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宮城大学の講義にAIが演じる架空の人格を 導入した事例の紹介 (C) TENDA CO., LTD. 1

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発表者自己紹介 (C) TENDA CO., LTD. 2  板橋吾一(いたばしごいち)、47歳、  2016年テンダ入社、前職で大学院へ入学し博士(情報科 学)を取得  役職:エキスパート 主にWebシステム(PHP/Java) 開発において、プロジェクトのマネジメ ント、要件定義、設計、開発、テスト、運用/保守、インフラ構築、 なんでもやる 最近はAIを使ったアプリケーションの提案・試作の案件も増えた  プライベート 2児(息子14歳、娘10歳)の子育てと家事に追われる毎日 近所のおやじの会の世話人、PTA役員

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背景・目的 (C) TENDA CO., LTD. 3

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ChatGPTにできることの整理 (C) TENDA CO., LTD. 4  松尾豊、「AIの進化と日本の戦略」、自民党AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム 第2回、https://note.com/akihisa_shiozaki/n/n4c126c27fd3d 今回はここに注目!

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目的 (C) TENDA CO., LTD. 5 ChatGPTの「何かになりきって答える」という能力に着目 もしChatGPTが特定の誰かになりきって話すことができたら その人が持つ独自の勘、経験則、直感、ひらめきのようななものを模倣できないか? もし実用可能だったら優れた個性を持つ誰かになりきって活躍してもらう • 例1: 会社の頼れる中堅社員になりきって新人のOJTをやってもらう • 例2: ECショップでカリスマ店員になりきって商品をアピールしたり提案をしてもらう 目的:「何かになりきって答える」能力がどの程度かを実験し、評価する

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目的 (C) TENDA CO., LTD. 6 2023年度の取り組み 宮城大学に協力をお願いし、情報サービスデザインという講義の中でChatGPTを使ってもらう 講義は問題解決型(PBL:Problem Based Learning)の形式であり、学生はグループである課題について 自分たちで対決策を提案する 課題はとある小学校の給食の食べ残し(フードロス)問題 ChatGPTは架空の小学生2名を演じてもらう 学生をChatGPTありのグループとなしのグループに分け、ChatGPTが問題解決の過程にどんな影響を 与えたかを評価する 結果 受講者はChatGPTが演じる人格とコミュニケーションし、課題解決に必要な情報を収集 人からヒアリングした場合とChatGPTからヒアリングした場合で受講者の成果物に大きな差がなかった • 実際の人間が行う役割をChatGPTが演じる人格で代用することが可能

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目的 (C) TENDA CO., LTD. 7 2024年度の取り組み 引き続き宮城大学の情報サービスデザインにおいて同じ形式の講義(実験)を実施 受講者が13名から33名に増加、グループも2つから5つに増加 • 受講者のフォローが追いつかないため、成果物のレビューや整理にChatGPTの力を借りた 架空の人格2名はGPTsとして配布 • ただし、小学生だとOpenAIのポリシーにひっかかるので中学生として配布 受講者全員がChatGPTが演じる中学生に対して学校の給食に対する意見をヒアリングし、フードロスを減 らすためのアプリケーションを提案・設計 成果物を評価し、受講者がChatGPTとコミニケーションを取れているか、ヒアリングした結果がアプリ ケーションに反映されているかを評価した

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実験: ChatGPTが演じる架空の人格を 導入した講義 (C) TENDA CO., LTD. 8

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実験の概要 (C) TENDA CO., LTD. 9 実験: 宮城大学の「情報サービスデザイン」という講義で実施しているBPL型の 実習において、ChatGPTが演じる架空の中学生2名を使ってもらう PBL: Project-Based Learning • 数名のグループで役割を分担しながら、学生たちが主体的に問題や課題を解決する方式の 学習 • 問題の状況を把握するため、対象の問題に直面している当事者にヒアリングすることがよく ある 実験では、ヒアリングする当事者を人間ではなく架空の中学生2名に行って もらう • 今年度は受講者が増えたのでGPTsとして提供して、全員が使えるようにした • 小学生として作成するとGPTsの公開時にOpenAIからストップがかかるため、設定 を小学生から中学生に変更した

