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© 2024 Loglass Inc. 0 © 2024 Loglass Inc. AI Coding Meetup #1 - チーム開発 ✕ AI、みんなの実践知 #aicoding AIコーディングワークフローの試行 〜AIエージェント×ワークフローでの自動化を 目指して〜 r.kagaya 2025.4.8

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© 2024 Loglass Inc. 1 自己紹介 新卒でヤフー株式会社に入社、ID連携システムの開発 2022年に株式会社ログラスに入社 経営管理SaaSの開発、開発生産性向上に取り組んだのち、 生成AI/LLMチームを立ち上げ、複数LLM機能の開発を リード 現在は新規プロダクトの立ち上げに従事 株式会社ログラス ソフトウェアエンジニア r.kagaya(@ry0_kaga)

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© 2024 Loglass Inc. 2 おことわり ● 私が担当している新規プロダクトの開発の中で、試し始めている実験的な取り組みの話です ● ログラス社全体での取り組みや運用に乗った仕組みではありません ● こういう取り組みも出来るのではないか?を考えている・議論したく今回のテーマを選定しま した AIコーディングワークフローという言葉は”雰囲気”で感じとってもらえると幸い

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© 2024 Loglass Inc. 3 ログラスのAIコーディングへのモチベーション 開発生産性を上げるモチベーションやインセンティブはとても高い/強い

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© 2024 Loglass Inc. 4 最近のソフトウェア開発の変化

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© 2024 Loglass Inc. 5 「私たちが知っているプログラミングの終焉」 https://www.oreilly.com/radar/the-end-of-programming-as-we-know-it/

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© 2024 Loglass Inc. 6 「私たちが知っているプログラミングの終焉」 https://www.oreilly.com/radar/the-end-of-programming-as-we-know-it/ There’s a lot of chatter in the media that software developers will soon lose their jobs to AI. I don’t buy it. It is not the end of programming. It is the end of programming as we know it today. 訳)メディアでは、ソフトウェア開発者がすぐにAIに仕事を奪われるという噂 が広まっています。私はこれを信じません。 これはプログラミングの終わりではありません。現在知られている形での プログラミングの終わりなのです。

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© 2024 Loglass Inc. 7 「私たちが知っているプログラミングの終焉」 https://www.oreilly.com/radar/the-end-of-programming-as-we-know-it/ ● AI時代のプログラマは「コードを書く人」から「 AIを活用し業務設計する人」 へと役割が変 化 ● AIによる自動化が進む中でも、人間が「最後の30%」を補完しなければならず、熟練したプ ログラマーの知識が依然として不可欠 ● プログラマの役割は変わるが、AIが新たな需要を生み出し、より多くの人が「 AIを活用し たプログラミング」に携わる ようになる ● 職を失うのはプログラマーではなく、あらゆる職務においてAI支援プログラマーにならない 人々

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© 2024 Loglass Inc. 8 AIコーディングエージェントのパワー https://comemo.nikkei.com/n/n26dc284dcd5a ● コーディング領域だけでもCursorやDevin 等々のAIエージェントを触っていて、とてつも ない変化が訪れることを日々実感 ● ドキュメントやリリースノート作成などでも力 を発揮してくれる ● もはや全ての文章を伴う業務で活用可能 ○ (弊社でもPdM、EMの活用の探索が始 まっている)

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© 2024 Loglass Inc. 9 最近特に変化を感じた事例

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© 2024 Loglass Inc. 10 nubank社によるDevinの活用事例 https://devin.ai/customers/nubank Devinを活用して数百万行のコードをリファクタリング ● 課題: 8年運用の数百万行のモノリシックETLを、1,000人以上のエンジニアで18ヶ月かけて 分割する見積もり ● 解決策: Devinでリファクタリングを自動化。エンジニアはレビュー中心 ● 結果: プロジェクトの完了を数ヶ月短縮 実際のリファクタリングはDevinに任せる、Devinで一気に”エンジニア”の手を増やす

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© 2024 Loglass Inc. 11 AirbnbのLLMワークフローを用いたマイグレPJ 当初1.5年の見積もりを6週間で完遂 ● 4,000弱のテストをEnzymeからReact Testing Library に移行 ● AgenticなLLMワークフローを構築 ● コンテキストは10万トークン!シンプルに関 連するファイル・ドキュメントは突っ込む ● 失敗したテストのリカバリープロセス含めるこ とで75%→97%移行完了 https://medium.com/airbnb-engineering/accelerating-large-scale-test-migration-with-llms-9565c208023b

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© 2024 Loglass Inc. 12 エンジニアが移行作業ではなく、 “移行作業を自動化する”LLMワークフローを作る

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© 2024 Loglass Inc. 13 コーディングワークフローを 作るとしたらどこから始めるか?

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© 2024 Loglass Inc. 14 (マイグレ系は効果が高そうだが、 現状は機会がないのでそれ以外で)

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© 2024 Loglass Inc. 15 AIの活躍領域を増やすための情報アクセス性と問題の構造化(ざっくり)

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© 2024 Loglass Inc. 16 簡単にすると クローズド × 複雑な問 題 オープン × 複雑な問題 オープン × 簡単な問題 クローズド × 簡単な問 題 AI🤖とPM?自動化? 簡単 複雑 オープン クローズ

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© 2024 Loglass Inc. 17 数年後にあるかもしれない未来 クローズド × 複雑な問 題 AI🤖とエンジニア 󰳕 オープン × 複雑な問題 AI🤖 オープン × 簡単な問題 AI🤖 クローズド × 簡単な問 題 AI🤖とPM?自動化? 簡単 複雑 オープン クローズ

