Slide 1

Slide 1 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン オープンソースGIS QGISの使い⽅・基礎編 (⼀社)OSGeo⽇本⽀部 岩崎亘典 1

Slide 2

Slide 2 text

本講義の⽬標 • GISの基本的な使い⽅を覚えてもらう – GISこわくないよー、ということ • 具体的内容 – GISやQGISの基礎的な概念 – 表⽰、シンボルの変更といった操作⽅法 – プラグインの使い⽅ • 分からないことや操作が不明なときは、遠 慮せずに質問してください • それが⼀番スムーズに進みます 2 はじめに

Slide 3

Slide 3 text

事前準備 • 以下のURLから資料をダウンロードしてください – https://www.dropbox.com/s/kqyg7okr6l0qz2 m/QGIS_Training.zip?dl=0 • ダウンロードした「QGIS_Training.zip」解凍。 – 解凍したファイルを「QGIS_Training」という フォルダにコピー。 • Windowsの場合,可能であればC:¥やD:¥の直下に QGIS_Trainingを置くのが理想 • Mac等の場合,Homeフォルダの中 – フォルダ名や、ファイルパスに、⽇本語や空⽩が ⼊らないようにしてください • エラーの原因になります。 3 はじめに

Slide 4

Slide 4 text

⾃⼰紹介 • 略歴 – 東京都⽴⼤地理科(学部) – 東京⼯業⼤学(修⼠・博⼠) – 農業環境技術研究所 – 農研機構農業環境研究部⾨ • 研究テーマ – 農村地域における歴史的⼟地利⽤ 変化の解明 • 歴史的農業環境閲覧システムの開 発 – オープンソース・オープンデータ を利⽤した地理空間情報の利活⽤ ⼿法の検討 • ⽂科省宇宙利⽤プロ等 • OSGeoとの関わり – 2007年にFOSS4Gに参加 – 2008年にOSGeo⽇本⽀部に参加 – 2018年より代表理事 4 はじめに

Slide 5

Slide 5 text

本⽇の内容 • GISとは – OSGeo,FOSS4G,QGISについて • GISの基礎知識 – 作業⼿順、座標系など • QGISの基本的操作⽅法 データの表⽰とGUIの使い⽅ – ラスタの表⽰ – ベクタの表⽰ – ちょっと⾏ったり来たりします • プラグインの利⽤法 • 画⾯装飾とエクスポート • 地図・衛星画像の著作権とオープンデータの話 – かなり盛りだくさんになったので,後半は省略となるか もしれません 5 はじめに

Slide 6

Slide 6 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン GISとは︖ OSGeo,FOSS4G,QGISについて

Slide 7

Slide 7 text

GISとは • 地理情報システム (Geographic Information System) の頭⽂字をとったもの – ⼊出⼒デバイスを含めた「システム」であった • 現在は「地理空間情報」を扱うソフトウェア – 学問分野でありツールでもある。 7 GISとは 古い時代の GIS http://www.soil-net.com/dev/page.cfm?pageid=casestudies_gis&loginas=anon_casestudies

Slide 8

Slide 8 text

GISの機能を短く説明 • 空間情報を可視化、重ね合わせることで、因 果等を検討するツール – 地図を使ったデータサイエンス • for ex. John Snowのゴースト地図、シャル ル・ミナールによるナポレオンのロシア遠征 8 GISとは

Slide 9

Slide 9 text

空間情報を可視化する機能 • 2000年代に⼊る前 – 空間情報は「地図」しかなかった – 限られた技術者が測量等により地 図を作成 – 紙地図をデジタル化して利⽤ • 近年の状況 – 空間情報はだれでも得られる – GNSS、Web地図サービス、ド ローン、etc… – それをGISを使って可視化する • 「地図」と「地理空間情報」の違い – 地理空間情報 → デジタル化され た位置情報 – 地図 → 地理空間情報から作られ たもの – GIS → 地理空間情報や地図を処理 するためのシステム 9 GISとは 空間情報 可視化

Slide 10

Slide 10 text

GISの機能 • 地理空間情報の作成・編集、表⽰、分析、 公開 10 GISとは

Slide 11

Slide 11 text

GISの機能 • データの編集、位置合わせ – 地図のデジタル化 – 位置情報の付与 11 GISとは 古い地形図から⼟地 利⽤を復元 位置のずれてい る画像を補正

Slide 12

Slide 12 text

GISの機能 • データの表⽰ – 形式の違うデータの重ね合わせ – 属性に基づく凡例の変更 12 GISとは 地形 河川 地形+河川+道路 統計値に基づく表⽰ (⼈⼝) 分類に基づく表⽰ (⼟壌分類)

Slide 13

Slide 13 text

GISの機能 • 幾何的操作・分析 – ディゾルブ→境界線の消去 – バッファー→新しい図形の ⽣成 – バッファーはさらに地図間 演算に⽤いられることが多 い 13 GISの機能 ディゾルブ (細かい分類から⼤きな分類への統合) バッファー (対象にする地物から⼀定の幅を持つ図形を発⽣) ⼟地利⽤

Slide 14

Slide 14 text

研究や業務でのGIS利⽤の問題点 • GISをつかってみたい。でも・・・ ソフトが⾼い 操作が難しい • 以上の⼆点が⼤きなハードル → そこで の出番︕ 14 GISとは

Slide 15

Slide 15 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン FOSS4G OSGeo QGISについて GISの基礎知識 作業⼿順、座標系など GISとは︖

Slide 16

Slide 16 text

FOSS4Gについて • Free and Open Source Software for Geospatialと呼ばれるソフトウェア、略し てFOSS4G – 「⾃由」に利⽤できるGISソフトウェアのこ と • ⾃由に⼊⼿・改良・再配布ができます。 • コピーして渡してもいい • 機能が⾜りない場合は改良してもよい • いわゆる「無料」のソフトではできない 16 GISとは︖

Slide 17

Slide 17 text

FOSS4Gとは︖ • OSGeo財団(後述)が主催する会議の名称 – 2022はイタリア・フィレンツェにて開催 – ⽇本のイベントも11/12に開催しました︕ • https://www.osgeo.jp/events/foss4g- 2022/foss4g-2022-japan-online GISとは

Slide 18

Slide 18 text

OSGeoとは︖ • 普及と利⽤の促進を図るべくOSGeoという 組織がある – http://www.osgeo.org • OSGeo.JPという⽇本⽀部もあります。 – http://www.osgeo.jp 18 GISとは

