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福島県ふたば未来学園高等学校 プログラミング授業実践事例 ~「探究」への活用を目指して~ 福島県立ふたば未来学園高等学校 情報科 教諭 齋須弘泰

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福島県ふたば未来学園高等学校 目次 ◼ 本校の紹介 ◼ 昨年度「情報の科学」でのMonaca活用 ◼ 今年度「情報Ⅰ」でのMonaca活用 ◼ 「探究」活用事例 2

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福島県ふたば未来学園高等学校 本校の紹介 3

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福島県ふたば未来学園高等学校 本校の概要 4 ◼ 所在地:福島県双葉郡広野町 ◼ 東日本大震災と福島第一原発事故により休校となっている双葉郡5校の 意思を引き継ぎ、平成27年に開校 ◼ 令和元年にふたば未来学園中学校が開校し、併設型中高一貫校となる 校舎 双葉みらいラボ みらいシアター café ふぅ

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福島県ふたば未来学園高等学校 トップアスリート系列 バドミントン サッカー 野球 レスリング スペシャリスト系列 農業 工業 商業 福祉 アカデミック系列 本校の系列 5 総合学科

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福島県ふたば未来学園高等学校 本校の探究活動 ◼ 未来創造探究 6

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福島県ふたば未来学園高等学校 Monacaを課題解決の手法として活用できないか? 情報の時間にMonacaを使いこなせるように指導していく 7

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福島県ふたば未来学園高等学校 Monacaを選んだ理由 ◼ ブラウザベース、Googleアカウントとの連携 ◼ 結果がすぐプレビューできる ◼ プロジェクトの管理がしやすい ◼ 作成したプログラムはスマホアプリとして動かすことができる – 生徒の達成感につながる – プログラムをより身近なものとしてとらえることができる ◼ デバッグアシスタント ◼ モナかこみフォント(全角文字を見つけやすい) ◼ 3年間じっくり使うことができる(スタンダードプラン) – 探究への活用 – 受験対策 8

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福島県ふたば未来学園高等学校 昨年度「情報の科学」における Monaca実践事例 9

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福島県ふたば未来学園高等学校 「情報の科学」授業概要 ◼ 情報の科学 1年次2単位 – アカデミック系列、スペシャリスト系列が履修 ◼ 情報の科学 2年次2単位 – トップアスリート系列が履修 10

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福島県ふたば未来学園高等学校 プログラミング授業の流れ(昨年度) ◼ プログラミング分野の学習においてMonacaを活用 ◼ テキストに沿って1~12章までを学習(12時間) ◼ グループに分かれて「アプリ開発」を行う。(8時間) ◼ アプリ完成後、発表会(1時間) ◼ 主に教材アプリの改変(〇〇クイズ、心理テスト、PKゲーム、連打ゲームなど) 11

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福島県ふたば未来学園高等学校 昨年度の振り返り ◼ アプリのコードの中で、変更のポイントを伝え、自分なりにアレンジ ◼ プログラムを作り上げる達成感を得られた 12 テキストを見なくても自分でプログラムを作ることができ、 作ったプログラムについて流れを説明することができる。 テキストを見ながら、自分でプログラムを作ることができ、 作ったプログラムの流れについて説明ができる。 テキスト等を見ながら、自分でプログラムを作ることがで きる。 テキスト等を見たり、他人に教えてもらったりしながら、 自分でプログラムを作ることができる。 テキスト等を見てそのまま入力してプログラムを作ること ができる。 3.8% 3.7% 3人 16人 32人 26人 3人 (生徒振り返りアンケートより) この層を増やしたい

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福島県ふたば未来学園高等学校 今年度 情報Ⅰにおける Monaca実践事例(進行中) 13

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福島県ふたば未来学園高等学校 今年度 授業概要 ◼ 情報Ⅰ 1年次2単位 アカデミック系列、スペシャリスト系列、トップアスリート系列 (アカデミック系列のみ、3年次に1単位履修(増単)) ◼ 情報の科学 2年次2単位 トップアスリート系列 (プログラミング分野については情報Ⅰと共通) ◼ HTML+CSS+Javascript 14

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福島県ふたば未来学園高等学校 意識したこと ◼ 情報デザインもMonacaで!HTML+CSS(入力に慣れさせる目的もあり) ◼ 自分で考えてプログラムを作ることができる思考力を身に付ける ◼ 身近な題材をプログラムで表現し、「〇〇に使えるかも…」など問題解決を 意識させる ◼ 探究への活用(1年次後半から探究活動が開始) 15

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福島県ふたば未来学園高等学校 Monacaを活用した授業の予定 16 授業内容 配当時間 情報デザイン、Webページ作成実習(HTML+CSS) 4 アルゴリズム 1 変数、代入、四則演算 2 条件分岐 2 繰り返し・配列 2 モデル化とシミュレーション 4 アプリ開発(グループ活動) 7 合計 22 ←今ここです

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福島県ふたば未来学園高等学校 情報デザインにMonacaを活用し、慣れる ◼ 簡単なWebページ構成 17

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福島県ふたば未来学園高等学校 生徒の振り返り(Webページ作成実習) ◼ リンクが行き来できるようにしたつもりだったけど、出来ていなくてそれが一番苦戦しました。打ち間 違いで英語を直したらリンクが繋がりました。全体的に難しかったけど、楽しくできて良かったです。 ◼ 最初は難しくてついていくのに必死でしたが、最後のほうは周りの人たちに教えられるくらいの余裕が できました。 ◼ ガイドがあれば自分でもWebぺージが作れそうだなと感じました。ただ、私は地道な入力作業が苦手な ので一つミスがあるとイライラしそうだなと思います。今後の探究や自分の作りたいものができたとき にmonacaを活用していきたいです。 ◼ 色や文字の大きさなど、美術的な要素も含んでたりしていて、他教科を生かすことができてそんなとこ ろにもプログラミングが生かせるのか、と驚いた。 ◼ 難しかったです。ほかのページに飛ばす方法が未だにわかりません。 18

