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FrontDoorとWebAppsを組み合わせた際の リダイレクト処理の注意点 株式会社オルターブース 木村健一郎

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自己紹介 株式会社オルターブース クラウドソリューション部 副部長 木村 健一郎(Kenichiro KIMURA) 大学院在籍中に未踏ソフトウェア創造事業に 採択され、その成果を元に設立したスタート アップに20年在籍。 2014年頃からクラウドの世界に触れる中で サーバレスとIoTに魅せられ、JAWS-UG福岡 やSORACOM UG九州のコアメンバーとして コミュニティ活動を行っている。 2020年にオルターブースにジョイン。テッ クリードとしてお客様の支援やプロダクトの 開発に従事している。 家に帰ると6歳の娘と戯れる日々。 AWS Samurai2019受賞 SORACOM MVC2020,2023受賞 Twitter: @show_m001(しょーちゃん) Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 2

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• App Service(WebApps/Functions)の前段にFrontDoorやApplication Gatewayなどのリバースプロキシを置くときはリダイレクト処理に注意しま しょう • よくあるケースはOIDCやEasyAuthでの認証 • 根本的な問題は「App Serviceが、自身が何というドメイン名で動いていると 認識しているか」 • 解決方法は3つ • アプリを改修する(OIDCの場合) • App Serviceの設定をリソースエクスプローラーで変更する(EasyAuthの場合) • カスタムドメインを使う(万能) 本日の結論 Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 3

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サンプルケース Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 4 よし、社内用のWebアプリできたからWebAppsにデプ ロイしよう

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サンプルケース Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 5 よし、社内用のWebアプリできたからWebAppsにデプ ロイしよう 本番に備えてちゃんと前段にはFrontDoor置いてね! WebAppsへの直接アクセスも禁止して。

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サンプルケース Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 6 よし、社内用のWebアプリできたからWebAppsにデプ ロイしよう 本番に備えてちゃんと前段にはFrontDoor置いてね! WebAppsへの直接アクセスも禁止して。 FrontDoor置いてWebAppsの設定変えて動作チェックも 完了・・っと

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サンプルケース Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 7 よし、社内用のWebアプリできたからWebAppsにデプ ロイしよう 本番に備えてちゃんと前段にはFrontDoor置いてね! WebAppsへの直接アクセスも禁止して。 FrontDoor置いてWebAppsの設定変えて動作チェックも 完了・・っと 社員だけがアクセスできるようにEntra IDで認証かけて ね!

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サンプルケース Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 8 よし、社内用のWebアプリできたからWebAppsにデプ ロイしよう 本番に備えてちゃんと前段にはFrontDoor置いてね! WebAppsへの直接アクセスも禁止して。 FrontDoor置いてWebAppsの設定変えて動作チェックも 完了・・っと 社員だけがアクセスできるようにEntra IDで認証かけて ね! EasyAuthでEntra IDの認証使おう・・・よし、設定完了

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Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 9 認証完了したらこの画面になったぞ! 動いてないじゃないか!

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彼がやったのは以下の3つです。一体何が悪かったのでしょうか? • FrontDoor経由でWebAppsにアクセスできるようにした • WebAppsへの直接アクセスを遮断した • WebAppsにEasyAuthでの認証を仕掛けた 一体何が起こったのか? Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 10

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Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 11 EasyAuthやOIDCは、以下のような動作をします。 • 未認証のユーザからアクセスされると、認証サーバにユーザをリダイレクトす る • この時、戻って来て欲しいURL(主に自分自身)をredirect_uriというパラメータで渡す • 認証サーバはユーザを認証したら認証結果をつけてredirect_uriにリダイレク トする

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Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 12 Entra IDで認証して、戻ってきたURLがWebAppsへの直接アクセスになってる!!

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Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 13 実際にredirect_uriの値を確認するとWebAppsのURL(ドメイン名)になってます。 FrontDoorのドメイン名でアクセスしてるのに! https://login.microsoftonline.com/****/oauth2/v2.0/authorize?response_type= code+id_token&redirect_uri=https%3A%2F%2F****.azurewebsites.net%2F.auth %2Flogin%2Faad%2Fcallback&*****

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EasyAuthの場合、WebAppsが設定しています。 OIDCの場合はアプリケーションまたは認証フレームワークが設定しています。 この時、WebAppsやアプリケーションは「自分自身がどういうドメイン名で動 いているか」を知っていて、それをredirect_uriに設定します。 redirect_uri、誰が設定している? Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 14

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WebAppsは基本的にマルチテナントのSaaSなので、1つのインスタンス上で複 数のアプリが動きます。そして、どのHTTPリクエストをどのアプリにルーティ ングするかはホスト名(HTTP Hostヘッダ)で決定されます。 WebAppsはマルチテナントのSaaS Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 15 アプリ1 アプリ2 https://site1.azurewebsites.net/ https://site2.azurewebsites.net/ site1.azurewebsites.netはアプ リ1、site2.azurewebsites.net はアプリ2だな

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この時、アプリ1は自身がsite1.azurewebsites.netと認識しているし、アプリ2 は自身がsite2.azurewebsites.netと認識してるので、これをredirect_uriに設 定します。 Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 16 アプリ1 アプリ2 https://site1.azurewebsites.net/ https://site2.azurewebsites.net/ redirect_uriは自分自身を表 すsite1.azurewebsites.netに しよう redirect_uriは自分自身を表 すsite2.azurewebsites.netに しよう

