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©MIXI MIXIが内製した「3⽇間16時間のアジャ イル研修」こだわりの中⾝と背景 株式会社MIXI Vantageスタジオ みてねプロダクト開発部 部⻑ Certified Scrum Professional® - ScrumMaster KAKKA(平⽥将久)

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2 ©MIXI ● ⾃⼰紹介 ● 家族アルバム みてね(以下、みてね)について ● みてねがアジャイルに⼒をいれる理由 ● みてねのアジャイル変⾰ ⽬次

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©MIXI ⾃⼰紹介

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4 ©MIXI KAKKA(平⽥将久) 株式会社MIXI みてねプロダクト開発部 部⻑ バックエンド‧Androidエンジニア、アジャイルコーチ、DX推進 2015年〜 Certified Scrum Professional® - ScrumMaster 2019年〜 ⽇本CTO協会 DX Criteria WGプロボノ ⾃⼰紹介 2011年にミクシィ(現:MIXI)に新卒⼊社し、エンジニアとしてSNSの「mixi」を担当。2013年に転職し複数企業でエンジニアと してプロダクト開発、チームのスクラム導⼊、組織変⾰などのマネジメント業務に携わった。⽶国シリコンバレーのスタートアップ 企業(Drivemode, Inc.→ Honda)でプロダクト開発や、Director of ConsultingとしてDX変⾰のリードを経て、2022年12⽉にMIXI に再⼊社。現在、みてねプロダクト開発部部⻑として「家族アルバム みてね」におけるエンジニアリング組織全体のマネジメント に従事。Twitter(現X) @KAKKA_Blog ブログ: KAKKA is not 閣下 mixi2: @kakka

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©MIXI 家族アルバム みてねについて

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6 ©MIXI 家族アルバム みてねについて

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7 ©MIXI 家族アルバム みてねの利⽤者数推移 2015年にリリース。7言語・175の国と地域で2,500万人以上の方にご利用いただいています。 2015 20,000,000 15,000,000 10,000,000 5,000,000 0 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 国内 海外 ※ iOS・Android™ アプリ登録者数、ブラウザ版登録者数の合計 2023 2024 25,000,000 2025.1

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8 ©MIXI 家族アルバム みてねのDeveloper Experience ※ 2023年9⽉にDX Criteriaを利⽤し、独⾃で診断。 ※ 37社平均は2021年の⽇本CTO協会より公表されたレポートより抜粋。 ※ DXリーダー企業は、DX Criteriaを紹介されていた記事(各企業‧組織の診断結果含む)の中から、スコアの⾼かった5社を平均したもの。

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©MIXI みてねがアジャイルに⼒をいれる理由

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10 ©MIXI みてねがアジャイルに⼒を⼊れる理由 「世界中の家族のこころのインフラをつくる」というミッションはとても⼤きな偉業である。⼀ ⽅で、我々はどのように実現するか正解はわからない。⼀年の計画も正解かわからない。我々は 学びながらひたすら前に進みたい。マインドセットは世界中の誰にも負けない。 とてもファンダメンタルなレベルでアジャイルとの相性バツグンだった。むしろ、アジャイルそ のものだった。実際にすでにスクラム実践が⾏われていたり、権限委譲されていたりなど、ア ジャイルカルチャーが垣間⾒れていた。 ならばコアな部分から表層の部分まで徹底的にやろう。

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11 ©MIXI みてねがアジャイルに⼒を⼊れる理由 ならばコアな部分から表層の部分まで徹底的にやれば、とても強いケイパビリティとなる。ミッ ションを追いかけるのに世界⼀適した存在になれる! プロセス・ フレームワーク 価値・原則 ⽂化のたまねぎ型モデル アジャイルとスクラム

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©MIXI みてねのアジャイル変⾰(コア)

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13 ©MIXI みてねのアジャイル変⾰(コア) Value改定 Think Family ⼦どもたちの未来のために。世界中の家族を想い、寄り添うことからはじめよう。 Go Beyond 幸せな驚きを届けよう。本質を追求し、プロダクトもプロセスもより⾼みを⽬指そう。 Be Agile 不確かな状況でも前に進もう。素早い仮説検証で、事象からの学びを活かそう。 One Team DEIでチームの⼒を最⼤化しよう。信頼と敬意を⼤切に、透明性のあるコミュニケーションで、役割を超えて助け合おう。 ミドルアップダウン的アプローチでValueを改定。元々潜在的に存在していたカルチャーであるBe Agileを改めて設定。

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14 ©MIXI 組織構造最適化 スクラムの構造をオフィシャルな組織図に反映。マネージャーのスクラムチームをまたいだ兼務をな るべく排除。バイモーダル体制になるよう、セキュリティやプラットフォームは専⾨組織とした。 みてねのアジャイル変⾰(コア) エンジニア デザイナー PdM QA SM エンジニア Engineering Manager Design Manager Engineering Manager エンジニア エンジニア エンジニア エンジニア エンジニア 直接的顧客価値提供 間接的顧客価値提供 ⽂化は組織構造に従う by クレイグラーマン

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15 ©MIXI 透明性の強化 スクラムの3本柱の⼀つ、透明性の柱を太くする。そして正しく検査し、正しく適応できるように。 みてねのアジャイル変⾰(コア) 透明性 検査 適応 情報基盤整理 AIによる要約と⾃動化 ⼈事評価指標作成 個⼈⽬標のオープン化 DX Criteria診断

