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LT:B2C、B2B プロダクトマネジメントの違い (および思考の罠) 2024-05-15 プロダクトマネージャー座談会 @ Money Forward Product People株式会社

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横道 稔 / Product People株式会社 代表取締役 プロダクトコーチ プロダクトづくりに関連するコーチング、アドバイザリーを多数のSaaS 企業に提供中。 ● 翻訳書:『LOVED』『プロダクト‧レッド‧オーガニゼーション』 ● Podcast はじめました:『Product DeepDive』

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ディスカバリーワークにおける違いの傾向 B2C B2B 市場理解 わかりやすく「市場」として分類しづらいこと も どこまでを対象市場とするかの難しい判断 競合理解 触ってみれば良い 触れるのにひと⼿間必要、調査会社活⽤ 業務‧コンテキスト理解 ⼈間とその活動を理解する コンテキストは Complex(複雑) 業務分析、業務体験する コンテキストは Complicated(煩雑) 顧客‧ユーザー理解  思考‧⾏動理解 ⾃⾝もユーザーになれる 調査被験者を⾦銭インセンティブでリクルー ティング ⾃⾝はユーザーではないことも 調査被験者を顧客信頼関係でリクルーティング  ⾏動データ理解 データ量が多く、各種データ分析⼿法が利⽤し やすい 相対的にデータが少なく、シンプルな分析とな る  購買者理解 ユーザー本⼈。その関係者の場合も(親など) ユーザーではない意思決定者への理解も必要 課題、機会の特定  ジョブ特性 感情的ジョブ、社会的ジョブ>機能的ジョブ の傾向 機能的ジョブ>感情的ジョブ、社会的ジョブ の傾向  ニーズ特性 潜在的(ユーザーも知らない) 顕在的(ユーザーが認識している)  ニーズの収集 アプリストアや、SNS、サポートへの⾒えやす い形で⾃然発⽣ サクセスや営業などの接点と連携 プロトタイプの作成とテスト デザインや体験も作り込まれてないと検証でき ないことも PoCのような形で特定の顧客とプロジェクト化 することも 優先順位付 やってみないとわからないことも(A/Bテスト 結果、ヒューリスティックな判断も許容) B2Cとの相対的には、想定インパクトなどで⽐ 較的合理的に判断できることも

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デリバリーワークにおける違いの傾向 B2C B2B プロジェクトマネジメント - 納期の正確性に対する要求が強いことも UIデザイン エンタメ性、直感性 効率性、繰り返しストレスのなさ 設計とアーキテクチャー ⾼いスケーラビリティ ⾼い信頼性 テスト ロングテールな利⽤環境への対応 ⾼い品質(障害時の顧客業務影響) 計測とモニタリング ⼤量データによって、動きやすい指標 - Go-to-Marketワークにおける違いの傾向 B2C B2B ローンチ - 事前の告知や教育が必要なことも 獲得⼿段 マーケティングキャンペーン、バイラル THE MODELなどによる、組織的なアプローチ 定着⼿段  オンボーディング UIの直感性、チュートリアルなど カスタマーサクセスによるハイタッチ+テクノ ロジーによるテックタッチ  リテンション 継続的な価値提供、ネットワーク効果、キャン ペーンなど カスタマーサクセスのヘルススコアなどを活⽤ したアクション、継続的な価値提供

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ほんとぉ?🤨

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だいぶステレオ タイプ化して書きました🥹

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Over-simplification (過度なシンプル化) プロダクトマネジメントの罠 🪤

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Reductionism (還元主義) 複雑な物事でも、それを構成する要素に分解し、それらの個別(一部)の要素だけを理解すれば、 元の複雑な物事全体の性質や振る舞いもすべて理解できるはずだ、と想定する考え方 (Wikipediaより) プロダクトマネジメントの罠 🪤