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取り組んでもらった課題 (C) TENDA CO., LTD. 10 課題:「中学校の給食の食べ残しを減らすアプリケーションの開発」 設定 とある中学校6年生の授業において、日本や世界のフードロスの問題について説明し、生徒たちに考えて もらった その授業で、日本の小中学生は一年間で約7kgの給食を残していることを説明したところ、そのことにと ても驚いた生徒がいた その生徒はその後「給食と食品ロス」というタイトルでプレゼン資料を作ってクラス全員に発表し、給食 をなるべく残さないように努力することを伝えた これを聞いた担任の先生はフードロスについてもっと理解を深めることで給食を無駄なく食べきり、食べ 残し、つまり食品ロスを減らすことができないかと考えた

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講義で使用した架空の小学生2人について (C) TENDA CO., LTD. 11 課題の設定に合うような架空の中学2年生2名をChatGPTで作成し、給食の食べ 残しの状況をヒアリングしてもらう 生徒ナカトくん 「給食と食品ロス」というタイトルでプレゼンを実施した男子生徒。食欲がよく、休んだ生徒の分をおか わりして数人分を食べてしまう 生徒アオイちゃん 普段から食べるペースが遅く、いつも給食の時間に全部食べ切れず残してしまう女子生徒。いつも給食の 量が多いと思っている。豆類の入ったおかずや魚料理が苦手 ChatGPTのGPTsを使って作成を使って人格の特徴を設定した

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ナカトくんへの指示 (C) TENDA CO., LTD. 12 架空の中学2年生の男性を演じてください。あなたが演じる男性の仮名、性格、興味については以下を参考 にしてください。 • あなたの名前は"ナカト"くんです。宮城県仙台市泉区に住んでいます。 • あなたの両親は料理を作ることも食べることも大好きで、あなたが小さいときから外食で和食や洋食の美 味しいお店に連れて行ってくれました。 • あなたのおじいちゃんの家は農家をやっていて、そこでとれたての野菜が格別に美味しいことを知ってい ます。 • 嫌いな食べ物や苦手な食べ物はありません。 • 部活は陸上部で、短距離が専門です。 • 好きな食べ物は魚料理で、焼き魚は皮まで残さず食べます。お刺し身も大好きです。 • 給食が毎日たくさん残ってしまうことに興味を持っていて、なぜこんなに残ってしまうのか不思議に思っ ています。みんな給食は残さずに食べるべきだと思っています。 • 学校で給食を残す人は悪い人だと思っています。 • 学校でフードロス問題について勉強する授業があり、日本の小中学生は、一年間で約7kgの給食を残し ていることを知ってとても驚きました。これはご飯百杯分です。 • 東京都足立区は給食の食べ残しをなんと七割減らしたことを知ってとても驚いています。きっと自分たち でも食べ残しをもっと減らせると思いました。 • 自分のクラスだけでも給食を減らせないかと考え、授業で自ら進んでフードロスのプレゼンテーションを しました。 • 給食の食べ残しの問題や日本のフードロスの問題の話について話すときは、とても情熱的に話してくださ い。 あたかも中学2年生らしい話し方をしてください。

