Slide 1

Slide 1 text

AIコーディングネイティブ世代の バイブコーディングに対する雑感 2025/07/31 さくらのAI Meetup vol.12「バイブコーディング」 Yudai Yamamoto (@yyo616)

Slide 2

Slide 2 text

Yudai Yamamoto (@yyo616) • ソフトウェアエンジニア • NTTドコモビジネス株式会社 • AI Safety に関するプロダクト開発、研究開発 • 2023年の新卒入社直前に GPT-4 が発表された AIコーディングネイティブ世代(自称) @yyo616 自己紹介

Slide 3

Slide 3 text

https://chakoshi.ntt.com/

Slide 4

Slide 4 text

No content

Slide 5

Slide 5 text

2023年の新卒入社の直前で GPT-4 がリリース

Slide 6

Slide 6 text

2023年の新卒入社の直前で GPT-4 がリリース

Slide 7

Slide 7 text

AIの成長速度 >>> 人間の成長速度に対する不安感 • 新卒入社前に GPT-4 を使用し、ある種の知性を感じ衝撃を受けた。 • 成長速度が圧倒的 • 当時も GPT 3.5 から約半年の期間で急成長していた。 • Scaling Law で性能が伸びていくことはほとんど自明だった。 • エンジニアキャリアへの不安感 • 上の世代は追い抜かれるかどうかを心配しているが、自分はスタート時点から追い 抜かれている。 • エンジニアリングで AI に勝てることはないのかもしれない。

Slide 8

Slide 8 text

バイブコーディングというパラダイムシフト • バイブコーディング、特に Claude Code • 速度、コストが圧倒的。生成品質も良好。 • 曖昧な指示でも自走し、気づいたらなんか動くものができている。 • 複雑な機能の実装、高度なアルゴリズムの実装、論文内容の再現実装もできる • 「AI はトイアプリのコードしか書けず、現場のコードは書けない」と揶揄する人はほ とんどいなくなった。

Slide 9

Slide 9 text

• 当初の目論見通り、総合的に見れば圧倒的にAIと差がひらいた。 • AIの成長速度は圧倒的 • 特に開発速度や知識量では天と地ほどの差がある • 一方で部分的に見れば、自分の方が AI に勝る領域がある。 • 設計、実装のセンス、特定領域の知識では勝っていると感じることが意外にも少なくない。 • 設計全般、最新のアップデートを組んだコードの実装、 保守性を考えたテストコードの実装、細かいスタイリング … etc • AI×人間(yyo616) >>> AI >>> 人間 (yyo616) • 今のところ適切にAIを使う人間がもっともパフォーマンスが高い AIコーディング勃興の2年間を過ごしてどう思っているか

Slide 10

Slide 10 text

チェスにおけるAIとの協調事例 *2025年現在では、AIの能力が向上した結果、チェスの分野では人間との協調プレイよりもAI単体での性能が高い

Slide 11

Slide 11 text

• t-wada「LLMは知識はあるが知恵はない」 • 知恵を持ちそれを伝える、構造化するのは人間の役目 • バイブコーディングによって、スループットが増えることでエンジニアリングの本 質でもある「ソフトウェアの複雑さ」に向き合うことが増える • 設計、テスト、品質保証、レビュー、DevOps などソフトウェアエンジニアリ ングの知恵を活用することで複雑性に立ち向かう • ↑はこれまでも重要だったこと。バイブコーディングでより強調される AIコーディング時代もできることは多い

Slide 12

Slide 12 text

• 「緊急度が低く、重要度も低い」タスクをAIにやらせない AIに自走させやすいシンプルで小粒なタスクは価値を本当に生んでいるのか? • 重要なタスク、難しいタスクをAIコーディングで効率化しつつ、余った時間を顧客理解や社 内効率改善などに充てる。 AIが進化して無限に忙しいし、知的労働ができなくなっていく (Sotaro Karasawa) AIコーディング時代もやるべきことを見失わない

Slide 13

Slide 13 text

バイブコーディング時代にエンジニアとしてキャリアを 始めてもエンジニアとしてやれること、やるべきことは 沢山ある バイブコーディングで変わるものもあるが、変わらない ものもある これまで通り学び続けよう まとめ