夫ですか? もしSimple Segmentを始めようと思ったら

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おわりに

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Simple is better than Accurate. 精緻さにこだわらない 『まず最初はsimpleに』 この勇気がすべてを解決する - Hikaru Kashida

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No content

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実はMarkの発言ではないらしい....? FacebookのCEO Markは “Done is better than perfect” といった simple Facebookの壁には “Done is better than perfect” と書かれている。 創業者のMarkの言だという説もあるが 実際に彼が言ったという証拠は無く 元が誰の発言であるかは諸説ある Accurate どちらを使うべきかは場合に寄るだろうが、 わかりやすさを重視して、多少の不正確さを許容することで得るものもある。

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“If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.” 早く行きたければ、ひとりで行け。 遠くまで行きたいのなら、みんなで進め。 - アフリカのことわざ

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Hikaru Kashida @hik0107 on Twitter / note / Qiita / Speakerdeck Thanks! Have a Better Segment, Better Life.