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©MIXI みてねのアジャイル変⾰(コア〜表層)

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17 ©MIXI みてねのアジャイル変⾰(コア〜表層) チームコーチ みてね専属で経験豊富なスクラムマスターがアジャイルコーチとなり、各スクラムチームのコーチン グ、ティーチング、場合によってはファシリテーションやメンバーのメンタリングなども⾏う。 16時間研修 みてね専属で経験豊富なスクラムマスターが3⽇間、16時間をかけて研修を⾏うことで、アジャイル やスクラムについて⾝につける。⼊社まもなく、プロダクト開発に携わる全職種が受講。

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18 ©MIXI みてねのアジャイル変⾰(コア〜表層) チームコーチ みてね専属で経験豊富なスクラムマスターがアジャイルコーチとなり、各スクラムチームのコーチン グ、ティーチング、場合によってはファシリテーションやメンバーのメンタリングなども⾏う。 16時間研修 みてね専属で経験豊富なスクラムマスターが3⽇間、16時間をかけて研修を⾏うことで、アジャイル やスクラムについて⾝につける。⼊社まもなく、プロダクト開発に携わる全職種が受講。 内製した16時間研修のこだわりの中⾝と背景とは??

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©MIXI 内製した16時間研修のこだわりの中⾝ と背景

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20 ©MIXI スクラムが講義3時間だけで伝わるか?NO! ラーニングピラミッド ※ 図はhttps://career-ed-lab.mynavi.jp/career-column/707/ より抜粋 学習⽅法と平均学習定着率の関係はラーニングピラ ミッドという図で表すことができる。3時間の講義だけ だと5%しか伝わらない。MIXIの内製した16時間研修で は過半数の時間をワークやスクラムシミュレーション に費やし、「⾃ら体験する」ところまでサポートする ことで学習定着率を向上させている。 また、受講者でスクラムマスター志望の⽅等の場合、 次回は研修の講師として参加してもらうことで「他の ⼈に教える」までサポートできる。これは内製だから こそできる取り組みである。

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21 ©MIXI スクラムだけでカルチャーがアジャイルになるか?NO! アジャイルの価値観理解 スクラムはアジャイルなマインドセットの上に成り⽴つ。故にアジャイ ルカルチャーへの共感を無視してスクラム導⼊しても、いずれ破綻して しまう。 ホフステード⽈く、コアな価値観の部分を変えるのは⾮常に難しい。し かしここをお互いに理解することこそが、異⽂化ギャップに対処するた めの最初の⼀歩である、とのこと。 アジャイルの価値観をしっかりと研修でも取り扱うことで、全員がア ジャイルへの価値観への理解‧共感ができるようにし、また⼈材採⽤す るときにもその理解や共感が活⽤されることでより⼀層組織カルチャー がアジャイル化していく。 ⽂化のたまねぎ型モデル

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22 ©MIXI 16時間はあっという間。研修の中⾝⼀覧 ● ⽂化とは、⽂化の変⾰リーダーシップ ● アジャイルとは、スクラムとは ● アジャイルソフトウェア開発者 ⾔ ● ⾃律的な組織 ● クレイグラーマンの法則とスタートアップ、⼤企業 の変⾰事例 ● コンポーネント組織とフィーチャー組織 ● プロジェクト組織とプロダクト組織 ● 個⼈のマルチスタック化とチームのアウトプットの 関係 ● フロー効率、リソース効率 ● 顧 価値の最⼤化 ● 不確実性への対処 ● 継続的な学習と改善 ● アジャイルリーダーシップ ● スクラム概要 ● 3本柱と5つの価値観 ● 3つのロール ● スプリント、スプリント中⽌ ● プロダクトゴールとプロダクトバックログ ● 受け⼊れ条件 ● スプリントプランニング、スプリントバックログ ● Doneの定義 ● 各セレモニー ● 潜在的リリース可能なインクリメント ● レゴスクラムシミュレーション ● オンラインまちづくりシミュレーション ● オンライン家造りシミュレーション ※ この中から適宜ピックアップ

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©MIXI みてねのアジャイル変⾰まとめ

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24 ©MIXI みてねがアジャイルアジャイル変⾰ ● 組織全体のValueとしてBe Agileを定義 ● 組織構造がアジャイル⽂化を阻害しないよう 設計 ● 3本柱を⽀える透明性強化で0.1秒で現状を把 握できることを⽬指す プロセス・ フレームワーク 価値・原則 ● コア〜表層の習熟度にこだわった16時間研修 により全員に共通⾔語を醸成 ● チームコーチとして⽇常的にサポート コア コア〜表層

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25 ©MIXI ● Tech Team Journal - MIXIが内製した「3⽇間16時間のアジャイル研修」こだわりの中⾝ ● Tech Team Journal - MIXI「家族アルバム みてね」成功の秘訣、アジャイルカルチャーの 浸透|不確実と戦える開発組織 ● エンジニアType - アジャイル失敗の本当の原因は? シリコンバレー経験を持つMIXIのスク ラムマスターが明かす ● Notion Japan - みてねプロダクト開発部⻑が語る。透明性を確保することこそが⾃律的組 織の鍵。 ● みてねエンジニアリング組織のこれまでとこれから 関連リンク

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©MIXI