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1 © SMS Co., Ltd. 2022.5.11 at DevRel Meetup in Tokyo #74 〜アウトプット
 https://devrel.connpass.com/event/245173/
 「普通のWeb系事業会社」のテックブログ運営


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2 © SMS Co., Ltd. エス・エム・エス テックブログ
 • 2021年3月開始。現在44記事(およそ週1弱ペース) 
 https://tech.bm-sms.co.jp/entry/2022/03/29/120000

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3 © SMS Co., Ltd. ● 医療・介護・ヘルスケア・シニアライフの領域で事業を展開してい るWeb系事業会社
 ● およそ50名の正社員エンジニアが在籍
 ○ 特別大きくも小さくもない
 ● 複数の事業、独立性の高いチーム、多様な技術スタック
 ○ 「エス・エム・エスといえばこれ!」という技術はない
 エス・エム・エスってどんな会社?


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4 © SMS Co., Ltd. ● 特別大きいわけではない
 ● かといって小さくもない
 ● 特定の技術に会社として強みがあるわけでもない
 今日のテーマ
 普通のWeb系事業会社でブログ運営をする上での考え方

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5 © SMS Co., Ltd. 1. チームでブログ運営に取り組むこと
 ○ チームの運営における注意点と工夫
 2. コンテンツをどう作っていくか
 ○ 「ネタがない」にどう向き合うか
 ○ どのような方針でコンテンツを作っていくのか
 3. 「ブログから組織へ」
 ○ 社内へのアウトプットとしてのブログ
 ○ ブログ運営から組織への働きかけ
 3つの切り口


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6 © SMS Co., Ltd. 3つの切り口
 1. チームでブログ運営に取り組むこと
 ○ チームの運営における注意点と工夫
 2. コンテンツをどう作っていくか
 ○ 「ネタがない」にどう向き合うか
 ○ どのような方針でコンテンツを作っていくのか
 3. 「ブログから組織へ」
 ○ 社内へのアウトプットとしてのブログ
 ○ ブログ運営から組織への働きかけ


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7 © SMS Co., Ltd. 何にチームで取り組むのか/なぜチームで取り組むのか
 ● 編集チーム(エンジニア6名)で運営を担う
 ● ブログをデリバリーまで持っていくまでの作業
 ○ テーマ探し
 ○ 執筆者のサポート
 ○ 校正やアイキャッチ作成
 ● 単純に 手数が必要
 ● 複数人いればそれだけ社内の広い範囲に目が届く
 ○ いろいろな事業からエンジニアを集める


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8 © SMS Co., Ltd. 編集チームとその周辺
 編集チーム (エンジニア6名) 人事 担当EM 技術責任者 その他の人々 ● 定例ミーティング(毎週)
 ○ 状況確認
 ○ コンテンツ検討
 ○ レビュー
 ○ ふりかえり
 ● Slack の public channel
 ○ メンバー以外もコメント
 ○ 記事への反応のシェア


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9 © SMS Co., Ltd. チームで取り組むに当たっての落とし穴
 ● メンバーは本業(エンジニアリング)を別に持っている
 ○ どっちが「本業」というのはないのだが、気持ち的にはやはり エンジニアリングに時間を使いたい人が多い
 ● 余裕がなくなってくると、惰性で取り組んでしまいがち
 ○ カイゼンの滞り
 ○ 目的意識のズレ
 ○ モチベーションの低下


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10 © SMS Co., Ltd. ● 記事を公開できたら「完了!次!」となりがち
 ○ 編集担当者は公開直前の作業が多く、燃え尽きる
 ● 執筆者は一度書くと間が空くのでカイゼンの動機が乏しい
 ● ブログ運営が「上手くなっていかない」
 ○ 「何も考えずにたた公開していくだけ」になってしまう
 カイゼンの滞り


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11 © SMS Co., Ltd. ● ふりかえりを行う
 ○ デリバリーまでのプロセスの点検
 ○ 公開した記事の評価
 ■ SNSでの反応
 ■ Google Analytics など
 ○ 編集・執筆者への労いも
 ● 「もっと上手くブログを運営できないか」を考える習慣
 定期的に「ふりかえり」


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12 © SMS Co., Ltd. 目的意識のズレ
 ● ブログ記事をデリバリーすることが主な責務
 ○ そこにばかり目が行ってしまう
 ● 採用という成果への結びつきは見えづらい
 ○ 採用の方針はブログの方針を100%規定しない
 ● とはいえ、ブログ運営には明確な方針・目的が不可欠
 ○ どういうコンテンツを作るか
 ○ 限られたリソースで何を優先するか


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13 © SMS Co., Ltd. むきなおり
 ● 「むきなおり」を実施する
 市谷聡啓・新井剛『カイゼン・ジャーニー』(翔泳社, 2018)p.123 https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798153346

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14 © SMS Co., Ltd. ● 途中で目的を少し修正したけど、明確に再定義できていなくて、 ひたすら現状追認になってしまっていないか?
 ● 執筆者の負担やコンテンツ不足といった課題はずっとあるので、 抜本的にコンテンツの作り方を見直しては?
 ● 当初思っていた「良い記事」とは違う種類の記事がむしろ良い成 果に繋がっている場面もあるので、そこに力を注ぐようにして は?
 「むきなおり」で出た話


