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組織/企業/グループを超えた エンジニアのつながりを広げる イベントをしている話 @Mahito 2020/7/25(Sat)

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本日のお話 エンジニアのつながりが少ない中からゆるいつながりを作り、 つながりを広げるためのイベントを開催しているはなし & イベントでの取り組みや課題、今後について

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About Me Mahito Ogura NTTコミュニケーションズ ▸ クラウドや分散システム等の技術調査 ▹ CI/CD pipeline, Chaos Engineering ▹ 分散トレーシング, OpenStack, etc... ▸ エンジニア向けイベントの開催 ▹ NTT Tech Conference (主催者) ▹ NTT Engineers' Festa(主催者) ▸ エンジニア採用/環境改善の支援

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About Me Mahito Ogura NTTコミュニケーションズ ▸ クラウドや分散システム等の技術調査 ▹ CI/CD pipeline, Chaos Engineering ▹ 分散トレーシング, OpenStack, etc... ▸ エンジニア向けイベントの開催 ▹ NTT Tech Conference (主催者) ▹ NTT Engineers' Festa(主催者) ▸ エンジニア採用/環境改善の支援 NTTの方からきました!

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NTTグループ

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NTTグループ 連結子会社 979 社 従業員 319,050 人 2019年度の数字 NTTグループインフォメーション: https://www.ntt.co.jp/ir/private_investor/business/02.html

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イメージ(理想) グループ企業のイメージと現実 現実

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イメージ(理想) グループ企業のイメージと現実 現実 被ってる領域はある でも 接点も交流もない...

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現在の状況 接点 ▸ グループのエンジニア有志が集まる Slackチーム 交流 ▸ エンジニアの集まるイベントの開催 ▹ NTT Tech Conference ▹ NTT Engineers’ Festa

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NTT Tech Conference

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NTT Engineers' Festa 出典:https:/ /www.flickr.com/photos/inucara/4834256475

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タイムライン 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 Slackチーム誕生 NTT Tech Conference #0 NTT Tech Conference #1 NTT Engineers' Festa #1 NTT Tech Conference #2 NTT Tech Conference #3 NTT Engineers' Festa #2 NTT Engineers' Festa #3 NTT Engineers' Festa #4 NTT Tech Conference #4

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つながるきっかけ https://www.slideshare.net/jacopen/ss-54455864

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会社は勉強会をやるような文化があまりない → 会社の積極的なサポートは期待できない グループ内に24万人(当時)いる → 100人ぐらい一緒にやってくれる人がいるはず NTTグループエンジニア有志のSlackチームが生まれる 当時(2014年)

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knjcode/slack-inviteviz:https://github.com/knjcode/slack-inviteviz

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招待制のSlackにしたが繋がりが繋がりを生んでいく ▸ 近くにいる凄腕エンジニアを誘う ▸ 興味のある人に声をかけてと呼びかける 参加者が知り合いを呼んでどんどん参加者が増える! ゆるいつながりがつながる

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416人
 (2017年1月26日時点) 
 ちなみにNTTグループは 
 249,000人(2016年9月時点) 


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416人
 (2017年1月26日時点) 
 ちなみにNTTグループは 
 249,000人(2016年9月時点) 
 
 現在 587 人
 (2020/7/21時点 Deactivated含めた数は 1055人) 


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集まったエンジニア有志で勉強会の積み重ね https://www.slideshare.net/jacopen/ss-54455864

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有志の勉強会で良かったこと 1. 数を活かす ▸ 人数が多いと、数人はその分野に詳しい人がいる 2. ゆるいつながりの身軽さを活かす ▸ 有志で身軽にやりつつ、組織で必要なテーマを必要なときに開催する 3. 認知して参加してもらう ▸ 勉強会は役に立つ、交流できると認知してもらい仲間を増やす → 1に戻る

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有志で一般向けのイベントを検討 グループ内で勉強会をしてるうちに、 自分たちの取り組みを外にも広げたいと思った どんなイベントにするかなどをSlack上で有志で相談 ▸ イベントの目的は? ▸ 予算や会場はどうやって抑える? ▸ コンテンツをどうする? ▸ 自分が参加して面白かったイベントは?