Slide 19

Slide 19 text

QGISについて • QGISもFOSS4Gの⼀つ(http://www.qgis.org/) 19 GISとは

Slide 20

Slide 20 text

QGISの特徴 • グラフィカルなユーザーインターフェイス (GUI) 20 GISについて

Slide 21

Slide 21 text

QGISの特徴 • マルチプラットフォーム – Windows, Mac, Linux 21 GISについて

Slide 22

Slide 22 text

QGISの特徴 • プラグインによる機能強化 • GRASSやRなど他のソフトとの連携 22 GISについて

Slide 23

Slide 23 text

QGISの特徴 • 活発な開発 23 GISについて  Ver. 0.1 'Moroz' 2004/02/24  Version 0.2 ‘Pumpkin’ 2004/04/25 Version 0.3 ‘Madison’ 2004/05/25 Version 0.4 ‘Baby’ 2004/07/01  Version 0.5 'Bandit' 2004/10/02 Version 0.6 'Simon' 2004/12/19 Version 0.7 'Seamus' 2005/09/01  Version 0.8 'Joesephine' 2006/12/29 Version 0.9 'Ganymede' 2007/10/26 Version 0.10 'Io' 2008/04/25  Version 0.11 'Metis' 2008/07/22  Ver. 1.0 'Kore' 2009/01/24  Version 1.1 'Pan' 2009/05/13 Version 1.2 'Daphnis' 2009/09/03  Version 1.3 'Mimas' 2009/09/20 Version 1.4 'Enceladus' 2010/01/11  Version 1.5 'Tethy' 2010/07/19 Version 1.6 'Capiapo' 2010/11/27  Version 1.7 'Wrocław' 2011/06/19 Version 1.8 'Lisboa' 2012/06/21  Ver. 2.0 'Dufour' 2013/09/08  Ver. 2.2 "Valmiera" 2014/02/22 Ver. 2.4 "Chugiak" 2014/06/22  Ver. 2.6 "Brighton" 2014/11/01 Ver. 2.8 "Wien" 2015/02/20  Ver. 3.0 'Girona' 2018/02/23  Ver. 3.2 “Bonn” 2014/02/22 Ver. 3.4 “Madeira" 2014/06/22  Ver. 3.6 "Noosa" 2014/11/01  Ver. 3.22 ‘Białowieża' 2019/10/22  ⻑期間サポート版  2023年2⽉には、2.28が ⻑期サポート版になります

Slide 24

Slide 24 text

QGISの特徴 24 GISについて • 現在の⻑期リリース版は3.22 • 1年に1回変わるので⼤変・・・

Slide 25

Slide 25 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン GISの基礎知識 作業⼿順、座標系など QGISの基本的操作⽅法 データの表⽰とGUIの使い⽅ FOSS4G OSGeo QGISについて

Slide 26

Slide 26 text

GISに関する基礎知識 • GISの利⽤にあたり、いくつかの基本的概 念や知識が必要 – GISのワークフロー – 地理空間情報のモデル化 – GISのデータ形式 – 測地系・座標系 • 簡単だから基礎ではなく、⼤事だから基礎。 – 概ね、わかりにくい(汗 26 GISの基礎知識

Slide 27

Slide 27 text

GISのできること • ⾃動で⼈の代わりに⾊々やってくれる • わけではありません︕ • ⼈の作業の⾃動化、効率化は可能 – 凡例変更、⾯積計算、地図の重ねあわせ – 何を⾃動化、効率化するかは⼈が決める︕ 27 GISについて GISが普及する前の植生図の作り方。まず半透明の紙に境界をトレース。 コピーしてスクリーントーンを貼る。さらにコピーして、タイトルと凡例を貼る 面積は、長方形で近似するか、プラニメータ で手動で計測 http://www.kobayasi- riken.or.jp/news/No87/8 7_3.htm https://sooki.co.jp/rental/p roduct/detail/81000/ http://k3-ki.com/?p=981

Slide 28

Slide 28 text

GISを使いこなすために • ⼆つの技能が必要 – ⽬的に合わせて⼿順を組み⽴てる – ⼿順実⾏に必要な情報やツールを使いこな す 28 GISについて A地域では、なぜ、 どんな⼟地利⽤変 化があったのか︖ ○○のために森林 や畑が減り、住宅 地が増えた。 ⼆時期の ⼟地利⽤データ データを 重ねあわせ ⼟地利⽤変化マ トリクス作成 要因の検討 データの⼊⼿、作成 座標系変換 オーバーレイ処理 データエクスポート 既往研究、⽂献等調査 現地調査による検討

Slide 29

Slide 29 text

GISの標準的なワークフロー 29 GISについて 課題の設定 データの準備 分析の前準備 データ分析 結果の可視化 考察 ⾃分で作成、収集 ⾃分で作成、収集 公開データを使⽤ 公開データを使⽤ データの確認 データの確認 座標系変換 座標系変換 形式変換 形式変換 各種分析の実施 各種分析の実施 結果の確認 結果の確認 元へ戻る 元へ戻る PCで表⽰ PCで表⽰ 紙・Webへ出⼒ 紙・Webへ出⼒ • 課題毎にワークフローを作る必要がある

Slide 30

Slide 30 text

GISの標準的なワークフロー 30 GISについて 課題の設定 データの準備 分析の前準備 データ分析 結果の可視化 考察 ⾃分で作成、収集 ⾃分で作成、収集 公開データを使⽤ 公開データを使⽤ データの確認 データの確認 座標系変換 座標系変換 形式変換 形式変換 各種分析の実施 各種分析の実施 結果の確認 結果の確認 元へ戻る 元へ戻る PCで表⽰ PCで表⽰ 紙・Webへ出⼒ 紙・Webへ出⼒ • 課題毎にワークフローを作る必要がある 今回の講義の範囲

Slide 31

Slide 31 text

ワークフローを作るには • ⼿順とツールの両⽅を⾝につける – ⽚⽅だけでは、ワークフローは作れない • 両⽅理解することが必要 31 GISについて 単純な処理 複雑な処理 複数処理の 組み合わせ アルゴリズム の開発 QGIS GDAL/OGR GRASS PostGIS WebGIS 課題A 課題B 課題C 課題E 課題D Python 手順 ツール

Slide 32

Slide 32 text

GISに関する基礎知識 • GISの利⽤にあたり、いくつかの基本的概 念や知識が必要 – GISのワークフロー – 地理空間情報のモデル化 – GISのデータ形式 – 測地系・座標系 • ですが – 説明を聞いているだけだと眠くなるので、 実習をしつつ説明します︕ 32 GISの基礎知識

Slide 33

Slide 33 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン QGISの基本的操作⽅法 データの表⽰とGUIの使い⽅ GISの基礎知識 作業⼿順、座標系など プラグインの利⽤法

Slide 34

Slide 34 text

GISとデータ • GISはデータがないと何もできない – データの作成は重要だが時間がかかる • 調査や分析が容易でないのと同じ • 共通に⽤いられる基礎的なGISデータは公 的機関により整備が進んでいる – 基盤地図情報、国⼟数値情報、⾃然環境保 全基礎調査など 34 QGISの基本的操作⽅法

Slide 35

Slide 35 text

今回使⽤するデータ • 以下のオープンデータを使⽤ – 「地球地図⽇本」 • http://www.gsi.go.jp/kankyochiri/gm_jpn. html 35 QGISの基本的操作⽅法

Slide 36

Slide 36 text

今回使⽤するデータ – Natural Earth と SRTM 36 QGISの基本的操作⽅法 • Natural Eart • hhttp://www.naturalearthdata.com/ • SRTM • http://www2.jpl.nasa.gov/srtm/ ダウンロードアドレス Natural Earth http://www.naturalearthdata.com/downloads/10m-raster-data/10m-natural-earth-1/ SRTM http://dds.cr.usgs.gov/srtm/version2_1/SRTM30/

Slide 37

Slide 37 text

QGISを起動 • QGIS Desktop 3.22.xx をダブルクリック – xxの部分はマイナバージョン 37 QGISの基本的操作⽅法

Slide 38

Slide 38 text

QGISの初期画⾯ 38 QGISの基本的操作⽅法 メニューバー ツールバー ブラウザ パネル レイヤ パネル

Slide 39

Slide 39 text

QGISの初期画⾯ 39 QGISの基本的操作⽅法 地図キャンパス ステータスバー

Slide 40

Slide 40 text

画⾯の説明 • メニューバー – 表⽰するファイルの選択や,表⽰、編集など • ツールバー – メニューをアイコン表⽰ • ブラウザパネル – 右側の地図キャンバスにデータを追加するときに使⽤ • レイヤパネル – 右側の地図キャンバスに表⽰されているデータ – 表⽰順なども • 地図キャンバス – データが表⽰される所 • ステータスバー – 縮尺や座標等の情報 40 QGISの基本的操作⽅法

