Slide 1

Slide 1 text

研究・教育・産学連携の 循環の実践 清水昌平 滋賀大学 データサイエンス学系 理化学研究所 革新知能統合研究センター 研究 教育 産学連携 2023年度統計関連学会連合⼤会, 京都 企画セッション: (4)アカデミアと企業との共同研究 ⼀部update

Slide 2

Slide 2 text

イントロ

Slide 3

Slide 3 text

滋賀大の取り組み n第4期中期目標・中期計画(2022年から2027年) • 社会共創機能の強化 • 研究・教育・産官学連携の循環 n私はデータサイエンス学系なので • DSに関する研究をして • DSに関する教育をして • DSに関する産官学連携をして • それぞれ活かしながら、繰り返す • 学生を産学連携に入れる (PBL) 我が国・地域 社会の活性化 への貢献 社会からの 投資・外部資 ⾦獲得 教育研究の強 化・質の向上 社会との共創 機能の強化 3/16

Slide 4

Slide 4 text

自分の専門: 統計的因果探索 nデータを用いて因果グラフを推測するための方法論 n事前知識以外の手段 .BFEBBOE4IJNJ[V Ծఆ ਪଌ • ؔ਺ܗ • ෼෍ • ະ؍ଌڞ௨ݪҼͷ༗ແ • ඇ८ճ PS८ճ ͳͲ σʔλ ҼՌάϥϑ 4/16

Slide 5

Slide 5 text

私の場合の循環 n私の専門は、統計的因果探索なので • 因果探索を軸に循環させて • 大学レベルでの取り組みに貢献 n専門に近ければ • 研究に活かしやすい (方法論研究のモチーフ) • “社会”で使われてる方が学生も興味を持ちやすい • (あまり) “営業”しなくて済む・準備が楽 • (自分の・学生の)理論、方法、応用のバランスをよくできる n注 • 滋賀大DS全体で(52名)、広く受け入れている 4IJNJ[V ਗ਼ਫ 研究 教育 産学連携 5/16

Slide 6

Slide 6 text

因果探索に関する取り組み例 滋賀大学の関連組織: 一体となって推進 • 大学院データサイエンス研究科 • データサイエンス学部 • データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター (DSセンター)

Slide 7

Slide 7 text

滋賀大の産官学連携の大枠 (の例) n共同研究 • DSセンター助教とペア • 月1ミーティング • 週1作業規模 • 年単位 • 更新することもある n方法論 and/or 適用 n規模が大きくなるとセンター • 日本セーフティソサイエティ研究センター (あいおいニッセイ同和損害保険) • Data Engineering and Machine Learning セン ター (帝国データバンク) • 滋賀大学・日東電工デジタルイノベーション 研究開発センター n学術指導 (コンサル) • 教員1人で • 月1ミーティング • (事前準備は必要に応じて) • 数ヶ月から1年くらい • 更新することもある n方法論 and/or 適用 n規模が大きくなると研修プログラム • トヨタグループの人材育成道場 • 日野自動車データサイエンス塾など など n参考: DS研究科への派遣社会人 7

Slide 8

Slide 8 text

産官学連携: 私の場合 n製造業 • ソニーセミコンダクタマニュファクチャ リング (兼PBL) • デンソー • アイシン • 日東電工 (共同研究センター設置) • 神戸製鋼所 (兼PBL) • 日本製鐵 • 東レ • 京セラドキュメントソリューションズ n官 • NISTEP (高山ら, 2021) (理研) n情報系 • 富士通 (Uemura et al., 2020; 2022) (理研) • 東芝 • SCREENアドバンストシステムソ リューションズ (Ikeuchi et al., 2023) • NTTコミュニケーションズ (Fujiwara et al., 2023) • NTTデータ n小売業 • 平和堂 (PBL) nそれ以外 • サスメド • キリン 基盤技術研究所 • ロックオン 適用寄りの連携がほとんど 8

Slide 9

Slide 9 text

方法論に関する共同研究や学術指導の例 nNTTコミュニケーションズ (2018-現在) • 機械学習モデルの予測メカニズムの解析 (AIの説明性) (Kiritoshi et al., 2021) • 時系列の非線形因果探索 (Fujiwara et al., 2023) nDS研究科の派遣社会人として行うこともあり: デンソー・マクロミルなど 9/16

Slide 10

Slide 10 text

適用に関する共同研究や学術指導 n企業側: 課題やデータ n滋賀大: • 共同研究: 方法選びなど+分析作業 • DSセンター助教が分析作業 • 学生を雇用することも (拡大したい) • 学術指導: 方法選びなど • (分析作業は企業側) nDS研究科の派遣社会人として行うこともあり • 製造業や小売業、自治体から派遣 10/16

Slide 11

Slide 11 text

ソフトウェア開発に関する指導や相談 nPython package (Ikeuchi, Ide, Zeng, Maeda, Shimizu, 2023) • https://github.com/cdt15/lingam MITライセンス • causal-learn (Zheng et al., 2023)にも提供 n商用ソフトに関する相談 • Causalas by SCREENアドバンストシステムソリューションズ • Node AI by NTTコミュニケーションズ • NTech Predict by neutral • Causal analysis by NEC 11/16

Slide 12

Slide 12 text

企業との共同研究をどう獲得したか? n教員(私)へ直接 (研究内容を調べて) (現状一番多い) n大学経由 • “営業” • 大学・研究科、学部、DSセンターページ • OB・OG • 他の教員との共同研究が終わって 4IJNJ[V ਗ਼ਫ 12/16

Slide 13

Slide 13 text

企業との共同研究において何が楽しいか n(自分として)循環させられる n方法論寄り: 方法論研究が進む・適用しやすく n適用寄り: 勉強になる・事例・モチーフ • 連携を進めるに連れて、情報が増え理解も深まる nソフトウェア: 適用に使える nチームで仕事する点 • 自分の専門分野以外のアイデア・考え方を知る • 自分ではできないこともできる • 卒業生・修了生が加わる 研究 教育 適⽤ 13/16

Slide 14

Slide 14 text

企業との共同研究において何が難しいか 滋賀大DSは組織的な対応をしているので「難しい」と感じる場面 は少ないが、あえて言うなら nエフォート20%とは: 個人差大 n企業の人の予備知識がわかりにくいこと n「会社」への説明 n特許関係 n自分がその時推し進めたいこととは限らない 14/16

Slide 15

Slide 15 text

アカデミア研究としての立ち位置と 産業での立ち位置のバランス n領域の科学者との連携と大きく違わない(と感じる) • (多くの場合) 相手が主 • 専門に近い範囲だからかも n論文にならなくても(できなくても)、”社会実装” 例として使 えることもある nユーザーを増やす試み 15/16

Slide 16

Slide 16 text

まとめ n研究・教育・産学連携の循環 • 大学レベルでの取り組み • その中で、自分としての貢献の仕 方: 因果探索を軸に循環 • 自分としても循環させたい時期 だった n専門の中で「得意技」があった 方が • コスト対効果もよい • (比較的)”営業”しなくてよい • 勉強にもなる n動機: ユーザーを増やすことが 方法論研究をする人や場所を増やす (たぶん) • 因果CREST (2022-2027) • NISTEP・サスメド (+京大医・国環研) 16/16 研究 教育 産学連携