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予算・会場/時期 予算 ▸ 会場費(200人が収容する場合, 半日で約20万円〜) ▸ お茶・お菓子代(参加者想定 x 500~1,000円) ▸ 懇親会費(参加者想定 x 3,000~5,000円) 会場 / 時期 大きい会場で開催する際の狙い目は1~2月と8月 ▸ 大きい会場は3,5,6月は株主総会や就職説明会で使われることが多い ▸ 3,6,9,12月は四半期〆で忙しいエンジニアが多い ▸ 9~11月はOSS系の大きいカンファレンスが国内外で開かれる

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発表形式 (TechConf#0~) ▸ イベントの基本, 最近はAsk the speakerも実施中 議論形式 (TechConf#0~) ▸ 交流の意味も兼ねて全員参加型のオープンディスカッション 展示/デモ (TechConf#1~) ▸ TechConf#0で発表者がそのまま展示を始めたのをきっかけで常設 ワークショップ (TechConf#3~) ▸ TechConf#2のハンズオンセッションが好評だった結果常設 コンテンツの種類と歴史

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他のイベントからの学び 議論はOpenStack Ops Meetupを参考 Ops MeetupはOpenStackの運用者たちが集まって議論/交流を行うイベント

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コンテンツ募集と選定 コンテンツ募集 ▸ CFP(Call for Proposals)をグループ内に公示 ▸ 自分の知ってる面白いエンジニアに声がけ ▸ 趣味の発表もOK コンテンツ選定 ▸ 実は選定をしたことがない ▹ 毎回いい感じの数が来る ▹ 多いときはタイムテーブルとにらめっこして調整 ▸ 人が集まりそうなコンテンツを調べるために投票をしたこともある

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NTT Tech Conference

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NTT Tech Conference とは NTTグループの技術者たちが 気軽に発表や議論による知識の共有や 仲間・人脈作りができるイベント - NTT Tech Conference #0 より抜粋 -

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NTT Tech Conference #0 他社のようなTechnology Conferenceをやりたいが、 外部を巻き込んだイベントの経験がない ▸ とりあえずグループ内でやってみようの第0回! 回答理由(抜粋) ✘ 幅広い分野の話が聞けてよかった ✘ コアな話を聞けてよかった ✘ NTTグループ内という距離感がよかった ✘ グループ内のエンジニアと交流ができた Q. 次も参加したいですか?

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NTT Tech Conference #0 他社のようなTechnology Conferenceをやりたいが、 外部を巻き込んだイベントの経験がない → とりあえずグループ内でやってみようの第0回! 回答理由(抜粋) ✘ 幅広い分野の話が聞けてよかった ✘ コアな話を聞けてよかった ✘ NTTグループ内という距離感がよかった ✘ グループ内のエンジニアと交流ができた Q. 次も参加したいですか? ヨシ!

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NTT Tech Conference #1

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#1 の振り返り 良かったこと ▸ 「NTTがこんなイベントをやるとは思わなかった!」と好意的だった ▸ 展示で2時間話し込む猛者がいた ▸ 取材に来てくれるメディアの方がいた 反省点 ▸ NTTの内輪ネタや愚痴などがみられた点についての指摘 ▸ テーマをソフトウェアに絞っていた ▹ 機械学習やセキュリティ、NWなど広いジャンルを求められていた

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NTT Tech Conference #2

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#2 の振り返り 良かったこと ▸ TechConf#1でイベントが認知され発表希望者が増えた ▸ 発表のジャンルが増えた ▸ アンケートで「前回の内輪感がなくなった」との声 ▸ コンテンツが記事になり、バズった 反省点 ▸ 記者の方が参加してると知らなかったので対応が後手に回った

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NTT Tech Conference #3 & #4

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NTT Tech Conference #3 & #4 時間の都合割愛 (気になる方はAsk the Speakerでお声がけください!)