Slide 41

Slide 41 text

ツールバー • よく使うメニューを表⽰ – 右クリックで表⽰するものを選択できる – 移動させて、順序も変えられる • 使わないものは消して表⽰領域を⼤きく 41 QGISの基本的操作⽅法

Slide 42

Slide 42 text

座標系に関する設定 • GISデータは位置情報を持っている – ただし、位置情報があっても測地系・座標 系に関する情報が無い場合がある • そうしたデータを開くときのルールを決める • 設定しないと地図が重ならない場合もある • メニューから「設定」→「オプション」 • 「オプション」が表⽰される – 「座標参照系(CRS)」を選択 – 「最初のレイヤのCRSを使う」、「CRSダ イアログを使う」にチェック – 「OK」をクリック 42 QGISの基本的操作⽅法

Slide 43

Slide 43 text

座標系に関する設定 43 QGISの基本的操作⽅法

Slide 44

Slide 44 text

GISに関する基礎知識 • GISの利⽤にあたり、いくつかの基本的概 念や知識が必要 – GISのワークフロー – 地理空間情報のモデル化 – GISのデータ形式 – 測地系・座標系 • 簡単だから基礎ではなく、⼤事だから基礎。 – 概ね、わかりにくい(汗 44 GISの基礎知識

Slide 45

Slide 45 text

GISのデータ形式 • 代表的なデータ形式 – ラスタ形式 – ベクタ形式 • この⼆つはデータの“表現⽅法”が違う • その他にも⾊々ある – 3次元データ • XYに加え、Zデータもある。 • 建物、3次元点群etc… – Webデータ • データの“供給⽅法”が違う 45 GISの基礎知識

Slide 46

Slide 46 text

データの“表現法” • データをモデル化する際の“単位”の違い • ラスタ形式は“セル”を使い表現 – セルとは四⾓い格⼦。いわゆる画像 • for ex. デジカメ写真など • ベクタ形式は“座標”を使い表現 – “点”や“線”、それらで囲まれた“⾯(ポリゴ ン)”を単位としてモデル化 • 形を変えることができる • for ex. PowerPointのオブジェクトなど 46 GISの基礎知識

Slide 47

Slide 47 text

ベクタとラスタの違い 47 GISの基礎知識 ベクタ形式では,始点と終点,それ をつなぐ線として記述される ラスタ形式では,データの有無とし て記録される 「橋」を表す場合

Slide 48

Slide 48 text

ベクタとラスタの違い 48 GISの基礎知識 ベクタ形式では点と線でかこまれ た“ポリゴン”として表現される ラスタ形式ではセルに記録された 値により表現される 2 2 2 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 「⽔⽥」を表す場合

Slide 49

Slide 49 text

ベクタとラスタの違い • 属性の表し⽅が異なる 49 GISの基礎知識 ベクタ形式では別に表が⽤意され、 そこに属性が記録される ラスタ形式では記録されている値⾃ 体が属性になる 2 1 2 2 2 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1は⽔⽥,2は森林 ID 属性 1 水田 2 森林

Slide 50

Slide 50 text

ベクタとラスタの違い • それに伴う特徴 50 GISの基礎知識 2 1 2 2 2 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 ベクタ形式では⼀つの点や線、ポリ ゴンに複数の属性を持てる ラスタ形式では⼀つのセルに⼀つの 属性しか持てない 1は⽔⽥、2は森林 ID 属性1 属性2 1 水田 14a 2 森林 22a

Slide 51

Slide 51 text

ベクタとラスタの違い • どちらのデータ形式を選ぶべき︖ – 複数の属性をもてるベクタ形式の⽅が良い︖ • そう単純ではない – データのサイズ、作成⽅法など – ⽤途と⽬的により使い分ける事が必要 • DEM(標⾼データ)、衛星画像などはラスタ形式 がメジャー • 調査地点情報、道路、河川などはベクタ形式がメ ジャー • ⾏政界、植⽣図、⼟壌図、⼟地利⽤図などはベクタ 形式がメジャーだがラスタも使われる 51 GISの基礎知識

Slide 52

Slide 52 text

ラスタデータの表⽰ • データを表⽰の基本 – 「レイヤの追加」を使う • 「ファイルを開く」ではない – レイヤ→レイヤの追加→ラスタレイヤの追加・・・を クリック • データソースマネージャのアイコンからでもOK – ショートカットキーは「Ctr+Shift+R」 52 QGISの基本的操作⽅法 ここからでも 追加可能

Slide 53

Slide 53 text

ラスタデータの表⽰ • データソースマネージャが開く。 – 「…」をクリック – 「QGIS_Training¥01_Raster」の 「el_jpn_wgs84.tif」を選択して「開く」 • 地球地図⽇本の標⾼データ 53 QGISの基本的操作⽅法

Slide 54

Slide 54 text

ラスタデータの表⽰ • データの表⽰ – データソースマネージャにもどる • 「追加」、「閉じる」の順でクリック • 前の「開く」はデータを選択するだけ 54 QGISの基本的操作⽅法

Slide 55

Slide 55 text

ラスタデータの表⽰ • ⽇本の標⾼データが表⽰される 55 QGISの基本的操作⽅法

Slide 56

Slide 56 text

ラスタデータの表⽰ • 地図の表⽰と拡⼤・縮⼩・移動 – 「レイヤパネル」のチェックマーク • 表⽰のON/OFFを変えられる – メニューバーの⾍眼鏡マークや⼿のアイコン • 地図の拡⼤・縮⼩、表⽰範囲の移動 – 表⽰されているデータを「レイヤ」と呼ぶ 56 QGISの基本的操作⽅法

Slide 57

Slide 57 text

ラスタデータの表⽰ • 表⽰の細かい説明 – 左から順番に • 表⽰されている地図の移動 • 選択したデータを中⼼に表⽰ • クリック(またはドラック)した場所を拡⼤ • クリック(またはドラック)した場所を縮⼩ • 全体を表⽰ • 選択したデータにズーム • 選択したレイヤにズーム • ラスタデータの場合、最適倍率で表⽰ • 前の表⽰領域に戻る • 先の表⽰領域に進む 57 QGISの基本的操作⽅法

Slide 58

Slide 58 text

プロジェクト、ファイル、レイヤの違い • それぞれ別の⽤語 – 「ラスタレイヤ」を追加 • 選択したのは「ファイル」 – 多くのGISソフトでは表⽰された「ファイ ル」を「レイヤ」と呼んで管理する • 表⽰されているだけ – 表⽰されているレイヤは「プロジェクト」 として保存する • 表⽰されているレイヤやその範囲や、凡例、倍 率等々 • 元の「ファイル」は編集されない 58 QGISの基本的操作⽅法

Slide 59

Slide 59 text

レイヤ表⽰の調整 • レイヤパネルの対象レイヤを右クリック – ⼀番上がレイヤ全体を表⽰ – 五番⽬が最適倍率に表⽰ • ⼀番きれいに⾒える倍率ということ – 「削除」はレイヤパネルから削除 • 表⽰しないということ。ファイルの削除ではない 59 QGISの基本的操作⽅法

Slide 60

Slide 60 text

レイヤのプロパティ • レイヤを右クリック →「プロパティ」を選択 – レイヤの表⽰⽅法の変更や情報の確認に使⽤ • よくつかいます︕ 60 QGISの基本的操作⽅法

