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Zuziさん、私、リーダーに あんまり向いてないと思う んです 2022/12/14 UB Tech vol.5 1

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本発表の主張は個人の意見です ● 所属組織・所属コミュニティを代表するものではありません ● 本発表やUB Tech vol.5を引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです ● お気軽に #UBTech ツイートください(発表後の楽しみなんです!) 2 おことわり 右下からもくるぞ!(本編では触れません)

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ご自身がリーダーに向いていると思いますか? ● ご自身はチームをリードするのが得意だと思いますか? ● リード:「先に立って導くこと。先導すること。」(スーパー大辞林) ● 過去にチームをリードした・導いた経験、思い出してみてください ● 自分の中に答えを浮かべるだけでも素晴らしい。アウトプットまでしていただ けたらめっちゃ嬉しいです! 3 質問です! この”右下”は私が尊敬する方の発表スタイルです

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自己(のリーダー経験)紹介 私、リーダーにあんまり向いてないと思うんです Zuziさん、私、リーダーにあんまり向いてないと思うん です 01 02 03 4

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ふたつぎ at ユーザベース ● データサイエンティスト(2019〜) ● 自然言語処理、機械学習、テスト駆動開発、ペアプロ、たーのしー! ● Python大好き🤗 言語のよさを引き出した上で、変更容易なソフトウェアを書 きたい 5 お前、誰よ(Python界隈ではこれが”自己紹介”の意) ういっす✌

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ユーザベースでのリーダー経験 ● 開発組織では、全員がリーダー ● 3年半在籍し、蓄積された経験 ● データサイエンティストのチームをリードする経験がしばしば(この1年で増 えた) 6 お前、誰よ 私の右下はアニメネタが多いです

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a.k.a. にっきー ● Pythonコミュニティでは、にっきーとして知られる ○ LT王子、勉強会スタッフ ● Python Conference Japan 2021 座長を務めました ○ 2011年からコミュニティで毎年開催しているカンファレンス 7 お前、誰よ Lightning Talkしまくると得られる称号がLT王子

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カンファレンス座長という経験 ● 座長=開催責任者 ● カンファレンスを開くため、座長はボランティアスタッフを集めて、チームを 組成 8 お前、誰よ 座長=chair経験者にはすずめの戸締まりすごくよかった😭

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リーダーの機会は多かった ● 「結構リーダーの経験しているな」と思った方、いらっしゃるでしょう ● では、私自身はリーダーに向いていると思っているのか? 9 自己(のリーダー経験)紹介まとめ 凛がリーダー!?!?

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No 「リーダーに向いていると思いますか」 「チームをリードするのが得意ですか」 と聞かれたら 10

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自己(のリーダー経験)紹介 私、リーダーにあんまり向いてないと思うんです Zuziさん、私、リーダーにあんまり向いてないと思うん です 01 02 03 11

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リーダー=意思決定する立場 を経験して ● 何かを決めるのは怖い(全然自信ないよ) ● それが自分だけでなく複数人(チーム)に関わることならいっそう怖い ● ぶっちゃけ、できるならリーダーやりたくない 12 無理無理無理無理 意思決定について、ムビマスからの学びをLTしたことも あります。「何かを決めるということ」

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YOUはどうしてリーダーを? ● チームで動いていくのをよりよくできそうなら、(どんなに怖くても)チーム のために動いたほうがいい(信念) ○ チームの一員として、リードしないのも一つの態度表明 ● 「好きなことだけして生きていく」わけには行かない ○ Matzさんも言ってる(『SOFT SKILLS』解説) 13 できるならリーダーやりたくない 『ちはやふる』より やりたいことを思いっきりやるためには、 やりたくないことも思いっきりやんなきゃいけないんだ

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成功体験の少なさによる苦手意識 ● それでもリーダーをやるときは、チームの力を引き出したい ● 毎回引き出せているわけではない ● 今も日々この苦手意識と闘っています 14 できるならリーダーやりたくない きついけどやってんだ 負けるけどやってんだ 『ちはやふる』

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手痛い経験!:自分だけめっちゃ先行していた ● コトに向かって(問題 vs 私たち)チームで走り出した! ● と思っていたけど、あれ、誰も周りを走ってないぞ😱 ● チームの力を引き出したいにもかかわらず、コトに向かううちにバラバラにな ってしまった 15 わたしのリーダー経験 ミノ駆動さんが言っていた「わからん殺し」されてますね

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手痛い経験":全部指示する ● みんなでコトに向かおうと振る舞ったところ、チームの総意として指示してほ しい ● このフィードバックを受け入れる。しかし、自分自身がボトルネックになって いる ● チームの力を引き出せれば、リーダー一人が決めるよりずっといいアイデアが 出るはず(なのになぜ全部決めてる? 虚無感😢) 16 わたしのリーダー経験 「わからん殺し」の正体がなにか『アジャイルリーダーシップ』で 気づけたかも(後述)

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少ないけれど成功体験もあります ● チームがコトに向き合う場が設定できた! ● 何もしなくても、勝手に議論が進む ● 🌟思ってもみない素晴らしい結論💫に着地👏 17 わたしのリーダー経験 課題の解決が劇的に簡単になってそれまでとの落差に感動しました

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| 03 (タイトル回収!) | Zuziさん、私、リーダー にあんまり向いてないと 思うんです 18

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Zuziさん、私、リーダーにあんまり向いてないと思うんです ● Zuziさん=『アジャイルリーダーシップ』著者の愛称 ● 抱えている「正直、自分はリーダー向いてない」をぶつけた ● ヒントに満ちていた!(たくさんの示唆を得た) 19 『アジャイルリーダーシップ』 Zuziさん、助けてえええええ!!