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プロダクトマネジメントに影響を与えうる他の前提(きっともっとある) ● ソフトウェアプロダクトの業態 ○ SaaS ○ マーケットプレイス ○ メディア、エンタメ、ゲーム ○ プラットフォーム ● マネタイズモデル(複合されうる) ○ サブスクリプションモデル ○ 広告モデル ○ 従量課⾦モデル ○ トランザクション⼿数料モデル ○ 売り切りモデル ○ コンテンツ販売&⼿数料モデル ○ 個別調整エンタープライズモデル ○ 周辺サービスでマネタイズ ○ マネタイズ不要 ● 対象市場 ○ 対象切り⼝(バーティカル or ホリゾン タル) ○ ⼤きさ、状況(レッドorブルー) ○ 対象のセグメント(ファーモグラ、デモ グラ、テクノグラ、ジョブセグメント) ● プロダクトフェーズ ○ リリース前 ○ PMF前 ○ グロース期 ○ 成熟期 ● 対象の国と地域 ● 組織 ○ MVV、⽂化 ○ 投資家の特性、経営者の価値観 ○ 構造、制度、関係者のインセンティブ ○ プロダクトリーダー有無、PM職能定義 ○ プロセス こういったものが相互に複雑に絡み合う波を乗りこなし、時には⾃分で良い波を起こし、 正解のない&結果を⽣む意思決定するお仕事(楽しい(確信))

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わかりやすく分類する思考や、 わかりやすく伝えるための情報整理は重要だが、 ⼀⾒わかりやすそうな情報は 鵜呑みにしていいか疑おう プロダクトマネジメントの罠 🪤

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PMに重要だと思う思考 🧠 ロジカルシンキング + クリティカルシンキング + システムシンキング 思考法の名前は意識せずとも、PMは これらの思考を活⽤しながら、⽇々情報を増やし、意思決定しているかと思います (e.g. 冒頭の⽐較表) (e.g. 「ほんとぉ🤨」) (e.g. 「他の前提」のページ)

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とはいえ、冒頭の⽐較表は、 悪意持って書いてる訳ではないので、 ⼀つの傾向としてあると思います そのまま鵜呑みにはせず、 「⾃分たちの特性とあってる?」と⾒たり、 他⽅の列も⾒て、「私たちには不要?インサイトはない?」 と考えるのに使ってもらえると嬉しいです。

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同時に 「B2B楽しい!」「B2C楽しい!」 ってめっちゃあると思います。 そういう直感や衝動、 ⼿放しにめちゃめちゃ素敵です。 なんならそれが⼀番⼤事💝

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ところで 「コンシューマライゼーション」 IT関連製品や技術の進歩・革新を一般消費者向け分野が主導し、 
 企業向けIT分野がそれを後追いして取り込むようになる傾向のこと。 
 
 (IT用語辞典 e-Words より)
 https://e-words.jp/w/コンシューマライゼーション.html


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プロダクトマネジメントにおける「コンシューマライゼーション」 (B2CからB2Bへの転⽤) ● 体験 ○ ユーザー中⼼のデザイン、⾼いユーザービリティ ○ モバイル体験 ○ アプリ内オンボーディング ○ パーソナライゼーション、レコメンデーション ● 意思決定 ○ (⼤量の)⾏動データを⽤いた⾼度な分析と、データインフォームドな意思決定 ○ A/Bテスティング ● グロースモデル、⼿法 ○ PLG(Product-led Growth) ○ フリーミアムモデル ○ ユーザーコミュニティ ○ バイラルマーケティング ※LTということで、ちゃんと調べず雰囲気で書いてますので「それはB2B発祥だぞ!」のご指摘があったらぜひです。

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「転⽤」という 「⽔平思考」で進化していった。 (なんか四つ⽬の思考でてきた‧‧) 今後もきっと、プロダクトな⼈たちからの⾊々なアイディアで、 プロダクトマネジメントが進化していくと思います(楽しみ) 💡

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脱線しきったところでおしまいです ありがとうございました!🙌