Slide 61

Slide 61 text

GISデータの「シンボル」 • ラスタ形式 – データの値が”⾊”情報である場合もある • ソフトで表現を変えることも可能 • ベクタ形式 – 多くは構造、つまり”形”についての情報だ け • ”⾊”に関する情報は持っていない – ソフトで表現を指定する • 形の決まった「グラフ」の様なもの • GISでは”形”の編集と”表現”の編集がある – ”値”の編集もある 61 QGISの基本的操作⽅法

Slide 62

Slide 62 text

シンボロジ • 表⽰の設定 – ラスタの場合 • マルチバンドカラー • カテゴリ値パレット • 単バンドグレー • 単バンド疑似カラー • 陰影図 • 等⾼線 62 QGISの基本的操作⽅法 ↓ レンダリングタイプを変更可

Slide 63

Slide 63 text

ラスタデータの表⽰︓シンボロジ • カテゴリ値パレット – ラスタデータの値毎に⾊を設定する⽅法 • 標⾼データはこの⽅法 – 「el_jpn_wgs84.qml」にシンボル情報が保存 63 QGISの基本的操作⽅法

Slide 64

Slide 64 text

ラスタデータの表⽰ • GTOPO30を追加 – 「ラスタレイヤの追加」から 「SRTM_GTOPO30_250m.tif」を選択 – 「データソースマネージャ」で追加をクリック • SRTMで取得された標⾼データ 64 QGISの基本的操作⽅法

Slide 65

Slide 65 text

ラスタデータの表⽰ • GTOPO30のシンボロジ︓単バンドグレー – 「プロパティ」からシンボル体系を確認 – レンダリングタイプが「単バンドグレー」 • 値の情報だけで⾊の情報を持っていない • DEM、単バンドの衛星データなどはこれが多い 65 QGISの基本的操作⽅法

Slide 66

Slide 66 text

ラスタデータの表⽰ • 透過性の選択 – レイヤ全体の透過性を設定できる • レイヤプロパティの透明度 – 下のレイヤも⾒ることができる 66 QGISの基本的操作⽅法

Slide 67

Slide 67 text

ラスタデータの表⽰ • 属性の表⽰ – ⽮印に「i」がついたアイコンをクリック • マップキャンバスにポインタを移動 • ⽮印に「i」がついた状態。地図をクリック – クリックされた場所の情報が表⽰される • 地点の緯度経度情報とデータの値 67 QGISの基本的操作⽅法

Slide 68

Slide 68 text

属性の表⽰ • モードによって表⽰対象が異なる – 現在のレイヤ︓レイヤパネルで選択中のレイヤ – トップダウン 最初の結果のみ︓1番上レイヤ – トップダウン︓すべてのレイヤ – レイヤ選択︓どのデータを表⽰するか選択 • 富⼠⼭⼭頂の表⽰例 68 QGISの基本的操作⽅法 現在のレイヤ トップダウン

Slide 69

Slide 69 text

地球地図とSRTMの標⾼の⽐較 • よく⾒ると – 地球地図︓152 – SRTM︓3715 • 誤差とは思えない値の違い • これが実空間のモデル化の 違い 69 QGISの基本的操作⽅法

Slide 70

Slide 70 text

GISに関する基礎知識 • 基礎的概念や知識が必要 – GISのワークフロー – 実空間のモデル化 – GISのデータ形式 – 測地系・座標系 • 簡単だから基礎ではなく、⼤事だから基礎。 – 概ね、わかりにくい(汗 70 GISの基礎知識

Slide 71

Slide 71 text

実空間のモデル化 • 実空間は様々な事象の集合体である – 現実に存在するもの (道路、建物、etc...) – 現実に存在しないもの (⾏政界、⼟地利⽤・ 所有、etc...) • 実空間を地理空間情報にするには – 地理空間情報にする対象を決定する – 対象をデジタル化する⽅法を決定する • これを「実空間のモデル化」という – モデル化、抽象化した情報しか扱えない 71 QGISの基本的操作⽅法

Slide 72

Slide 72 text

実空間のモデル化 • 実空間のモデル化の⼿順 • 地理空間情報にする対象を 決定する – エポカルつくば • 対象をデジタル化する⽅法 を決定する – 「点」として表現するか – 「建物」を⾯として表現 するか – 「敷地」を⾯として表現 するか • モデル化の⽅法により、同 じ対象でもデータは異なる 72 QGISの基本的操作⽅法

Slide 73

Slide 73 text

実空間のモデル化 • The National Map︓ USGSのGISデータ – 以下の7つの要素からなる • オルソ画像、標⾼、交通網、 地名、⽔⽂、境界、構造物、 ⼟地被覆 – 実空間の7つの要素をモデ ル化 • このデータを作るためには、 どのような⼿順が必要︖ 73 QGISの基本的操作⽅法 http://cegis.usgs.gov/images/national_map_layers.jpg

Slide 74

Slide 74 text

実空間のモデル化 74 GISの基礎知識 実際の作業 現実空間 モデル化対象の選択 モデル化の⽅法を決定 オルソ画像 標⾼ 交通網 ⽔⽂ 構造物 地名 境界 ⼟地被覆 データ形状 (点・⾯・線) 基準 (精度、分類などなど) データ形式 (ラスタ、ベクタなど) GISデータ デジタルな空間情報 現実の存在 概念的存在 現実かつ概念的存在 測量 調査 既存資料の デジタル化

Slide 75

Slide 75 text

実空間のモデル化 • 地球地図とGTOPO30の場合 – 対象は標⾼で同じ – モデル化の基準が異なる • GTOPO30は実際の標⾼値 – DEM(Digital Elevation Model)ともいう • 地球地図標⾼は、実際の標⾼を256分割 – そのため、富⼠⼭⼭頂が150 • データの⼊⼿は容易になった – ただし、そのデータのモデル化⽅法が、⾃ 分の利⽤⽤途に適合しているのか、要注意 • 標⾼が必⽤なら、地球地図は使えない 75 GISの基礎知識

Slide 76

Slide 76 text

ラスタデータの表⽰ • Natural Earthを追加 – 「ラスタレイヤの追加」から 「NaturalEarth.tif」を選択 – 「プロパティ」からスタイルを確認 76 QGISの基本操作

Slide 77

Slide 77 text

ラスタデータの表⽰ • マルチバンドカラー – レンダリングタイプが「マルチバンドカラー」 • RGBの3バンド、デジカメ等の画像と同じ – 値を⾊情報(強度)として使⽤ – スキャンした地図、マルチバンドの衛星画像等に多い 77 QGISの基本操作

Slide 78

Slide 78 text

ラスタデータの表⽰ • レイヤパネルで表⽰順序を変えられる – 新規追加レイヤは”選択レイヤ”の上位に表 ⽰される • 「データが表⽰されない」場合、下に隠れてい ることも多い 78 QGISの基本操作 ドラッグ&ドロップ

Slide 79

Slide 79 text

投影法の変更 • 「地図キャンバス 」表⽰の投影法を変更 – ステータスバー右の「EPSG:4326」をクリック • 「プロジェクトの座標参照系(CRS)」が表⽰される • 「CRSなし(または未知/⾮地球)」をチェック、 「OK」をクリック 79 QGISの基本操作

Slide 80

Slide 80 text

投影法の変更 • SRTMが消える – 「全域表⽰」アイコンをクリック 80 QGISの基本操作

Slide 81

Slide 81 text

測地系・座標系について • SRTMだけ表⽰される • でもよくみると・・・ – 中央下にドットがあるのでズーム 81 GISの基礎知識

Slide 82

Slide 82 text

測地系・座標系について 82 GISの基礎知識 これが座標系の違い︕︕︕

Slide 83

Slide 83 text

GISに関する基礎知識 • 基礎的概念や知識が必要 – GISのワークフロー – 実空間のモデル化 – GISのデータ形式 – 測地系・座標系 • 簡単だから基礎ではなく、⼤事だから基礎。 – 概ね、わかりにくい(汗 83 GISの基礎知識

