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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. 三越伊勢丹におけるDXとアジャイル 株式会社 IMDigitalLab 鈴⽊雄介 鈴⽊祥⼦ エンタープライズアジャイル勉強会 2020年11⽉セミナー

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. 講演者 鈴⽊雄介 • (株)アイムデジタルラボ • 取締役 • Graat(グラーツ) • グロース・アーキテクチャ&チームス(株) • 代表取締役社⻑ • ⽇本Javaユーザーグループ • サブリーダー/CCC運営委員⻑ • その他 • @yusuke_arclamp • http://arclamp.hatenablog.com/

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. 講演者 鈴⽊ 祥⼦ • YourFIT 365 デジタルサービスデザイナー ITディレクター • 三越伊勢丹リモートショッピング デジタルサービスデザイナー ITディレクター

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. IMDLとは (株)アイムデジタルラボ • 三越伊勢丹グループにおけるDX推進 機能⼦会社 • https://www.imd-lab.co.jp/ • https://note.com/imd_lab ミッション 仕組みを変えて お買い物を楽しくする

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. アジェンダ これまで何をしてきたか どうやって作ってきたか まとめ

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. これまで何をしてきたのか

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. これまで何をしてきたのか 2つのプロダクトをリリース • YourFIT 365 • 3D計測機による婦⼈靴/紳⼠靴のパーソナルフィッティ ングサービス • 婦⼈靴:2019/8/28、紳⼠靴:2020/3/25 サービス開始 • 三越伊勢丹リモートショッピング • テキスト/ビデオチャットによるリモート接客サービス • 店頭のあらゆる商品をオンライン決済 • 2020/11/02 サービス開始

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. YourFIT 365 これまで何をしてきたのか

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. YourFIT 365 概要 • 婦⼈靴/紳⼠靴のパーソナル フィッティングサービス • 3D計測機を利⽤し、⾜に合う 靴をレコメンド • シューカウンセラーが最⾼の 1⾜をフィッティング

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. YourFIT 365 特徴 • アナログ×デジタル • デジタルはシューカウンセラー の仕事を⽀援するため • ブランド横断 • 婦⼈ 31ブランド/約1000種類、 紳⼠ 26ブランド/約300種類(※) • ⾜形と⽊型を⽐較 • 1年で1万⼈以上が計測 ※ 2020年10⽉現在、種類はカラー別

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. YourFIT 365 • これまでの道のり • 2019/1 アイデア • 2019/4 ワークショップ開催 • 2019/5 チーム編成 • 2019/6 開発スタート • 2019/8 内部リリース • 2019/8 サービス開始 • その後、毎週リリースを継続

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. 三越伊勢丹リモートショッピング これまで何をしてきたのか

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. 三越伊勢丹リモートショッピング

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. リモートショッピング 特徴 • アナログ×デジタル • スタイリストが⾏う「接客」を デジタル化したもの • 新たな購買体験の創出 • 例えば... • ⾃宅でワードローブを⾒ながら • 店頭で気になったものを⾃宅で • 忙しくてお店に⾏く暇がない • お店での滞在時間を短く

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. スケジュール • これまでの道のり • 2020/4 アイデア • 2020/5 ワークショップ開催 • 2020/6 チーム編成 • 2020/7 開発スタート • 2020/10 内部リリース • 2020/11/2 トライアル • 14のお買い場からスタート • その後、毎週リリースを継続

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. ⼤事にしていること

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. ⼤事していること 主役はスタイリスト • 三越伊勢丹の強みは「⼈」 • 専⾨家に相談をして、納得感を 持って購⼊する • デジタルの役割は専⾨家の能⼒ を⽀援すること • 現場と⼀緒に作っていく • 作ったものを使ってもらい、そ のフィードバックを取り込む

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. ⼤事にしていること 接客フローに組み込む • 接客の流れで⾃然に使える • サービスブループリント • 顧客の⾏動、業務の流れ、システ ムの挙動を時間軸の中で確認する • システム的な制約を接客が補 完してくれる • 計測後の処理時間

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. ⼤事にしていること ビジネス成果にこだわる • デジタル技術は⼿段 • デジタル技術を使って売上を あげることが重要 • ただの⾒せ物ではなくお客様 が「欲しい」と思える仕掛け • 購買決定率 +20%(YourFIT365) • 売上につながる改善を優先 • 購買につながる導線をスムーズに • 店頭で⽊型を選んでオンラインで オーダー

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. どうやって作ってきたか

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. どうやって作ってきたか POを機能させる • プロダクトの価値の最⼤化に責任を持つ • プロダクトオーナーをうまく機能させるには、組織全体 でプロダクトオーナーの決定を尊重しなければいけない スクラムガイドTM 2020年11⽉版 • ⽇本の⼤企業でPOを機能させるためには? • POをチーム化する • ⼩さくシンプルにする • 段階的に成⻑させる