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福島県ふたば未来学園高等学校 いざ、プログラミングの授業へ… 変数・代入・四則演算を学ぶ授業 19

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福島県ふたば未来学園高等学校 授業の構想 ◼ プログラミングの最初の授業…とりあえず何か計算させたい! ◼ しかし a=10+20; のように計算するのは電卓でもできる ◼ keisanサービス https://keisan.casio.jp/ から計算式を探しました ◼ 運動による消費カロリー計算式を発見! – 消費カロリー計算式(簡単に求められる) METsの値 × 体重(kg) × 運動時間(時間) × 1.05 20

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福島県ふたば未来学園高等学校 運動による消費カロリー計算プログラム ◼ 運動部に所属する生徒が多い ◼ メッツの値を自分の競技の値にしてみる ◼ ダイエットなど、自分の問題解決に当てはめやすいのでは? ◼ 計算式を変えて他の計算に応用する生徒が出てくるのでは? (自力でプログラミング) ◼ 変数と四則演算を学習する ◼ promptで入力、alertで結果表示 21 引用:「健康づくりのための身体活動基準2013」及び 「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」について https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple.html

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福島県ふたば未来学園高等学校 身近な題材を用いた導入 ◼ まずは電卓のように…変数は使いません! ◼ 変数を使ったプログラムに置き換えていきます 22 プログラムを作れる人じゃないと 計算できないよね? プログラムを変えなくても 値を変えられるようにするには? 表示結果 何の数値か わからなくない?

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福島県ふたば未来学園高等学校 身近な題材を用いた導入 ◼ 最後にはpromptを用いて使いやすく! ◼ コピー&ペーストを活用させます ◼ いずれテキストボックス等のフォームを用いてよりアプリに近い形にしていく 23 入力フォーム

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福島県ふたば未来学園高等学校 値を色々変えて、シミュレーションさせてみる ◼ 各自、結果をワークシートに記入します 24

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福島県ふたば未来学園高等学校 生徒のワークシート 25 時間を24時間にして シミュレーションしてい る生徒もいました

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福島県ふたば未来学園高等学校 生徒の振り返りより 26 処理の効率化について述べている 生徒 身近な問題解決への活用 普段見ているアプリとの関連を 考察している生徒 「探究」へ活用できそうな 生徒を発見!

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福島県ふたば未来学園高等学校 消費カロリー計算の授業はこちらに詳しく掲載されています ◼ 福島県教育センター 共通教科「情報科」特設サイト内 – https://sites.google.com/fcs.ed.jp/fukushima-center- kkj/%E6%83%85%E5%A0%B1%E6%8E%88%E6%A5%AD%E6%94%AF%E6%8F%B4/%E7%AC%AC%E5%9B%9 E%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%8E%88%E6%A5%AD%E3%81%B5%E3%81%9F%E3%81%B0%E6%9C%AA% E6%9D%A5 ◼ 授業の様子も動画で掲載されています ◼ その他、教科「情報」に関する事例が多く掲載されています 27

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福島県ふたば未来学園高等学校 その他の演習 28 ◼ 年齢計算プログラム 身長(cm)を入力すると、「身長〇〇cmの人の適正体重は〇〇kgです」 と表示されるプログラムを作ろう ◼ 適正体重計算 適正体重 = (身長(m))2 × 22 ◼ 赤点判断 点数を入力し、30点未満なら「赤点です」と表示し、そ うでなければ「赤点ではありません」と表示されるプロ グラムを作ろう ◼ 5段階評定判断 点数を入力フォームから入力させ、点数の値によって1~5の評 定を表示するプログラムを作ろう。 →複数条件(&&と||)をここで学習します。 ten>=0 && ten<30 で評定1 ten<0 || ten>100 をエラーとするなど

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福島県ふたば未来学園高等学校 Javascriptのみでクイズアプリ 29 今後、HTML+CSSと 連携させていく 変数、分岐、繰返し、配列を学習した後、これらを全て活用して作成

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福島県ふたば未来学園高等学校 今後の「探究」への活用に向けて 30 「探究」へ活用できそうな生徒

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福島県ふたば未来学園高等学校 探究への活用事例(昨年度) ◼ まだまだ始まったばかり ◼ 「ケガゼロプロジェクト」(昨年度2年次トップアスリート系列の生徒) – アスリートのケガを防ぐために不足しているタンパク質を計算するアプリを開発、生徒にテスト ユーザになってもらい、アンケートを取り、課題解決につなげた 31 もう少し UIの工夫が必要ですね

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福島県ふたば未来学園高等学校 探究への活用事例(今年度、進行中) 32 サウンドスケープ 「はまのーと」 • 音符マークをクリックするとその地域に流れる音を聴くことができるアプリ→地域理解の促進 • 今年度1年次の生徒が各地域の音を録音し、作成 • 生徒にはサンプルを提示し、それを改変する形で作成していった この生徒が所属するグループによって 作成されました まだまだ改良していきます

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福島県ふたば未来学園高等学校 ご清聴ありがとうございました。 33 https://futabamiraigakuen-h.fcs.ed.jp/