Slide 1

Slide 1 text

7年間IoT事業に関わって思った 月額サービスで大事なこと 2023/07/05 さくらの夕べ in 長崎 事業開発本部 DX事業部 西田有騎

Slide 2

Slide 2 text

自己紹介 西田 有騎(にしだ ゆうき) rabbits1987 ・誰に向けてサービスを作るべきか ・サービスにどんな機能を実装すべきか ・できた機能や魅力をどう伝えていくか ・セキュモバ ・モノプラ を考える人 さくらインターネット株式会社 事業開発本部 DX事業部 マネージャー の 「さくらのIoT」の「プロダクトマーケティングマネージャー」

Slide 3

Slide 3 text

1. 月額サービスは「顧客との対話」と「サービス改善」のループが重要 2. カスタマーサクセス志向が「継続的な利用」と「高いLTV」を生み出す 3. 顧客や市場のニーズは「時間とともに変化する」(望まずとも) 4. ときには「サービスの再構築」すら考えることも重要 今日伝えたいこと

Slide 4

Slide 4 text

話の前に(言葉の定義) 今回は以下の2点について「月額サービス」と表記します。 • サブスクリプション • サービスやモノを一定期間使用できる権利に料金が発生する課金方式 • 例)Amazon Prime、さくらのレンタルサーバー • リカーリング • サービスやモノの使用量に応じて料金が発生する課金方式 • 例)シェアサイクル、コピー機のインクカートリッジ 月額サービス サブスクリプション リカーリング

Slide 5

Slide 5 text

• カスタマーサクセス(顧客の成功) • (広義)サービス提供者が顧客に能動的に関わることで 「顧客自身の成功体験」を支援する活動も含む • LTV(Life Time Value:顧客生涯価値) • 顧客から生涯にわたって得られる利益(売上)の総和 • 月額平均単価 × 継続月数 等で表される 話の前に(言葉の定義)

Slide 6

Slide 6 text

さくらインターネットの理念 「やりたいこと」を「できる」に変える IoTを軸に 実現する サービス群およびブランドの総称 さくらのIoTって何?

Slide 7

Slide 7 text

🙅🙅「(IoT)サービスを使いたい人」ではなく、 🙆🙆「(IoT)システムを作りたい人」のサービス さくらのIoTって何?

Slide 8

Slide 8 text

 市場の「メイカームーブメント」の流れ • CADや3Dプリンタといった環境の一般層への普及 • 「誰でも手軽にモノづくりに参入できる」期待 市場の声(~2015年) 引用:クリス・アンダーソン『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』 モノづくりする個人事業主やマイクロ法人向けの 「Internet of Things」ニーズを叶える新サービス

Slide 9

Slide 9 text

2017年4月、「sakura.io」リリース • 通信モジュールからIoTプラットフォームまでを一気通貫で提供 • モノ側はさくらが提供する専用モジュールを搭載、従来の コマンドだけでインターネット側にデータを双方向で通信可能 メイカー向けIoTサービス sakura.io 期待どおり、個人事業主やマイクロ法人から 新しいサービスが発生、一定の支持を獲得

Slide 10

Slide 10 text

 回線単体での提供需要 • LTE通信デバイスは自分たちで設計できる/設計済み • モデル改定でより安価/安全/高可用性な回線のニーズ  モジュールのカスタム需要 • 高い調達性や長期供給可能といった部品としての信頼性向上のニーズ • 形状、ファームウェアに対するカスタマイズ性向上のニーズ 顧客の声(2017年頃) 大規模利用ではsakura.ioの提供形態が制約に

Slide 11

Slide 11 text

顧客の課題を解消しつつ、良いところを強化する提供方式を検討  sakura.ioの 課題 • 専用モジュールを採用いただくには 大幅な設計変更が必要 • 専用モジュールの仕様が デバイス要件を満たさない場合 がある • 専用モジュールを絡めた開発には 新規学習コストが発生 • 利用する 通信回線に制約あり(LTE only)  sakura.ioの 良いところ • プラットフォーム自体はさくら管理、運用やスケーリングは考慮不要 • 課金体系がシンプル、1台あたりの コストが読みやすい • ファームウェアはさくらが提供、アップデートの仕組みも提供 • デバイス側は閉域網完結、セキュリティ確保の責任を転嫁可能 サービスモデルを再考

Slide 12

Slide 12 text

さくらのモノプラットフォーム IoTプラットフォームサービス さくらのセキュアモバイルコネクト IoT向けモバイルネットワークサービス 結論、サービスを2つに分割 sakura.io デバイス込のIoTプラットフォームサービス

Slide 13

Slide 13 text

2018年2月、回線単体の需要に応えるべくサービスをリリース  安価な維持コスト 1枚月額13円、IoTデバイスのような小容量通信特化の料金体系  広い範囲でつながる 1枚のSIMで国内3キャリア に接続、単一モデルで広範囲の利用が可能  セキュリティも安心 デバイスが インターネットと直接通信しない、安全なネットワークを構成可能 さくらのセキュアモバイルコネクト

Slide 14

Slide 14 text

再考されたプラットフォームのコンセプト 引用:当社記者発表会資料より

Slide 15

Slide 15 text

2022年3月、モジュールのカスタム需要に応えるべくサービスをリリース  IoTシステムの「バックエンド」を1台から提供 規模の拡大が見えない 新規事業に最適  設計情報を公開 「動くものを作る」手助けとして、例となる電子回路やファームウェアを 無償提供  大量生産品への組込にも最適 基本料金は通信したデバイスだけ発生、在庫期間 や 季節性 がある製品にも採用しやすい さくらのモノプラットフォーム

Slide 16

Slide 16 text

今後はサービスごとに領域を変えて改善/拡張を行う さくらのセキュアモバイルコネクト → 浅く、広く • 大規模案件への採用が進む、引合の規模も万単位に • 基本機能は一旦Fix、サービス品質や管理性向上 に注力 • ダウンタイムは2020年から2022年で 1/20に短縮  さくらのモノプラットフォーム → 狭く、深く • リリース後早々に大規模案件のご相談をいただく • 規模が期待できる業界向けの機能拡張 に注力 • データ保存 や デファクトスタンダードな規格対応 を進行中 各サービスの現状と展望 業 界 A 業 界 B 業 界 C 業 界 D 業 界 E セキュモバ のカバー領域 モノプラ のカバー領域

Slide 17

Slide 17 text

1. 月額サービスは「顧客との対話」と「サービス改善」のループが重要 2. カスタマーサクセス志向が「継続的な利用」と「高いLTV」を生み出す 3. 顧客や市場のニーズは「時間とともに変化する」(望まずとも) 4. ときには「サービスの再構築」すら考えることも重要 今日伝えたいこと(再掲)

Slide 18

Slide 18 text

やりがいがあって 面白い!! それでもなんでやるん?