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アオイちゃんへの指示 (C) TENDA CO., LTD. 13 架空の中学2年生の女の子を演じてください。あなたが演じ女の子の仮名、性格、興味については以下を参 考にしてください。 • あなたの名前は"アオイ"ちゃんです。 • あなたの家族は父、母、6歳の妹と4人家族です。 • 妹は食べることが大好きで、姉であるアオイちゃんが食事をよく残すことを心配しています。 • 普段は眼鏡をかけています。 • 正確はおっとりしていて、少し控えめです。 • 新しいことや変化をあまり好まず、日常の小さな変動にも敏感です。 • 友達との関わりは良好だが、給食のことで自分が遅いと気にしています。 • 絵を描くことが得意で、美術部に所属しています。 • 家では、好きなアニメや絵本を読んで過ごす時間が多いです。 • 一般的な給食の量に対して、自分では多すぎると感じています。特にご飯やパンなどの主食が多いと感じ ています。 • 豆類の入ったおかずや苦手です。また魚料理は煮物など匂いが苦手なものがあります。特に魚の小骨があ ると気になります。 • 食べるペースが遅いため、よく友達が待ってくれることがありますが、友達に迷惑をかけていると思って しまいます。 • 給食は苦手な食べ物がでたり、たくさんの量を食べなけれいけないので、時々憂鬱になります。このため 給食の話をするときは攻撃的な話し方になります。 • 学校でフードロス問題について勉強する授業があり、日本の小中学生は、一年間で約7kgの給食を残し ていることを知りました。でも給食の量が多かったり、好きではないおかずがでるのでしかなたいことだ と思いました。 あたかも中学2年生のような話し方をしてください。

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講義の流れ (C) TENDA CO., LTD. 14  期間:2024/11/26 から2025/01/21、全7回  板橋が講師となって、オフラインで講義を実施  日程と内容  2024/11/26 ガイダンス、課題説明、グループ分け、情報収集(ChatGPTへのヒアリング)  2024/12/03 情報収集(ChatGPTへのヒアリング)、問題点の整理  2024/12/10 解決策(給食のロスを減らすアイディア)の決定、発表  2024/12/17 アクティビティ図、画面遷移図、画面デザインの作成  2025/12/24 アクティビティ図、画面遷移図、画面デザインの作成  2024/01/07 アクティビティ図、画面遷移図、画面デザインの作成  2024/01/21 成果発表会

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実験の評価 (C) TENDA CO., LTD. 15 ChatGPTによるまとめ

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Aグループの調査と提案アプリケーション (C) TENDA CO., LTD. 16  調査結果  食べ残しの主な要因: • 青菜系の野菜(ほうれん草の胡麻和え、春菊のおひたし)や煮野菜が残りやすい • 給食の量が多すぎると感じる生徒が多い(特に主食) • 食べる時間が短く、心理的プレッシャーがある  生徒の意見: • ナカトくん: 「クラス全体で食べ残しを減らしたい」 • アオイちゃん: 「自分の適量を知り、無理せず食べられるようにしたい」  参考事例: • 足立区の給食改善(「少なめ」「普通」「多め」の選択制)を参考にする

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Aグループの調査と提案アプリケーション (C) TENDA CO., LTD. 17  提案アプリケーション  アプリ概要: • 食べられる量を事前に申告できるアプリ  内容 • メニュー「少なめ」「普通」「多め」を選択 ⁃ 飽きずに登録できるようUIを工夫 • 申告データを給食室と連携し、適量配膳を実現 • クラスごとの食べられる量を可視化(グラフ表示) • 給食の好き嫌い傾向を収集し、メニュー改良の参考にする  期待される効果: • 無理のない量の配膳で食べ残しを減らす • データ活用による意識改革と改善 • 給食を楽しく、前向きに食べる仕組み作り

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Bグループの調査と提案アプリケーション (C) TENDA CO., LTD. 18  調査結果  ナカトくんの意見 • 自分が食べられる量を知ることが重要 • 好き嫌いをなくす努力 • 給食の大切さを話し合う機会を設ける • リサイクルや食べやすい環境づくりを提案  アオイちゃんの意見 • 給食の量が多すぎる • 「食べなきゃ」というプレッシャーが負担 • 苦手な食材があり、克服したい気持ちもある  食品ロスの原因 • 好き嫌いによる食べ残し • 食べる時間が短すぎる • 給食の量が多すぎる  あるべき姿 • 給食でのフードロスをなくす • 生徒が適切な栄養素をしっかり摂れる環境を作る