Slide 84

Slide 84 text

測地系と座標系 • 測地系 – 地球上の特定の位置を表現する際の基準のセット • 「ものさし」の定義 – 形や材質,等々 • 観測や実験条件の定義 – 準拠楕円体、測地座標系、ジオイド⾯ • 「世界測地系」平成14年以降、JGD2000 • 東⽇本⼤震災後は、JGD2011 • 「⽇本測地系」平成13年以前、Tokyo • 座標系(測地座標系) – 位置を⽰すための⽅法と数値の組み合わせ • 原点,単位,投影の⽅法、「ものさしの単位」の定義 – 地理座標系(緯度経度) • ⼤域的座標系だが、計量との連動がいまひとつ – 投影座標系(UTM座標系、平⾯直⾓座標系) • 計量が容易だが、局所座標系のため周辺でゆがむ 84 GISの基礎知識

Slide 85

Slide 85 text

投影法と歪み • 地球は球、地図は平⾯。 – 完全には図化できない • 球を平⾯に表現するのが「投影」 – ⾯積、距離、⾓度の全てを同時にが正しく 保持できない – あちらを⽴てればこちらが⽴たず • どうしても歪む – ⽬的に応じ、投影法を選択する必⽤あり 85 GISの基礎知識

Slide 86

Slide 86 text

投影法と歪み • メルカトル図法の事例 – 左図の様に⾼緯度と低緯度で⼤きく異なる – UTM図法だと⾼緯度でも正確に投影だが、 端の⽅で形が歪む 86 GISの基礎知識 ⽇本地図センター地図のQ&Aより

Slide 87

Slide 87 text

投影法とゆがみ • ようするにこういうこと 87 GISの基礎知識

Slide 88

Slide 88 text

投影法の使い分け • 地理座標系(緯度経度) – →主に表⽰に使う場合 • 単位が「度」なので距離・⾯積の評価には不向 き – ⽇本全国等の広範囲の表⽰には適する • 投影座標系(UTM座標系) – →⾯積の測定やデータの解析を⾏う場合 • 単位が「m」なので⾯積や距離等の測定に適す る – 広範囲の表⽰には不向き 88 GISの基礎知識

Slide 89

Slide 89 text

公開データでの投影法 • 公表されているデータ – 測地系は世界測地系 – 座標系は緯度経度 – 市町村だと平⾯直⾓ 座標系の場合も • データを作る場合 – 測地系は世界測地系 – 1/25,000程度なら UTM座標系, 1/5,000程度なら平 ⾯直⾓座標系 89 GISの基礎知識 ⽇本地図センター地図のQ&Aより http://www.jmc.or.jp/faq/map 2.html

Slide 90

Slide 90 text

先ほどの位置のズレ • 地球地図とNatural Earth – 地理座標系(緯度、経度)。原点は東アフリカ。値 は経度は最⼤180度、緯度は90度。 – エポカルつくばは東経140.117199、北緯 36.075898。 • SRTM_30 – JGD2011, UTM54。⾚道上が原点。単位はm。 – エポカルつくば、X 420,640m、Y 3,992,738m • 緯度経度をメートルと考えると • 数10〜100m単位のものと、数10〜100km単位のもの を⽐べようとしていた – GISでハマる部分の半分は座標系の違うデータを扱 い、重ならないミス︕︕︕ • 何はともあれ、座標系を確認しよう︕ 90 GISの基礎知識

Slide 91

Slide 91 text

EPSGコード • EPSGコードとは︖ – GIS上で測地系と座標系を指定するための数字を EPSGコードという • 測地系と座標系を組み合わせでユニークな数値が与えら れる – 国内で作成されるデータでは以下が多い • 世界測地系 経緯度(JGD2000)︓4612 • 世界測地系 UTM座標系(JGD2000) – 51帯:3097, 52帯:3098, 53帯︓3099 – 54帯:3100, 55帯:3101 • 世界測地系 経緯度(JGD2011)︓6668 • 世界測地系 UTM座標系(JGD2011) – 51帯:6688, 52帯:6689, 53帯︓6690 – 54帯:6691, 55帯:6692 • WGS84測地系 経緯度 4326 – GPS等,世界測地系経緯度とほぼ同じ 91 GISの基礎知識

Slide 92

Slide 92 text

EPSGコード • EPSGコード早⾒表 92 GISの基礎知識 よく使うEPSGのリスト(多いです) https://tmizu23.hatenablog.com/entry/20091215/1260868350 https://homata.gitbook.io/geodjango/hajimeteno/coordinate https://visualizing.jp/epsg-code/

Slide 93

Slide 93 text

レイヤの削除 • 表⽰されているレイヤを削除 – 各レイヤの上で右クリック、「削除」を選択すると 表⽰しているレイヤから消すことが出来ます • GTOPO30とNaturalEarthを削除して下さい – 元データは消えないのでご安⼼を 93 QGISの基本的操作⽅法

Slide 94

Slide 94 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 94 ベクタデータの追加 その1  今度はベクタ形式  レイヤ→レイヤの追加→ベクタレイヤの追加をクリ ック  データソースマネージャのアイコンからでもOK  ショートカットキーは「Ctr+Shift+V」

Slide 95

Slide 95 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 95 • 「データソースマネージャー」が表⽰されるので、 ソースタイプ「ファイル」、エンコーディング「⾃ 動」を確認、 ソースの「…」をクリック ベクタデータの追加 その2

Slide 96

Slide 96 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 96 ベクタデータの追加 その3  「OGRのサポートするベクタレイヤを開く」が表⽰  「QGIS_Training¥02_Vector」の「 polbnda_jpn.fgb」をクリックして「開く」

Slide 97

Slide 97 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 97 ベクタデータの追加 その4  ベクタレイヤの追加に戻るので「追加」、「閉じ る」をクリック  ベクタレイヤーが表⽰されます。  例えば⻘森県周辺を拡⼤

Slide 98

Slide 98 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 98 属性を知りたい場合  ⽮印に「i」がついたアイコンをクリック  地図上でクリック  クリックしたポリゴンの情報が表⽰  ここでは都道府県名や市町村名、そして⾯積

Slide 99

Slide 99 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 99 • 情報を知るのとは別に「地物の選択」がある • 「シングルクリックによる地物の選択」をクリック • ⻩⾊く選択される • データの編集、出⼒等に使⽤ 地物の選択

Slide 100

Slide 100 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 100 シンボルを変える その1  レイヤの polbnda_jpnの上で右クリック,「プロ パティ」 をクリック  レイヤプロパティの「シンボロジ」を選択

Slide 101

Slide 101 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 101 シンボルを変える その2  「⾊」の「塗りつぶし」をクリック  「⾊選択」が出るので,好みの⾊を選択  「OK」、「OK」で地図の⾊が変わる

Slide 102

Slide 102 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 102 属性ごとにシンボルを変える  属性ごとに⾊を変えることも可  レイヤプロパティの「シンボロジ」を選択  「単⼀定義」をクリック

Slide 103

Slide 103 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 103 属性ごとにシンボルを変える  「カテゴリ値による定義」を選択、「値」で「 nam」を選択し、「分類」をクリック  nam(都道府県名)毎に⾊が変わる

Slide 104

Slide 104 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 104 属性ごとにシンボルを変える  OKをクリックし、表⽰を確認  都道府県毎にシンボルが変わっている

