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© Crisp Code inc. Crisp Code inc. CEO  小谷 爽 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 2024.01.11 EO京都 AI勉強会 ※ 一部部外秘の箇所があります。不特定多数に公開されないよう、お願い致します。

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まとめ 生成AIを業務に落とし込んだ事例紹介 生成AIの本質的な6つの価値 生成AIの可能性とトラップ 自己紹介・Crisp Codeの紹介 目次 © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 2

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Profile 自己紹介・Crisp Codeの紹介 © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 3

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代表紹介 © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 4 代表取締役社長 CEO 小谷 爽 1993.07 京都府京都市にて出生 1995.04 イギリス・ロンドンに4年間移住 2007.06 中学1年生の時、独学でホームページ開設 2012.03 須磨学園高等学校 卒業 2017.04 Crisp Code 創業  代表就任 2019.03 関西大学 システム理工学部 電気電子情報工学科 卒業 2019.04 ITベンダーに7ヶ月間勤務 2019.04 株式会社Crisp Code 設立 代表取締役社長CEO就任

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組織概要 © Crisp Code inc. ここにスライドのタイトルが入ります 5 会社名 株式会社 Crisp Code [クリスプコード] 設立 2019年4月設立 [2017年4月創業] 本社所在地 〒530-0015 大阪府大阪市北区中崎西1-1-6 吉村ビル701 メンバー 22名 (従業員・業務委託含む) 役員 代表取締役社長 CEO  小谷 爽 事業内容 システム・アプリ開発 デザインテックソリューション ウェブ制作・運用保守 グラフィックデザイン 主要取引銀行 りそな銀行・大阪シティ信用金庫・三井住友銀行・PayPay銀行

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Exciting the world on “DesignTech”. デザイン × テクノロジーで世界をワクワクさせる Crisp Code - Mission © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 6

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なぜ デザイン × テクノロジー が重要なのか © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 7 デザインとテクノロジーを掛け合わせることは、単に美しい見た目にすることや最新技術を使うことではありません。デザインとテクノロジーを融合す ることは、ユーザー体験を根本から変革することができる強力な組み合わせなのです。 Design × Technology = サービスのUX向上 使いやすく魅力的なUIデザインを先進的なテクノロジー が支え、顧客に満足度の高い体験を提供できます サービスのブランディング 競争が激しい市場では独自のデザインで差別化を図り、 テクノロジーが実現させブランドの認知力が高まります 持続可能なサービスの提供 顧客ニーズに応え続ける持続可能なサービスのため、 デザインとテクノロジーの両面から解決策を提供します 新たな価値提供 デザイン思考は問題解決に新たな視点をもたらし、 テクノロジーは解決策を具現化することができます

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サービス概要 © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 8 System / Application システム・アプリ開発 - ASP / Saas受託開発 - iOS / Androidアプリ受託開発 - クラウドソリューション Web / Maintenance ウェブ制作・運用保守 - コーポレートサイト制作 / リニューアル - ECサイト制作 - SEO / MEO対策 - Crisp Code Supportline Graphic Design グラフィックデザイン - フライヤー / パンフレットデザイン - UI / UXデザイン - ロゴマーク / 名刺デザイン - キャラクター / ラベルデザイン Corporate Social Responsibility 社会貢献活動 / CSR - OSAK A WEB SUMMIT 企画 / 主催 - Crisp Code Academy - Crisp Code B ootcamp - 大学講演 DesignT ech Solution デザインテックソリューション - 技術顧問 - WEB コンサルティング - UI / UXデザインコンサルティング

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主な直接取引企業・団体 © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 9 弊社は大学や上場企業を含む中小企業など、累計150社以上もの企業様と直接お取引させていただいております。 一部のみ掲載、順不同

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Possibilities and traps of Generative AI 生成AIの可能性とトラップ © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 10