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. どうやって作ってきたか POをチーム化する • POには縦と横の仕事がある • 縦:組織として決定し、組織と して取り組む領域 • POは、このためのハブになる • 社内の⼈じゃないとやりきれない • 横:専⾨家が⽀援できる領域 • UX設計:サービスデザイナー • 開発調整:ITディレクター PO 意思 決定者 開発 チーム 関連 部⾨ お客様 説明責任 現場調整 UX設計 開発調整

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. ⼩さくシンプルにする • ⼀度に処理する課題を⼩さくすることで関係者も シンプルになる • 繰り返すことでフィードバックによる改善もしやすい どうやって作ってきたか 要件 定義 現場 の 課題 基本 設計 実装 テスト IT企画 情シス 設計者 実装者 お客様 お買場 要件 課題 実装 POチーム 実装者 お客様 お買場 要件 課題 実装 要件 課題 実装 要件 課題 実装 要件 課題 実装

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. どうやって作ってきたか 段階的に成⻑させる • 要求ではなく⽬的を満たす • タイヤだけでは評価できない • 常にビジネス成果を出す • 段階的に満⾜度を増やす • フィードバックを受けて改善 できる • デジタル×⼈ • スタイリストが補助者になる Making sense of MVP (Minimum Viable Product) ‒ and why I prefer Earliest Testable/Usable/Lovable https://blog.crisp.se/2016/01/25/henrikkniberg/making-sense-of-mvp ⽬的:AからBに素早く移動したい 要求:⾞が欲しい

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. YourFIT 365 どうやって作ってきたか

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. YourFIT 365 状況 • お買い場が勝⼿に事前検証 • ⾃分たちの予算で計測器を買って試して、成果があった ものをサービス化しようと情シスに持ち込んだ • 新しい体制を決定 • 当時の情シス部⻑判断で「お買い場と開発チームが直接 やり取り」「お買い場の担当者を情シスに異動させて PO」ということを決定 • 最初は新宿店の婦⼈靴売場のため • そこから各店の婦⼈靴や紳⼠靴に展開をしていった

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. YourFIT 365 1つのお買い場に集中したコンパクトなチーム • POをチーム化する • 関係者はお買い場/PO/サービスデザイナ/開発者のみ • POがすべての関係者と調整・意思決定する • ⼩さく回しつづける • 開発時点から毎週お買い場に通い、プロトのレビューを 繰り返す • リリース後も毎週リリースを維持

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. YourFIT 365 • サービスを成⻑させる • 当初は「店頭で⾜にあった靴 を紹介する」だけ • リリース後の主な改善 • 2ヶ⽉後:⾃分の⾜型をスマホで⾒ れる • 10ヶ⽉後:買った靴と同じ⽊型の 靴をスマホで提案 • 14ヶ⽉後:分析結果から新しい⽊ 型を作る

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. 三越伊勢丹リモートショッピング どうやって作ってきたか

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. 三越伊勢丹リモートショッピング 状況 • コロナ禍での⽴ち上げ • 緊急事態宣⾔中に最初のワークショップを開催 • ほぼ全てのお買い場が検討対象 • 都内の⼤型店舗だけではなく、地域店舗や⼩型店も含め てシフトが必要だという危機感 • 当然、YourFIT 365のような体制では不可能

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. 三越伊勢丹リモートショッピングの場合 複数のお買い場にスケールさせる取り組み • POをチーム化する • 複数の現場調整が並⾏するためDX推進部⾨と協業 • ⼩さく回しつづける • 関係者が増えたため、POだけで決められないことから 役員が⼊る意思決定ミーティングを週⼀で開催

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. 三越伊勢丹リモートショッピングの場合 • サービスを成⻑させる • まずは⼀部のお買い場で利⽤可能な機能を⽤意し、その 条件に当てはまるところを選択 • 今後、様々なタイプのお買い場に対応していく予定 • 毎週リリースを実施中 • 各お買い場からの要望をDX推進組織で集約し、重要度をつけ て案件リストをPOに渡す • POは案件リストから優先順位を判断し、検討開始→実施判断 →実装と進めていく • 案件規模に応じてリードタイムを設定し、複数案件を管理

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. まとめ

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. まとめ ⼤事にしていること • 主役はスタイリスト • 三越伊勢丹の強みは「⼈」 • 接客フローに組み込む • 接客で⾃然に使えるようにする • ビジネス成果にこだわる • デジタル技術を使って売上をあげる

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. まとめ どうやって作ったか • POをチーム化する • PO個⼈は組織としての意思決 定や⾏動のハブになる • ⼩さく回しつづける • 課題を⼩さく、関係者を少なく • サービスを成⻑させる • 要求ではなく⽬的を満たす Go Blue by spurekar Attribution 2.0 Generic (CC BY 2.0)

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Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. まとめ YourFIT 365からリモートショッピングへ • 1つの現場で成功体験を作れた • いまでも開発を継続している • コロナ禍でも、その経験が活きた • 何をやるか、何を⼤事にすべきか、に迷いはなかった • ただし、関係者が⼀気に増えることでの苦労があった • それを段階的に解決していっている状況 • ⼩さく、シンプルに、リズムよく