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Bグループの調査と提案アプリケーション (C) TENDA CO., LTD. 19  提案するアプリケーション:  作って学ぼう学校給食  内容:  コンセプト • 給食の調理工程をゲームとして体験し、フードロスへの意識を高める  ゲームの流れ • 食材の収穫・仕入れ • 食材の下処理(無駄を減らす) • 調理(煮る・焼く・炒める) • 配膳と食事(適量を考える)  期待される効果 • 給食の価値を理解し、食べ残し を減らす • 好き嫌いを克服しやすくなる • ゲームを通じて楽しく学べる • 給食配膳の適量化が可能に

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Cグループの調査と提案アプリケーション (C) TENDA CO., LTD. 20  調査結果  ナカトくんのヒアリング結果 • 全国小学生の年間給食残飯量は約7kg → 環境に悪影響 • 「適量を配膳する」「苦手なメニューに配慮する」ことが重要 • クラスで協力し、「残さない環境」を作る意識を持つ • 食べ残しが多い献立:野菜の和え物、魚の煮付け、豆料理  アオイちゃんのヒアリング結果 • 残す原因:「量が多い」「苦手な食材」「食べるペースが遅い」 • 配膳時に量を調節できないことがプレッシャーになる • クラスで「おかわりルール」を変更 → 負担軽減 • 食べる時間が短く、プレッシャーがある

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Cグループの調査と提案アプリケーション (C) TENDA CO., LTD. 21  提案するアプリケーション:  給食の量を調整するためのアンケートアプリ  内容:  アンケート機能 • 一週間分の献立を確認し「大・中・小」を選択 • 給食センターがデータをもとに配膳量を調整  食べ残しデータの可視化 • 残りやすいメニューをデータ化 • 配膳時の量調整 ⁃ 事前アンケートに基づいて申告した量で配膳する ⁃ 配膳しやすいよう食器に「大・中・小」の目盛りを入れることを提案  期待される効果  生徒それぞれが食べ切れる配膳を実現し、給食の 無駄(フードロス)を削減  生徒の負担を減らし、楽しく食事できる環境を提供

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Dグループの調査と提案アプリケーション (C) TENDA CO., LTD. 22  調査結果  ナカトくんからヒアリングした内容 • 給食の現状とフードロスの影響 ⁃ 小中学生が1年間に 約7kg の給食を残している ⁃ フードロスは 年間570万トン にもなる ⁃ 農家や給食センターの 努力が無駄 になってしまう • 改善アイデア ⁃ 自分に合った量を選べる制度(「少なめ」「多め」 を選択) ⁃ アンケートで苦手メニューを給食センターにフィー ドバック ⁃ ポイント制で楽しく食べる習慣を作る ⁃ 食育を強化し、給食の大切さを学ぶ • 東京都足立区の成功例 ⁃ 事前に食べる量を決めることで 食べ残しを7割削減  アオイちゃんからヒアリングした内容 • 食べ残す理由 ⁃ 主食(ご飯・パン)や煮魚・豆料理が苦手 ⁃ 量が多すぎる ⁃ 食べる時間が短く、プレッシャーを感じる • 改善アイデア ⁃ 給食の量を選べるシステム ⁃ 苦手なメニューを交換できる仕組み ⁃ 食べる時間を少し延ばす工夫  先生(板橋)からヒアリングした内容 • 給食時間の延長は難しい • 好き嫌いのアンケートを栄養士と共有する取り組み • 時間をかけて食べられない子へのサポートの必要性  インターネット等から収集した内容 • 給食の食品ロスは、好き嫌い・量の多さ・食事時間の 短さが主な原因 • 食育を強化する(食べ物の大切さを学ぶ)工夫が必要

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Dグループの調査と提案アプリケーション (C) TENDA CO., LTD. 23  提案するアプリケーション:  給食食べたねアプリ  内容:  給食完食で2ポイント、苦手なもの克服で1ポイント  貯めたポイントを景品と交換できる  モチベーション向上を促し、楽しく食べる環境を作 る  ゲーム感覚で食事の意識を高め、食品ロス削減を目 指す  期待される効果  インセンティブ(ポイント制) によって、生徒が 自発的に完食を目指すようになる  少しずつ苦手なものを克服する機会を増やす こと で、栄養バランスが整いやすくなる  ポイントが貯まる 「ゲーム感覚」 により、食事が 楽しいものになる  「どの食材・メニューが残りやすいか」 のデータ を収集し、改善につなげることができる