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まずはじめに © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 11 今回の勉強会の内容には、生成AI分野で幅広い知識 を持っておられるPOSTSの梶谷(かじたに) 健人さん の記事を参考にさせていただきました。 AIやAR/VRといった先端テクノロジーとプロダクト 戦略の2軸をかけあわせた企業支援をされている方で す。

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まずはじめに © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 12 生成AI領域はかなり盛り上がっており、新しいサービスがどんどん生まれてい ます。しかし、生成AIを使うことは手段であって目的ではありません。 これからは生成AIをうまくビジネスに取り入れられるかが大きな差になる時 代になっており、それが生成AIの可能性とトラップになっています。 つまり生成AIの本質をしっかりと理解し、業務に落とし込んでいくことができ るかどうかが今後の分かれ道となるのです。 生成AIを使うこと自体が目的になった り、表面的なトレンドを追いかけるこ とが目的になっていませんか?

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生成AIを活用するための前提 © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 13 生成AIを業務に落とし込んでいく前提として必要なのが、どの業務にAIを導入するのか見極める必要があるということです。ポイントとしては、以下の 「意義」×「意味」によって、どこの業務に生成AIを導入するのか、そして生成AIを使う必要性があるのかを落とし込んでいきます。 意義 × 意味 ↓ 生成AIを使わないといけないほど 課題がある業務なのか? ↓ 業務担当者ヒアリングによる業務 理解とニーズのあぶり出し ↓ 課題解決の手段として生成AIが本 当に適切なのか? ↓ 生成AIの本質を理解し、課題解決 に適切かどうかを判断

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6 essential values of generative AI 生成AIの本質的な6つの価値 © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 14

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「意味」の理解 : 生成AIの本質 © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 15 生成AIの本質的な価値は以下の6つに集約されます。01〜03が生成AIのコアな価値、04〜06がそれらによる派生的な価値となっています。 01 コンテンツ創造コストが限りなくゼロに 04 少ないインプットでリッチなアウトプット 02 自然な対話の実現 05 高単価専門知識の民主化 03 非構造化データをベクトル化できる 06 言語障壁の軽減

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01 : コンテンツ創造コストが限りなくゼロに © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 16 生成AIの一番の本質的価値は、「創造の限界費用」が限りなく0に近づくということです。いままで莫大なコストをかけて人的リソースを割いていた業務 が生成AIによって無数のバリエーションを生成できるようになり、大きなコストカットを見込めるようになります。 写真のサイズ変更や修正作業時間が圧倒的に短縮 され、納期を早められたり、質を上げる作業に時 間を割けられるように。 IllustratorやPhotoshopなどで人物切り抜きや加 工を行っていたが、ブラウザだけで簡単に同様の 作業ができるように。 一度録画したビデオを元に、顧客ごとにカスタマ イズした無数のビデオを配信できるSFAシステ ム。自分のために録画されたように見える。 Adobe Firefly Photoroom Tavus

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02 : 自然な対話の実現 © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 17 ChatGPTで実感されていると思いますが、システムが限りなく人間に近い自然な対話を行うことができるようになりました。これによりカスタマーサ ポートなどの対人対応コストが大幅に削減できるようになりました。性格や背景を盛り込むと、その人物になりきって対話することも可能です。 ChatGPTアプリでは、音声でGPTと会話すること が可能。息遣いが聞こえたり、「あー」「えー」 などを挟み、考えながら話しているように喋る。 Salesforceの顧客データやShopifyなどの購買 データから顧客の背景を理解し、カスタマーサ ポートのチャットを自動化。 コンピュータを操作するAIを開発中(まだ公開前) で、指示を出すだけでAIがソフトウェアを操作し 設計図を作成、送付してくれるというもの。 ChatGPT (Audio) Ada Adept