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ここで、WebAppsの前段にFrontDoorが入るとこうなります。 FrontDoorが入るとどうなる? Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 17 アプリ1 アプリ2 https://site1.azurewebsites.net/ https://site2.azurewebsites.net/ site1.azurewebsites.netはアプ リ1、site2.azurewebsites.net はアプリ2だな https://site1.azurefd.net/ https://site2.azurefd.net/ site1.azurefd.netはsite1.azurewebsites.netのWebAppへ、 site2.azurefd.netはsite2.azurewebsites.netのWebAppへ転 送すればいいな

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FrontDoorがあってもアプリ1は自分がsite1.azurewebsites.netだと思っている し、アプリ2は自分がsite2.azurewebsites.netだと思っています。 つまり Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 18 アプリ1 アプリ2 https://site1.azurewebsites.net/ https://site2.azurewebsites.net/ https://site1.azurefd.net/ https://site2.azurefd.net/ redirect_uriは自分自身を表す site1.azurewebsites.netにしよう redirect_uriは自分自身を表す site2.azurewebsites.netにしよう

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特に指定しない場合はアクセスする際にDNSに問い合わせる名前とHostヘッダ は一致しますが、これを変更することもできます。 • DNS上の名前は「これからアクセスするリソースのIPアドレスを取得するた め」に使う • つまりOSI参照モデルで言えばL3 • HostヘッダはWebサーバ(WebApps)やリバースプロキシー(FrontDoor)に、 「これからどういうWebリソースにアクセスしたいか」を指示するために使 う • つまりOSI参照モデルで言えばL7 DNS名とHostヘッダ Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 19

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本質的に言えば、WebAppsに「自身のドメイン名がFrontDoorのものと同じで ある」ということを認識させれば良いことになります。 そのためには、3つの方法があります。 どうしたら解決できる? Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 20

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リバースプロキシのホスト名はX-Forwarded-Hostというヘッダに入っています。 OIDCの場合は、これをredirect_uriに使うようにアプリを改修します。 1.アプリケーションを改修する(OIDCの場合) Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 21 アプリ1 アプリ2 https://site1.azurewebsites.net/ https://site2.azurewebsites.net/ https://site1.azurefd.net/ https://site2.azurefd.net/ redirect_uriはリバースプ ロキシを表す site1.azurefd.netにしよう redirect_uriはリバースプ ロキシを表す site2.azurefd.netにしよう

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EasyAuthの場合はredirect_uriを設定してるのはWebAppsのため、改修はでき ません。WebAppsに「前段にリバースプロキシーがいるよ」ということを教え る必要があります。 2.WebAppsのproxy設定を変える(EasyAuthの場合) Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 22 アプリ1 アプリ2 https://site1.azurewebsites.net/ https://site2.azurewebsites.net/ https://site1.azurefd.net/ https://site2.azurefd.net/ リバースプロキシーがいるから redirect_uriはリバースプロキシを 表すsite1.azurefd.netにしよう リバースプロキシーがいるから redirect_uriはリバースプロキシ を表すsite2.azurefd.netにしよう

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Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 23 portalから設定できないので、リソースエクスプローラー (https://resources.azure.com/) からアクセスします。 該当のリソースのconfig>authSettingsV2にアクセスします。

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Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 24 forwardProxyという設定を「“convention”:“NoProxy”」から 「“convention”:“Standard”」に変えます。

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FrontDoorとWebAppsに、同じカスタムドメインを設定します 3.カスタムドメインを設定する Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 25 アプリ1 アプリ2 https://example.com/ https://example.net/ example.comはアプリ1 のカスタムドメインだ からそちらへ example.netはアプリ2 のカスタムドメイン だからそちらへ site1.azurewebsites.netに Hostヘッダexample.comでアクセス site2.azurewebsites.netに Hostヘッダexample.netでアクセス

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FrontDoorとWebAppsに、同じカスタムドメインを設定します 3.カスタムドメインを設定する Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 26 アプリ1 アプリ2 https://example.com/ https://example.net/ redirect_uriは自分自身 を表すexample.comに しよう redirect_uriは自分自 身を表すexample.net にしよう site1.azurewebsites.netに Hostヘッダexample.comでアクセス site2.azurewebsites.netに Hostヘッダexample.netでアクセス

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• example.comやexample.netといったカスタムドメインのDNS設定は、 FrontDoorに向けます • バックエンド設定で、WebAppsに接続する際のHostヘッダをカスタムドメイ ンにします • 接続先ホスト名はWebAppsのドメイン名のままにします • WebAppsにカスタムドメインを設定する際はCNAMEの設定でのドメイン認 証が必要なので、順番としてはWebApps→FrontDoorの順でカスタムドメイ ンを設定します • AppService PlanはB1以上が必要です • この方法だと、WebAppsもアプリケーションも自身のホスト名をカスタムド メインと認識します • Hostヘッダがカスタムドメインになるから Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 27

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• App Service(WebApps/Functions)の前段にFrontDoorやApplication Gatewayなどのリバースプロキシを置くときはリダイレクト処理に注意しま しょう • よくあるケースはOIDCやEasyAuthでの認証 • 根本的な問題は「App Serviceが、自身が何というドメイン名で動いていると 認識しているか」 • 解決方法は3つ • アプリを改修する(OIDCの場合) • App Serviceの設定をリソースエクスプローラーで変更する(EasyAuthの場合) • カスタムドメインを使う(万能) 本日の結論 Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 28

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つまらない世界からもっと刺激のある世界へ変化させよう! Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 29