Slide 105

Slide 105 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 105 シンボルの調節  「シンボロジ」下部の「レイヤレンダリング」を クリック。「不透明度」を調節  表⽰するレイヤーの透明度を変更  下図は50%表⽰の場合。

Slide 106

Slide 106 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 106 シンボルの調節  項⽬毎に,シンボルを変えることもできます。  「スタイル」の都道府県名で「Ibaraki Ken」を右 クリック  「⾊変更」を選択  好きな⾊をクリックして「OK」

Slide 107

Slide 107 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 107 表⽰の調節  レイヤレンダリングで「不透明度」を100にしOK をクリック  茨城県の⾊が変わります。

Slide 108

Slide 108 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 108 ○国⼟数値情報 形状は四⾓いメッシュ 植⽣は単⼀分類、住宅地等 は細かく分類 ○植⽣図 形状は不定形ポリゴン 植⽣は詳細な情報があるが、住宅 地や道路は同⼀分類 モデル化の基準の違い  ”ベクタデータ”であっても異なるデータとなる  国⼟数値情報と植⽣図の違い

Slide 109

Slide 109 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 109 基盤地図情報とOpenStreetMapの 違い 目的に合ったデータの選択が必要 無ければ自分で作る ○基盤地図情報 精度は統⼀ 道路は縁のみ 属性は無し ○OpenStreetMap 精度は不揃い 道路は中⼼線 種類などの属性あり

Slide 110

Slide 110 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 110 Webデータ配信  データの“構造”ではなく“ある場所”が違う  インターネットを利⽤してデータを提供  これまではPCにファイルとして保存  形式はラスタ形式もベクタ形式もある。  地理院タイル、基盤地図情報WMS配信サービス、 OpenStreetMapなどが代表的  GoogleMaps等もそうですが、利⽤規約に注意  基本的に業務上の”印刷・配布は不可”です  背景地図として有効  上⼿く利⽤して⼿間を減らす

Slide 111

Slide 111 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 111 Webデータ配信  OpenStreetMapの追加を⾏う  「レイヤ」→「データソースマネージャー」をクリック  「ブラウザ」→「XYZ Tiles」→「OpenStreetMap」をダ ブルクリック

Slide 112

Slide 112 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 112 Webデータ配信  OpenStreetMapが追加された

Slide 113

Slide 113 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 113 • OpenStreetMapに「el_jpn_wgs84」を透過させて 表⽰した例 Webデータ配信 ※不透明度を「20%」に設定

Slide 114

Slide 114 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 114 • Webデータ配信の代表的な形式がXYZレイヤ • ⽇本語では地図タイルの⽅が⼀般的 • 予めタイル状に分割したデータを配信する⽅式 • Zoom 0が世界全体、Zoomが増える毎にタイルを四分割する • 左上からのタイルの番号で位置を表現 • 講習会の位置は、Z=18、X=230267、Y=102874 XYZレイヤの追加 https://maps.gsi.go.jp/development/siyou.html

Slide 115

Slide 115 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 115 • 新規のXYZレイヤを使えるようにする • 国⼟地理院の標準地図を例とする • データソースマネージャーの「ブラウザ」からXYZ Tilesを右クリック、「新規接続」を選択 XYZレイヤ接続の追加

Slide 116

Slide 116 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 116 地理院タイルへの接続  以下を設定  名前︓地理院タイル標準  URL︓https://cyberjapandata.gsi.go.jp/xyz/std/{z}/{x}/{y}.png ダブルクリック

Slide 117

Slide 117 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 117 • 地理院タイル • 国⼟地理院コンテンツ利⽤規約準拠 • 測量法と政府標準利⽤規約の2種類あり • 基本的には、政府標準利⽤規約でOK • 淡⾊地図 • https://cyberjapandata.gsi.go.jp/xyz/pale/{z}/{x}/{y}.png • 全国最新写真(シームレス)(Z14~18) • https://cyberjapandata.gsi.go.jp/xyz/seamlessphoto/{z}/{x}/ {y}.jpg • ⾊別標⾼図 • https://cyberjapandata.gsi.go.jp/xyz/relief/{z}/{x}/{y}.png • 陰影起伏図 • https://cyberjapandata.gsi.go.jp/xyz/hillshademap/{z}/{x}/{y }.png そのほかのXYZタイル

Slide 118

Slide 118 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 118 • 筆ポリゴン(2019年版) • https://habs.rad.naro.go.jp/spatial_data/maff_fude_id/ mvt/{z}/{x}/{y}.pbf ベクトルタイルも可能

Slide 119

Slide 119 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 119 「プロジェクト」とは︖  GISソフト上では表⽰するレイヤ、倍率、凡例等 を変えることができる  毎回同じように設定するのは⼿間  表⽰されている状態を保存する  これを「プロジェクト」と呼ぶ  保存されるのは表⽰だけ  データ⾃体を変更(編集)した場合、別途保存する

Slide 120

Slide 120 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 120 プロジェクト、ファイル、レイヤについて  「○○レイヤ」を追加  選択したのは「ファイル」  多くのGISソフトでは表⽰された「ファイル」を 「レイヤ」と呼んで管理する  表⽰しているだけ  表⽰されているレイヤは「プロジェクト」として 保存される  表⽰の範囲や、⾊づけ、倍率を保存  元の「ファイル」は編集されない

Slide 121

Slide 121 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 121 プロジェクトの保存 その1  「プロジェクト」の「名前をつけて保存」を選択  「QGIS_Training」フォルダを選択し、「 JAPAN_GIS」と⼊⼒、「保存」をクリック

Slide 122

Slide 122 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 122 プロジェクトの保存 その2  ⼀度QGISを終了してから再起動。「最近使⽤した プロジェクト」から「JAPAN_GIS」をクリック  保存した状態に表⽰が復元されます。

Slide 123

Slide 123 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 123 注意事項  ⽇本語のファイル名、フォルダ名は避ける  ⼆バイト⽂字の扱いが⼗分じゃない場合もある  データを利⽤する場合、座標系を確認  位置参照系の設定をデフォルトで開いた場合  経緯度座標系(単位・度) のデータでも、 UTM(単 位・メートル) として開くので、突拍⼦もない場所に表 ⽰される  デモ(地理院タイル︓EPSG 3857, el_jpn: EPSG 4326)

Slide 124

Slide 124 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 124 プラグインの利⽤法 QGISの基本的操作⽅法 データの表⽰とGUIの使い⽅ 画⾯装飾とエクスポート

Slide 125

Slide 125 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 125 • QGISの機能を拡張するもの • コアプラグイン • 開発チームが提供している(プロセッシングも含まれる) • サードパーティープラグイン • ユーザーが独⾃に開発して提供しているもの • ユーザー参加により多機能を実現 • 「プラグインの管理とインストール」より導⼊可能 • Photo プラグインとは︖

Slide 126

Slide 126 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 126 • プラグインの管理とインストールをクリック • プラグイン管理画⾯が開く プラグインのインストール

Slide 127

Slide 127 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 127 • 検索に「photo」と⼊⼒ • ImportPhotosをクリック、インストール • 完了した「閉じる」をクリック プラグインのインストール

Slide 128

Slide 128 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 128 • ImportPhotos • 写真の情報に元に、QGIS上に写真の位置を表⽰ • プラグイン→ImportPhotos→Import Photos • 以下の通り設定 • Input folder: QGIS_Training¥04_Photo • Output file: 04_Photo/photos.geojson ImportPhotosの使い⽅