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03 : 非構造化データをベクトル化できる © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 18 今まで社内の文書やフォーマットが揃えられていないテキストデータは非構造化データとして利活用が難しかったのですが、大規模言語モデルを使うと ベクトルに変換できるため取り扱いがしやすくなったことが大きな変化だと考えています。 社内でかなり活用している生成AI。コメントを打 ち込むとレコメンドを表示してくれたり、コード のレビューをしてくれる。 Googleドキュメントやメール、デザインデータ など社内ドキュメントと連携することで、チャッ ト形式で情報にアクセスできる。 オンライン上のビジネス系・経済系のメディアを 定期的にクロールして情報を取得、コンサルや投 資会社向けにレポートを提供するサービス。 Github Copilot Glean AlphaSense

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04 : 少ないインプットでリッチなアウトプット © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 19 「01 : コンテンツ創造コストが限りなくゼロに」の派生として、テキストなどの少ないインプットから、別フォーマットや複数のコンテンツを組み合わ せたアウトプットが容易になりました。 Google製の生成AI。インプットに対してコード 生成や画像生成など、複数のコンテンツ(マルチ モーダル)を出力することができるとしている。 テキストを打ち込むと、それに合う動画と音声を 生成するというもの。人物の男女や国籍などのバ リエーションも豊富。 対話形式でAIと会話するだけでプレゼン資料が自 動生成されるというもの。挿入される画像なども 自動で生成される。 Gemini Sy nth es ia To me

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05 : 高単価専門知識の民主化 © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 20 「02 : 自然な対話の実現」と「03 : 非構造化データをベクトル化できる」を組み合わせることで、本来は高度な専門知識が必要な領域をAIが取って代わ ることができるようになりました。例えば法律、会計、医療分野にAIが入ることで、誰でもそのような情報にアクセスできるようになると思われます。 契約書のレビューをAIが行うサービス。もともと は契約管理のプラットフォームだったが、AIによ るチェック機能を搭載した。 開発中だが、Googleが作成している医療特化型 の大規模言語モデルが病院でテスト運用され、医 師よりも適切な判断ができたというデータも。 AIとの対話形式で会計や税務に関する相談ができ るというもの。足りない知識については専門家が 答えるという。 Ironclad Med-PaLM2 AI会計税務君

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06 : 言語障壁の軽減 © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 21 「03 : 非構造化データをベクトル化できる」からの派生ですが、言語の壁がかなり下がってきています。大規模言語モデルはAIにしかわからない、いわ ば「AI語」に変換・翻訳して生成しているため(ベクトル化するという)、ChatGPTでいきなり日本語の精度が高かったという背景があります。 AIが考える手® «— 日本語を「AI語」に変¦ ˆ— ベクトル化された学習データを参š ¸— 「AI語」で生 ¬— 「AI語」から日本語に生成 これにより、日本語だけでなく英語、フランス 語、ドイツ語など様々な出力も可能。

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Case studies 生成AIを業務に落とし込んだ事例紹介 © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 22

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生成AIを業務に落とし込んだ事例紹介 © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 23 生成AIの6つの本質を見てきましたが、私が業務に取り入れるべき「意義」と「意味」がある業務について生成AIを落とし込んだ例を紹介させていただき ます。まず私は顧客からのクレームメール対応は生成AIを導入するに相応しいと考えました。 担当者の心理的負担 × 自然な対話の実現 ↓ 日々クレームメールに対応してい る担当者は心理的に負担がかかり 体調を崩しかねない 意義 クレームメール対応 意味 ↓ 自然な対話処理は生成AIが得意と する部分であり、相手が求めてい る内容も適切に判断できる

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生成AIを業務に落とし込んだ事例紹介 © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 24 今回はChatGPTのGPTsを使い「クレーム対応Bot」を作成しました。事前に設定した内容は以下のとおりです。 クレーム対応Bot クレーム対応Botは、お客様からのクレームメールに対して、適切で丁寧な 謝罪メールを日本語で作成する能力を持っています。メールの形式に注意 し、お客様の心情を理解した謝罪と具体的な対策を提案する際に、クッショ ン言葉を使用します。これには「恐れ入りますが」「お手数をおかけします が」「お忙しいところ恐縮ですが」「ご多用中とは存じますが」「申し訳ご ざいませんが」「お役に立てず大変恐縮ではございますが」「もし可能であ れば」などが含まれます。これらの表現は、お客様の気持ちを尊重し、誠意 を示すために重要です。

