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経済メディア編集部の実務に小さく刺さるAI AI Developer Meetup in Tokyo #1 Yukiya Nakagawa, 2025.5.14 1

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自己紹介 なかがわゆきや / なかざん(@Nkzn) 株式会社モニクルで「くらしとお金の社会課題を解 決する」各種事業のインハウス開発に加担 近年はメディア事業のモニクルリサーチ社のCTOに なって経済メディア「LIMO」周辺のお手伝い 技術書典開発チームもやってます 普段使ってるAIツール:Cursor (チャット欄に住んで ます) 好きなモデル2025-05:Gemini 2.5 Pro 2

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会社・事業紹介 3

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昨年から事業にAIを取り入れ始めていました   https://charatsukuai.limo.media https://speakerdeck.com/nkzn/cloudflare-developer-platform-for-ai-avatar-service 4

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今日のお話 実務の課題をAIで解決できないか検討した話 プロダクト開発をAIと二人三脚してみた話 5

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実務の課題をAIで解決できないか検討した話 6

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現場のペイン アプリメインの会社ではないので、ITの主な役割は業務効率化 プロダクト開発がコードを書いて終わりではなくデリバリーが重要なのと同様 に、Webメディアも記事を書いて終わりではなく、届けるための作業がある その一つが「関連記事の選定」 これからリリースする記事と関係ありそうな既存記事を見つけてくるだけでも一 仕事 現場からの「これAIとかで何とかならないですか」からプロジェクトがスタート 7

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こういうやつを決めたい 8

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AIのみでなんとかするのは流石に難しかった 雑にAIに最近の記事のCSVファイルを食べさせてみてから、雑に訊いてみた なかなか安定しない プロンプトの工夫で精度を少し上げることはできたものの、ハルシネーションを 排除しきれず 9

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AIのことは一旦忘れよう 初心に戻り、素直な技術選定をしてみよう RAG……でもいいけど、今回の用途だとtoo muchっぽい テキストの類似性検索として考えてみれば、シンプルなベクトルDBでいいのでは 10

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ベクトルDBといえば よっしゃCloudflare Vectorizeを使ってみよう 昨夏の開発合宿でVectrizeを試していた同僚 もいた → EmbeddingにはCloudflare Workers AIを使う ので、結局AIのお世話にはなった @cf/baai/bge-m3 を使いました (多言語対応してるやつがあんまりなか ったのでほぼ消去法) 11

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こんな感じで使える(保存) const embeddingsResponse = await c.env.AI.run('@cf/baai/bge-m3', { text: [ ' タイトルA\n メタデータA-1\n メタデータA-2', ' タイトルB\n メタデータB-1\n メタデータB-2', ... ], }) let vectors: VectorizeVector[] = []; let id = 1; embeddingsResponse.data.forEach((vector) => { // id とデータを紐づけて保存する(メタデータを添えて取り出したりもできる) vectors.push({ id: `${id}`, values: vector }); id++; }); let inserted = await env.VECTORIZE.upsert(vectors); 12

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こんな感じで使える(検索) const embeddingsResponse = await c.env.AI.run('@cf/baai/bge-m3', { text: [' それっぽいクエリ'], }) let matches = await env.VECTORIZE.query(queryVector.data[0], { topK: 1, }); // matches[0].id => 保存時に決めたID // matches[0].score => クエリとの類似度 // matches[0].metadata => 保存時に添えたメタデータ 13

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ざっくり作ってみた 思ったより上手く行った ハンバーガーの話題で探すとパフェの記事が出てきたり(食べ物繋がり) 猫の話題で探すと犬の記事が出てきたり Webアプリ版とSlack版を作って試験運用中 少しだけWebアプリ版のほうが評判がいい チャットで自由な入力を受け付けるとユーザー側が考えることが増えるので、目 的別に最適なUIを提供したほうが受け入れられやすいのかも 14

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プロダクト開発をAIと二人三脚してみた話 15

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AIと一緒にコードを書く プロトタイピングを早めに終わらせるために、AI Agentに大半のコードを書いても らうことにした とはいえClineのように投げっぱなしというわけではなく、CursorのAgentモードに 随時指示を出す形 ある程度はコンテキストを広く見てほしかったので、Gemini 2.5 Pro固定で実施 16

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開発プロセス 1. 解決すべき課題と、大まかに想定しているアーキテクチャを書いたドキュメント を作る(ここは大半が手書き) 2. アーキテクト役でAIに参加してもらう 具体的なアーキテクチャ案を考えてもらう 作業手順を考えてもらう(動作確認のタイミングを多めに盛り込んでもらう のがオススメ) 3. 最初のドキュメントに↑を追記する(ここでコンテキストが永続化される) 4. 手順をひとつずつ実施してもらいつつ、動作確認して細かい動作で気になる点が ないかを確認する 5. 実情に合わせて方針を変えつつ、変えた方針をドキュメントに反映していく 6. できあがり 17

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ふりかえり 反省点 アーキテクチャ設計時にそれなりに思慮深いモデルを使っておかないと、本実装 に入ってからめちゃくちゃ迷走する Claude 3.5時代に一度やろうとして頓挫したのが、Claude 3.7やGemini 2.5の時代 になったらあまりにもサクサク進んだのでビビった よかった点 ドキュメントをしっかり整備したり、動作確認のマイルストーンをしっかり挟んで いくことで、頓挫しづらくなった 意図的に考えてもらうスコープが狭くなるようにマイルストーンの調整をしたおか げか、AI側があまり暴走しなかったように見えた 18

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ご清聴ありがとうございました We are hiring! お金の診断・相談サービスと経済メディアの両輪で、くらしとお金の社会課題を 解決するモニクルで一緒に働きませんか? フロントエンドもバックエンドもTypeScriptでどっちもやるぜ!という方!どうで すか! https://recruit.monicle.co.jp/ 19