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ラピッドプロトタイピング手法を中心とした ITスキル習得のための指導法の実践 日本総合ビジネス専門学校 石郷 祐介 日本教育工学会 第34回 全国大会 市野 昌宏

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プロトタイピングメソッド 与えられたテーマ・課題からプロトタイプを短期間で制作する手法 Ϧαʔν ΞΠσΞ εέον ϖʔύʔ ϓϩτ ϏσΦ ϓϩτ ੍࡞ లࣔ プロトタイピングメソッド―試作を繰り返すデザインプロセス, 情報科学芸術大学院大学紀要, 17-24 (2009)

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日本総合ビジネス専門学校 ITスペシャリスト学科(3年課程) 情報メディア学科 情報技術コース(2年課程)

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日本総合ビジネス専門学校 ITスペシャリスト学科(3年課程) 情報メディア学科 情報技術コース(2年課程) 1年次 Scratch、Web(HTML/CSS、JavaScript)、Androidアプリ開発 2年次 Web(Bootstrap、JavaScript、PHP等)、サーバ、ネットワーク iOSアプリ開発、Visual Basic、データベース、電子工作(Arduino等) 3年次 開発者イベント、コンテスト、産学連携案件への積極的参加

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日本総合ビジネス専門学校 ITスペシャリスト学科(3年課程) 情報メディア学科 情報技術コース(2年課程) 1年次 Scratch、Web(HTML/CSS、JavaScript)、Androidアプリ開発 2年次 Web(Bootstrap、JavaScript、PHP等)、サーバ、ネットワーク iOSアプリ開発、Visual Basic、データベース、電子工作(Arduino等) 3年次 開発者イベント、コンテスト、産学連携案件への積極的参加

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近年のIT分野 異業種・他分野にICT技術の利用範囲が急速に拡大 システムの複雑化、技術の広範化 技術の移り変わりの加速 機能的仕様設計から、UI・UXを意識した仕様設計へ

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近年のITエンジニア養成 異業種・他分野にICT技術の利用範囲が急速に拡大 システムの複雑化、技術の広範化 技術の移り変わりの加速 機能的仕様設計から、UI・UXを意識した仕様設計へ ▶ 広範な技術を自ら学ぶ能力の育成 ▶ 新しい技術を自ら学ぶ能力の育成 ▶ ユーザ体験を考慮した仕様作成能力の育成

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プロトタイピングメソッド 与えられたテーマ・課題からプロトタイプを短期間で制作する手法 Ϧαʔν ΞΠσΞ εέον ϖʔύʔ ϓϩτ ϏσΦ ϓϩτ ੍࡞ లࣔ プロトタイピングメソッド―試作を繰り返すデザインプロセス, 情報科学芸術大学院大学紀要, 17-24 (2009)

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フェーズ1:リサーチ タイトル 制作者, 年 説明 Webサイト イメージ リサーチシート テーマに合うと個人が思う既存のサービス・プロダクトを検索する

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フェーズ1:リサーチ キーワード抽出 それぞれのリサーチのどの部分がテーマと合致したと思ったのかを書き出す

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フェーズ1:リサーチ キーワード抽出 それぞれのリサーチのどの部分がテーマと合致したと思ったのかを書き出す

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フェーズ1:リサーチ キーワード選定 最もテーマに合致するキーワードを6つ程、グループで話し合いながら選ぶ

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フェーズ2:アイデアスケッチ アイデアスケッチシート 選んだキーワードを組み合わせて、アイデアを考え、絵にして共有する

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フェーズ2:アイデアスケッチ アイデアスケッチシート 選んだキーワードを組み合わせて、アイデアを考え、絵にして共有する