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生成AIを業務に落とし込んだ事例紹介 © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 25 今回は「ABC会社」に対し、「ポムポムパウダー」を使ったことによる消費者からのクレームメールを想定しました。もちろん、クレームメールも ChatGPTで作成しています。 消費者からのクレームメール ABC会社, こんなのありえない!ポムポムパウダーを買ったけど、全く役に立たないし品質も最悪だ。思ってたのと全然違う。こんなものを売るなんて詐欺みたいなもの だ! 2024年12月1日に届いたんだけど、使ってみたらすぐにわかった。肌は荒れるし、洗っても痕が残ったじゃないか。これじゃあまったく使えない。あんたたち の言う「高品質」とは何だったんだ? 時間の無駄だった。すぐに返品処理をして、全額返金しろ。こんな商品を売る資格はない。返品方法と返金の手続きを今すぐ教えろ。 早く対応しろよ! 田中太郎

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生成AIを業務に落とし込んだ事例紹介 © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 26 「クレーム対応Bot」に投げかけたところ、ほんの数秒でクレームメールに対する返答を作成してくれました。これであれば、担当者も心理的な負担なく 業務に集中することができますね。 GPTsのクレームメール返信 田中太郎 様 ABC会社 カスタマーサポート部 拝啓、貴重なお時間を割いてご連絡いただき、誠にありがとうございます。また、ポムポムパウダーに関してご不満をお持ちの点につきまして、深くお詫び申 し上げます。 2024年12月1日にご購入いただいた商品がお客様の期待に添えず、かつ肌にトラブルを引き起こしてしまったこと、心よりお詫び申し上げます。お客様が感じ られたご不便と不快感について、真摯に受け止め、今後の品質向上に役立ててまいります。 返品および返金の手続きにつきまして、以下の手順をご案内いたします。まず、恐れ入りますが商品とレシート(または注文番号)をご用意いただき、弊社カ スタマーサポートセンターまでご連絡ください。ご連絡いただければ、返品用の伝票をメールにてお送りし、その伝票を使用して商品をお送りいただく形とな ります。 商品到着後、状態を確認の上、速やかに全額の返金手続きを行います。返金はご購入時の支払い方法に応じて行われますが、詳細につきましては別途ご連絡い たします。 お客様には多大なるご迷惑をおかけしましたこと、重ねてお詫び申し上げます。今後このようなことがないよう、商品の品質管理を一層強化し、お客様に安心 してご利用いただけるサービスを提供できるよう努めて参ります。 何かご不明点やご質問等がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。田中様のご期待に応えられるよう、誠心誠意対応させていただきます。 この度は貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました。

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Summary まとめ © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 27

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まとめ © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 28 生成AIを業務に落とし込んでいく前提として必要なのが、「意義」×「意味」でした。やたらと生成AIを使うのではなく、使う前に意義と意味について見 極めるとスムーズに落とし込めることがわかりました。 意義 × 意味 ↓ 生成AIを使わないといけないほど 課題がある業務なのか? ↓ 業務担当者ヒアリングによる業務 理解とニーズのあぶり出し ↓ 課題解決の手段として生成AIが本 当に適切なのか? ↓ 生成AIの本質を理解し、課題解決 に適切かどうかを判断

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まとめ © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 29 そして「意味」に当たる生成AIの本質は、大きく6つに集約されることがわかりました。今後これらの組み合わせで新たな価値を想像することができるか もしれません。 01 コンテンツ創造コストが限りなくゼロに 04 少ないインプットでリッチなアウトプット 02 自然な対話の実現 05 高単価専門知識の民主化 03 非構造化データをベクトル化できる 06 言語障壁の軽減

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まとめ © Crisp Code inc. 生成AIを業務に落とし込むときに必要な観点 30 みなさん、 良き生成AIライフを!

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