Slide 129

Slide 129 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 129 • 上⼿くいくと以下のダイアログが表⽰ • 写真の位置がアイコンで表⽰ ImportPhotosの使い⽅

Slide 130

Slide 130 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 130 • アイコンの表⽰を変更 • ラベルに「Name」(ファイル名)を指定 • シンボルサイズを30に指定 ImportPhotosの使い⽅

Slide 131

Slide 131 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 131 写真撮影地点の表⽰

Slide 132

Slide 132 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 132 • 画像の表⽰ • プラグイン→ImportPhotos→Click Photos • 写真の画像や情報が表⽰される ImportPhotosの使い⽅

Slide 133

Slide 133 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 133 • 「>」をクリックして、次の写真へ • 右下の⾍眼鏡マークで、撮影した場所へズーム ImportPhotosの使い⽅

Slide 134

Slide 134 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 134 • Point Sampling Tools • 点データに、その他のレイヤの属性を付与できる • ただしフィールド名が10⽂字までなので要注意 そのほかのプラグイン

Slide 135

Slide 135 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 135 • 座標系の違うデータを使う場合 • 表⽰上は重なっても、値は取得されない • 座標系を変えてから実⾏ Point Sampling Tools

Slide 136

Slide 136 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 136 • ElevationTile4JP • 国⼟地理院が提供する標⾼タイルを GeoTIFF形式のDEM に 変換 • QuickDEM4JP • 基盤地図情報数値標⾼モデル(DEM)を GeoTIFF形式のDEM に変換 そのほかのプラグイン

Slide 137

Slide 137 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 137 画⾯装飾と エクスポート プラグインの利⽤法 地図・衛星画像の著作権と オープンデータの話

Slide 138

Slide 138 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 138 • 多くのGISソフトでは表⽰と印刷は別画⾯で⾏う • 印刷時に⽅位、凡例、縮尺等の設定が必要 • QGISの場合、⼆通りのやり⽅がある • コンポーザマネージャを使う • 印刷⽤のレイアウトを別に作る • 表⽰画⾯を画像として保存し、別ソフトに貼付 • 今回はこれを実施 地図データの出⼒

Slide 139

Slide 139 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 139 地図データのエクスポート  エクスポートしたい画⾯を表⽰

Slide 140

Slide 140 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 140 地図装飾の追加  スケールバーと⽅位記号を追加  スケールバー︓ビュー→地図整飾→スケールバー  ⽅位記号︓ビュー→地図整飾→⽅位記号

Slide 141

Slide 141 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 141 地図装飾の追加  スケールバー  「スケールバーを有効にする」にチェック  ⽅位記号  「⽅位を使⽤」にチェック  配置位置等は適宜調整

Slide 142

Slide 142 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 142 地図装飾の追加  以下のように表⽰  ステータスバーの「回転」に⾓度を⼊⼒して回転も 可能

Slide 143

Slide 143 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 143 画像のエクスポート  メニューから  「プロジェクト」→「インポートとエクスポート」 →「地図を画像にエクスポート」をクリック  「QGIS_Training」に「北⾥⼤」として保存  他のソフトウェアに画像としてインポート可能

Slide 144

Slide 144 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 144 地図・衛星画像の著作権と オープンデータの話 画⾯装飾とエクスポート

Slide 145

Slide 145 text

地図の著作権侵害 • 2017年に地図の著作権侵害事案があった 145 地図・衛星画像の著作権

Slide 146

Slide 146 text

「出典の明⽰」について • 論⽂や資料を作成するときに、既往の研究を引 ⽤する際「出典」を書きます – 出典を書けば、それで⼗分でしょうか︖ • 著作権法的には⼗分ではないです。 146 地図・衛星画像の著作権

Slide 147

Slide 147 text

研究と著作権法における「引⽤と出典の明⽰」の違い • 研究等の引⽤で「出典」を書くことは、必 要性と慣⾏のためです。 – 出典がないと、記述の真偽が確認できない – 科学者コミュニティ内でそうなってる • たとえば、投稿規定等に書かれている • 著作権法上で「出典」を書くことは、適法 引⽤を必要条件であるため 147 地図・衛星画像の著作権

Slide 148

Slide 148 text

ここでひとつ注意 • 私は、法律家ではありません。 – IANAL - “I am not a lawyer“ なんて項⽬も Wikipediaにある • 法律の解釈や⾔及は、かなりセンシティブ – とはいうものの、無視もできない • 可能な限り、誤りのないように注意してますが、正 しさを保証するわけではないので、ご注意を • ⽇本の話をします – 外国の著作権の規定は対象外です 148 地図・衛星画像の著作権 https://en.wikipedia.org/wiki/IANAL

Slide 149

Slide 149 text

そもそも著作権とは • 著作物の創作者である著作者のみがとりう る利⽤⽅法について,著作権法で規定され ている権利 – 3歳児の書いた落書きからピカソの絵画まで、 同じ権利で保障される • 極めて強い保護がある – 申請の必要なし、⾃動的に付与される – 著作者の死後70年間保護される • 2018年12⽉30⽇から延⻑ – それまでは50年だった・・・ 149 地図・衛星画像の著作権

Slide 150

Slide 150 text

著作権で保護される権利 • 著作者⼈格権 – 公表権、⽒名表⽰権、同⼀性保持権 • その他の権利(著作財産権) – 第 21 条から第 28 条に記載 • 複製権、上演権及び演奏権、上映権、公衆送信 権等、⼝述権、展⽰権、頒布権、譲渡権、貸与 権、翻訳権、翻案権等、⼆次的著作物の利⽤に 関する原著作者の権利 – 地図・衛星画像等を、印刷・コピーするのは複製権、 学会発表やWeb公開は公衆送信権、画像分類やデジ タイジングは翻案権等、の侵害の可能性がある • 利⽤にあたっては著作権者の許諾が必要 150 地図・衛星画像の著作権

Slide 151

Slide 151 text

こんなことでも侵害になる • 「改変が著作権法20条2項3号の「著作物の性質並びにその利⽤の⽬的及び態様に照らしてやむを得な いと認められる改変」に当たるとすることはできない。」(現⾏法20条2項4号)とする。 – といいつつもこれにより、「客観的価値が毀損されたものとは認め難い」、「控訴⼈の社会的評価が著しい 影響を受けたものと認めるに⾜りる証拠は全くない。」ともされてます。 • 重要なのは、「この程度でも裁判になり、慰謝料認められる」という事実があること。 http://www5d.biglobe.ne.jp/Jusl/Bunsyo/HyoukiHanrei.html 151 地図・衛星画像の著作権

Slide 152

Slide 152 text

著作権についての注意喚起 • 著作権者からも注意喚起があります。 – ゼンリンさんの場合 • 買った地図でもダメなのか︖ – 基本的に、ダメ。 152 地図・衛星画像の著作権 http://www.zenrin-datacom.net/copyright.html https://business.nifty.com/zenrin/ https://store.zenrin.co.jp/item/50040320A.html

Slide 153

Slide 153 text

著作物の利⽤について • すべての場合で許諾を取りますか︖ – 無理︕︕︕ • そのため – 著作権の制限 – 利⽤許諾契約 • 使⽤許諾、利⽤規約等ともいわれる が準備されている • 考え⽅としては、 – 著作権法上許可されている利⽤が可能か︖ – 無理ならば、利⽤許諾の範囲内で可能か︖ 153 地図・衛星画像の著作権