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© 2024 Loglass Inc. 18 数年後にあるかもしれない未来 クローズド × 複雑な問 題 AI🤖とエンジニア 󰳕 オープン × 複雑な問題 AI🤖 オープン × 簡単な問題 AI🤖 クローズド × 簡単な問 題 AI🤖とPM?自動化? 簡単 複雑 オープン 左下の領域から自動化 or PdM/デザイナー with AIを考えていくのが良いのではないか クローズ

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© 2024 Loglass Inc. 19 数年後にあるかもしれない未来 クローズド × 複雑な問 題 AI🤖とエンジニア 󰳕 オープン × 複雑な問題 AI🤖 オープン × 簡単な問題 AI🤖 クローズド × 簡単な問 題 AI🤖とPM?自動化? 簡単 複雑 オープン 先ほどのマイグレ事例も全体の設計やリードは 複雑かもしれないが、単体ファイルの移行作業 はおそらく難易度は優しめ クローズ

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© 2024 Loglass Inc. 20 数年後にあるかもしれない未来 クローズド × 複雑な問 題 AI🤖とエンジニア 󰳕 オープン × 複雑な問題 AI🤖 オープン × 簡単な問題 AI🤖 クローズド × 簡単な問 題 AI🤖とPM?自動化? 簡単 複雑 オープン 定型的/修正対象や範囲が明確な開発タスク 含めるかはさておきドキュメンテーションの更新 なども対象になるか? クローズ

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© 2024 Loglass Inc. 21 一定整備されたワークフローを作ることによる 自動化・PdM/デザイナーもより開発タスクに関わる (人間の指示やトリガーに依存しない自動化もできる)

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© 2024 Loglass Inc. 22 AIコーディングワークフロー

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© 2024 Loglass Inc. 23 ワークフローとは エージェント LLMが動的に推論を行い、ツールを呼び出 しながらタスクを遂行 必要に応じてタスク分割や意思決定の流れ を自律的に変化させる ワークフロー LLMや外部ツールがあらかじめ定義された コードパスで連携する どのようにタスクが流れていくかを、開発者 が事前に設計 Building effective agents - Anthoropic

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© 2024 Loglass Inc. 24 事例① 文言変更/小さなUI改善の自動化 細かな文言変更等の修正は、Slackで変更内容を書いて特定スタンプを押下したらPRが作成 可能

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© 2024 Loglass Inc. 25 事例① 文言変更/小さなUI改善の自動化 細かな文言変更等の修正は、Slackで変更内容を書いて特定スタンプを押下したらPRが作成 可能 PdMが文言や細かいUI修正を行えるように なった (レビューはエンジニアだが、間接的にPdMが 出したPRマージもできるように) PdMが文言や細かいUI修正を行えるようになった (レビューはエンジニアだが、間接的にPdMが出したPR マージもできるように) PdMが自らフォームに補足文言を追加するなど

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© 2024 Loglass Inc. 26 事例②: 仕様ドキュメント更新自動化 mainブランチにマージされたら自動で最新仕様・FAQの更新 レビュー用のAIも同時に動かす

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© 2024 Loglass Inc. 27 事例②: 仕様ドキュメント更新自動化 mainブランチにマージされたら自動で最新仕様・FAQの更新 レビュー用のAIも同時に動かす PRの変更を元に最新の仕様情報が 自動で更新されるようになった

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© 2024 Loglass Inc. 28 事例③: リリースノート更新自動化 Release PRが作成されたタイミングで リリース内容の説明ドキュメントを自動更新 リリース案件の一覧リストだけでなく、 コードを元に変更内容をドキュメントとして自動管 理できるように

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© 2024 Loglass Inc. 29 AIコーディングワークフローをどう作るか? 今は簡易的に作るのを最優先にGtihub Actions、Devin API、Claude Code、Slackを酷使 Slackからリクエスト可能にするとスマホからもサクッとPRが出せて便利 (つまりDevinでは?というのはある

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© 2024 Loglass Inc. 30 AIコーディングワークフローをどう作るか? 文言変更/UI改善の自動化ワークフローの場合

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© 2024 Loglass Inc. 31 AIコーディングワークフローをどう作るか? 文言変更/UI改善の自動化ワークフローの場合 実行基盤はGithub Actionsに依存 Zapierで普段使いのツールであるSlackとの連携を行う コーディングの部分は今はDevin APIに託す

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© 2024 Loglass Inc. 32 とはいえ ● まだ試し始めた段階(間接的にPdMによるマージPRが二桁弱生まれた程度) ● PdMが開発お作法等のキャッチアップなしに、自分で文言変更やUI修正を行い、PRが マージされるプロセスが実現はした ○ Cursor / DevinをPdMが使ったらいいのでは?と言われると苦しい ○ まだ使いこなすのに一定ハードルはある印象 ● ドキュメント更新系は便利そうな所感 ● 反復的 × 物量が多いタスクの方が費用対効果は高い(前述のNubank、Airbnb社の事例 など) ● Issue作成をトリガーに駆動するAIエージェントが出てくることは予想されるので、自作する 意味がどこまであるかは不明

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© 2024 Loglass Inc. 33 まとめ

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© 2024 Loglass Inc. 34 まとめ ● エンジニアが整備したLLMワークフローでドキュメント更新自動化や細かな修正をPdMに委 譲する初期的な取り組みについて話した ● AIエージェント時代は今まで以上に”自動化のレベル”を上げられるのが面白い ● AIエージェントを用いたワークフローを動かすことのハードルも格段に下がっている ● エンジニアの仕事量の生産性の伸びが著しい昨今だが、人間の指示以外のトリガーで動くAI エージェント・ワークフローの活用は開発組織の生産性を上げる上でのテーマになるか? ○ スケールアップ / スケールアウト

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