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NTT Engineers' Festa 出典:https:/ /www.flickr.com/photos/inucara/4834256475

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Goals of NTT Engineers' Festa このカンファレンスは ▸ NTTグループ間で技術交流をし、自分たちの持てる技術を示して、参加 者がもっとおもしろいエンジニアになること ▸ 自社内やNTTグループにおけるエンジニアの課題について議論し、会社 側に対して改善提案などを行うことで、エンジニアとして、より働きやすい 環境に変えていけるように働きかけること ▸ これらを実現するためのイベントを通したNTTグループ内の仲間・人脈づ くり を目的としています

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グループ内カンファレンス きっかけはTechConfのアンケート ▸ アンケートに「NTTグループ内でしかできない話をしたい」とあった ▸ スタッフの中にも TechConf#0 の楽しかった思い出がある 内輪の話や会社・グループ内の課題を話せる場を作る ▸ NTT Tech Conferenceとは別のイベントとして開催 ▸ 「ワイワイ楽しく」という感じでの意味でFesta(祭)とつけた

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Goals of NTT Engineers' Festa このカンファレンスは ▸ NTTグループ間で技術交流をし、自分たちの持てる技術を示して、参加 者がもっとおもしろいエンジニアになること ▸ 自社内やNTTグループにおけるエンジニアの課題について議論し、会社 側に対して改善提案などを行うことで、エンジニアとして、より働きやすい 環境に変えていけるように働きかけること ▸ これらを実現するためのイベントを通したNTTグループ内の仲間・人脈づ くり を目的としています

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人事・情シスを巻き込んだ議論のきっかけ 人事担当に会うことに エンジニア有志の中で労働環境や条件に疑問や不満があったが、 有志で頑張っても無理があると思っていた Tech Confに参加していた人からNTTの人事担当を紹介され、 NTT Tech Conferenceに関する説明をしに行った際に 「ソフトウェアエンジニアをどうしたらいいか悩んでる」と相談される わかんないなら話しましょ!!!

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1. 人事制度について 2. キャリア、給与、制度について 3. 各社の社内システムについて 4. エンジニアの育成について 5. グループ共通ITについて 人事・情シスにつなりがりをひろげ議論

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エンジニアのはたらきかたそだてかた #3 当日の様子

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議論を通じてわかったこと 人事も情シスもみんな悩んでる 悩んで自分たちだけで考えて行動した結果、 我々エンジニアのニーズと合ってない施策になりがち 良くなること待っていても思った結果は得られない 自分たちから話しにいって声を届けるのが大事 リソースがなくて動けていないこともあるので、 助け合いやおしかけエンジニアが大事

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イベントから学ぶことはたくさんある TechConf#2にて 車椅子の方が来場していたが、 そうした来場者の想定をしておら ず通路が(多分)狭かった 現在 車椅子の方が困らないよう 通路を広めに設置 どんな人が来るか、何が起きるか はは当日までわからない

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「やめたほうがいいかな?」は止めたほうがいい ▸ 自由にやれるのに会社に変な忖度をしたことがあった ▸ 後の参加者アンケートに「いらなかった」とはっきり書かれた... アンケート設計は大事 ▸ 「忌憚ない意見を」って書いたら本当に忌憚ない辛辣な回答が来た ▹ イベントの疲れとダメージが相まって2週間熱下がらなかった... ▸ アンケートの目的は何で、そのために何を聞きたいのかをよく考える ▹ 例:イベントを良くするためにどうすればいいのか 他の学び

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開催後の振り返りと次回への反映 イベント後にスタッフと振り返り(KPT) 次のイベント開催前に前回の振り返りを確認

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よかったこと ▸ NTTのイメージが変わったと言ってくれる人がいる ▸ NTTグループの内外で交流が生まれた ▸ 他社の人事の方からイベント開催について相談が来た ▸ イベントを見て入社した人がいる(なお下の方は現在退職済み ...) 写真:TechConf #1

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困っていること/悩み ▸ イベントの継続性 ▹ 主催者のモチベーション ▹ 後継者問題 ▹ スタッフの負担 ▸ 出席率 ▸ 招かれざる来訪者