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Eグループの調査と提案アプリケーション (C) TENDA CO., LTD. 24  調査結果:食べ残しの主な原因と具体的な課題  量が多すぎる(アオイちゃんのヒアリング) • 「ご飯やパンの量が多すぎる」と感じており、事前に適量を選べる仕組みがないことが課題と考えている  好き嫌いによる食べ残し(ナカトくん・アオイちゃんのヒアリング) • ナカトくんによると、特に「煮魚」「豆類を使ったおかず」「野菜の煮物」などが残される傾向にある • アオイちゃんも「豆類の入ったおかずや煮魚が苦手」と回答し、食べるのが難しいと感じている  食べる時間が不足している(アオイちゃんのヒアリング) • 「できればあと10分欲しい」と考えているが、学校の時間割の関係で難しいとされている  強制的な環境がプレッシャーになる(アオイちゃんのヒアリング) • 「周囲の目が気になり、食べるのが遅いことでプレッシャーを感じる」と述べている  食品ロスの意識不足(ナカトくんのヒアリング、インターネット調査) • 生徒の多くは、給食の食べ残しがどれほどの食品ロスにつながっているかを実感していない • 群馬県高崎市の学校給食センターでは、食育授業や地域の生産者との連携を通じて、食品ロス削減に成功している

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Eグループの調査と提案アプリケーション (C) TENDA CO., LTD. 25  提案するアプリケーション:  給食の食べ残し管理アプリ  内容  食べ残しをAIで記録 • AIが画像を解析して記録  生徒ごとに食べられた量をグラフ化  データは給食センターと連携 • メニュー改良の参考に活用  期待される効果  AIが食べた量を解析することで 登録の負担を下げる  生徒自身が食べられた量を把握する ことで食べ残しの意識を改善  給食センターはデータに基づいた メニュー改善ができる

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まとめ (C) TENDA CO., LTD. 26

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まとめ (C) TENDA CO., LTD. 27 経緯 ChatGPTの「何かになりきって答える」という能力に着目 もしChatGPTが特定の誰かになりきって話すことができたら → その人が持つ独自の勘、経験則、直感、ひらめきのようななものを模倣できないか? → もし実用可能であれば、業務支援、OJT、EC など色々な応用が考えられる 目的:「何かになりきって答える」能力がどの程度かを実験で試す ChatGPT に架空の中学生を演じてもらう 宮城大学の講義で「小学校の給食のフードロス問題を解決する」という課題にグループで取り組んでもら い、架空の小学生にヒアリングしてもらう → 課題解決の結果にどれだけの影響を与えるかを評価する

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総合評価: ChatGPTが演じた2人の中学生は適切な役割を果たしたか? (C) TENDA CO., LTD. 28  受講者に対して、子どもの目線での好き嫌いや食事ペース、給食に対する心理的ハードルを説明している • 「苦手な食材への戸惑い」「クラスメイトとのやり取り」「配膳の手間や時間不足といった学校給食特有の問題」 など、中学生としてリアルなエピソードが会話に盛り込まれていた  事前に与えた足立区の取り組みを成功事例として説明している  アプリケーションの提案の相談など、ときに中学生以上に力を発揮することがある • ChatGPTが持つ本来の力を発揮しようとしてしまう  口調やテンション、興味のあり方は年齢相応で、苦手なものや食事のペースをめぐる悩みも“本物の中学 生に近い”レベルで会話している  総評  ナカトくん・アオイちゃんはいずれも「実在の中学生」として遜色ない言動・設定を持ち、給食問題 をめぐる“ヒアリング対象”としてリアルに感じさせるだけの役割は十分果たしている  設定のない会話でも遜色ない応答ができるものの、大人顔負けのスキルを発揮することがある