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いかにして不足・不整合 なくデータ移行したか 発表者: momochi29 1

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自己紹介 id:momochi29 ● データ移行の検証など ● マンガメディア開発の チーム歴は5年程度 ● 「ワールドトリガー」 が好き 2

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ゴール ユーザから見て移管前後でデータが変わって いない 3

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そのためには? 本番移行までに 移行時の直すべきエラー・原因不明のエラー をすべて洗い出し、解消する 4

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全体像 5

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サイクルの全体像 移行 検証 エラー 修正 完了! エラーがない エラーがある 6

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サイクルの全体像 移行 検証 エラー 修正 完了! エラーがない エラーがある 7

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サイクルの全体像 移行 検証 エラー 修正 完了! エラーがない エラーがある ここを話します 8

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検証 9

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検証が必要な背景 期間1 エラーなし 期間2 エラーなし ・・・ データ移行(分割移行) 10

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検証が必要な背景 期間1 エラーなし 期間2 エラーなし ・・・ 期間ごとにエラーがないので おそらく不整合はないだろう データ移行(分割移行) 11

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検証が必要な背景 期間1 エラーなし 期間2 エラーなし ・・・ 期間ごとにエラーがないので おそらく不整合はないだろう データ移行(分割移行) ユーザ単位ですべてのデータに不整合 がないことは保証できていない 12

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検証が必要な背景 期間1 エラーなし 期間2 エラーなし ・・・ 期間ごとにエラーがないので おそらく不整合はないだろう データ移行(分割移行) そもそも… 移行処理にバグがあってデグレしてい るかもしれない 13

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検証が必要な背景 1. ユーザ単位ですべてのデータに不整合がない ことを保証できていない 2. 移行処理にバグがあってデグレしているかも しれない 14

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何を検証するのか 1. ユーザに対する検証 2. 移行自体に対する検証 15

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ユーザに対する検証 ● ユーザが持っているデータが移行前後で変化 していないことをユーザごとに検証する 16

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ユーザに対する検証 ● ズレるとユーザに不利益がある箇所を重点的 に検証する ○ 例) レンタル期限が一致するか ■ ズレるとレンタルしていたはずの話が読めなくなったり… 17

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移行自体に対する検証 ● 移行が仕様通りに実装されているかを検証す る 18

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仕様通りに実装されているかの検証 移行元テーブル 移行先テーブル 移行先テーブル ︙ 変換ルールに則って移行 19

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移行元テーブル 移行先テーブル 移行先テーブル ︙ 変換ルールに則って移行 単体テストによって ルールに従っている か検証している 仕様通りに実装されているかの検証 20

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移行元テーブル 移行先テーブル 移行先テーブル ︙ 変換ルールに則って移行 単体テストによって ルールに従っている か検証している 仕様通りに実装されているかの検証 これで充分? 21

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仕様通りに実装されているかの検証 ● No ● 移行処理に実装漏れがあると、テストが存在 しないので仕様に従っているか確認されない ○ 移行先観点でのテストになるので漏れやすい 22

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仕様通りに実装されているかの検証 移行元テーブル 移行先テーブル 変換ルールに則って移行 移行先テーブルから 移行元テーブルを再現できる か検証する 23

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テーブルの再現による検証 ● 移行先のテーブルからデータを集めて変換 ルールを適用して移行元のテーブルを作る ● これによって移行元との差分がわかり、移行 漏れを無くせる 24

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検証失敗時には? ● エラーを記録する ● 分類しやすいようにフォーマットを統一 25

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直す価値のあるエラーを得る ● 直す価値のあるエラーとは、直さないと本番 環境でも発生するエラー ● 移行元の本番環境のスナップショットを使っ て、移行→検証することで価値のあるエラー を得る 26

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検証を動かす ● データ移行を動かしているStep Functions + AWS Batchに検証ジョブを追加した ○ 数百の検証ジョブを並行で動かすことで十分高速に検 証できた ● ただ、リソース上の問題があったのでチュー ニングした 27

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検証のチューニング ● 移行に利用しているDBのCPU使用率が張り付 いている ○ → 検証は読み込み専用DBを使う ● 検証のタスクがOOM ○ → メモリ使用量の上限を引き上げ ○ → あえてN+1にする 28

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エラー修正 29

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エラー修正 ● エラー数を0にするのがゴール ● 多種多様なエラーをうまくハンドリングする には? 30

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エラーフォーマットの統一 ● ジョブの種類 ● エラーメッセージ ● エラーコード ○ レコードが存在しない、一致しないの2種類 ● デバッグのために必要な情報 ○ エラーになった場所、レコードのID 31

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CloudWatch Logs Insights ● ジョブの種類、エラーごとに first_seen, last_seen, エラー総数を出す 32

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CloudWatch ダッシュボード ● Logs Insightsで作ったクエリの実行結果を集 約できる ● ここだけ見ればオッケーにできる ○ 移行・検証のエラーに対するクエリ結果と、その他に 必要な情報をウィジェットとして追加した 33

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CloudWatch ダッシュボード 34

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ゴールが数値で見える嬉しさ ● 移行作業は長いトンネルを歩く感覚がある ● エラー数が減るとゴールに近付いていること を実感できてよかった 35

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修正サイクルを回す エラー 修正 移行 ダッシュ ボード 確認 エラーがある 完了! エラーがない 36

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修正サイクルを回す エラー 修正 移行 ダッシュ ボード 確認 新規のエラー: first_seenから判断 既存のエラーが直っていない: last_seenから判断 完了! エラーがない 37

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あとはエラーがなくなる までひたすらやる 38

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結果 ● 本番環境での移行で未知のエラーに遭遇せず に移行を完了することができた ○ 本番同等のデータを使ってエラーが無くなるまでサイ クルを回した賜物 ● データ移行に起因する大きな問題はなかった 39

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まとめ ● ユーザに対する検証と移行自体に対する検証 の2面からの検証によって、不足・不整合なく 移行できた ● 移行元の本番環境のデータを使って修正サイ クルを回すことで未知のエラーに遭遇するこ となく移行できた 40