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15 © SMS Co., Ltd. ● 「本業に時間を使いたい」と思う人がいるのは自然
 ○ ブログに熱心な人もいるが、少数派
 ● 「会社にとって大事」だけでは苦しい
 ● 新しい学びがなければ、モチベーションは下がる
 モチベーションの低下


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16 © SMS Co., Ltd. メンバーにとって魅力のあるチームにする
 ● どんな知識・スキル・経験が得られるかを提示する
 ● 個々のメンバーの関心事を知る
 ○ これも定期的に確認する(人の関心事は変わる)


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17 © SMS Co., Ltd. 編集チームの魅力(例)
 ● 普段の仕事からは得られない経験・スキルが得られる
 ○ Webマーケティングの観点
 ■ ex. Google Analytics による分析
 ○ コンテンツ作りの観点
 ■ ex. 読まれるタイトルの付け方
 ● 他事業のエンジニアと接する機会が得られる
 ○ 同じ会社でも事業が違うとスキルセットや考え方が違う
 ○ 執筆者はシニアなエンジニアも多い


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18 © SMS Co., Ltd. 3つの切り口
 1. チームでブログ運営に取り組むこと
 ○ チームの運営における注意点と工夫
 2. コンテンツをどう作っていくか
 ○ 「ネタがない」にどう向き合うか
 ○ どのような方針でコンテンツを作っていくのか
 3. 「ブログから組織へ」
 ○ 社内へのアウトプットとしてのブログ
 ○ ブログ運営から組織への働きかけ


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19 © SMS Co., Ltd. つきまとう悩み
 ● ネタがない!
 ○ 武器(軸)になるトピックがない
 ○ 自主性に任せて記事が足りるほどエンジニアがいない


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20 © SMS Co., Ltd. 「ネタがない」ということはないはず?
 kakakakakku「ブログを書く技術 / Blog is My Life」 https://speakerdeck.com/kakakakakku/blog-is-my-life?slide=17 (2022年5月10日閲覧)

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21 © SMS Co., Ltd. ● 「会社を理解してもらうこと」もブログの目的
 ○ 「よく思われる」は必須ではない
 ○ 発信の内容は「すごいこと」でなくてもいい
 ● どういう課題にどう取り組んでいるか?を伝える
 ○ 課題の現れてくる背景・状況
 ○ 解決に向けた考え方・アプローチ
 ○ 使っている技術
 「ネタがない」のではなく、「ハードルの上げ過ぎ」


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22 © SMS Co., Ltd. ● 開始当初、「いい記事」を出そうとして頑張りすぎた
 ● 執筆を依頼すると返ってくる躊躇いの声
 ○ 「あんなにちゃんとした記事書けませんよ〜」
 ● ライトな記事も織り交ぜてハードルを下げる
 ● エンジニアとブログとの距離を小さく保つことが重要
 ○ 🙅「一部の人たちで「しっかり」作っているもの」
 ○ 🙆「みんなで作っているもの」
 ○ コミュニティ運営に近い発想が重要?
 失敗談


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23 © SMS Co., Ltd. コンテンツ作りの考え方
 ● 「いい記事」を出して、会社の魅力を広く伝えたい
 ○ とはいえ、バズるだけが正義ではない(当然)
 ● 継続することの大切さ
 ○ 継続していれば、読んでもらえる。
 ○ ライトな記事でもよい
 ○ 「しっかりした会社という印象」というフィードバック
 ● 継続しながら、「力を込めた記事」も出していく
 ○ 継続することで付く読者、バズった記事で付く読者


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24 © SMS Co., Ltd. 3つの切り口
 1. チームでブログ運営に取り組むこと
 ○ チームの運営における注意点と工夫
 2. コンテンツをどう作っていくか
 ○ どのような方針でコンテンツを作っていくのか
 ○ 「ネタがない」にどう向き合うか
 3. 「ブログから組織へ」
 ○ 社内へのアウトプットとしてのブログ
 ○ ブログ運営から組織への働きかけ


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25 © SMS Co., Ltd. ブログ運営から組織へ
 ● ブログという社内へのアウトプット
 ● ブログ運営の活動を通じた組織への働きかけ


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26 © SMS Co., Ltd. ● 社内の潜在的なネタを掘り起こす
 ○ 当事者たちは自分たちのしていることを当然と思いがち
 ○ 他の事業やチームのことは実はあまり知らない
 ● 探しにいくのもブログ編集チームの役割
 ○ 各事業・チームの顔の広い人にヒアリング
 ○ Slackのいろんなチャンネルから集まる仕組み
 ■ Reacji Channeler https://reacji-channeler.builtbyslack.com/ の活用
 ブログを通じて面白いこと・知見を共有する


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27 © SMS Co., Ltd. ● ブログになるような魅力的な・面白い取り組みを生み出す
 ○ 「アウトプット駆動で勉強」の企業版
 ● 社内のニーズから新しい取り組みを考える
 ○ 社内勉強会、講演など
 ○ 「社内のエンジニアが面白いと思うもの」を面白いと思う人 は、会社にマッチしているかも?
 「ネタの発掘」のその先へ


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28 © SMS Co., Ltd. ● チームの運営を真剣に考える
 ○ ソフトウェア開発のプラクティスも参考に
 ● ハードルの上げすぎに注意
 ○ 社員にとっての「みんなのブログ」に
 ● ブログ運営を通じて組織もよくする
 ○ 自慢できる組織は広報の最大の武器
 まとめ