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フェーズ3:ペーパープロト UIの設計を遷移図等で検討する ݱࡏ ਓ͕ࢀՃ͍ͯ͠·͢ ઃఆԹ౓ ਓ ਓ ˆ Թ౓ ࣪౓ ˆ ॵ͍ פ͍ ϗʔϜը໘ ΞΠίϯλοϓ ϝΠϯը໘ ॵ͍ͱࢥͬͨΒ ݱࡏ ਓ͕ࢀՃ͍ͯ͠·͢ ઃఆԹ౓ ˆ Թ౓ ࣪౓ ˆ ॵ͍ פ͍ ϝΠϯը໘ ݱࡏͷΤΞίϯઃఆԹ౓ ॵ͍ϘλϯΛԡ͢ ॵ͍ͱࢥ͍ͬͯΔਓͷ਺ ϩϑτ # ઀ଓઌΤΞίϯ໊ ϩϑτ # פ͍ͱࢥ͍ͬͯΔਓͷ਺ ࣗ෼ͷपғͷԹ౓ ࣗ෼ͷपғͷ࣪౓ ॵ͍Ϙλϯ פ͍Ϙλϯ BJSNFFUJOH ભҠਤ ෦԰ΛҠಈ͢Δͱʜʜ ະ઀ଓ ਓ ਓ ਓ ਓ "JS$POEJUJPOFS /PU$POOFDUFE ݱࡏ ਓ͕ࢀՃ͍ͯ͠·͢ ઃఆԹ౓ ˆ ࣪౓ ˆ ॵ͍ פ͍ ϝΠϯը໘ ϩϑτ # ਓ ਓ ਓ Թ౓ ҙݟૹ৴ ݱࡏ ਓ͕ࢀՃ͍ͯ͠·͢ ઃఆԹ౓ ˆ Թ౓ ࣪౓ ˆ ϝΠϯը໘ ϩϑτ # ਓ ਓ ਓ ҙݟΛૹ৴͠·ͨ͠ ߹ٞதͰ͢

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フェーズ4:ビデオプロト アイデアが実現している前提で使われ方を想定し、動画にしてUXを検討する

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フェーズ6:展示 プロトタイプのデモと同時にコンセプトを伝えて、フィードバックを得る

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プロトタイピングメソッドを取り入れた授業 IoTコンテンツ制作 IoT(センシングに応じて動作する製品・サービス)の基礎を 学ぶことを目的とし、マイコン(Arduino等)を用いたデバイス制作を行う。 モバイルアプリ開発 モバイルアプリを学ぶことを目的とし、Swiftを用いたiOSアプリ開発を行う。 2017年4月〜2018年3月(前期・後期=おおよそ8ヶ月間) それぞれ週2回(1回90分) 前期・後期の期末に、プロトタイピングメソッドを用いた作品制作を実施 約1ヶ月間で「リサーチ」から「展示」まで行った

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プロトタイピング例 ①:シャコリズム(佐藤 宏樹) 遅刻を防止する方法として、正しい時間に寝ている人の睡眠リズムを、夜更かし している人に適応させるデバイス

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プロトタイピング例 ①:シャコリズム(佐藤 宏樹) 遅刻を防止する方法として、正しい時間に寝ている人の睡眠リズムを、夜更かし している人に適応させるデバイス

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プロトタイピング例 ②:ニチビパン(小寺 俊輝) 事前アンケートで収集した学生データをもとに生成した2択の質問に答えていく ことで、回答に当てはまる学生を直感的に検索することができるアプリ

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結果と考察 ① ▶ 広範な技術を自ら学ぶ能力の育成 ▶ 新しい技術を自ら学ぶ能力の育成 ▶ ユーザ体験を考慮した仕様作成能力の育成 プロトタイピングメソッド導入前は、受動的な受講態度 → 主体的に制作内容を考案しているため、モチベーションを高く保てた 自ら技術を選定するようになり、足りない技術は自主的に学んで補うようになった 展示(デモ)を通して、UIや見た目、配線等を検討したり、改良したりする姿が 見られるようになった

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結果と考察 ② ▶ アイデアスケッチの期間 ・数日の猶予をもたせる(2〜3日程度)  「もっと考えたら良いのが浮かぶ気がする」問題 ・必ず5枚程度描かせる(平凡なアイデアの先の可能性) ▶ リサーチの重要性 ・アイデアのストックを作る(6人×10枚=60個のアイデアのタネ) ・アイスブレイク的側面(検索だけなら誰でもできる) ▶ テーマ・課題が与えられていないパターンの対応 フィールドワークやヒアリング等をプレリサーチフェーズとして導入する ▶ アイデアの採択の方法 制作に慣れないグループの場合は、投票以外の基準を作る