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会社からの評価 ▸ 評価面談の際に「いいことをしてるのはわかるんだけど...」という評価 ▸ 業務の時間を使うことで本業の時間が削られる ▹ 運営に時間をかけると本業の時間がないので成果は出しにくい ▸ 会社の公式イベントにすると評価されるし楽になるかもしれないけど、参加者 が楽しくないイベントにはしたくないという葛藤 キャリアへの影響 ▸ イベントに時間が取られてエンジニアリングができない ▹ エンジニアとしての成長ができてないという不安に駆られる 主催者のモチベーション問題

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自分のやりたいことが何かを考えた ▸ 就職する前に思ったこと、今思っていることを考えた ▸ 外にもフラフラとお話を聞きにいったらアイデアをもらえた ▸ まだやってないことをやりたいと思った 本と出会った ▸ 『エンジニアリング組織論への招待』 ▸ 会社の不確実性をなくすのもエンジニアリングって言われて救われた モチベーションをどうしたか

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イベントの継続性 後継者問題 ▸ ノウハウはドキュメントに溜めているが主催者(私)の後継がいない スタッフの負担 ▸ スタッフが事前準備や当日の対応で疲弊 ▸ 現在は運営の一部をイベント業者さんにお願いして の力でスタッフの負担を減らすことで、ゆるく長く続くように改善

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出席率 無料イベントの平均参加率は67.5% [1] ▸ 出席率 = 来場者数 / 参加予定数 ▸ NTT Tech Conferenceの一般枠出席率は50% ~ 62.5% ▸ 参加できたのに抽選の結果、参加できない人がいる 対策として「確実に参加」枠を用意 ▸ 確実に参加してくれる人を優先する ▸ NTT Tech Conference #2 以降設置 ▹ 平均参加率は85% [1]:Peatix BLOG: 無料勉強会の平均出席率は67.5% :勉強会 参加/無断欠席率を出してみた

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イベントにはまれに困った方もこられます・・・ ▸ 懇親会を無料にすると増える(体感) ▸ お断りに書いてあっても読んでない 例:イベント本編に参加せず懇親会にだけ参加する人 ▸ タダ飯狙い ▸ 人材ハンティング目的 多くは見つけ次第お帰りいただくかスタッフが見ております。。。 招かれざる来訪者

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今後 NTT Tech Conference #5 ▸ まだ計画前 ▹ 例年通りだと2021年 1月~ 2月 ▹ オンラインカンファレンスになるかも NTT Engineers' Festa #5 ▸ まずは#4の振り返りとまとめ いつか「はたらきかた・そだてかた」の議論をTechConfでやりたい!

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エンジニアのつながりを広げるイベントのために ▸ 仲間を集める ▸ トライアルをする ▸ 実際にイベントを行い実績を作る ▸ 経験やアンケートから改善をする ▸ イベントを続けていく まとめ

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宣伝:NTT Performance Tuning Challenge 2020 ■ NTT Performance Tuning Challengeとは 用意されたWebアプリケーションを、制限時間内にいかに高速化できるかを競う、 チーム対抗のプログラミングコンテストです。 ■ 参加できる方 下記で構成されたチーム(最大3名) ▸ NTTグループの社員(各社の派遣社員に相当する方を含む) ▸ NTTグループに興味のある学生(社員との混成も可)

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宣伝:NTT Performance Tuning Challenge 2020 ■ 開催日程 ▸ 練習会(任意参加) : 日程調整中; オンライン開催 ▸ 本戦/表彰式: 2020年9月11日(金) 終日; オンライン開催 ■ エントリー方法 こちらのフォームに必要情報を記入して下さい https://forms.gle/Y4qg3XNKBjqvuT16A(締切:2020年8月11日 火曜日) ■ 問い合わせ先 NTT Performance Tuning Challenge事務局

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参考 ▸ NTT Tech Conference - connpass ▸ NTT Tech Conferenceというイベントを主催してみた ▸ OpenStackのコアコミッターが明かす、NTTでOSSコミュニティー活動を主業 務にできたワケ ▸ 闇のDevOps DevOpsと業績評価 ▸ Large Scale Jirou Classification - ディープラーニングによるラーメン二郎全 店舗識別 ▸ 「ラーメン二郎」全店舗“見分ける”bot NTTコムウェア技術者が趣味で開発