Slide 154

Slide 154 text

著作権の制限 1. 保護期間の制限 – 現⾏法では70年 • 着々と伸びてます 2. 許諾なく利⽤できる範囲 – 第30条「私的使⽤のための複製」、第32条 「引⽤」、第35条「学校その他の教育機関 における複製等」 – ここでは、「引⽤」について説明 • その他は以下の解説をどうぞ – https://researchmap.jp/read0059093/publishe d_papers/22933151 154 地図・衛星画像の著作権

Slide 155

Slide 155 text

適法引⽤ • 以下の条件を満たす必要あり – 必要ありです。望ましいではない。 ア. 既に公表されている著作物であること イ. 「公正な慣⾏」に合致すること ウ. 報道、批評、研究などのための「正当な範囲 内」 であること エ. 引⽤部分とそれ以外の部分の「主従関係」が 明 確であること オ. カギ括弧などにより「引⽤部分」が明確に なっ ていること カ. 引⽤を⾏う「必然性」があること キ. 「出所の明⽰」が必要 (コピー以外はその慣⾏があるとき) 155 地図・衛星画像の著作権

Slide 156

Slide 156 text

典型的な「ダメ」な事例 • 地図のトレース – 「公正な慣⾏」とはいえない – 複製・翻案なので「正当な範囲内」とは⾔いがたい – 「主従関係」がない – 「引⽤部分」も不明になる – 他の地図でもいいので「必然性」はない – 「出所の明⽰」されてない 156 地図・衛星画像の著作権 https://www.illareya.net/lesson14.html

Slide 157

Slide 157 text

典型的な「ダメ」な事例 • 地図のトレース – 「公正な慣⾏」とはいえない – 複製・翻案なので「正当な範囲内」とは⾔いがたい – 「主従関係」がない – 「引⽤部分」も不明になる – 他の地図でもいいので「必然性」はない – 「出所の明⽰」されてない 157 地図・衛星画像の著作権 https://www.illareya.net/lesson14.html

Slide 158

Slide 158 text

圧倒的に「ダメ」な事例 158 地図・衛星画像の著作権

Slide 159

Slide 159 text

適法引⽤だと考えられる事例 • 新旧Google Mapsの⽐較 – https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1903/22/news067.html • 主は記事、従が地図。記事として⽐較を⾏うので、正当な範囲であり、新旧の地図の⽐較なので、必 然性もある。 – とはいえ、引⽤以外には使えない 159 地図・衛星画像の著作権

Slide 160

Slide 160 text

利⽤許諾契約 • ⼀定条件の下で利⽤を許諾する – 購⼊した衛星画像は,使⽤許諾契約書が⼊っている • 分析、印刷、配布等が許諾されている • ただし、デットコピーの禁⽌等も書かれている 160 オープンデータについて https://www.google.com/help/terms_maps/ https://www.google.com/permissions/geoguidelines/

Slide 161

Slide 161 text

結局使って良いの︖ • 明⽰的に許諾されている事のみOK – Google マップ/Earthであれば • 地図の表⽰と注釈、 • KML ファイルと地図のレイヤの作成、 • 適切な所有権を持つコンテンツのオンライン、動画 形式、印刷形式における公開表⽰、および • Google マップ、Google Earth、ストリートビュー の使⽤許諾ページに記述されている⾏為 – https://www.google.com/permissions/geoguideline s/ のみがOK – 禁⽌⾏為 • 学術⽬的であっても、以下は明⽰的に禁⽌されてい る – Google マップ / Google Earth を使⽤して地図関連の 別のデータセットを、Google マップ / Google Earth に代わるまたはそれに類似するサービスで使⽤する⽬的 で作成すること 161 オープンデータについて

Slide 162

Slide 162 text

じゃあ、Google Earth Engine は︖ • LANDSAT等の「オープンデータ」を利⽤ 162 オープンデータについて Gorelick, N., et al. (2016), http://dx.doi.org/10.1016/j.rse.2017.06.031

Slide 163

Slide 163 text

これはいいの︖ • 論⽂にGoogle Maps 等を使う – 引⽤では無理 • たぶん,右図の様 なこと • どうすればいいの︖ 1. かう 2. オープンなものを 使う 163 地図・衛星画像の著作権 岩崎・飯⽥(2018)は,Web地図で 利⽤可能な場合を上記のキャプチャの 通りまとめた。 キャプチャ1 まとめの引⽤

Slide 164

Slide 164 text

オープンデータとは • どの様な⽬的であっても、利⽤、改変、再 配布が可能なライセンスで公開されたデー タのこと • 代表的なライセンス – クリエイティブコモンズ • 表⽰(CC BY)、表⽰-継承(CC BY-SA) – 出典の表⽰、同じライセンスの継承 – 政府標準利⽤規約 第2.0版 • 出典の記載、CC BY 4.0 と互換あり – パブリックドメイン(PD)、 CC0 • PD︓著作権の放棄︓ランドサットはこれ – 放棄できない場合に、可能な限り権利を放棄するの がCC0 164 オープンデータについて

Slide 165

Slide 165 text

オープンデータの例 • 政府標準利⽤規約 第2.0版 – 政府統計関係資料(e-Stat) • https://www.e-stat.go.jp/terms-of-use – 地域の農業を⾒て・知って・活かすDB • http://www.maff.go.jp/j/tokei/census/shuraku_data/ – 農地の区画情報(筆ポリゴン)の提供 • http://www.maff.go.jp/j/tokei/porigon/ 165 オープンデータについて

Slide 166

Slide 166 text

オープンデータの例 • ⽇本各地の⾃治体のデータ – https://www.data.go.jp/list-of-database/local- government/ • Shizuoka Point Cloud DB – https://pointcloud.pref.shizuoka.jp/ • 1,770万のLiDARデータもオープンデータ︕ • https://mycityconstruction.jp/products/5251 • OpenStreetMap • https://www.openstreetmap.org/ – 地図はCC BY-SA、データはODbL 166 オープンデータについて © OpenStreetMap 協力者

Slide 167

Slide 167 text

オープンソース&オープンデータの活⽤ • ⼟地利⽤変化の可視化 – https://habs.dc.affrc.go.jp/spatial_data/ maff_fude_id/index.html#14/35.8288/1 40.2323 • データ – 明治時代︓迅速測図 – 現在︓筆ポリゴン • ソフトウェア – ラスタタイル化 • gdal2tiles – ベクタタイル化 • tippecanoe 167 オープンデータについて

Slide 168

Slide 168 text

オープンサイエンス 〜科学の開放 • 近年注⽬されているオープンサイエンス – 知識︓オープンアクセス(OA) – 材料︓オープンデータ(OD) – 道具︓オープンソース(OS) • 科学のオープン化(開放) – 科学者だけでなく、すべての⼈のための科学 • その中での科学者のあり⽅も検討が必要 168 オープンデータについて オープンサイエンス オープン ソース オープン データ オープン アクセス

Slide 169

Slide 169 text

研究成果のオープンデータ化 • 皆さんの成果もオー プンデータ – 「オープンデータ 化の⼿引き」も公 開しています https://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publi cation/laboratory/niaes/manual/083173.html 169 オープンデータについて 手引きへのリンク

Slide 170

Slide 170 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 170 おつかれさまでした 本⽇の講義はここまでです ご意⾒,ご質問をお願いします

Slide 171

Slide 171 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 171 参考資料 地球地図データの ダウンロード⽅法

Slide 172

Slide 172 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 172 地球地図サイト  地球地図⽇本のデータ  http://www.gsi.go.jp/kankyochiri/gm_jpn.html

Slide 173

Slide 173 text

⽇本サンゴ礁学会QGISハンズオン 173 ダウンロードするには  下にスクロールするとダウンロードできます。  ダウンロードしたいデータをクリック  ShapeまたはTIFF形式でDLしてください