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リーダーがやること みんなを信じて、よりよい解決策が出るのを確信する チームがよりよい解決策を出すためにリーダーがやる こと(2つ) 03-01 03-02 03-03 20

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アジャイルリーダーに求められるのは、 みんなを巻き込み、周りの人のリーダー シップへの道のりを支援することです。 『アジャイルリーダーシップ』 第4章「アジャイルリーダー」(p.39) 21

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周りの人のリーダーシップへの道のりを支援する ● これはめっちゃ気が楽になった ● リーダーするときの私、「独りで正解出さなきゃ」と気負ってたんだな 22 リーダーがやること 本当に強い人間は周りをこそ強くする『ちはやふる』(実写)

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他人を信頼し、自分がすでによい解決策 を知っていると思っても、みんながより よいアイデアを出してくれるという確信 を持つ必要があります。 『アジャイルリーダーシップ』 第4章「アジャイルリーダー」(p.47) 23

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みんなを信じて、よりよい解決策が出るのを確信する ● みんな ● 信頼 ● 忍耐 24 リーダーがやること その2 ONE PIECE STAMPEDEでルフィが言ってました(続く)

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みんな ● VUCAの世界の複雑な課題に対処するには、チームという複雑系が必要 (第3章) ● 言語化してもらえた ○ 「リーダー一人よりずっといい」 ○ 「チームの力を引き出したい」 25 みんなを信じて、よりよい解決策が出るのを確信する 心配ねえよ ここにいるやつでやるんだろ?

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信頼 ● “信頼ファースト” 「リモートワークをする組織に一番大事な考え方」 ○ 2020/04開催 "おうち de LT大会 ~リモートワークのノウハウ教えて!~" ● 盲目的信頼 → 信頼 を提案 ● 人は信頼に応えようとする 26 みんなを信じて、よりよい解決策が出るのを確信する なら絶対大丈夫じゃねえか (ルフィ)

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忍耐 ● 多くの練習と忍耐が必要 (p.47) ● 知識差があり教える側面の強いペアプロ (“Teaching Through Pairing”) ○ ※ペアプロを知っている前提です ○ The Art of Agile Development, 2nd Edition Pair Programming ○ 知識を持っている人へ、忍耐を説く ○ 目的は、あなたの仕事の出来映え(performance)の最大化ではない ○ チームの仕事の出来映えを最大化すること 27 みんなを信じて、よりよい解決策が出るのを確信する EarlyStopping(monitor="val_loss", patience=3)

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忍耐するかどうかは課題の複雑さで判断 ● このようなやり方は単純作業には必要ないかもしれませんが、問題が複雑であ ればあるほど、このようなアプローチの方がよりうまくいきます。(p.47) ● 単純な課題では、自分の知識で解決策を出す ● 複雑な課題では、みんなの力を信じて頼るふるまい 28 みんなを信じて、よりよい解決策が出るのを確信する これ、ペアプロのナビゲータにも当てはまりそうですよね

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手痛い経験"(全部指示した) ● 振り返ると、チームを信じていると伝える道はあった ● チームを信じる100%は現実的でなくとも、いくらかはチームを信じるやり方で 進められたんじゃないか 29 時を戻そう⏪ 0:100や100:0でなくてグラデーション

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リーダーは何をやるべきか ● 徹底的な情報の透明化 ● 安全 30 チームがよりよい解決策を出すために 私が苦手意識を感じていた「意思決定」じゃなかったんですよ!

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徹底的な情報の透明化 ● チームが解決策を出しづらそうにしていたら、必要な情報にアクセスできてい ないのではないか ● 古参で知識がある立場(私)がやるべきは、文脈(コンテキスト)を透明化す ることだけ ○ そうすればチームはよりよい解決策を出す! ● 透明化するだけでなく、文脈をメンテしてシンプルにもできる 31 チームがよりよい解決策を出すためにリーダーがやること 複雑な文脈や属人化の解消には技術力の出番もあるかも。ワクワク

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手痛い経験!(自分だけめっちゃ先行) ● 振り返ると、徹底的に情報を透明化していたか ● 複雑な文脈や属人化が、チームでまとまってコトに向き合うのを妨げたのでは ないか 32 時を戻そう⏪ リーダーが先を行くのは一歩だけであるべき (p.320 第12章)

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安全 ● 安全はアジャイルの必須条件 (p.11) ● 自分自身、安全だと思えたからここまでやってこられた。これを後に続く仲間 にも ● 安全を実現する一要素、ポジティブさ ○ 周りの人の素晴らしい瞬間を捉えて、他の人に共有する必要があるのです (p.65) 33 チームがよりよい解決策を出すためにリーダーがやること オーディション、本気でやってみなよ。少なくとも私と夏紀先輩は 必ず奏ちゃんのこと守るから(誓いのフィナーレ)

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● 「できるならリードしたくない」は、アジャ イルリーダーシップの実践と矛盾しない ● この想いがあっても、周りの人をリーダーに なることを助けたり、チームが解決策を出す ために振る舞ったりはできる IMO:リードは最小限のリーダー 34 💡自分がチームをリードするのは手短に

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リーダーとは(※現時点の仮説) ● 周りの人がリーダーになる手助けをする ● みんなを信じて、解決策が出るのを確信する ● チームが解決策を出すためには、徹底的な情報の透明化と安全 ● リードは最小限のリーダーもいていい! ● ありがとう、Zuziさん、翻訳者の皆さん❤ 35 Zuziさん、私、リーダーにあんまり向いてないと思うんです 僕たちはアジャイルという旅の途中にいる(恥ずかしいセリフ禁止!)

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最後までご清聴ありがとうございました。 Thank you 36